高知大学とは?高知大学の概要
高知大学は、高知県高知市に拠点を置く国立大学で、1949年に設立されました。地域に根ざした教育と研究を重視し、「スーパー・リージョナル・ユニバーシティ」を掲げて、地域社会と連携した課題解決型の学びを展開しています。
学部は全部で6つあり、人文社会科学部・教育学部・理工学部・医学部・農林海洋科学部・地域協働学部が設置されています。それぞれの学部では、地域の特性を活かした実践的な教育が行われており、例えば農林海洋科学部では演習林や養殖施設を活用した体験型学習が特徴です。また、地域協働学部では行政や企業との協働を通じて、実社会に即した学びが提供されています。
キャンパスは主に3か所に分かれており、朝倉キャンパス(人文社会科学・教育・理工・地域協働学部)、岡豊キャンパス(医学部)、物部キャンパス(農林海洋科学部)があります。いずれのキャンパスも自然環境に恵まれた立地で、学業だけでなく生活環境としても充実しています。
高知大学は、地域社会とのつながりを大切にしつつ、グローバルな視野を持つ人材育成にも力を入れており、学生の主体的な学びを支える教育体制が整っています。令和6年に創立75周年を迎えた現在も、地域と世界を結ぶ大学として、教育・研究・社会貢献に取り組み続けています。
高知大学の留学制度の概要
高知大学では、学生一人ひとりの国際的な視野を育むため、さまざまな留学制度や国際交流の機会が整備されています。
交換留学はアジア、欧米、中南米、アフリカなど世界各地の大学と提携し、数多くの協定校に派遣可能です。例えばアメリカのカリフォルニア州立大学フレズノ校、インドネシアのブラビジャヤ大学、韓国の東国大学校、中国の北京語言大学などが含まれ、学術・文化的に多様な環境への留学を実現しています。
また、学内にはグローバル教育支援センターがあり、留学相談、語学講座、国際イベントなどを通じて、学生の海外挑戦をサポートしています。海外経験が初めての学生でも安心してチャレンジできるサポート体制が整っています。
高知大学は、「地域に根ざし、世界とつながる」をキーワードに、学生が国内外で活躍できる力を育むグローバル教育を推進しています。地方にいながらも、世界を見据えた学びの場を提供しています。
■ 大学間交流協定校(学生交流)
地域 | 国・地域 | 協定大学一覧 |
北米 | アメリカ | カリフォルニア州立大学フレズノ校、ロードアイランド大学 |
欧州 | イギリス | セントラル・ランカシャー大学 |
チェコ | 南ボヘミア大学 | |
ノルウェー | インランドノルウェー応用科学大学 | |
ポーランド | クラクフ工科大学 | |
イタリア | サッサリ大学 | |
カザフスタン | カザフ国立大学 | |
アジア | インドネシア | ブラビジャヤ大学、IPB大学(旧ボゴール農業大学)、タンジュンプラ大学、リア大学 |
タイ | コンケン大学、カセサート大学、タマサート大学 | |
韓国 | 韓瑞大学校、白石大学校、明知大学校、国立慶尚大学校、東国大学校、釜山外国語大学校 | |
中国 | 安徽大学、陜西科技大学、瀋陽薬科大学、河南大学、天津師範大学、佳木斯大学、北京語言大学、南京航空航天大学、上海海洋大学、常州大学、北京聯合大学、北京外国語大学、東北大学秦皇島分校、ハルピン師範大学 | |
フィリピン | フィリピン大学、ビコール大学、パルティド州立大学、カタンドゥアネス州立大学 | |
ベトナム | ハノイ科学大学、ハノイ科学工業大学、タイグエン大学 | |
マレーシア | マレーシアプトラ大学、マレーシアサラワク大学 | |
台湾 | 国立中山大学、東海大学、中国文化大学、国立高雄科技大学、国立台湾海洋大学 | |
中東 | バーレーン | アイルランド王立外科医学院バーレーン医科大学 |
中南米 | メキシコ | 国立ポリテク工科大学応用研究所サルティジョ校、サルティジョ工科大学、プエブラ栄誉州立自治大学 |
ブラジル | 南マットグロッソ連邦大学 | |
アフリカ | ガーナ | ガーナ大学 |
■ 部局間交流協定校(学生交流)
※学部に所属する学生のみ留学可
学部 | 国・地域 | 協定大学一覧 |
人文社会科学部 | スウェーデン | イェーテボリ大学人文学部 |
台湾 | 高雄大学人文社会科学部、開南大学人文社会学院、淡江大学外国語文学部 | |
教育学部 | スウェーデン | イェーテボリ大学人文学部 |
デンマーク | ユニバーシティ・カレッジ・コペンハーゲン | |
フィンランド | ユヴァスキュラ大学教育学部 | |
チェコ | バレストラ体育スポーツ大学 | |
台湾 | 樹人医護管理専科学校応用日本語学科 | |
医学部 | アメリカ | ハワイ大学医学部 |
タイ | ソンクラー・ナカリン大学医学部 | |
台湾 | 国立台湾大学医学部 | |
カザフスタン | セメイ国立医科大学 | |
農林海洋科学部 | インドネシア | ディポネゴロ大学水産海洋科学部 |
地域協働学部 | イタリア | ラクイラ大学土木建設建築環境工学部 |
*高知大学公式サイトから引用・表形式化
高知大学の留学制度について先生方に深掘りインタビューしました!
