英会話を習っていて、「文法事項について聞きたいのに表現できない」というフラストレーションを感じることがありませんか?私たち日本人のほとんどが、学校で英文法を「日本語で」勉強してきました。そのため、文法用語はみな日本語で頭に入っていて、英会話レッスン中に口にするのが難しいときが多々あります。
今回は、英会話レッスンで必要最低限の文法用語がスムースに口から出てくるよう、文法事項を英語でどう言うかを確認しておきましょう。これはレッスンで役に立つのみならず、日常で英語を話す際に気をつけたいポイントでもあるので、しっかりと頭に入れておきましょう。
「名詞」と「代名詞」
まず押さえておきたいのが、事物の名前である「名詞」と、「私・あなた・彼・彼女」のような、名詞の「代わり」として働く「代名詞」です。両者はそれぞれ
- noun
- pronoun
と呼ばれます。また「太郎」や「花子」のような「人・モノ」の持つ個別の名称のことを「固有名詞(proper noun)」と呼びます。例えば「犬」は名詞で、「ポチ」は固有名詞(その犬固有の名前)となります。
名詞には、「ひとつ、ふたつ…」と数えられる「可算名詞」と、そうでない物を指す「不可算名詞」があります。それらは
- countable
- uncountable
となります。“count” + “able” で、「数える」+「できる」=「可算名詞」と覚えましょう。それに「不〜」の “un” がつくときに、数えられない「不可算名詞」です。
ここで、どのようなものが加算(countable)で、なにが不可算(uncountable)であったか確認しておきましょう。単語によっては、可算名詞としても不可算名詞としても使われ、それぞれ意味が異なる場合があるので注意が必要です。例えば “paper” という名詞はどうでしょうか?
以下の例を比べてみましょう。
- Could you give me two more sheets of paper?
- Could you give me two papers?
最初の文では、paper は「不可算」で「紙全般」を表しています。いっぽうで後者では、可算名詞として扱われているので「文書」や「新聞」という意味となります。
動詞
名詞・代名詞がしばしば文の主語(S)を構成しますが、それに続くのが動詞(verb)です。ここで、動詞には大きく「自動詞(intransitive verb)」と、「他動詞(transitive verb)」の2種類あったことを思い出しましょう。
まず、「S+V」だけで文が成立するのが「自動詞」です。
- I run.
- I sleep.
- I live (in Japan).
以上が例としてあげられます。一方の「他動詞」には、「S+V+O」のように動詞の後に「目的語(object)」がとられるというルールがあります。
- I have a car.
- She gave money to her daughter.
- We won the contest yesterday.
のような例があるでしょう。いずれも動詞に続いて「目的語」(car, money, contest)が続いているのが見て取れます。
「自動詞・他動詞」にくわえて、「状態動詞(stative verb)」という分け方もあります。状態動詞は「現在進行形(present progressive)」にできないという大切なルールがあります(例えば “I have a pen” を “I’m having a pen” と言うことはできません)。
名詞・代名詞・動詞のポイントを終える前に、「主語と動詞の一致」を軽く確認しましょう。主語が「三人称単数(third-person singular)」のときには、動詞に “s” をつけるというルールがあります。これは主語と動詞の “agreement” と呼ばれます。
- He likes music.
- past tense
- present tense
- future tense
- The sun rises at 5 tomorrow.
- The next bullet train bound for Osaka leaves at 9.
(大阪行きの次の新幹線は9時に出る) - The movie starts at 2:40, so we need to be there by half past two.
(その映画は2時40分に始まるから、2時半までには着かなきゃ) - “How do you say ~ in English?”
(〜は英語で何と言いますか?) - “What do you mean by ~ ?”
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上の文では、三人称単数である “he” に合わせて、”like” に”s”がついています。
時制
英語と日本語が異なる大きな点のひとつに、英語では「過去・現在・未来」といった「時制」を厳密に表現する、という点があります。日本人学習者がミスをおかしやすいポイントなので、ぜひしっかりと思い返しておきましょう。
「時制」は英語で “tense” と呼ばれます。「過去形・現在形・未来形」はそれぞれ英語で
と呼ばれます。
ここで「現在形」の使い方の大切なポイントを確認しておきましょう。「日が昇る」や「(夏のあとに)秋が来る」といった「不変の事実」を指すときには「現在形(present tense)」を用いなければなりません。
例えば「明日、5時に太陽が昇る」と言いたいときですが、「明日」という未来の事柄であっても、「太陽が昇る」というのは不変の事実に変わりはないので、
のように “rise” を現在形に変更する必要があります。これは「(列車・船・航空機等の)出発・到着時間」や「(仕事・学校・映画等の)開始時間」などにも当てはまります。
また、未来を表現するにあたっても、様々な使い分けに気をつける必要があるので、以下で確認しておきましょう!
まず “will” は、「その場で決めた自分の意思」を表明するときに使われます。
A: I need one more person to carry the luggage.
B: Okay, I will help you.
ここでのBの発言は「助けてあげると今決めた」という文脈のため “will” を使うのが適切です。
それと比べると “be going to 動詞” は「計画どおりに〜する」というニュアンスの違いがあります。
A: What are you going to do this fall?
B: I am going to read ten books!
ここでBが「10冊の本を読むつもりだ」と言っていますが、これは「今決めたこと」ではなく「そうする予定がすでにある」ということが表現されています。
さらに「現在進行形(present progressive)」を応用することで、「ほぼ100%する予定」や「今まさに始めるところ」という、確実に起こるであろう未来の行動を表現できます。
A: We are going to see a movie this evening. Will you come with us?
B: Sorry, I am doing my homework.
ここではBによる「宿題をする」という行為が「確実な未来の行動」として表されています。
このように、「時制(tense)」と一言でいっても、使い分けを意識するだけで様々なニュアンスを加えることができます。ぜひ使い分けに注意して、正確な自己表現ができるよう心がけてください。
レッスンで役立つ質問フレーズ
ここで、文法事項から離れて、「知らない言葉・表現を尋ねる」ための英語をマスターしてしまいましょう。特に日本語を知っているネイティブ講師や、日本人講師が担当のレッスンの際に重宝する質問フレーズが
です。例えば “How do you say ‘hanko’ in English?” なら「ハンコは英語で何と言いますか」と聞くことができます(答えは “stamp” です)。
また、英単語の意味を尋ねたい特に役立つのが
というフレーズです。ここで “theoretical physics” (理論物理学)について尋ねてみましょう。
A: I studied theoretical physics in college.
B: What do you mean by ‘theoretical physics’?
A: You know, it’s about Einstein, quantum mechanics…that sort of thing.
ここでAの回答に見られるように、「理論物理学って何?」などと難しい質問を聞かれた際には、「アインシュタインや量子力学のことだよ」と実例をあげて納得させることができます。難しい言葉に頼るのではなく、柔軟な発想で、シンプルな回答をこころがけてみましょう。
まとめ
今回は、英会話のレッスンで役に立つさまざまな文法用語、そして質問フレーズをおさらいしてみました。「名詞」や「動詞」とひとくちで言っても、加算・不可算名詞のように、慎重に見極めなければならない点、また動詞の未来形のように「使い分けによってはニュアンスが変化する」点など、シンプルながらも重要なポイントが確認できたのではないでしょうか?これからの英会話レッスンでは、文法上の使い分けをより意識することで、さらに広がりのある正確な自己表現を目指しましょう!