J-SHINE(小学校英語指導者資格)はどう役立つ?取得方法や費用、注意点も

J-SHINE(ジェイシャイン)は、日本の小学校での英語教育促進を目的として創設された、子どもに対する英語指導資格です。

2020年、小学校3・4年生で「外国語活動」が必修化されると同時に、5・6年生は「外国語」の教科として英語を学ぶことになりました。国際化が進むこれからの社会で役立つ英語力の習得を期待する保護者も多く、子ども向け英語教育に対する需要はますます高まっています。

そんな中、児童英語教育に携わる人たちから注目を集めているのが、小学校英語指導者資格のJ-SHINEです。J-SHINEは、既存の教科に加えて英語を教えることになった小学校教員や、子ども向け英会話スクール・英語塾で働く講師だけでなく、これから指導者を目指す人にも取得できます。

この記事では、J-SHINEの概要・取得方法とともに、資格取得によって得られるメリットや注意点についても解説します。「J-SHINEがどんな資格か知りたい」「本当に役立つのか疑問」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

※記事内の情報は、2022年5月調査時点のものです。

目次

J-SHINE(小学校英語指導者資格)とは

J-SHINEは、児童英語教育の基礎を学んだことを証明する民間の認定資格です。NPO法人「小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE:Japan Shogakko Instructors of English)」の登録団体において規定のカリキュラムを修了した後、申請と認定プロセスを経て資格が付与されます。

J-SHINEは、小学校での英語教育の促進・指導者の養成を目的とし、2003年に設立されました。認定活動の普及の結果、2019年9月時点での有資格者は4万人以上(※)に達しています。

※参照:J-SHINE×アルク協同調査レポート「J-SHINE 資格取得者の就業・指導実態

J-SHINEの資格は全6種類

J-SHINEは、指導者自身の英語力と指導経験時間によって6種類の資格に分かれています。その中でも、初めて申請を行う人が取得できるのは以下の3種類です。

【新規の申請で取得が可能な資格】

  • 小学校英語準認定指導者資格
  • 指導者として一定の知識と技能を有しながらも、指導経験が50時間に満たない場合に与えられる「準認定資格」。資格取得後に50時間以上の指導時間が認められると、「小学校英語指導者」の正資格に書き換えが可能となる。50時間の指導経験については、小学校のほか、幼稚園・保育園、英会話スクール、自宅教室での授業、家庭教師としての指導経験も含まれる(オンラインでの指導も対象)。

  • 小学校英語指導者資格
  • J-SHINEの中で最も基本となる資格。小学校で行われる英語教育において、指導者として必要な知識・技能、50時間以上の指導経験があることを示す。

  • 小学校英語指導者+(プラス)資格
  • 「小学校英語指導者資格」で認められた知識や技能に加え、50時間以上の指導経験とCEFR B2以上の英語力を持っている場合に与えられる資格。

また、上記のJ-SHINE資格を取得した後のステップとして、さらなるスキルアップを目指す人に向けた上級/トレーナー資格も用意されています。

【一定の条件をクリア後に申請可能となる上級/トレーナー資格】

  • 小学校英語上級指導者資格
  • 新規で資格を取得した後、小学校での指導経験を200時間以上積み、小学校長または教育委員会からの推薦を受けた場合に申請できる上級資格。

  • 小学校英語上級指導者+(プラス)資格
  • 「小学校英語上級指導者資格」の取得要件を満たし、かつCEFR B2以上の英語力がある場合に与えられる資格。

  • 小学校英語指導者育成トレーナー資格
  • 英語指導者に対する講座を企画・立案し、指導者を育成するトレーナーとしてのスキルを持っていることを示す資格。J-SHINE主催の資格検定での合格が必要。

※指導経験時間のカウント方法などの詳細については、小学校英語指導者認定協議会のウェブサイトをご参照ください。

J-SHINEはどんな人におすすめ?