高知大学では、交換留学や短期派遣など、多様な留学制度が整備されており、実際に多くの学生がその制度を活用して海外での学びに挑戦しています。制度の概要や数字からも、その充実ぶりはうかがえますが、では実際に、どのような支援が行われ、学生たちはどんな思いでその一歩を踏み出しているのでしょうか。
そこで今回は、現場で学生を支えるグローバル教育支援センター長の今井典子先生と留学担当の長野はな先生にインタビューを実施。制度の背景にある想いや支援の工夫、学生のリアルな変化、そして今後の展望について、現場の声を通して深掘りしていきます。国際交流に関心を持つ高校生へのメッセージも交えて、高知大学の国際教育の“今”をお届けします。
海外への第一歩を後押しする―高知大学の交換留学・短期派遣プログラムとは
― 学生の皆さんはどんな形で留学にチャレンジしているのでしょうか?
今井先生:
高知大学では、学生一人ひとりのニーズに合わせて選べる複数の留学プログラムを展開しています。令和6年度の実績では、交換留学、短期留学、「トビタテ!留学JAPAN」、国際社会実習、海外派遣プログラムなどを通じて、合計153名の学生が海外留学を経験しました。代表的なのが、協定校との交換留学と、夏休みや春休みを活用した短期派遣プログラムです。
交換留学は、半年から1年の長期にわたる本格的なプログラムで、提携している海外の大学へ派遣されます。現在は年間30名弱が参加しており、コロナ禍を経て徐々に回復してきている状況です。一方、短期派遣プログラムは語学を中心に学ぶもので、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドといった国々に、3週間から1ヶ月程度のスケジュールで派遣しています。昨年度はこの短期プログラムに41名の学生が参加しました。
― 参加する学生の傾向や、プログラムの工夫について教えてください。
今井先生:
本学では、1年生を対象に毎年「留学に関する意識調査」を実施しています。昨年のデータでは、約6割の学生が「海外留学に興味がある」と肯定的に回答しており、関心の高さがうかがえます。ただし、希望する留学期間については「3ヶ月以内」とする学生が多く、やはり学業や生活への不安が影響していると感じています。
また、留学に対して消極的な4割の学生の中には、「語学に自信がない」「経済的に難しい」といった理由を挙げるケースも多く見られます。そういった不安を少しでも和らげられるように、本学では語学検定試験対策講座の実施や、語学学習アプリの無料提供など、事前の支援体制を整えています。
― 初めての海外経験に向けた準備は、どういった内容でしょうか?
長野先生:
海外渡航が初めての学生も少なくないので、出発前には「事前学習プログラム」を実施しています。内容はとても実践的で、パスポートの取り方といった基本的な手続きから、現地で安全に過ごすための注意点、異文化理解のポイントまで、しっかりとカバーしています。これにより、学生が安心して出発できるようサポートしています。
また、短期プログラムで「まずは海外を体験してみよう」とチャレンジした学生が、その後「もっと学びたい」と交換留学にステップアップするケースも多くあります。学生の段階に応じた選択肢を提供できているのは、本学の強みの一つだと思います。
留学のきっかけはキャンパスの中に?―高知大学の国際交流イベント
― 留学前から異文化に触れられる機会はありますか?
