英検とは|各級のレベルや試験の特徴を解説【2024年度版】

数多くある英語試験の中でも、日本国内で特に高い知名度を持つ英検(実用英語技能検定)。

英検は、英語初心者から上級者まで、さまざまな学習者が自分に適したレベルを選んで挑戦できる受験級の構成が特徴です。取得した資格とスコアは、英語力の成長を可視化する指標として、あるいは自らの実力をアピールするための武器として、幅広い用途で活用できます。

この記事では、英検の概要や各級の英語レベル目安など、試験の全体像を解説します。

目次

※この記事は、2024年4月時点の調査内容をもとに作成しています。最新情報については、英検のウェブサイト等をご確認ください。

英検とは

英検とは、学習レベルや習熟度を問わず、子どもから大人まで誰でも受験できる英語の4技能試験です。まずはその概要をみていきましょう。

英検の規模と認知度

60年以上の歴史を持つ文部科学省後援の英語技能検定

英検がはじめて実施されたのは、今から60年以上前の1963年です。現在では全国47都道府県と海外の一部会場で試験が行われ、年間志願者数は400万人以上(2022年度)、受験者の累計は1億人を超えるほどの規模となっています(※)。

英検は、教育の振興に積極的に寄与する技能検定として文部科学省の後援を受けており、英語学習の一環で受験を推奨する学校も多く、日本国内で広く認知されています。

※実用英語技能検定、英検IBA、英検Jr.の志願者の合計数です。

評価システム

級認定と英検CSEスコアで英語力を可視化

英検の試験結果では、受験級の合否判定に加え、英検CSEスコア(0~4000点満点)が算出されます。

CSEスコアを参照することで、級別に定められた合格スコアレンジのうち自分がどの位置にいるのか、一つ上の級とはどれくらいの距離があるのかなどをより具体的に把握できます。

また、取得した英検CSEスコアを、言語能力のグローバル指標である「CEFR(セファール)」との対応表に当てはめれば、国際的な枠組み内における自らの英語力の評価を知ることも可能です。

英検はどんな試験?

受験級

英語初心者から上級者までをカバーする7つの受験級

英検の受験級は、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の7レベルです。

最も基礎的な内容で、英語学習を始めたばかりの初心者でも挑戦できる5級から、高度な英語の運用能力を測る最難関の1級まで、あらゆる英語レベルの学習者に対応した構成となっています。

目標級を決めたうえで試験対策に取り組み、合格できたらさらに一つ上のレベルを目指すというサイクルを繰り返すことで、達成感と自信を得ながら英語力アップを目指せます。

2025年度には新設級「準2級プラス」の導入を予定

日本英語検定協会によると、2025年度以降、準2級と2級の間の難易度に相当する「準2級プラス」の試験が新たに加わり、受験級が合計8つとなる予定です。

英検では現在、準2級を高校1年生時、2級を高校卒業時までに取得することを一つの目安として試験のレベルを設定しています。しかし、受験者の中には、準2級に合格後、2級へ到達するまでの段階で伸び悩み、中級レベルへのステップアップのきっかけをつかめない人たちも多くいました。

そのため、新設級の準2級プラスは、高校2年生レベルの英語力を持つ学習者を主な対象とし、準2級と2級間のギャップを埋める足掛かりとして開発が行われています。つまずきやすい受験級間での新たなマイルストーンの導入により、準2級プラスが初級から中級レベルへのスムーズな橋渡しの役目を果たすことが期待されます。

試験形式(筆記版・コンピューター版)

英検には、筆記版とコンピューター版の2種類の試験形式があります。各形式の主な違いは、下記の通りです。

従来型英検(筆記形式)

  • 全受験級が対象
  • 試験の開催は年に3回
  • 紙と鉛筆を使って解答
  • 一次試験の合格者のみが別日に二次面接試験(スピーキング)を受験
  • ※二次面接は3級以上が対象です。

英検S-CBT(コンピューター形式)

  • 対象は3級、準2級、2級、準1級のみ
  • 原則、毎週土日に試験を開催
  • 試験会場でコンピューターを使用して解答(タイピングや音声吹き込みなど)
  • 一日で4科目全てを受験
  • ※試験日程・開催頻度は会場と受験級によって異なります。

英検S-CBTについて、より詳しい情報を知りたい方は「英検S-CBTとは|メリット・デメリット・受験時の注意点」の記事もご参照ください。

試験科目

英検の試験科目は、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つです。

4級、5級は、級認定に影響しないオンライン形式のスピーキングテスト(任意受験)、3級以上では面接形式のスピーキング試験があります(※)。また、自ら英文を考えて書くライティング問題の出題は、3級以上が対象です。

