TOEFL iBTは、アメリカの非営利団体であるETS(Educational Testing Service)によって開発された、英語運用能力の測定試験です。英検やTOEICなど、英語関連の資格・試験は他にも数多く存在しますが、それらと比べてTOEFL iBTにはどんな特徴があるのでしょうか。
今回は、TOEFL iBTを受けることで得られる主なメリットを4つご紹介したいと思います。
TOEFL iBTの受験で得られる4つのメリット
1.日本国外でも評価される
日本国内で知名度の高いTOEICや英検は、海外ではあまり知られていないのが実情です。
たとえば、TOEIC L&Rでハイスコアを取得すると、国内では英語力の証明としてアピールしやすいですが、海外の大学や企業宛てにスコアを提出しても、TOEICの存在そのものが知られていなかったり、別の英語試験を基準としていたりするために評価されないこともあり得ます。
一方、TOEFL iBTは、海外の大学・大学院をはじめとする世界中の教育機関において、英語力の基準の一つとされているグローバルな試験です。現状、海外も含めた認知度の高さは、TOEICや英検よりもTOEFL iBTの方が高いといえるでしょう。
2.海外留学・移住時の英語力の証明として活用できる
アメリカ、オーストラリア、カナダなど、留学先として特に人気の高い国にある大学の多くが、TOEFL iBTを英語力の基準としています。英語を母語としない学生がこれらの国に留学に行く場合、英語で行われる授業についていけるかどうかを判断する際に、TOEFL iBTのスコアが使われるのです。
今すぐに留学をする予定はなくても、「いつか海外生活や留学を経験してみたい」という夢を持っている人も少なくないのではないでしょうか。留学や移住をするためには、ビザの申請・取得をしなければなりませんが、移住先として人気のある国ほど高い英語力を求めているケースが多いです。
ニュージーランドは、留学先や移住先として人気の高い国の一つですが、ビザ申請においてTOEFL iBTのスコア利用が認められています。オーストラリアの場合も、移住権を申請する際にTOEFL iBTのスコアを提出することはできますが、英検やTOEICのスコアは認められていません。
その他にも、TOEFL iBTのスコアを利用して移住権の申請をすることができる国がいくつもあります。将来、海外での仕事や移住、留学を考えている人にとって、TOEFL iBTのスコアはとっておいて損はないはずです。
3.ライティングやスピーキングを含めた4技能の英語運用力を測れる
TOEFL iBTは、合格・不合格の判断ではなく、スコアという具体的な数字で英語力を測ることができる試験です。
TOEFL iBTでは、英語の4技能すべてのスキルが試されるため、リスニング・リーディング力を中心に測られるTOEIC L&Rと比べて、やや難易度が高いと感じられるでしょう。ライティングやスピーキングは、アプトプットの能力が問われるセクションですので、総合的な英語運用力を試すことができます。
日本の英語教育で重視されているのは、リスニングとリーディングといったインプットが中心です。グローバル化が進むにつれアウトプットの重要性が高まり、その点を改善しなければならないということが言われるようになってきてはいるものの、日本人学習者の中には英語を話すことに苦手意識を感じている人が多いのが現状です。
アウトプットはインプットした知識の運用を求められるため、インプットよりも難しいといえます。日本語でも、読むことはできるのに書くことはできない漢字があるという方も多いのではないでしょうか。
TOEIC L&Rでハイスコアを取得している人でも、TOEFL iBTの試験では苦戦するという人は少なくありません。TOEFL iBTを受けることで、自身のよりリアルな英語運用力を知ることができます。
4.基準スコアの取得で大学受験時に優遇措置を受けられることも
日本では、TOEICや英検に比べるとまだまだTOEFL iBTの知名度は低いものの、近年、国内の大学でも入学試験の受験時にTOEFL iBTのスコアを活用できる大学が増えています。出願時に基準となるTOEFL iBTのスコアを持っていれば、英語試験の免除・加点・得点換算などが行われるため、最終的な合否判定にもプラスの影響をもたらすでしょう。
TOEFLの日本事務局であるETS Japan合同会社のウェブサイトでは、「大学一般入試における利用状況」のページでTOEFL iBTのスコア活用を行っている大学が数多く紹介されています。
まとめ
今回は、TOEFL iBTを受けることで得られる4つのメリットをご紹介しました。TOEFL iBTは海外での信頼度が高い資格で、国内でも認識度が上がってきています。
将来グローバルな人材になりたいと考えている人にはぴったりの資格ですので、ぜひ受験してみてはいかがでしょうか。
佐藤 千嘉
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