生活の中で英語に触れる機会を少しでも増やしたい方には、洋楽がおすすめです。歌詞の意味を理解し、自分でも歌ってみることで、リスニング・スピーキングの学習になるだけでなく、英語圏の文化を知る機会にもなります。そこで、この「英語で歌ってみたい~」シリーズでは、これまでにリアーナ(Rihanna)やアリアナ・グランデ(Ariana Grande)など、英語学習に向いているアーティストとその楽曲を紹介してきました。
今回は、世界的シンガーソングライターのレディー・ガガ(Lady Gaga)をフィーチャー。世界での売上が7,000万枚を超え、グラミー賞を12回受賞するなど、アーティストとして大成功しているガガの楽曲の中から、英語学習者におすすめの5曲をご紹介します。
目次
Lady Gaga(レディー・ガガ)について
ガガは1986年3月28日、ニューヨークのイタリア系アメリカ人の家庭に生まれました。幼い頃から音楽を学び、10代からクラブでパフォーマンスを開始します。その後、ニューヨーク大学・ティッシュ芸術学部で2年間音楽を学び、退学。「Lady Gaga」を名乗り、グラムロック(※1)と奇抜なファッションを掛け合わせたスタイルを編み出します。自身の音楽活動に加えて、ブリトニー・スピアーズやプッシーキャット・ドールズといったアーティストたちにも楽曲を提供してきました。
下積みを重ね、2008年にはデビューアルバム『The Fame』をリリース。先行シングル『Just Dance』がクラブで人気を博し、ビルボードのポップスチャートで1位を獲得します。同アルバムは、批評家たちからのポジティブな反応を得るとともに、2009年の終わりまでに世界で800万枚以上の売り上げを記録します。第52回グラミー賞では、「最優秀ダンス・レコーディング賞」「最優秀エレクトロニック・ダンスアルバム賞」を受賞。授賞式でのエルトン・ジョン(Elton John)とのデュエットも話題を呼びました。その後も、『The Fame Monster』(2009年)、『Born This Way』(2011年)と精力的なリリースを重ね、ガガはスターダムを駆け上がっていきます。
近年はシンガーソングライターのみならず、俳優としても頭角を現しており、2018年にはミュージカル映画『アリー/スター誕生(A Star Is Born)』で初めて主演を務めます。この作品は、1937年に公開された映画『スタア誕生』のリメイクで、出演するブラッドリー・クーパー(Bradley Cooper)が監督デビューを果たした作品でもあります。
また、コロナ禍においては、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)やエルトン・ジョンなどの大物アーティストたちに呼びかけ、医療従事者のサポートを目的とするバーチャルコンサート「One World:Together At Home」の開催を表明。WHOのために3,500万ドル(約38億円)の寄付金を集める(※2)など、慈善家・社会運動家としても積極的に活動しています。
※1:1970年代前半にイギリスで流行した音楽ジャンル。英語の「glamorous(魅惑的な)」を名前の由来とする。
※2 参照:HUFFPOST「Lady Gaga Raises $35 Million To Fight Coronavirus, Plans All-Star Virtual Concert」
英語で歌ってみたいレディー・ガガ(Lady Gaga)おすすめ楽曲5選
1. Born This Way
ガガの3枚目のアルバム『Born This Way』からのタイトル・トラック。ガガの楽曲の中でも特に歌詞が聞き取りやすく、英語学習初心者の方にもおすすめです。ノリの良いサビと、自己肯定感に満ちた歌詞が相まって、歌っているうちに自然とポジティブな気持ちになります。アメリカの公共ラジオ放送NPR(National Public Radio)は、LGBTQコミュニティなど、社会的マイノリティをエンパワーメントする同楽曲の力強いメッセージ性を高く評価。こうした背景から「プライド・アンセム」としても親しまれており、カリフォルニア州のウェスト・ハリウッド市は5月23日を「Born This Way Day」という記念日に制定しています(※3)。
※3 参照:TimeOut「West Hollywood declares May 23 “Born This Way Day” in honor of Lady Gaga」
