業種業界を問わず、多くのビジネスがグローバルな展開を迫られるなか、社員向けの研修や福利厚生に英語学習プログラムを取り入れる企業が増えています。
企業による従業員の語学スキル習得への支援は、実務で活躍する人材を育むだけでなく、自己啓発に前向きな社員のエンゲージメント向上を促します。
ここでは、社員への英語教育や学習支援制度の導入を検討中の企業担当者に向けて、英語研修プログラム選びのチェックポイントや、法人向け英語研修プランの一覧を紹介します。
目次
2024年 企業・法人向け英語研修のトレンド
- 対面英語研修・オンライン英会話・Eラーニング・アプリでの自主学習の導入、海外英語研修の再開など、検討の対象となる研修形式が広がる
- 講師の指導に生成AIツールによる支援を掛け合わせることで、フィードバックや添削の質の向上と効率化を図るプログラム多数
- AIの活用により、カスタマイズ性のある学習プログラムを低価格で提供するサービスも
企業向け英語研修プログラムの導入手順とチェックポイント
情報収集前に明確にしておきたい3項目
「海外のクライアントに対応できる人材の育成」「海外赴任予定の社員の渡航準備」など、企業ごとの英語研修導入目的は多様です。企業の幅広いニーズに対応するため、英会話スクールやオンライン英会話サービスも多彩な企業向けプログラムを展開しています。
多くの中から自社に最適なプログラムを見出すのは、簡単な作業ではありません。研修の導入を一から検討する場合は、情報収集前にまず、次の3点を明確にしておきましょう。
- 導入目的
研修を導入する目的、いつまでにどのような成果を得たいか - 対象者
受講者の属性、受講人数 - 予算
研修にかけられる費用(上限)
目的・対象・予算がしっかりイメージできていれば、それを念頭に、条件に合うサービスを効率よく絞り込めます。また、自社のニーズに沿ったカリキュラムや受講形式のカスタマイズをスクールへ依頼する場合も、求める研修のイメージを伝えやすくなるでしょう。
企業向け英語研修の受講形式/導入形態の種類
ここからは、英語研修プログラムの主な受講形式や導入形態を紹介します。具体的な受講状況を想定しながら、各スタイルの導入可否や費用対効果を検討してみましょう。
英語研修を受講スタイル別に分類
企業向け英語研修には主に下記の4タイプがあります。
- セミナー/ワークショップ
単発や回数限定でセミナーやワークショップを実施。オフラインの場合は講師が派遣され、企業内の会議室などで開催されるケースが一般的。オンライン開催なら、多拠点で働く社員が同時に受講できるメリットも。 - レッスン/トレーニング
ビジネス英会話レッスンやビジネス英語トレーニングを比較的長いスパンで定期受講する事例が多く、社員だけでグループを形成してグループレッスンを開催するケース、各社員がスクールへ通学して一般受講生と一緒にレッスンを受講するケースなどあり。オンラインレッスンでは、社員がそれぞれ自宅でマンツーマンレッスンを受けるスタイルが主流。 - Eラーニング/アプリ
E-learningシステムや学習アプリを通して受講者が各自で学習する自習型プログラムを導入。多くの場合、導入担当者は管理者機能などを通して各社員の学習状況を確認可能。 - 合宿/海外研修/留学
国内外の合宿所や語学学校に泊まり込みで集中的に実施する英語研修。海外研修の渡航先としては英語圏の他、移動時間の短いフィリピンなどのアジア諸国も人気。
一社で数タイプのプログラムをラインナップするスクールもあり、異なる形式のプログラムを組み合わせて効果的に導入する企業も見られます。
また、この他に英語コーチングプログラムを研修に利用する企業も増えています。英語コーチングとは、コーチやカウンセラーが定期的なセッションとチャットによるやり取りなどを通して個々の受講生に合わせた学習内容を提案し、自習も含む受講生の学習全般についてのサポートを提供するサービスです。併せてレッスンやトレーニングを実施するプログラムもあります。受講生を目標達成へ導くスピードに定評あるサービスが多いのが特徴です。
英語研修の導入形態:法人契約 or 福利厚生
研修の導入方法には、① 法人契約型 と ② 福利厚生型 の大きく分けて2パターンがあります。
- 法人契約型
企業が費用を負担し、所定の社員に研修の受講を課すスタイル。研修は業務時間内に実施するケースが多く、企業にとっては、英語スキルが必要だとみなされるポジションの社員に受講を確実に割り当てられる点が利点。 - 福利厚生型
福利厚生の一環として、社員が優待料金で利用できる研修などを導入し、希望者が任意で受講。受講者自身が受講費を負担するため、企業が負担する費用は限定的(※)。社員にとっては、自ら選んで料金を負担しながら受講することで、学習意欲が向上するケースも。
※企業の料金負担が0円のプランを用意するスクール/サービスも多数あり。
英語研修プログラムを絞り込むステップで気を付けたいこと
どんなプログラムをどのような導入方法で取り入れたいのか、イメージが固まれば、次は気になるプログラムをいくつか選び、問い合わせや資料請求をするステップです。
この段階では候補を絞り込みすぎず、利用する可能性が少しでもあるサービスについては、並行して検討することをおすすめします。法人プランは企業のニーズに合わせて形を変えて提供しているサービスも多く、サイトに掲載されている情報だけで自社向けにどのような研修が可能なのかを漏れなく把握するのは難しいためです。
カスタマイズの可能性については、要問い合わせ
情報収集の結果、最初に設定した導入目的・対象者・予算に見合うプログラムが見つからない場合は、いくつかのスクールにカスタマイズの可能性を問い合わせてみましょう。希望する形態の研修がプログラム一覧や導入事例に記載されていなくても、複数のプログラムを組み合わせる、オリジナルの学習内容を取り入れるなど、工夫により理想の英語研修を用意してもらえる場合があります。