今井先生:
はい、実は留学の第一歩になるような体験が、すでに学内にたくさん用意されています。代表的なのが「カルチャーカフェ」というイベントです。これは本学に来ている留学生が、自国の文化や風習についてプレゼンテーションするもので、高知大学の学生も日本文化を紹介するなど、双方向の交流が行われます。
例えば、チェコやマレーシアといった、普段あまり身近に感じることのない国の学生が登壇することもあり、参加した学生から「もっとその国を知りたい」「実際に行ってみたい」という声が上がることも珍しくありません。まさに、留学への興味の“芽”を育てるイベントだと感じています。
― 留学生との日常的な交流の場もあるのでしょうか?
今井先生:
はい、現在キャンパス内の建物が改修中ではありますが、2026年3月には、留学生と日本人学生同士が自由に日常的に交流できる新しいラウンジが完成予定です。言語だけでなく文化の違いも気軽に話し合えるような、柔らかな雰囲気の空間になる予定です。現在は、その交流スペースの近くにある場所で活動を行っていますが、ラウンジが完成すればより広く快適な環境となるため、私たちもとても楽しみにしています。
また、「パートナーシップ・プログラム」という制度もあり、留学生と日本人学生がペアになって文化や言語の交流を行う機会も提供しています。
長野先生:
このようなイベント以外にも、例えば夏に実施している「サマープログラム」では、協定校から1ヶ月間、学生が高知に滞在し、日本語や日本文化を学びます。昨年度はアメリカ、チェコ、イギリス、タイ、メキシコなど、5カ国からの学生が参加し、高知大学の学生とも積極的に交流しました。その結果、「実際にその国に留学したい」と感じて、交換留学へと進んだ学生もいました。
― 学内での国際交流が、実際の留学につながることもあるのですね。
長野先生:
そうですね。イベントでの交流を通じて、「英語をもっと話してみたい」「外国の文化にもっと触れたい」という気持ちが芽生えることはよくあります。中には「まずはキャンパス内で国際交流を体験して、それから海外に行ってみたい」と考える学生も多いですし、その気持ちを後押しできるような機会をできるだけ多く設けるようにしています。
学生の「変化」が原動力に―担当者が語る、留学支援のやりがい
― 留学や国際交流を支援する中で、印象に残っていることはありますか?
今井先生:
私がこの仕事をしていて一番嬉しいのは、やはり学生たちが留学や国際交流を通じて目に見えて成長していく姿を見られることですね。例えば、留学前は人前で発言するのが苦手だった学生が、帰国後の報告会で堂々と自分の経験を語っていたり、「すごく大変だったけど、本当に行ってよかったです」と話してくれる姿を見ると、本当にこの取り組みをやっていてよかったなと感じます。
中には「留学を通じて13カ国の学生と今も交流を続けている」という学生もいて、そんな報告を聞くと、単なる一時的な経験ではなく、その後の人生にも確実に影響を与えていることを実感します。
― 支援の現場では、学生一人ひとりに寄り添っていらっしゃるのですね。
長野先生:
はい。実は私、個別相談も担当していまして、学生と1対1で話す機会がとても多いんです。「留学に興味はあるけど、何から始めたらいいか分からない」といった相談から、「2年生の春にカナダに行きたい」と具体的に目標を持っている学生まで、本当にさまざまなケースがあります。
でも、たとえ最初は漠然とした不安や戸惑いを抱えていても、話をしていく中で「実はこういうことをやってみたい」「この国に興味がある」といった本音が少しずつ見えてくるんです。そうやって一歩ずつ前に進んで、実際に留学を実現させた学生を見ると、「この仕事をしていてよかったな」と心から思いますね。
もっと多くの学生に国際体験を―これからの留学支援のかたち
― 高知大学では、今後どのような国際交流・留学の展開を目指していますか?
