大学受験がうまくいかなかった、今の大学に納得していない、成績に自信がない。そうした状態で海外大学を調べ始めると、必ずどこかで「それは逃げではないか」という言葉にぶつかります。
この記事では、その問いに正面から答えます。あわせて、成績が悪い場合に何ができるのか、英語が話せない状態から始められるのか、卒業後の就職はどうなるのかを具体的に書きます。
結論:逃げになる人とならない人がいる
海外大学への進学が逃げになるかどうかは、人によります。ただし「人それぞれ」で終わらせるつもりはありません。分かれ目ははっきりしています。
- 逃げにならない人:海外で何を学び、卒業後にどうするかの輪郭がある。今の環境を離れることは手段であって目的ではない
- 逃げになる人:今の場所から離れることだけが動機になっている。向こうで何をするかが空白のまま
後者のまま渡航すると、環境が変わっただけで同じ状態に戻ります。海外の大学は入学より卒業が難しく、目的が曖昧なまま乗り切れるほど甘くありません。
逆に前者であれば、日本で浪人や仮面浪人を続けるより合理的な選択になり得ます。以下、その理由を制度面から説明します。
なぜ偏差値が低くても入れるのか
日本の大学入試は、入学時点の学力で選抜します。一方、アメリカをはじめとする多くの国では、入学時の選抜はそれほど厳しくなく、在学中の成績で振るい落とす仕組みになっています。
そのため、入学の段階で求められる水準は日本人が想像するより低いことが多く、高校の偏差値がそのまま壁になるわけではありません。
ただし、ここを都合よく読まないでください。入学が易しいことと、卒業が易しいことは別です。課題の量は多く、成績が基準を下回れば退学になります。日本の大学のように、入ってしまえば何とかなるという前提は通用しません。
高校の成績が悪い場合
高校の成績が低いまま海外大学を目指す場合、取れる道は3つです。
| 選択肢 | 内容 |
| 入学基準の低い大学に直接出願する | 同じ国でも大学によって基準は大きく違う。成績で足切りされない大学は存在する |
| 現地の2年制大学を経由する | 入学時に高校の成績はほぼ問われない。そこでの成績で4年制大学への編入を狙う。選考基準をやり直せる |
| 進学準備課程を使う | 大学付属の課程で1年学び、本課程へ進む仕組み。イギリスやオーストラリアで一般的 |
このうち、高校の成績を実質的に帳消しにできるのは2つ目です。評価の対象が高校ではなく、入学後の成績に切り替わるためです。
日本の大学に在籍していて成績が振るわない場合も、考え方は同じです。編入では日本の大学での成績が見られますが、残りの学期で上げれば直近の成績として評価されます。選考は直近を重く見る傾向があります。
英語が話せない状態から始められるか
始められます。ただし、出発時点での英語力がそのまま最初の1年の成績に跳ね返る、という現実は知っておいてください。
多くの大学には、英語要件に届かない学生向けの語学課程が付属しています。そこで基準に達してから本課程に進む仕組みです。この道がある以上、英語ができないことは出発できない理由にはなりません。
問題は時間です。現地の語学課程で半年から1年を使うと、その分だけ卒業が遅れます。渡航前に日本である程度まで上げておけば、現地の時間を本来の勉強に充てられます。
渡航前の英語学習を組み込んだ留学エージェントもあります。スクールウィズは手数料0円で学校手配まで行い、渡航前に英語を学ぶ「プレ留学」を用意しています。基礎が不十分なまま渡航して後悔したという声が多いことを受けた設計で、申込者の93%がこれを決め手に選んだとしています。
浪人・中退・高卒認定からの進学
日本の進路でつまずいた経歴が、海外大学の出願でどう扱われるかをまとめます。
| 状況 | 出願時の扱い |
| 浪人 | 不利になりません。年齢による選抜は一般的ではなく、空白期間に何をしていたかを説明できれば問題にならない |
| 大学中退 | 在籍していた分の成績は提出対象になる。編入として出すか、新入生として出し直すかを選べる。成績が悪いなら後者の方が有利なことがある |