体験受講が可能な場合も
導入担当者自身に英語学習プログラムの利用経験がなく、受講状況をイメージしづらいという場合もあるでしょう。たとえばオンライン英会話のプログラムなど、担当者がレッスンを体験受講した上で導入を検討できるサービスもあります。受講体験に興味がある場合は、問い合わせの際に希望を伝えましょう。
最終チェックポイント
最後に、導入候補のサービスの担当とつながり、詳細な説明を受けるような場合は、希望の条件や理想とする研修像を詳しく伝え、下記のポイントについても確認しておきましょう。
- 申し込み最低人数
1人から申し込みを受け付けているプランもある一方、プログラム実施に必要な受講者の最低数が決められているサービスもあるため、あらかじめ確認が必要 - 管理者機能の有無・使い勝手
管理者機能とは、管理者として登録した人事担当者などが、各受講者の利用状況や英語力の推移をモニタリング/管理できる機能 - 目標に達するために必要な期間・受講頻度
受講者が研修によって達成すべき目標が明確な場合は、そのために必要な研修期間を確認。たとえば海外赴任準備のように、研修を終えなければならない時限がある場合は、期間内に目標に達するために推奨される受講頻度や学習時間を確認 - 成果・効果測定の手段が提示されているか
研修の前後で受講者の英語力を測定する仕組みや受講者アンケートによる効果確認の機会が用意されているのは、研修による成果に提供側が自信を持っている証
企業向け英語研修/法人向けビジネス英会話プラン一覧表
ここからは、代表的な英語研修プログラムの一覧とそれぞれの特徴を紹介します。
英会話スクール/英語コーチングスクールの法人プラン
主要スクールの多くが企業への講師派遣、スクールでのレッスン、オンラインでのレッスン提供のすべてに対応しています。
サービス名 | 特徴 |
日米英語学院 法人別カスタマイズ英語研修
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ブリティッシュ・カウンシル 企業向け英語教育プログラム |
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ECC法人向けサービス |
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ワンナップ英会話 法人向け英語研修 |
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ベルリッツ 企業向けグローバル人材育成プログラム |
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ロゼッタストーン・ラーニングセンター 法人向け研修プラン |
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ENGLISH COMPANY for biz(英語コーチング研修制度) |
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プレゼンス 法人向け研修サービス |
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イーオン 法人向け研修プラン |
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Gabaマンツーマン英会話 法人向け英語研修 |
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プログリット for Enterprise |
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トライズ(TORAIZ) 企業向け英語研修プログラム |
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※英語コーチングサービスの法人向けプランについては「ビジネス英語に強い英語コーチングプログラム4選【企業導入実績から分析】」も併せてご参照ください。
オンライン英会話の法人プラン
オンライン英会話のレッスンは、講師と1対1で学ぶマンツーマンスタイルが主流ですが、グループレッスンを提供しているサービスもあります。日本人バイリンガル講師が在籍するサービス、全講師が英語ネイティブのサービス、フィリピン人講師を含む幅広い国籍の講師が指導するサービスなど、所属講師の国籍は各社で異なります。
サービス名 | 特徴 |
HanasoBiz |
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ビジネスワールドトーク |
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Reallyenglish
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ネイティブキャンプ 法人企業向け英語研修 |
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ワンナップ英会話オンライン 法人向け英語研修 |
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ウィリーズ英語塾 法人向け英語研修 |
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ビズメイツ 法人向けサービス |
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PROGOS 法人向けグローバルリーダー育成研修サービス |