2. Telephone ft. Beyoncé
ビヨンセ(Beyoncé)とのコラボレーション楽曲。刑務所を舞台に、華麗なダンスを繰り広げるMVが刺激的です。MVで身にまとっている奇抜なコスチュームの数々もガガならでは。アップテンポなダンス・ポップチューンで、少し早口なパートもあるので、歌うには練習が必要かもしれません。もともとはブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)のために書かれたものの、結果的にブリトニーがオファーを却下し、ガガ自身で歌うことにしたというこの楽曲。大好きな仕事に打ち込むあまり、外に出て楽しむ時間を持つことが難しく、それによって“fear of suffocation(息が詰まるような不安)”を感じていた当時のガガの状況がテーマとなっています(※4)。
※4 参照:MTV NEWS「LADY GAGA EXPLAINS INSPIRATION BEHIND BEYONCE COLLABO, ‘TELEPHONE’」
3. Shallow
ガガが主演を務めた映画『アリー/スター誕生(A Star Is Born)』の挿入歌。アコースティックギターのイントロが心地よく、夜にピッタリの楽曲です。この映画に出演し、監督も務めたブラッドリー・クーパーは、ガガとのデュエットのために撮影の1年半前からボーカルレッスンを受けて特訓していたとのこと(※5)。歌う際は、一つひとつの単語をバラバラに発音するのではなく、音と音をスムーズに繋げるイメージで抑揚をつけるのがコツです。ゆったりとしたバラードなので、発音の練習にもなります。クーパーのパートとガガのパートに分けて、2人で歌ってみるのも楽しいでしょう。
※5 参照:MOVIE WALKER PRESS「レディー・ガガ主演『アリー/スター誕生』が米国で大反響のワケ」
4. Rain On Me
アリアナ・グランデとのコラボ楽曲。第63回グラミー賞では、この楽曲でアリアナとともに「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」を受賞しています。日本では、お笑い芸人の渡辺直美とゆりやんレトリィバァが、ガガ公認のパロディMVを公開し、大きな話題を呼びました。サビは比較的歌いやすいですが、アップテンポなガガのパートや、アリアナが歌う高めのキーの部分はやや難しく感じるかもしれません。一度覚えてしまえば、ジャンプをしながらノリノリで歌えるので、テンションを上げたい時におすすめです。MVを本家とパロディで比較しながら観るとさらに面白く、楽しみながら英語学習ができます。
5. Bad Romance
「ガガといえばこの曲」と言っていいほど、知名度の高い楽曲で、YouTubeでのMVの再生回数は15億回を超えています(2022年1月時点)。日本でも、一度は聴いたことがあるという方が多いのではないでしょうか。エッジの効いたMVで、ファッションデザイナーの故アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が直々に衣装を提供したことも話題になりました。歌う時は、リズムに合わせて単語をはっきりと力強く発音してみてください。
まとめ
いかがでしたか?レディー・ガガは、洋楽アーティストの中でも注目の存在です。シンガーソングライターとしての活動はもちろんのこと、俳優や実業家などマルチに才能を発揮するガガ。ソーシャルグッドへの意識も高く、若者のメンタルヘルス・ウェルネスに取り組む非営利組織「Born This Way Foundation」の立ち上げといった活動も行っています。このように、アーティストの枠を超えてダイナミックに活躍するガガの動向を追っていると、音楽のみならず、さまざまな分野の情報・知識を得ることができます。ガガがTwitterなどで発信している情報を英語で読むのも勉強になるので、学習方法の一つとしてぜひチャレンジしてみてください。
【参照サイト】Britannica「Lady Gaga」
【関連ページ】洋楽カラオケ
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/サム・スミス(Sam Smith)/テイラー・スウィフト(Taylor Swift)/ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)
りみ
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