【J-SHINEの取得がおすすめな人】

  • 英語指導は未経験で、子どもに英語を教える仕事をこれから始めたい方
  • 小学校教員や子ども向けの英語講師をしており、指導力をさらにブラッシュアップさせたい方
  • 児童英語教育の指導者を育成するトレーナーとしての知識・技能を身に付けたい方
  • 小学校教員を目指して教職課程で学んでいる方

J-SHINEの各資格は、小学校教員や英語講師として働いている方だけでなく、「これから指導者を目指したい」という方でも取得が可能です。一部のスクールでは、小学校英語指導者資格の申請要件である「50時間以上の指導経験」が得られる実習が組み込まれたプログラムもあるため、受講開始時点で子どもに対する英語指導が未経験だったとしても問題はありません。

指導経験に関する要件をすでに満たしている現役の小学校教員・英語講師の場合は、通信講座やオンライン形式のスクールを選ぶなどして自宅だけで受講を完結させることもできます。J-SHINE講座の受講を通じて、指導力をさらに磨いたり、「先生を教える」立場としてのスキルを身に付けたりすれば、今後のキャリアアップにもつながるでしょう。

J-SHINE取得のための指導者養成講座について

2022年5月現在、J-SHINEから指導者養成講座の認定を受けているのは、国内外の合計33団体(※)です。公式に認定されていない類似講座を受講した場合は、J-SHINE資格の申請ができないため注意してください。

※参照:小学校英語指導者認定協議会「登録団体一覧

J-SHINE取得講座で学べること

J-SHINE資格を取得するための講座では、どんなことを学べるのでしょうか?詳細は講座により異なりますが、いずれのスクール・団体もJ-SHINEが定めた「指導者育成共通カリキュラム」に基づく内容を提供しています。

J-SHINEのカリキュラムの柱となっているのが、以下7つの項目です。

【小学校英語指導者認定協議会 指導者育成共通カリキュラム】

  1. 小学校英語(活動型・教科型)の目的と意義
  2. 言語習得の理解
  3. 小学校英語(活動型)の指導法
  4. 小学校英語(教科型)の指導法
  5. 小学校英語(活動型・教科型)の授業計画
  6. 小学校英語(活動型・教科型)の指導技術
  7. 小学校英語(活動型・教科型)における評価の観点と評価基準


※出典:小学校英語指導者認定協議会「指導者育成共通カリキュラム

共通カリキュラムの内容を見ると、日本の小学校教育に関する知識から授業計画の立て方、具体的な英語の指導技術まで、幅広いトピックが満遍なくカバーされていることが分かります。J-SHINEの講座では、これまでの指導経験の有無を問わず、子どもに英語を教える上で必要な知識・スキルを体系的に学べるのがメリットと言えるでしょう。

選べる受講形式(通学、通信講座・オンライン、留学)

指導者養成講座を提供する各団体では、「仕事を続けながら空いている時間を活用して講座を受講したい」「短期間で集中的に学びたい」といったさまざまなニーズに応えるため、複数の受講形式を用意しています。ここからは、代表的な3つの選択肢をご紹介します。

1. スクールに通学する

J-SHINE取得の専用コースを開講している最寄りのスクールに通学し、対面で講義を受けるパターンです。夏休み期間を使い、2週間程度の短期集中で完結するプログラムのほか、週1~3回のペースで受講しながら3ヶ月~1年程度の時間をかけてじっくり学べるコースもあります。

複数人が参加する講座では、他の受講生と励まし合ったり、情報交換をしたりと、通学して受ける対面授業ならではのコミュニケーションが魅力です。

【通学型コースの例】

2. 通信講座やオンラインコースを選び、自宅で受講する

空いている時間を活用して自宅で学びたい方には、通信講座やオンラインでの授業配信を行っているコースがおすすめです。自宅に送られてくるDVDとテキストを使って学習を進める形式や、オンラインのライブ授業に参加する方法を選べば、通学の手間がかかりません。

「まとまった時間が取れない」「自分のペースで学習したい」という場合でも、無理なく受講を続けられるでしょう。

【通信講座の例】

3. カナダ/オーストラリア/ニュージーランドに留学しながら学ぶ

J-SHINE取得のための指導者養成講座は、日本国内だけでなく、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの語学スクールでも提供されています。海外のスクールでは、日本語と英語で行われる4週間の座学クラスに加え、現地の幼稚園などでの2週間の実習がセットになった合計6週間のプログラムが一般的です。英語で行われる児童英語教授法のクラスには、日本以外の国からの留学生が参加する場合もあり、海外ならではのグローバルな環境に身を置きながら学べます。

「海外の子どもたちを相手に英語を使ったクラスアクティビティーをやってみたい」「座学講座と50時間分の実習を一度に受けたい」という方に適しています。

【海外語学スクールの例】

いくらかかる?資格取得費用の目安

J-SHINEの取得を目指すにあたって、どのくらいの費用がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。指導者養成講座の受講料は、スクールやコースにより異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