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DMM英会話 法人向けサービス |
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QQEnglish 法人様プラン |
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人材教育サービスが提供する語学研修/グローバル人材育成プログラム
英語教育を専門とするスクールやサービスのほかに、企業向け人材育成プログラム提供サービスによる語学研修やグローバル人材育成プログラムがあります。
サービス名 | 特徴 |
EdulinX(エデュリンクス)「Reallyenglish」「Prospera Training Solutions」
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アルクエデュケーションのグローバル人材育成プログラム |
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アプリで受講する法人プラン英語研修
学習アプリを通して社員が各自で学習を進める自習型プログラムを導入する企業も増えています。一般的に、導入担当者は管理者機能などを通して各受講者の学習状況や学習成果を把握できます。AIを相手にビジネス英会話を練習できるサービスや、アプリを通して自学自習に加えて英会話レッスン受講もできるサービスなど、多様なプログラムが展開されています。ここではその一部をご紹介します。
- 法人版POLYGLOTS (ポリグロッツ)
英語学習アプリ『レシピー』を活用。AIにより個別最適化されたカリキュラムに沿って単語、文法、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの6技能を学習。日英バイリンガル講師によるレッスンもアプリを通して受講可能。 - スピークバディfor Business
累計300万ダウンロードの実績ある英会話アプリ「スピークバディ」を通してトレーニングを実践。受講者の英語力に合わせたカリキュラムをAIが自動作成してくれるほか、苦手な発音や忘れそうな学習内容もAIが分析。
企業向け海外研修プラン/企業派遣留学
受講生が海外へ渡航し、英語環境で学習に専念できる海外語学研修プランを法人・企業向けに提供しているスクールやオンライン英会話をご紹介します。
- ECC
ECCでは、フィリピンの直営校で最短1週間から参加可能な海外語学研修を提供。各社の希望やレベルに合わせて、最適な研修プログラムを提案可能。出発前や帰国後の研修など、充実したサポート体制も魅力。 - NOVA
NOVAグループでは「留学アレンジサポートサービス」を通して企業・学校向けにオーダーメイドの留学プランを提供。事前学習や出発前・渡航中・帰国後のサポートなど、企業や学校ごとに合った留学・サポートを自由にカスタマイズして利用可能。 - QQ English
セブ島で語学学校を運営しているQQEnglishでは、マンツーマンオンライン英会話レッスンのほか、海外研修としてセブ島留学形式の英語研修も提供可能。 - 産経オンライン英会話Plus
産経オンライン英会話Plusでも、最短1週間の短期から参加できる海外語学研修を用意。留学先はフィリピン直営校と4ヶ国から選択可能。 - アルクエデュケーション
アルクエデュケーションでは、語学学校、ビジネススクール等における海外研修プログラムを用意。研修機関の紹介、渡航手配などのサポートのほか、参加者が渡航前に国内研修や自己学習で英語の基礎力を補う事前準備研修も提供。
企業の人事担当や海外研修担当者向けに企業派遣留学に関するコンサルテーションを提供するエージェントもあります。
- アゴス・ジャパン
年間150社以上の企業・官公庁、500名以上の企業派遣留学候補生が利用する海外留学準備校、アゴス・ジャパン。派遣留学候補生の社内選考、派遣候補生の準備、出願までのスケジューリングなどに関するコンサルテーションから留学に必要な各種試験対策まで、企業担当者の要望に応じて幅広いサポートを提供。派遣留学制度の構築や制度の見直し、派遣留学の意義などについても相談可能。
業界・職種別に探す英語学習サービス
下記の記事では、業務に特有の専門用語や表現などをしっかり学べる英語学習プログラムを業界・業種別にご紹介しています。(※各記事では個人向けのプログラムを中心に取り上げていますが、掲載サービスの多くが法人向けのプログラムも提供しています)
ビジネス英語プログラムのある英語学習サービス
下記の記事では、ビジネス英語力の強化に特化したプログラムを提供するスクールやサービスを紹介しています。
プロから丁寧に英語学習のアドバイスを受けられるパーソナルコーチングや、隙間時間を活用して学習を進められるオンライン専用プログラムなど、さまざまな形式のビジネス英語プログラムが提供されています。(※各記事では個人向けのプログラムを中心に取り上げていますが、掲載サービスの多くが法人向けのプログラムも提供しています)
まとめ
企業が英語研修を導入する際に留意したいポイントと、大手英会話スクールやオンライン英会話サービス各社が提供する代表的な法人向け英語研修プランの一覧をご紹介しました。希望にかなう研修プランは見つかりましたか?
各社のプラン紹介サイトでは、これまでの企業導入実績が紹介されています。利用企業の実例を読み込むことで、プログラム導入の流れや、導入後の成果を具体的にイメージできます。
英語研修の概要や全体像が把握できたら、まずは気になるスクールにアクセスし、企業への研修導入サポート実績が豊富なプロから、自社に最適なプランを提案してもらうのがおすすめです。
AS
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