試験構成は、日常の身近な物事や社会的なトピックなど、受験者の学習段階に応じた内容で、英語の4技能をバランスよく測ることを目的としています。

※コンピューター版の英検S-CBTでは、パソコンに向かって音声を吹き込む形式でスピーキング試験を実施します。

検定料

英検の検定料は、受験級や試験形式によって異なります。下記の表は、日本英語検定協会が設置する本会場で受験した場合の検定料一覧です。学校などの団体を通じて申し込む準会場受験では、検定料の割引があります。

なお、二次試験で不合格となった一次試験の免除者が再度受験する場合も検定料は同一です。

従来型英検(筆記版) 英検S-CBT(コンピューター版)
5級 4,100円
4級 4,700円
3級 6,900円 7,800円
準2級 8,500円 9,100円
2級 9,100円 9,700円
準1級 10,500円 10,600円
1級 12,500円

※上記の金額はすべて税込表記です。英検S-CBTでは、本会場と準会場の区別はありません。

各受験級の英語レベル目安

英検では、自分の英語レベルに合わせて受験級を選択します。目標設定の際は、下記の目安を参考にしてみてください。

英語力の証明として履歴書などでアピールする場合は、2級以上の資格を記載することが一般的です。

受験級 レベルの目安 出題内容と習熟度
5級 中学初級程度 英語学習を始めた際の最初の目標となる級。初歩的な英語の理解を目標とし、重要度の高い基礎項目が出題される。
4級 中学中級程度 基礎項目の中でも5級より一歩進んだ内容を出題。簡単な英語を理解し、それらを使って表現することが求められる。
3級 中学卒業程度 英語の基礎力の集大成となる級。短い英文を書くライティング試験、および面接試験が加わる。
準2級 高校中級程度 基礎力を応用力へとつなげていく段階。日常の身近な話題だけでなく、教育や科学などの社会的な題材も含めて扱うテーマが広がる。
2級 高校卒業程度 社会生活に必要な英語力を身につけたことを証明できるレベル。ライティングでは、自らの意見を述べる英作文に加えて、英文の要約問題も出題される。
準1級 大学中級程度 英語中級から上級レベルへとさらにステップアップしていく段階。説明文・評論文のリーディング問題、エッセイ形式のライティング問題などを通じて、実践的な英語の運用能力が問われる。
1級 大学上級程度 英検における最難関のレベルであり、取得によって英語力の高さが広く評価される。社会問題や政治などを含む、幅広いテーマに対応できる高度な英語運用能力が必要。

英検はどう役立つ?資格取得のメリット

英検で取得した資格やスコアには、さまざまな活用の道が広がっています。そのメリットを最大限に活かし、学業やキャリアアップにも役立てましょう。

入試での優遇や大学での単位認定が受けられる

英検は、一部の私立中学・高校、大学の入学試験において、英語科目の得点換算・加点、試験免除などを適用する条件の基準とされています。また、大学入学後は、英語関連科目の単位認定にも英検を使えるケースもあります。これらの機会を見据えて、あらかじめ対象となっている級を取得しておくと非常に有用でしょう。

入試や単位認定に何らかの形で英検を活用している教育機関は約800校にのぼり(※)、信頼度の高い英語力の証明として広く認められていることがわかります。

※2024年4月時点でのデータです。
参照:公益財団法人日本英語検定協会|英検・TEAP・IELTS 活用校検索

知名度の高さを活かし、英語力をアピールできる

英検は、英語関連の資格として日本国内において特に高い知名度を有します。なかでも準1級や1級の取得者は、「英語ができる人」という印象と即座に結び付けられることも多いのではないでしょうか。

世間一般での認知度が高い英検は、就職・転職活動などで自分の英語力をアピールするための強力な武器となり得ます。

英検を英語力の証明として活用する上では、有効期限がなく、基本的には一度取得すれば一生使える資格であるという点も大きなメリットです。ただし、入学試験や留学の出願で英検資格を利用する場合、「申請時から〇年以内の取得」などと期限を指定されることもあるため、申請の際は個々の条件を必ず確認しましょう。

まとめ

日本で長年実施されてきた英検は、受験対策に必要な情報やリソースも充実しています。目標を定めて試験前にしっかりと準備すれば、英語力を着実に伸ばしながら、幅広い用途で役立つ資格を得ることが可能です。

英語学習の一環として、4技能の総合力が試せる英検にぜひチャンレジしてみてはいかがでしょうか。

【参照サイト】公益財団法人 日本英語検定協会|英検(実用英語技能検定)
【参照サイト】公益財団法人 日本英語検定協会|英検S-CBT

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