オンライン英会話講師の仕事とは ー 求人応募前に知っておきたいメリット・デメリットも

英語講師は、自分自身がこれまで語学と向き合ってきた経験をダイレクトに活かせる仕事です。近年では、英会話スクールでの対面授業だけでなく、オンラインで英語を教えることも一般的になるなど、講師の働き方も多様化しました。

講師としてさまざまな英語レベルの学習者をサポートし、かつ結果を出すことは決して容易ではありませんが、英語学習の過程で数多くの挫折や達成感を味わってきた人こそ、大きなやりがいを感じられるはずです。

この記事では、オンライン英会話講師の仕事について詳しく解説します。オンラインで働くからこそのメリット・デメリットも紹介するので、理想の働き方を考える際の参考にしてみてください。

目次

オンライン英会話講師の仕事と働き方

オンライン英会話講師の具体的な業務内容

オンライン英会話講師の主な仕事は、英会話レッスンの実施と受講生に対するフィードバックの提供です。ただし、業務の詳細は所属する企業・サービスによって異なります。

オンライン英会話サービスでは、レッスン時間を1回あたり25分に設定しているケースが一般的です。講師はレッスン中、受講生の積極的な発話を促しつつ、文法・語彙の間違いを指摘したり、発言内容をより自然な英語表現に言い換えたりします。フリートピックでの英会話のほか、受講生の希望に応じて、特定の文法項目を使ったスピーキング練習、英語ニュースを題材としたディスカッションなどを行う場合もあります。

また、レッスン終了後のフィードバックレポートの提供も多くの英会話サービスで取り入れられています。受講生の良かった点や改善すべきポイントを簡潔にレポートにまとめることで、次のレッスンへ向けた予習・復習がしやすい仕組みを整えます。

多様な雇用形態と勤務スタイルの選択肢

オンライン英会話講師の雇用形態には、正社員、アルバイト、業務委託など、さまざまな選択肢があります。

通勤の必要がなく、自宅でレッスンができることから、時間帯・曜日を限定した短時間の勤務をしている講師も多くいます。自分が空いている時間での業務が可能なメリットを活かした、副業としての働き方も人気です。

所属する企業によって細かな違いはありますが、オンライン英会話講師の働き方は、主に下記の2パターンに分けられます。

1.担当する受講生数・レッスンのコマ数があらかじめ決められているケース

一つ目は、オンライン英会話講師としての契約時に、担当する受講生数やレッスン数がすでに決まっているケースです。

「受講生が10名、レッスンの頻度は一人あたり週1回25分」などと具体的な業務量があらかじめわかるので、収入や稼働時間の見込みが立てやすい点がメリットといえます。

スケジュールに関しては、特定の曜日・時間帯にレッスンを行う固定制のほか、受講生とその都度予定をすり合わせて日時を決める方法もあります。後者の場合、レッスンを入れたくない日時は講師側のスケジュールをブロックすることもできますが、それと同時に複数の受講生がフレキシブルに予約日時を選べるだけの選択肢を十分に残しておかなければなりません。

「好きな時にだけ自由に働ける」というイメージだけを持っていると、現実とのギャップが生じる可能性があります。講師の求人案件に応募する際は、スケジュールの立て方や休暇の取り方などについてもよく確認しましょう。

2.自らのスケジュール設定と受講生からの指名で稼働量が決まるケース

二つ目は、レッスンの提供が可能な日時を講師が登録した後、受講生からの指名を待つパターンです。

この場合、担当の受講生数・レッスン数などのノルマは特にないため、自分の都合に合わせて比較的柔軟に勤務スケジュールを調整できるでしょう。一方、講師のプロフィールや経歴を確認しながら受講生が自由に予約対象を選ぶ形式ゆえに、人気講師とそうでない講師との間でレッスン実施回数のギャップが生まれやすい環境ともいえます。

オンライン英会話講師として勤務を開始後、安定的にレッスンスケジュールが埋まるようになるまでは、想像以上に時間がかかることも珍しくありません。指名制の予約スタイルでは、プロフィール欄に記載している英語関連の取得資格や指導経験などの実績をもとに、受講生から講師としての実力をよりシビアに判断されるというポイントも理解しておく必要があります。

オンライン英会話講師として成功するための必須スキル

1.限られた時間内で素早く指導のポイントを見極める観察力

オンライン英会話講師として成功するためには、短時間で効果的な指導を行う高度なスキルが求められます。なかでも、1回25分程度の限られたレッスン時間内で、受講生の英語の弱点と強みを的確に見抜く力は特に重要です。