| 高卒認定 | 高校卒業と同等の資格として扱われるのが一般的。ただし大学によって判断が分かれるため、出願前の確認が必要 |
| 通信制高校 | 不利になりません。成績証明書が発行されれば出願できる |
日本の大学受験で前提になっている「現役か浪人か」という区分は、海外の出願ではほとんど意味を持ちません。見られるのは成績と、何をしてきたかの説明です。
偏差値28からUCLAを卒業した人の話
海外大学進学・編入の塾U-LABOの創業者は、偏差値28の状態から海外の大学に進み、UCLAを卒業しています。
この経歴が示しているのは、出発点の学力が最終到達点を決めるわけではない、ということです。ただし、これを美談として読むと見誤ります。学力を上げるための時間と、やめたことがあったはずで、何もせずに到達したわけではありません。
意味があるのは、海外大学の進学ルートには、出発点をリセットできる仕組みが実際に用意されているという点です。2年制大学を経由すれば、評価されるのは入学後の成績になります。高校時代の結果は、そこから先の努力で上書きできます。
U-LABOはこの経歴を背景に、日本の大学からの編入と海外大学への出願を扱っています。トップ校の実績を前面に出す他社と違い、学力に自信がない段階からの相談を想定しているのが特徴です。
卒業後に就職できないという話は本当か
「海外大学を出ると日本で就職できない」という話を目にします。これは半分だけ当たっています。
学歴として評価されないという意味では、ほぼ誤りです。英語力と海外での経験を評価する企業は多く、不利になる場面は限られます。
当たっているのは、採用スケジュールの問題です。
- 日本の新卒採用は春入社が前提だが、海外大学の卒業は多くが5月から6月。時期がずれる
- 就職活動の時期に現地で学期の真っ最中になり、日本の選考に参加しづらい
- 大学の就職支援は現地での就職を前提にしており、日本の採用情報が入ってこない
対処はあります。秋入社の枠を設けている企業は増えており、海外大学生を対象にした採用イベントも開かれています。重要なのは、こうした仕組みがあることを在学中に知っておくことです。知らずに卒業間際になって慌てるのが、最も避けたい形です。
進学先を決める段階で、卒業後の就職支援まで見ているサービスかどうかを確認しておくと、この問題は小さくなります。
それでも勧められない人
ここまで肯定的に書いてきましたが、勧められないケースもあります。
- 費用を全額借り入れで賄うしかない場合。卒業後の返済が進路の選択肢を縛る
- 今の環境から離れることだけが目的で、学びたい分野が空白の場合
- 家族の理解が得られておらず、途中で支援が止まる可能性がある場合
- 英語の勉強そのものに強い苦痛がある場合。授業も課題もすべて英語である
1つ目については、返済不要の奨学金を組み合わせることで状況が変わることもあります。全額を借り入れる前に、使える制度を一通り確認してください。
最初にやること
今の成績と英語力で、現実的に何が狙えるのか。これが分からないまま情報を集め続けても、判断材料は増えません。
無料相談を使って、自分の数字を見てもらうのが最短です。狙える大学の層、必要な期間、足りていない部分がはっきりすれば、やるべきことは自然に決まります。
その結果、海外大学が合わないと分かることもあります。それも含めて、早く判断した方が時間を無駄にしません。
まとめ
海外大学への進学が逃げになるかどうかは、向こうで何をするかが決まっているかで分かれます。環境を変えること自体が目的になっているなら、おそらく同じ結果になります。
高校の成績が悪くても、2年制大学を経由すれば評価の対象を入学後の成績に切り替えられます。英語が足りなくても語学課程という道があります。浪人や中退の経歴は、海外の出願ではほとんど問題になりません。
一方で、費用を全額借り入れで賄う場合や、学びたい分野が空白の場合は慎重になってください。まずは今の数字で何が狙えるかを確認するところからです。
English Hub 編集部
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