停学になったら転校できる?手続きと、退学届を出す前に確認すること

※ この記事には広告・PRが含まれています

処分が決まって、学校に行かない日が続いている。復帰したあとの居場所も、進路も見えない。周りからは退学を前提にした話をされはじめる。

この記事では、停学の処分を受けたあとに何が残っていて、何が期限つきなのかを整理します。先に書いておくと、在籍が残っているうちは、在籍したまま別の学校へ移る「転入」という選択肢が生きています。退学するとこの枠組みは使えません。

記載内容は2026年10月時点で、末尾に挙げた資料にもとづいています。

結論:在籍が残っているうちは、転入という選択肢が生きている

  1. 停学と退学は制度上まったく違う。停学では在籍が残る
  2. 在籍が残っていれば転入が使える。退学すると編入になり、空白の期間ができる
  3. 実際に進路を左右するのは処分そのものより、停学中に積み上がる欠課時数
  4. 自主退学を勧められても、その場で答える必要はない
  5. 転入の手続きは在籍校を通して行う。学年末が近づくと間に合わなくなる

停学と退学は制度上まったく違う

学校教育法施行規則第26条は、懲戒について次のように定めています。第1項では「校長及び教員が生徒に懲戒を加えるに当つては、生徒の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない」とされ、「懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長が行う」と規定されています。

つまり、退学・停学・訓告はいずれも校長が行う処分です。担任や学年の判断で決まるものではありません。

処分 何が起きるか 在籍
訓告 注意を受ける 残る
停学 一定期間、登校できない 残る
退学 在籍が終わる 残らない
自主退学 本人の意思による手続き 残らない

停学と退学の差は「期間の長さ」ではありません。在籍が残るかどうかという、まったく別の性質の差です。そしてこの差が、そのあとの選択肢を決めます。

退学させることができる場合

同条第2項は、退学を行うことができる生徒として次の4つを挙げています。

  1. 性行不良で改善の見込がないと認められる者
  2. 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
  3. 正当の理由がなくて出席常でない者
  4. 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者

ここで押さえておきたいのは、1号が「性行不良」だけでなく「改善の見込がないと認められる」まで含んでいることです。処分の理由について学校と話すとき、この文言を知っているかどうかで会話が変わります。

本当に効いてくるのは、欠課の積み上がり

処分の記録そのものより、実際に進路を左右するのは出席の時数です。全日制高校では、各教科の授業にどれだけ出席したかが単位認定の条件になっています。基準は学校ごとに定められていて、欠課が一定の割合を超えるとその教科の単位は認定されません。

停学期間中の扱いは学校の規定によります。登校していない期間が欠課として記録されると、その分だけ単位が危うくなります。処分が終わってから気づくと手遅れになることがあるため、停学中に確認してください。

確認すること なぜ必要か
停学期間の出席上の扱い 欠課として記録されるのか、別の扱いか。学校の規定を確認する
教科ごとの欠課上限と現在の時数 停学明けの時点でどの教科が危ういかが分かる
停学中の課題 出される課題が評価や補填につながるか。つながるなら必ず出す
補習による救済 欠課分を補う仕組みがあるか。あるなら条件と締切
定期試験の扱い 停学期間と試験が重なる場合、別日に受けられるか

5番目は見落とされがちです。試験を受けられないと評価そのものが付かず、課題や補習では補えない場合があります。日程が重なるなら、処分の期間が決まった時点で申し出てください。

自主退学を勧められた場合

処分のあと、学校から自主退学の形を取るよう勧められることがあります。ここは落ち着いて進めてください。

  • その場で答えない。考える時間が必要だと伝える
  • 保護者を入れて話す。本人だけで面談を受けない
  • 処分の理由を書面で示してもらうよう求める
  • 退学した場合と、在籍のまま転入する場合の違いを確認する
  • いま辞めると、取得済みの単位がどう扱われるかを聞く
  • 転入を希望するなら、その意思を明確に伝える

4つ目が重要です。退学してから別の学校に入り直すと「編入」になり、在籍の空白ができます。在籍のまま移る「転入」とは手続きも単位の扱いも変わります。この違いを理解したうえで判断してください。

学校の側にも事情があり、話がこじれることもあります。学校とだけで話すのが難しいときは、設置者に相談できます。公立なら都道府県または市町村の教育委員会、私立なら都道府県の私学を担当する部署です。

転入の手続き

転入は本人や保護者が直接進めるものではなく、今いる高校が窓口になります。新潟県教育委員会が示している流れでは、在籍校が転学願を受けて転入希望先に事前の連絡を取り、受け入れが可能な場合に文書で転学照会を行うとされています。手続きの詳細は都道府県や学校によって異なりますが、在籍校を飛ばして進められない点は共通しています。

つまり、黙って進めることはできません。担任や管理職に話す段階が必ず来ます。

時期の問題

時期 やること
処分の期間が決まった時点 停学期間の出席上の扱いと、試験の日程との重なりを確認する
停学中 教科ごとの欠課時数を出してもらう。課題は必ず出す
復帰直後 単位の見通しを担任と確認する。間に合わない教科があるかを把握する
学年末の3か月前 間に合わない見込みなら、この時点で転入の相談を始める