今井先生:
今後は、語学が得意な学生や国際志向が強い学生だけでなく、より幅広い層の学生に国際体験の機会を届けたいと考えています。実は「留学してみたい」という気持ちはあっても、「自分には無理かも」と踏み出せない学生が少なくないんです。だからこそ、そうした学生にも国際的な視野を広げるチャンスを届けることが、私たちの大きな目標です。
今年度からは「ボランティア・アブロード・プログラム」という、新たな短期留学の取り組みも始めました。これは、海外でボランティア活動を行いながら学ぶプログラムで、単なる語学習得にとどまらず、国際社会の中での役割や責任についても考えられる、非常に意義のある体験になると期待しています。
また、経済的な理由や時間的な制約などで海外渡航が難しい学生に向けては、オンラインでの国際教育交流、いわゆる「COIL(Collaborative Online International Learning)」を体験する機会もあります。場所にとらわれることなく異文化に触れられるこうしたプログラムを通じて、より多くの学生に国際的な学びの場を届けられるよう、今後も工夫を重ねていきます。
― 学生が早い段階で留学を意識できるようにする工夫はありますか?
長野先生:
まさにそこも今後の課題だと考えています。学生の中には、「もっと早く動けばよかった」と思いながらも、行動に移せなかった人が少なくありません。ですから、できるだけ1年生のうちから留学への関心を「行動」に変えられるような支援を強化していきたいと思っています。
例えば、実際に留学した先輩の話を聞ける報告会は、学生のモチベーションを高めるのにとても効果的です。今後はそうした機会をもっと増やして、リアルな声を届けることで、一歩踏み出す後押しができればと考えています。
高校生の皆さんへ―まずは「一歩踏み出す」勇気を
― これから大学進学を考える高校生に向けて、メッセージをお願いします。
今井先生:
留学や国際交流と聞くと、「語学が得意な人がやるもの」「特別な人だけが行くもの」と思われがちですが、実はそんなことはありません。大事なのは、「挑戦してみたい」という気持ちを持っているかどうか。それがあれば、あとは私たちがそっと背中を押す役目を担います。
最初は不安でも、経験を通して自分の世界が広がり、将来の選択肢も豊かになるはずです。語学力も、最初から完璧である必要はありません。むしろ、現地での生活を通じて、自然と身についていくものです。だからこそ、「今の自分のままでいい」ので、まずは一歩、踏み出してほしいですね。その一歩が、きっと未来への扉を開いてくれるはずです。
長野先生:
今の時代、SNSやAI翻訳など、海外の情報に簡単にアクセスできるようになっていますよね。だからこそ、「わざわざ留学しなくてもいいんじゃないか」と思う方もいるかもしれません。でも、現地での生活や人とのやりとりを通じて得られる「柔軟な考え方」や「行動力」、そして「対応力」は、やっぱり実体験でしか身につかないものだと思うんです。
私自身も留学を経験して、世界の見え方がガラリと変わりました。高校生の皆さんには、ぜひ自分の目で世界を見て、いろんな価値観に触れてほしい。そして、「いつか留学してみたいな」と思ったら、その時が一歩目を踏み出すチャンスです。今のうちから、少しずつ「どんな国に行ってみたいかな?」と想像してみるだけでも、きっと未来が変わると思いますよ。
高知大学の留学制度・国際交流支援制度のまとめ
高知大学では、学生一人ひとりに合った形で国際体験ができるよう、交換留学や短期派遣、ボランティア留学など、さまざまなプログラムが用意されています。協定校も世界各国に広がっており、学部に応じた専門的な交流も可能です。
留学前の不安に対しては、語学支援や事前学習、個別相談など、きめ細かなサポートが整っており、初めての海外でも安心して挑戦できます。また、学内でもカルチャーカフェや国際交流イベントが開かれており、キャンパスの中で気軽に異文化にふれることができます。
さらに、高知大学では「もっと多くの学生に国際体験を届けたい」という思いのもと、オンラインでの国際交流や新しいプログラムにも取り組んでいます。留学に興味があるけれど不安がある方にも、安心して一歩を踏み出せる環境が整っています。
語学力や特別な経験がなくても大丈夫です。大切なのは「やってみたい」という気持ちです。高知大学では、その気持ちを大切に、学生の挑戦を全力で応援しています。
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English Hub 編集部

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