  • 通信講座、オンライン:15万円前後~
  • 通信講座・オンラインコースの受講料金は、スクールへの通学や海外留学と比べてやや安い傾向にあります。自宅でコツコツと学習を進める自主性が求められますが、できるだけ費用を抑えたいという方は、オンライン・通信講座を中心に複数のプログラムを検討してみるとよいでしょう。

  • スクールへの通学コース:20~50万円程度
  • 対面での指導を受けられるスクール通学の場合、受講料は20~50万円程度と、どんなコースを受けるかによって差があります。J-SHINE取得のための講座に加え、指導者としての英語力を高めるクラスがセットになっていることもあるため、自分にとって必要な内容はどれなのかを申し込み前にしっかりと確認しておきましょう。

  • 海外留学:20万円前後+渡航費、滞在費
  • 海外に留学しながら指導者養成講座を受ける際は、20万円程度のスクール受講料に加え、飛行機のチケット代、現地での宿泊費・食費などがかかる点がポイントです。海外留学の場合、費用の総額は高くなりがちですが、日本ではできない経験を得られるというメリットもあります。目的と予算のバランスを踏まえた上で考えてみてください。

J-SHINE取得に必要な英語力はどれくらい?

子どもに英語を教える立場として、指導者自身はできるだけ高い英語力を有していることが望ましいとも言えますが、J-SHINEの資格取得にはどの程度の英語レベルが必要なのでしょうか?

J-SHINEは、資格申請時の英語力に関して「英語で授業が行えること」という基準を設けています。また、各スクールがJ-SHINE取得講座の申し込み時に課している条件を参考にすると、TOEIC L&Rで500~600点以上、英検2級程度が一つの目安となるでしょう。ただし、基準となる英語レベルを満たしていない場合でも、英語力アップのためのコースを並行して受けながらJ-SHINEの取得を目指す方法もあります。

「小学校英語指導者+(プラス)資格」「小学校英語上級指導者+(プラス)資格」のように、CEFR B2以上の英語力が求められる資格を取得する際は、英語資格・検定試験の証明書の提出が必要です。英検準1級以上、TOEIC L&R・S&Wで1560点以上(※1)など、J-SHINEが認めている資格・テストスコアをあらかじめ確認し、申請時点で有効な証明書を用意しておきましょう。

※TOEICスコアの算出方法:リスニングスコア+リーディングスコア+(スピーキングスコア×2.5)+(ライティングスコア×2.5)

受講前に考えておくべきこと・J-SHINE取得後の注意点

J-SHINE取得によって英語指導者としての仕事が保証される訳ではない

教員免許を持っていない方が小学校で英語を教える場合は、学級担任やALTとともに授業を行う指導員の立場を目指すことになります。「小学校外国語(英語)活動指導員」「英語教育アドバイザー」などと呼ばれる仕事は、地域・自治体ごとに募集が行われており、J-SHINE資格を優遇または必須とするといった条件も異なります。J-SHINEは、教員免許のように取得が義務付けられているのではなく、あくまでも児童英語教育について学んだことを示すプラスアルファの資格として認識しておきましょう。

小学校で英語を教えるだけでなく、子ども向け英会話スクールや個人の英語教室で講師として教育に関わる方法もあります。指導員養成講座を受講する際は、自分が働きたい地域でJ-SHINEを活かせる求人があるか、資格取得の過程で学んだことをどのように実践していくかを具体的にイメージしておくことが大切です。

資格の有効期限は4年間、継続には更新手続きが必要

J-SHINEの各資格の有効期限は4年間となっており、資格を継続するには有効期限から3ヶ月後の月の末日までに更新手続きが必要です。有効期限が近付くと郵送で更新案内書類が届くので、継続を希望する場合は忘れずに完了させましょう。手続きそのものは、J-SHINEのウェブサイト上の「マイページ」から行います。

更新時の費用は、デジタル証明書のみの「デジタルプラン」が5,000円、デジタル証明書に加えてIDカードが発行される「カード付きプラン」が8,000円となっています。

まとめ

子どもの英語教育への注目度の高まりとともに、学校や英語教室で質の高い語学指導ができる教員・講師の確保が急務となっています。また、教員の負担軽減が叫ばれる中、児童英語教育の知識とスキルを持った英語指導員が、これからの教育現場でますます重要な存在となっていくことも考えられるでしょう。

「教員・英語講師としてさらにスキルアップしたい」「子どもと英語に関わるキャリアを目指したい」という方は、J-SHINEの取得を検討してみてはいかがでしょうか。

【参照サイト】特定非営利活動法人 小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)

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English Hub 編集部

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