就職・転職や将来のキャリアプランについて考える中で、英語力を活かせる仕事がしたいと思ったことはありませんか?
グローバル化が進んだ今、英語を使う仕事には数多くの選択肢が存在します。自ら海外に出るだけでなく、日本国内にいながら国際色豊かな職場で働くなど、英語と関わる方法はさまざまです。
この記事では、英語を使って働く仕事の一覧に加え、それぞれの職種で求められる英語レベルの目安を紹介します。「どんなことがしたいか・できるのか」を考えながら、ぜひ具体的な働き方のイメージを膨らませてみてください。
目次
英語を使って働くメリット
英語力の高さは、幅広い分野でキャリアアップを叶えるための大きな武器となり得ます。また、年収をはじめとする待遇面においても有利に働く可能性があります。
英語力と高年収の関係
外資系・グローバル企業に特化した転職・求人サイト「Daijob.com」を運営するヒューマングローバルタレント株式会社が、2020年10月~2021年9月にかけて行った調査では、英語力の高さと年収の関係が明らかになっています。
「Daijob.com」の求人掲載企業からスカウトを受けたサイト登録者の年収と、令和2年の平均給与実態(※)の比較において、「ビジネス会話レベル以上(TOEIC L&R 735点以上)」の英語力を持つビジネスパーソンの場合、50代男性の年収が平均の1.3倍、女性は40代・50代で平均値と1.6倍の差がありました。
20代・30代ではさほど大きな差が見られなかったものの、このデータから、年齢を重ねるにつれて、高い英語力を持った人の方がより多くの収入を得られる可能性が高いことが分かります。
年収は、英語を話せるかどうかや試験のスコアのみで決まるものではありませんが、英語を使えることで専門性がより深まったり、幅広い業務に対応できたりと、高い英語スキルが待遇面に与えるポジティブな影響は少なくないと言えるでしょう。
※国税庁実施の「令和2年分 民間給与実態統計調査」に基づく
【関連ページ】英語力と高年収の関係性が明らかに 転職・求人サイト「Daijob.com」が調査結果を発表
英語を活かせる仕事の一覧と英語力の目安
英語を使う仕事は、「海外との結びつきが強い仕事」「英語と他の専門分野を掛け合わせた仕事」「語学の専門家としての仕事」の3種類に大別できます。
それぞれのカテゴリーにおける具体的な仕事・職種の例は、下記の一覧の通りです。
- 海外との結びつきが強い業界で働く
- 英語と他の専門分野を掛け合わせて働く
- 英語・語学の専門家として働く
・キャビンアテンダント、グランドスタッフ
・全国通訳案内士(通訳ガイド)
・旅行会社スタッフ
・ツアーコンダクター
・外国人観光客の多い地域での仕事(ホテルコンシェルジュ、観光案内所スタッフ、小売店・飲食店スタッフ、鉄道・バス会社職員など)
・大学職員(留学センターなど)
・語学学校スタッフ
・留学・ホームステイエージェント勤務
・国際協力団体職員、国際ボランティア
・外資系企業勤務
・日系グローバル企業勤務
・海外の資材・人材との関わりが深い企業での勤務
・通訳
・翻訳
・小学校英語指導員
・中学・高校英語教員
・英会話スクール・英語塾・子ども英語教室講師
・日本語教師
ここからは、それぞれの仕事で求められる英語力の違いなどにも注目しながら、どんな働き方があるのかを見ていきましょう。
※各カテゴリーごとに記載しているCEFRレベルや各英語試験でのスコアは、文部科学省が公表している「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」に基づくものです。それぞれの職種と英語レベルの関係については、English Hub編集部が独自に設定していますので、あくまでも目安としてご参照ください。
1. 海外との結びつきが強い業界で働く
海外との結びつきが強い業界では、日本にいながらでも日常的に英語を使って働ける可能性があります。職種によっては、初中級レベルの英語力でもチャレンジできる機会が広がっているのが特徴です。特にインバウンド・サービス関連業の場合は、言語力そのものだけでなく、おもてなしの心や日本文化に関する知識が求められることもあるでしょう。
CEFR:B1~B2レベル以上
(TOEIC L&R 550点以上、IELTS 4.0~5.0以上、TOEFL iBT 42~71点以上)
※CEFR(セファール):「Common European Framework of Reference」の略で、外国語の運用能力を示す国際的な指標のこと。
