起立性調節障害で高校に行けない朝、出席と単位を立て直す方法

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朝、起きようとしても体が動かない。立ち上がると目の前が暗くなる。昼を過ぎると楽になってきて、夕方にはふつうに動ける。だから「怠けている」と見られやすく、本人もそう思い込みそうになる。

この記事では、起立性調節障害で朝の登校が難しい高校生が、何をどの順番で動かせばよいかを整理します。先に書いておくと、すべての分かれ目は、午前の授業をどう埋めるかにあります。体調を戻す話と、単位を守る話は別に進めてください。

記載内容は2026年10月時点で、制度に関する部分は末尾に挙げた公的機関の資料にもとづいています。診断や治療については主治医に確認してください。

結論:午前の授業をどう埋めるかが、すべての分かれ目になる

  1. 欠課は1時間目と2時間目に集中して積み上がる。そこに入っている教科だけが危ない
  2. どの教科が何時間目にあるかを一覧にすると、守るべき教科がはっきりする
  3. 学校に配慮を求める法的な根拠がある。2024年4月1日から、事業者による合理的配慮の提供が努力義務から法的義務になった
  4. 午前が動かせないなら、午後から始まる形の学校が制度として存在する
  5. 間に合わない見込みが立ったら、在籍したまま移る「転入」を検討する

欠課の偏りを先に確認する

全日制高校では、各教科の授業にどれだけ出席したかが単位認定の条件になっています。基準は学校ごとに定められていて、欠課が一定の割合を超えるとその教科の単位は認定されません。

起立性調節障害の場合、欠席は「午前だけ」という形で偏ります。1日まるごと休むより、1時間目と2時間目を落とす日が積み上がる形になりやすい。つまり危ないのは、その時間に入っている教科だけです。

作るべき一覧

時間割を横に、教科を縦に取って、1時間目と2時間目に入っている教科を囲んでください。そのうえで担任に次の数字を出してもらいます。

確認すること なぜ必要か
教科ごとの欠課上限 残りどれだけ休めるかが教科ごとに違う
現時点の欠課時数 記憶とずれていることが多い。記録を見せてもらう
遅刻の換算 何回の遅刻で1回の欠課になるか。遅刻のほうが有利なら、遅れても登校する判断ができる
1〜2時間目の教科 そこに必修や単位数の多い教科が入っていると影響が大きい
補習や課題による救済 欠課分を補う仕組みがあるか。あるなら条件と締切

3つ目は実際に効きます。遅刻として扱われるなら、1時間目に間に合わなくても登校する価値があるという判断ができます。欠席と遅刻のどちらで記録されるかは、到着時刻や学校の規定によって変わります。

学校に相談できること

相談の根拠

障害者差別解消法が改正され、内閣府の案内によれば2024年4月1日から、事業者による合理的配慮の提供がそれまでの努力義務から法的義務になりました。文部科学省が定めた対応指針は、この「事業者」に学校法人なども含まれるとしています。つまり私立学校も合理的配慮を提供する法的義務を負い、公立学校は行政機関として、それ以前から義務の対象です。障害者手帳の有無は要件ではありません。

求められる配慮の例

  • 登校時間を遅らせることを認め、その扱いを通常の遅刻と分けて記録する
  • 1時間目と2時間目に必修や単位数の多い教科が入らないよう、時間割の編成で配慮してもらう
  • 午前に欠課した分を、課題や補習で補える仕組みを用意してもらう
  • 登校直後に体調が整うまで保健室で休み、その時間を欠課としない扱いにする
  • 朝の全校集会や朝礼の参加を免除する
  • 体育の1時間目を見学扱いにし、見学レポートで代替する
  • 定期試験の開始時刻が早い場合、別室で時間をずらして受ける

2つ目は年度の初めにしか動かせません。時間割が決まってしまうと1年間変わらないため、相談は年度末から年度初めに行ってください。この一手が効くかどうかで、1年分の欠課が変わります。

最後の項目も見落とされがちです。試験が1時間目から始まる場合、受けられないと評価そのものが付きません。試験の2週間前までに申し出てください。

何を書いて出すか

書く項目 書き方
起きていること 起床できる時刻、立ち上がったときの症状、体調が整う時刻。1〜2週間の記録があるとよい
困っている場面 どの時間帯の授業に出られないか。何時以降なら出られるか
求めたい配慮 時間割の編成、遅刻の扱い、課題による補填など、こちらから案を出す
医療機関の情報 受診している診療科と、意見書を出せるかどうか

記録を持っていくことには、もう一つ意味があります。「何時に起きられたか」を書いた紙は、怠けていないことの説明そのものになります。本人の主張より、記録のほうが話が早い場面があります。

学校が動かない場合

  1. 学年主任、養護教諭、管理職に相談する。保護者から話してもらう
  2. 設置者に相談する。公立なら都道府県または市町村の教育委員会、私立なら都道府県の私学を担当する部署
  3. 内閣府が設けている障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」に相談する。障害者差別解消法に関する質問や、配慮を求めたのに理由なく断られた場合の相談を受け付け、適切な窓口へつなぐ調整も行っている