鋭い観察力と分析力を持つ講師であれば、短いレッスン時間でも質の高いフィードバックを提供でき、受講生の成長を効果的にサポートできます。

2.受講生の状況に応じた優先順位を判断する力

また、受講生の英語レベルに応じて、学ぶべき項目や改善点の優先度を素早く判断し、それを分かりやすく相手に伝える力も不可欠です。たとえば、英語初心者には基本的な文法指導や発音練習が必要ですが、中級者や上級者に対しては、より複雑な表現の習得指導、流暢さの向上を目指すためのアドバイスなどが求められます。

優先順位が明確になってこそ、受講生は適切な目標を持って学習に取り組むことができます。

3.オンラインの環境下に適した細やかな気配り

さらに、オンライン英会話講師には、受講生の学習面・心理面でのつまずきに素早く気付いてフォローする気配り力も欠かせません。

受講生と直接対面できないオンラインレッスンでは、相手の声のトーンや発話内容から状況を敏感に察知する必要があります。受講生が緊張している場合はリラックスさせるための話題を提供したり、理解が追いついていないと感じたら話すペースを調整したりと、講師側の細やかな配慮があれば、受講生も安心して学習に集中できるでしょう。

オンラインで英語を教えるメリットとデメリット

オンライン英会話講師としての働き方には、メリットとともにデメリットもあります。これら両面の要素を理解することで、講師は自らのキャリア形成をより広い視点で捉えられます。

メリット①:ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能

オンライン英会話講師の仕事の大きなメリットの一つは、場所を選ばずに働ける点です。

集中してレッスンに臨める環境さえ整っていれば、フルリモートでの在宅勤務ができる上、日本国内に限らず海外からのレッスン提供も可能です。個人の生活スタイルや家庭の事情に合わせて働き方を調整しやすく、ワークライフバランスを適切に保てる柔軟性は、多くの方にとって魅力的に映るのではないでしょうか。

メリット②:日本全国・世界中の英語学習者をサポートできる

オンライン英会話講師は、日本から海外まで、居住地を問わず幅広い英語学習者とレッスンを通じてつながることができます。

受講生の対象範囲を大きく広げられるのは、オンラインでレッスンを提供するからこそのメリットといえます。また、さまざまなバックグラウンドを持つ学習者との出会いは、講師自身の語学との向き合い方や指導方法にも新たな視点をもたらしてくれるはずです。

デメリット①:講師間の交流や情報交換の機会不足

英会話スクールなどの職場で日常的に同僚講師と顔を合わせる環境とは異なり、在宅勤務が一般的なオンライン英会話講師は、一人で働くことが基本となります。

このような環境では、他の英会話講師との日常的な情報交換の機会が不足しがちなため、レッスンでの指導方法や講師としてのキャリアに悩んだ際、特に孤独を感じやすいかもしれません。

しかし、所属企業の研修のチャンスや講師間のコミュニティの活用により、周りからのサポートを得ることも可能です。決して受け身にならず、情報や交流を自ら積極的に求めにいく姿勢は、オンライン英会話講師が特に意識したいポイントです。

デメリット②:受講生と継続的な関係を築く難しさ

オンライン英会話レッスンは、気軽に受講を始められる便利さの一方で、受講生側に継続的なコミットメントを求めることが難しい一面もあります。

レッスンの頻繁なキャンセルなど、講師がコントロールできない範囲の事情によって受講が途絶えてしまうケースも少なくありません。受講生と長期的な信頼関係を築くことは、講師側としての仕事のやりがいにも直結する要素ですが、場合によっては学習者一人ひとりとの関係構築がなかなかスムーズにいかないケースも考えられます。


オンライン英会話講師としてのキャリアは、フレキシブルな働き方を叶える一歩となりますが、それと同時に一定の課題も伴います。上記で挙げたメリットを活かしつつ、デメリットに賢く対処することで、理想のキャリアプランへと近付けるでしょう。

まとめ

オンライン英会話講師として働くイメージが明確になりましたか?この記事では、オンラインで英語を教える際の具体的な業務内容や、講師に求められるスキルなどについて解説しました。

オンライン英会話講師としてのキャリアをこれからスタートさせる方は、これらの内容を参考に、ぜひ理想の働き方のイメージを膨らませていってください。

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