インバウンド・サービス関連業
訪日外国人を相手にする仕事として代表的なのは、インバウンド・サービス関連業です。外国人が多く訪れる観光地では、旅行客を案内するツアーコンダクターのみならず、鉄道・バスなどの公共交通機関の職員、小売店・飲食店のスタッフも幅広く英語を使う機会があります。
国籍を問わず幅広いゲストに対する接客スキルを磨きたい方には、業種別の試験で実践的な接客英語力を測れる「英語応対能力検定」の受験もおすすめです。
そのほか、語学関連の唯一の国家資格である「全国通訳案内士(通訳ガイド)」を取得すれば、旅行会社に所属しながら、あるいはフリーランスの通訳案内士として仕事を請け負うことができます。
ホテルコンシェルジュ、旅館スタッフ、旅行会社スタッフ、ツアーコンダクター、全国通訳案内士、キャビンアテンダント、グランドスタッフ、観光案内所・小売店・飲食店スタッフ、鉄道・バス会社職員 など
外国人留学生と関わる仕事
日本を訪れる人たちの中には、観光客だけでなく、勉学のために来日する外国人留学生もいます。
たとえば、大学の留学センター職員は、外国人留学生の受け入れや、日本人学生の海外留学に関連する業務に携わります。海外大学の担当者とのやり取りや現地への出張、留学生とのコミュニケーションなどで、頻繁に英語を使う機会があるでしょう。
語学学校(日本語学校)の場合は、留学生の日本語の上達を最優先に考え、英語ではなく日本語での会話を推奨しているケースがあります。ただし、学費の支払いなどの重要な情報は英語で説明を補ったり、海外の留学エージェントと連絡を取ったりと、業務を進める中で英語力が必要になることも考えられます。
そのほか、留学・ホームステイをあっせんしている企業であれば、英語力を発揮しながら、日本の学校やホストファミリーと外国人留学生をつなぐ仕事ができます。
大学職員(留学センター)、語学学校スタッフ、留学・ホームステイエージェント勤務 など
国際協力に携わる仕事
貧困、紛争、環境破壊をはじめとする世界の諸問題の解決支援に携わる国際協力の仕事では、さまざまな場面で英語力を活かせるでしょう。支援を必要としている国・地域に足を運び、現地に滞在しながら行う活動や、課題解決のための研究・調査、予算管理やボランティア派遣の取りまとめなど、その業務内容は多岐にわたります。
NGO(非政府組織)や国際協力に関わる団体・機構の職員を目指す場合は、特定の分野での専門性を求められる上、採用時の競争率が高いのが実情です。そのほか、JICA(国際協力機構)が公募を行っている青年海外協力隊/シニア海外協力隊や、ボランティア団体の一員となって各プロジェクトに参加する方法もあります。
国際NGO職員、青年海外協力隊/シニア海外協力隊 など
2. 英語と他の専門分野を掛け合わせて働く
二つ目のカテゴリーは、英語を主にコミュニケーションツールとして活用しつつ、他の専門分野と掛け合わせて働く仕事です。外資系企業や日系グローバル企業では、業界を問わず、ビジネスを進める中で英語を使うチャンスが数多くあります。
CEFR:B2レベル以上
(TOEIC L&R 785点以上、IELTS 5.5~6.5以上、TOEFL iBT 72~94点以上)
外資系企業
外資系企業では、英語を使ったやり取りが頻繁に発生するため、ビジネスレベルの英語スキルを有することが必須となっている場合があります。日本支社に所属しながら、日本人以外の上司や同僚に囲まれて働くというケースも珍しくないでしょう。
国籍や文化の異なる人たちが集まるグローバルな環境では、英語を使った意思疎通の場面で誤解やミスが生まれないように特に注意しなければなりません。会議などの場では、日本人ならではの視点からの意見を求められることもあり、自分が携わっている業界について、日本語だけでなく英語でも専門知識をインプットしておくことが重要です。
日系グローバル企業
海外に向けてビジネスを展開している日本企業の場合も、業務の中で日常的に英語を使う機会があります。なかには、社内での公用語を英語とする企業も登場し、従業員の国籍を問わず、英語を使ったコミュニケーションを重視する会社の姿勢が見て取れます。
日本以外に支店や工場などの拠点を持つ企業では、異動・昇進に伴って海外に転勤・駐在するチャンスもあるでしょう。現地で一から仕事を探すのは簡単なことではありませんが、駐在という形であれば会社から手厚くサポートしてもらえるケースも多いため、海外に住みながら働くことを目標としている場合は、日系企業に所属して駐在を目指すのも一つの手です。
海外の資材・人材との関わりが深い企業