午前が動かせない場合の選択肢

配慮を受けても午前が埋まらないなら、通う形そのものを変える段階です。起立性調節障害で重要なのは、授業の開始時刻を選べる学校が制度として存在するということです。

方法 どういうものか 注意する点
今の学校に残る 配慮を受けながら続ける 1〜2時間目の教科の欠課に余裕があるかで判断する
定時制への転入 昼間部や夜間部など、開始時刻が遅い課程 設置状況は地域によって差がある。通学時間も含めて確認する
通信制への転入 登校日数が少ない形で卒業を目指す スクーリングの時間帯を確認する
編入 退学したあとに別の学校へ入り直す 空白の期間ができる。先に転入を検討する

定時制は、かつての夜間だけでなく、午後から始まる昼間部を設けている学校もあります。設置の状況は地域差が大きいため、都道府県の教育委員会のサイトで、通える範囲にどの課程があるかを調べてください。

転入の手続きは在籍校を通して行う

転入は本人や保護者が直接進めるものではなく、今いる高校が窓口になります。新潟県教育委員会が示している流れでは、在籍校が転学願を受けて転入希望先に事前の連絡を取り、受け入れが可能な場合に文書で転学照会を行うとされています。手続きの詳細は都道府県や学校によって異なりますが、在籍校を飛ばして進められない点は共通しています。

そのため、学年末が近づいてから動くと受け入れ時期に間に合わないことがあります。単位の見通しは学年末の3か月前までに担任と確認してください。

通信制高校を選ぶ場合に確認すること

文部科学省の案内によれば、通信制高校の学習は添削指導、面接指導(スクーリング)、試験の3つで進みます。レポートの標準的な回数は教科ごとに決まっていて、国語や数学は1単位あたり3回、体育は1回。面接指導の標準時間数も、国語や数学は1単位あたり1単位時間、理科や芸術や外国語は4単位時間、体育は5単位時間です。卒業には74単位以上の修得と、特別活動を30単位時間以上受けることが必要とされています。

通信制が起立性調節障害と噛み合うのは、レポートを自分の時間帯で進められる点です。夕方から夜に調子が出るなら、その時間に学習を進められます。

面接指導の時間を減らせる仕組みがある

文部科学省の案内によれば、多様なメディアを利用した学習で報告課題を提出すると、面接指導の時間数のうち10分の6以内が免除され、複数のメディアを併用する場合は10分の8以内まで免除できます。登校しなければならない時間そのものを制度上減らせるということです。実施しているかは学校によって異なるため、資料請求や個別相談で確認してください。

時間帯を必ず聞く

  • スクーリングの開始時刻。午後から始まる日程があるか
  • メディア学習による面接指導の免除を実施しているか
  • スクーリングを欠席した場合の振替日があるか
  • 試験の開始時刻。午前からの場合、別の時間帯で受けられるか
  • 体育のスクーリング(1単位あたり5単位時間)の内容と時間帯
  • 特別活動の30単位時間をどのような形で消化するか

ここが肝心です。通信制でも、スクーリングと試験が午前から始まる学校では同じ問題が起きます。登校日数の少なさだけで選ばず、その数日が何時に始まるのかを必ず確認してください。

登校日数を自分で選べる学校の例として、N高等学校があります。ネットで学習を進めるコースから週5日通うコースまで分かれているため、どの程度の登校なら続けられそうかを考える材料になります。

よくある質問

怠けていると思われています。どう説明すればよいですか

起床できた時刻と、立ち上がったときの症状を1〜2週間記録して持っていってください。本人の主張より記録のほうが話が早く進みます。受診している場合は、意見書を出せるか主治医に相談してください。

遅刻と欠席ではどちらが有利ですか

学校の規定によります。遅刻が何回で1回の欠課になるかを担任に確認してください。遅刻として扱われるなら、1時間目に間に合わなくても登校する価値があります。

時間割の編成まで相談できるものですか

相談はできます。ただし年度の初めを過ぎると変えにくくなるため、年度末から年度初めに申し出てください。実現するかは学校の事情によりますが、求めること自体に根拠はあります。

定時制はどこにありますか

設置の状況は地域差が大きいため、都道府県の教育委員会のサイトで確認してください。午後から始まる昼間部を設けている学校もあります。通学時間も含めて検討してください。

通信制なら朝が苦手でも大丈夫ですか

学校によります。スクーリングと試験の開始時刻を必ず確認してください。午前からの日程しかない学校では、同じ問題が残ります。

まとめ

起立性調節障害で朝の登校が難しいとき、最初にやるのは1時間目と2時間目に入っている教科を書き出すことです。欠課はそこに集中して積み上がるため、危ないのはその教科だけです。数えれば守る優先順位が決まります。

遅刻が何回で1回の欠課になるかも確認してください。遅刻として扱われるなら、間に合わなくても登校する判断ができます。

学校への相談には根拠があります。2024年4月1日から事業者による合理的配慮の提供が法的義務になり、文部科学省の対応指針では学校法人もこの事業者に含まれるとされています。とくに時間割の編成は年度の初めにしか動かせないため、年度末から年度初めに申し出てください。

午前が埋まらないなら、開始時刻を選べる学校が制度として存在します。定時制の昼間部や通信制です。ただし通信制でも、スクーリングと試験が午前から始まる学校では同じ問題が起きます。登校日数の少なさだけで選ばず、その数日が何時に始まるのかを確認してください。

この記事で参照した資料

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English Hub 編集部

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