英語は、海外からの観光客をはじめとする訪日外国人と関わる上で欠かせないコミュニケーションツールです。しかし、日本では外国人に対して案内やサービスを提供する際の対応方法が確立されていないケースもあり、接客業に従事する人たちが「おもてなし英語」や「接客英語」を学ぶ必要性が高まっています。
そこで今回は、海外からの来日客に応対するための基本的な英語力を評価する「英語応対能力検定」についてご紹介します。旺文社、カシオ計算機、毎日新聞社の共同事業会社「株式会社学びUPコミュニケーションズ」が運営する英語応対能力検定は、接客時の英語力を重視する企業や団体に幅広く取り入れられている試験です。2018年には、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)が駅係員・乗務員の英語での応対力の向上を目指して同検定を採用し、注目を集めました。
1. 英語応対能力検定とは?
英語応対能力検定は、コミュニケーションを取る上で重要な「聞く」「話す」の2つのスキルに特化して英語の実践力を測る検定です。長文の読解力や発音の正確性を必要以上に問うのではなく、訪日外国人に英語で応対する中で「必要な内容を簡潔に表現できるか」「相手の意図を汲み取って適切な対応ができるか」といった観点から評価を行います。検定は6種類の科目に分かれており、「販売」「宿泊」「飲食」「鉄道」「タクシー」の業種別5種類と、街中での外国人への対応力を問う「一般試験」から選んで受験できます。
2. 受験対象者は?
訪日外国人客に対応する業種に携わる人たちに向けて開発された英語応対能力検定ですが、接客・応対の現場で働く人以外にも、学生や観光ボランティアなど、誰でも受験が可能です。
3. どこで受けられる?
英語応対能力検定は、インターネットに接続して受験するiBT(Internet-based Testing)方式を取っています。パソコン、スマートフォン、タブレットがあれば、自宅や海外など、どこからでも受験可能です。ただし、受験の前に通信環境を確認する必要があります。
申し込み完了後は、各回ごとに定められた試験期間内であれば、受験者の都合の良いタイミングで検定を受けられます。パソコンまたはスマートフォン・タブレットからの受験方法の詳細については、以下のページをご参照ください。
4. どんな問題が出る?
英語応対能力検定の問題には、標準的なアメリカ英語が採用されています。リーディング(28問)、リスニング(31問)、スピーキング(8問)の全67問で構成されており、試験時間は約55分です。選択式のリーディング、リスニング問題を解いた後、音声録音式のスピーキング問題が出題されます。スピーキングテストでは、画面に表示される指示を読みながら、マイクを使って音読や英語での応答を吹き込みます。
受験前には、英語応対能力検定のウェブサイトで公開されているリーディング・リスニングのデモ試験やスピーキングテストの紹介動画を確認しておくとよいでしょう。
5. 英語応対能力検定の受験対策に役立つ教材
英語応対能力検定の公認学習書籍として、旺文社から「とにかくひとこと英会話」シリーズが発売されています。
さまざまな接客の現場での応対表現を学べる「とにかくひとこと英会話」シリーズは、全部で5種類。英語の応対フレーズが「とにかくひとこと」「これが目標」「自信がついたら」の3レベルに分けて紹介されているので、段階を踏んで練習し、ステップアップを目指しましょう。書籍内のフレーズや語句リストの音声は無料でダウンロード可能です。
このほかに、カシオ計算機からは英語応対能力検定公認モデルのデジタル英会話学習機「joy study」も発売されています。
上記で紹介した公認シリーズの書籍などを活用すれば、すぐに使える外国人への英語応対表現を効率良く学べます。各業種での仕事に直結するフレーズを覚えることで、自信を持って英語で接客ができるようになるでしょう。
6. 試験結果を学習のモチベーションに!
試験の採点が完了すると、マイページに結果が表示されます。英語応対能力検定では、合格/不合格の判定ではなく、「知識」「理解」「応答」の観点別にA~Dまでの4段階で評価を実施。「知識」は基本的な語彙や文法の知識の有無、「理解」は相手からの質問や依頼内容を理解する力、そして「応答」は場面に応じた説明や返答ができるかどうかを中心に英語応対能力を測ります。
各観点ごとの評価により、得意分野や改善点の把握ができるため、スキルアップを目指す上での次の目標も立てやすくなります。
英語応対能力検定 試験概要
運営法人 | 株式会社学びUPアップコミュニケーションズ ※株式会社旺文社、カシオ計算機株式会社、株式会社毎日新聞社の3社により設立 |
試験日程・申込期間 | 検定スケジュール参照 |
試験方法 | iBT方式 (インターネットに接続してパソコン・スマートフォン・タブレットのいずれかで受験) |
試験会場 | 特定なし (インターネット環境であれば受験場所は自由。ただし、スピーキング試験は録音を行うための静かな環境が必要) |
試験の種類 | 業種別試験5種類(販売・宿泊・飲食・鉄道・タクシー)・一般試験 |
試験内容 | リーディング(28問)、リスニング(31問)、スピーキング(8問)の全67問で約55分 |
受験料 | 7,150円(税込) |
申し込み方法 | 公式ホームページより |
まとめ
英語応対能力検定では、接客の現場における英語の実践力が試されます。スマートフォンやパソコンを使い、試験期間内に自分の都合の良いタイミングを選んで受けられる点が魅力です。受験後は、4段階のレベル評価によって現状の課題が明確になるので、その後の学習に取り組む際のモチベーションアップにもつながるでしょう。英語でのおもてなし力に自信がつく英語応対能力検定にぜひチャレンジしてみませんか?
【参照サイト】おもてなし英語力を磨く「英語応対能力検定」【関連ページ】接客英語を学べる英会話サービスを比較
【関連ページ】観光・旅行・ホテル業界の英語を学べる英会話サービスを比較
Yoko
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