グローバルな舞台で仕事をするには、自社製品・サービスを海外で販売する企業以外にも、資材・原料を外国から調達しているメーカーやエネルギー企業、オフショア開発を行うIT企業、海外情報を取り扱うメディア・シンクタンクなど、幅広い業種に目を向けてみるとよいでしょう。
いずれもビジネスを成り立たせる上で海外の資材・人材が必要不可欠なため、コミュニケーションツールとして世界の共通語である英語が鍵になると考えられます。
職種によっては出張で頻繁に海外を訪れたり、現地に駐在しながら働いたりできる可能性もあり、国際的な仕事に就きたい人にぴったりです。
3. 英語・語学の専門家として働く
三つ目のカテゴリーは、英語のエキスパートとしての専門性を活かして働く仕事です。具体的には、通訳、翻訳、英語教員・講師などが挙げられますが、いずれも語学に関する深い知識・理解が必要な仕事のため、求められる英語力のレベルも必然的に高くなります。
専門性の高い仕事を得るには、自らの語学力の証明として、TOEIC、IELTS、TOEFLなどの英語試験のスコアがアピール材料となるほか、業務そのものの経験年数や実績も重視されます。
CEFR:B2~C1レベル以上
(TOEIC L&R 785点以上、IELTS 5.5~6.5以上、TOEFL iBT 72~94点以上)
通訳
通訳の仕事は、国際会議・学会やインタビュー、ビジネス上のコミュニケーションなど、幅広い場面が舞台となります。
通訳者に求められるのは、スピーカーが話した内容を、素早く正確に別の言語に置き換えてアウトプットする能力だけではありません。事前準備が成否に直結する通訳の仕事では、その日扱うトピックに関する専門知識や語彙を事前にインプットしておくなど、英語そのもの以外の勉強にも絶えず向き合い続ける姿勢が求められます。
翻訳
翻訳業には、出版(文芸)、映像、実務(産業・ビジネス)の主に3つのカテゴリーがあります。なかでも、契約書、特許関連文書、業界別のレポートや論文などの幅広い分野を扱う実務翻訳の市場が最も大きく、翻訳者はそれぞれ専門ジャンルを定めた上で業務を受注するパターンが一般的です。
翻訳の場合も、通訳と同様、英語に限らず自らの専門分野について学びを深め続けることが欠かせません。
英語教員・講師
英語指導の対象は、幼児から小・中・高校生、大学生や社会人、シニア世代まで年齢層が幅広く、集団授業またはマンツーマン指導といったレッスン形式によっても求められるスキルが異なります。英語教員・講師として活躍するには、言語に関する正確な知識に加えて、文法項目などを相手に分かりやすく説明する力を有していることも重要なポイントになります。
近年では、小学校における外国語活動の必修化に伴い、小学校英語指導者資格の「J-SHINE(ジェイシャイン)」に注目が集まりました。
また、英語以外の母語を持つ学習者への英語教授法「TESOL(テソル、ティーソル)」を学んだり、国際的な英語指導資格の「CELTA(セルタ)」を取得したりすれば、日本人の学習者に限らず、さまざまな国で英語を学んでいる人たちを対象とするティーチングスキルを身につけることも可能です。
日本語教師
日本語教師は、語学力を活かして働ける職種の一つです。ただし、働く国や所属する学校のポリシーによって、授業内での使用言語が変わる点について認識しておく必要があります。
一般的に、日本国内の日本語学校では、日本語を日本語で教える直接法が採用されています。これは、異なる母語を持つ複数の学習者が一緒に授業を受けるケースが多く、英語のような共通語での説明を全員がスムーズに理解できるとは限らないためです。
一方、海外で日本語を教える際は、英語やその国の公用語を使って授業を行う場面も少なくないでしょう。特に初級クラスでは、日本語のみでの説明は受講生にとってややハードルが高いため、他の言語での解説を求められる傾向があります。
「英語スキルを活かしながら日本語を教えたい」という具体的な希望を持っているのであれば、働く環境によって使用言語が左右されることを認識した上で、自分の理想に近い教え方ができるスクールを探すとよいでしょう。
まとめ
今回紹介した中で、気になる職業はありましたか?一口に「英語を使う仕事」と言っても、業務内容や求められる英語レベルはそれぞれの職種で異なります。
自らのキャリアについて考える際は、「どんな形で英語と関わりたいか」を改めて整理した上で、幅広い職業に目を向けてみるとよいでしょう。
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