英語講師の仕事は、語学の専門性を活かし、学習者の自己実現をサポートできる職業として人気があります。また、昨今では、場所や時間を問わず英語を学べるオンラインレッスンの普及によって、個人レベルでの英語学習のニーズが一層高まり、その需要に対応するための講師も求められています。
英語講師になるまでのキャリアパスは人によってさまざまで、教育業界以外のフィールドで経験を積んだ後に英語を教える仕事に就くケースも珍しくありません。その一方で、講師職に魅力を感じながら、未経験であることを理由に挑戦をためらっている方も少なくないでしょう。
しかし、適切なステップを踏めば、未経験者でも英語講師としてキャリアをスタートさせることは十分に可能です。
この記事では、未経験から英語講師を目指す方へ向けて、事前に知っておきたい準備のコツや、転職までの具体的なステップを紹介します。
目次
※この記事の内容は、2024年8月時点の情報をもとに作成されています。
英語講師の仕事内容
英語講師の主な役割は英語を教えることですが、ティーチング以外の幅広い業務に携わる可能性もあります。仕事内容の詳細は所属先のスクールによって異なるものの、英語講師の一般的な業務として挙げられる例は下記の通りです。
- レッスンの計画・準備
- レッスンの実施
- スクール運営に関わる事務作業
- 新規受講生獲得のための営業関連業務
- イベントの企画・実施 ほか
「英語講師として働く=英語のティーチングに専念できる」というイメージだけを持っていると、思い描いていた理想と現実の仕事との間にギャップが生じることも考えられます。
事務作業や営業関連業務に講師がどの程度関わるかについては、スクールごとに方針がさまざまです。また、できるだけ多くのレッスンをしたい講師もいれば、「一日中レッスンだけをするより、適度に他の業務もあった方が集中できる」という人もいるでしょう。
そのため、英語講師の求人案件をリサーチする際は、ティーチング以外の仕事に携わる可能性も念頭に置きつつ、講師の業務範囲に関する情報も可能な限り調べておくのがおすすめです。
受講生と直接関わるレッスンの時間と、それ以外の業務をこなすための時間の割合がどれくらいなのかなどを事前に把握できていれば、実際に働き始めてから「理想と違った」と後悔するようなミスマッチを防ぐことができます。
特に英語講師未経験の方の場合、はじめからすべての条件が希望通りの求人が見つかるとは限りません。それでも、中長期的なキャリアプランを見据えた上で、「英語講師としてどんな働き方をしたいのか」という自らの理想と目標を常に考えておくことが重要です。
未経験から英語講師になるための具体的なステップ
現状の仕事を続けながら英語講師への転職を検討している段階では、普段の生活を維持することで手一杯で、キャリアチェンジのためにどんな準備をすべきかじっくり考える時間もない、という方も少なくないでしょう。
ここからは、英語講師を目指す上で踏まえておきたい3つのステップを紹介します。
1. 英語力を示す資格やテストスコアを取得する
人に何かを教える仕事に就くのであれば、まずは講師自身がその分野における専門知識や高度なスキルを持っていることが前提です。
英語関連の資格やテストスコアは、自らの英語の実力を示す分かりやすい指標となります。求職活動中、あるいは実際にスクールで働き始めてからも、講師の人物像をつかむための一つの要素として、このようなスキル評価が参照される場面は多々あるはずです。
資格やテストスコアのみで講師の力量が決まる訳ではありませんが、少しでもハイスコアを取得しておくことは損にはなりません。
長らく英語試験を受けていない場合は、多くの学習者がベンチマークとしている英語試験の傾向を知るという意味も含めて何らかのテストを受験し、最新のスコアを示せるようにしておくとよいでしょう。
2. 英語を教える技術について学ぶ
英語講師を目指している方の中には、より効果的に英語を教えるための技術や学問について関心を持っている方もいるのではないでしょうか。
英語講師の仕事と関連が深い代表的な学問領域としては、英語以外の言語を母語とする学習者へ向けた英語教授法のTESOL(テソル、ティーソル)などが挙げられます。
そのほか、対象とする学習者の年齢によって、小学校英語指導者資格のJ-SHINE(ジェイシャイン)や、英語教授法資格であるCELTA(セルタ)を取得する方法もあります。
未経験者が転職活動に臨む前にこのような学問を修めることは必須ではないものの、英語を教える仕事に関わる専門性の強化は、自らのスキルアップと採用側のスクールへのアピールにもつながります。
講師としてのキャリアを踏み出した後、さらに実力を磨くための手段として、ティーチング関連の資格習得を視野に入れておいてもよいでしょう。
3. 他業界で得た経験・スキルの棚卸しをする
英会話スクールが募集する求人案件に実際に応募する段階では、自分がこれまで取り組んできた仕事を振り返り、講師職にも活かせる経験やスキルがないかを整理してみてください。
一見、英語を教える仕事とは関連がないように思える業界・職種での経験も、捉え方によって強力なアピールポイントになる可能性があります。
たとえば、受講生に直接向き合って語りかける機会が多い英語講師の仕事の性質上、サービス業などでの接客経験は大きなアドバンテージとなります。また、幅広い職種で求められるデジタルリテラシーは、英語学習を効率的に進めるためにも欠かせないスキルです。
応募書類の作成や面接準備をする際は、未経験の一言で片づけてしまうのではなく、別の業界での経験も棚卸しした上で、自分の強みにできるポイントを探してみましょう。
さらに、いち英語学習者として、自らがどのような過程や苦労を経て英語力を習得したのかを振り返っておくことも有効です。このような実体験は、志望動機や仕事へのモチベーションを語る際に説得力のあるストーリーとなります。
まずは副業やボランティアとして英語を教える方法も
英語を教える仕事に興味があるとはいえ、大きく方向転換をして新たな職業に挑戦することに不安を覚える方もいるでしょう。そんな時は、現状の仕事を続けながら、可能な範囲で少しずつ英語講師の仕事にチャレンジしてみる方法もあります。
勤務先の就業規則で副業が認められている場合は、オンライン英会話サービスの講師を務めたり、報酬が発生しないボランティアとしての立場で英語を教えられる機会を探したりなど、本業に支障のない範囲からトライすることは十分に可能です。
限られた時間のみでレッスンを提供する場合であっても、受講生の目標達成をサポートする役割の重さに変わりはありません。学習者一人ひとりと真摯に向き合う経験を通して、指導者としての責任、あるいは英語を教えることで得られる充実感など、講師職の醍醐味の一部を体感できます。
自分自身がコミュニケーションツールとして英語を使うことと、人に英語を教えることには大きな違いがあります。「本当に英語講師の仕事が向いているのかわからない」と自信が持てない方は、まずは学習者を相手にティーチングを実践できる機会を探してみるとよいでしょう。
まとめ
キャリアチェンジの一歩を踏み出す際は、誰しも不安や心配を抱えているものです。
しかし、事前の情報収集を入念に行い、必要なステップを一つひとつ着実にクリアしていけば、未経験者であっても英語講師を目指すことができます。
この記事で紹介した観点を参考に、英語を教える仕事に就くための自分なりの道筋を描いてみてください。
英語を教える仕事
Moe
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