最後の行が分かれ目です。学年末が近づいてから動くと、転入先の受け入れ時期に間に合わないことがあります。受け入れの時期は学校ごとに決まっているため、早めに調べてください。

通信制高校への転入

文部科学省の案内によれば、通信制高校の学習は添削指導、面接指導(スクーリング)、試験の3つで進みます。レポートの標準的な回数は教科ごとに決まっていて、国語や数学は1単位あたり3回、体育は1回。面接指導の標準時間数も、国語や数学は1単位あたり1単位時間、理科や芸術や外国語は4単位時間、体育は5単位時間です。卒業には74単位以上の修得と、特別活動を30単位時間以上受けることが必要とされています。

通信制が噛み合うのは、学年ではなく単位で進む仕組みになっている点です。全日制で学年ごとに進級の判定を受ける形とは違い、取れた単位を積み上げていきます。欠課で単位を落とした教科があっても、そこだけ取り直す形にできる場合があります。

また同省の案内によれば、多様なメディアを利用した学習で報告課題を提出すると、面接指導の時間数のうち10分の6以内が免除され、複数のメディアを併用する場合は10分の8以内まで免除できます。実施しているかは学校によって異なるため、資料請求や個別相談で確認してください。

確認しておきたいこと

  • 転入を受け付けている時期。年度の途中でも受け入れているか
  • いま在籍している学校で取得した単位をどこまで引き継げるか
  • 処分歴がある場合の受け入れについて、どう扱われるか
  • メディア学習による面接指導の免除を実施しているか
  • 卒業までに何年かかる見込みになるか。同学年で卒業できるか
  • 特別活動の30単位時間をどのような形で消化するか

2つ目と5つ目は必ず聞いてください。引き継げる単位の量によって、卒業の時期が変わります。同じ学年で卒業できるかどうかは、ここで決まります。

登校日数を自分で選べる学校の例として、N高等学校があります。ネットで学習を進めるコースから週5日通うコースまで分かれているため、どの程度の登校なら続けられそうかを考える材料になります。

進路を考えるとき

処分を受けたことが調査書にどう記載されるかは、学校の運用によって異なります。気になる場合は、推測で悩むより進路指導の担当に直接確認してください。

入試の要件も大学や方式によって違います。総合型選抜や学校推薦型選抜では調査書の比重が大きくなる傾向があるため、一般選抜を中心に考えるという選択もあります。志望先の募集要項を見て判断してください。

高卒認定試験という道もありますが、これは大学受験の資格を得るための試験で、高校卒業の資格そのものではありません。就職や資格の要件で「高校卒業」が指定されている場合に満たせないことがあるため、転入で卒業を目指せるならそちらを先に検討してください。

よくある質問

停学中の期間は欠席になりますか

学校の規定によって異なります。欠課として記録される場合は、その分だけ単位が危うくなります。停学中に、教科ごとの欠課時数を担任に出してもらってください。

自主退学を勧められています。席を立ってもよいですか

その場で答える必要はありません。考える時間が必要だと伝えてください。保護者を入れ、処分の理由を書面で示してもらうよう求めたうえで判断してください。

転入と編入の違いは何ですか

転入は今の学校に在籍したまま別の学校へ移る形、編入は退学したあとに入り直す形です。編入では在籍の空白ができ、単位の扱いも変わります。先に転入を検討してください。

処分歴があると転入先に断られますか

扱いは学校によって異なります。個別相談の段階で、事情を伝えたうえで受け入れの可否を確認してください。複数の学校に当たるのが現実的です。

通信制高校に移ると卒業資格は変わりますか

変わりません。通信制高校を卒業して得られるのは、全日制と同じ高等学校の卒業資格です。

まとめ

停学の処分を受けたとき、まず押さえておくことは、停学と退学が制度上まったく違うという点です。学校教育法施行規則第26条によれば、退学・停学・訓告の処分はいずれも校長が行いますが、停学では在籍が残ります。

在籍が残っているあいだは、在籍のまま別の学校へ移る転入が使えます。退学すると編入になり、空白の期間ができます。自主退学を勧められても、その場で答える必要はありません。

実際に進路を左右するのは、処分そのものより停学中に積み上がる欠課時数です。停学期間の出席上の扱い、教科ごとの欠課時数、試験の日程との重なりを、停学中に確認してください。

転入の手続きは在籍校を通して行います。学年末が近づいてから動くと受け入れ時期に間に合わないことがあるため、学年末の3か月前には単位の見通しを確認してください。通信制高校を検討するなら、引き継げる単位の量と、同学年で卒業できるかを必ず聞いてください。

この記事で参照した資料

The following two tabs change content below.

English Hub 編集部

English Hub 編集部では、英語学習に取り組む皆様に向けて、おすすめの英会話サービスや学習ノウハウ、インタビュー記事、キャリアアップに役立つ情報などをご紹介しています。English Hub編集部について/X