海外や外資系企業での就職を目指し就職活動をする中で「カバーレター(cover letter)」の言葉を耳にし、準備にとまどったことはありませんか? カバーレターは、応募する際に、企業又はリクルーターに履歴書(レジュメまたはCV)と一緒に送付する1ページ程度の手紙です。通常、採用担当者は、履歴書を読む前に、カバーレターに目を通します。カバーレターの内容が求人の要件に合っていなかったり、採用担当者の興味を引きつけなかったりするものである場合には、その時点で、不採用となります。カバーレターは、合否を左右する重要な文書ですので、担当者の関心を引くように書かれていることが大切です。
今回は、採用担当者の目に留まるカバーレターの書き方のコツを紹介します。
1. カバーレターの書き方
最初に、カバーレターの基本的な構成と内容を説明します。
カバーレターの一般的な構成は、①日付、連絡先、②挨拶、③第一パラグラフ、④第二パラグラフ、⑤第三パラフラフ、⑤終わりの挨拶、⑥結びの挨拶です。
- 日付、連絡先
カバーレターを電子送付する場合には、連絡先の住所の番地やアパート名は必要ありません。外国の企業に応募する場合には、国名を入れます。また、県名、市名、電話番号、メールアドレスを忘れず入れてください。文書を郵便で送付する場合には、連絡先の住所は、全て記入しましょう。 - 挨拶
カバーレターの書き始めは「Dear +採用担当者の氏名」を使います。担当者がスミス氏であれば、Dear Mr. Smith,となります。 氏名がわからない場合には、To Whom It May Concern:や Dear Hiring Manager, と書いても良いでしょう。 - 第一パラグラフ
第一パラグラフでは、あなたが応募する理由などを述べます。書出しの例:I would like to be considered for the position of Marketing Manager at Peach Company. I have ten years of marketing experience in…
- 第二パラグラフ
このパラグラフがレターの本体となります。ここでは、応募する職務に関連する経歴や資格、スキルを簡潔に説明します。これまでの実績やスキル、資格等の中であなたが最も優れていると思うものを強調しましょう。近年の実績の中から1つ又は2つを選び、その詳細を書きます。その際、担当者にアピールできるキーワード(数字を含む)をいくつか入れることを心掛けて下さい。キーワードとは、あなたの熱意や成功を鮮明に相手に伝えるための単語です。このキーワードを駆使して、応募する職務の要件にあなたが一番適していることを最大限にアピールします。例:I have passionately worked on the marketing campaign for 2 years at Peach company, which doubled their revenue by £10 million during that period.
- 第三パラグラフ
ここでは、第二パラグラフで書いたもの以外の実績や資格、スキルなどに焦点を当てます。履歴書に記載しなかったけれども、アピールしたい実績等があれば、それを付け足します。例えば、対人能力スキルをアピールする場合には、I take pride in my ability to work well with people from varied cultures and backgrounds.などと書くとあなたの人柄がより企業側に伝わるでしょう。 - 終わりの挨拶
最後に、応募の理由とあなたがその職務に最適である理由を簡潔にまとめます。そして、その企業から良い知らせがあることを期待しているという旨を書きます。書出しの例:I am well qualified for this position because….
- 結びの挨拶
レターの最後は、Yours sincerely,で締めます。そのほかには、Warm regards, やKind regards,なども使われます。 その後に、あなたの氏名を書き、その上のスペースに手書きで署名をします。
2. 採用担当者の目に留まる書き方のコツ
競争率の高いポジションには、数千通ものカバーレターと履歴書が採用担当者に送付されます。その中で、他の応募者と差をつけるためには、採用担当者の心を引きつけるカバーレターを書く必要があります。
採用担当者の目に留まる書き方のコツとは、
- 熱意を伝える
その企業に貢献したいという熱意を採用担当者にうまく伝えなければなりません。これまでに、その企業で販売している商品やサービスを利用したことがあるといった場合には、その事を率直に伝えます。また、その企業のブランドに以前から憧れていた等の場合には、あなたの情熱を具体的に表現してみましょう。 - 紹介者の氏名を書く
知人等の紹介で求人募集を知り、その企業がその紹介者を知っているとあなたが確信できる場合には、書出しの部分で、紹介者の氏名を書きます。そして、その求人を知り、とても嬉しくて、面接が待ちきれないといったあなたの気持ちを採用担当者にアピールします。 - 成功例を書く
最近の実績の中で担当者の心をつかむための成功例を選びましょう。勤務していた会社にどのように貢献したのか、また、その経験を応募する企業にどのように活かすことができるのかについて具体的に示します。数字を使うことで、担当者は鮮明にイメージすることができます。 - 企業の最新ニュースを書く
企業のサイトや雑誌、テレビ等で、その企業の実績や新製品の情報を見つけることがあります。カバーレターでは、その企業の優れたビジネスについて触れると良いでしょう。 - 今までのキャリアにおける熱意を伝える
これまで経験した仕事について、どれほどの熱意を持って、どのように業務遂行してきたのかを書きます。情報を数字で示すことでより具体的に伝わります。 - 企業のミッションや目標から言葉を選ぶ
企業のミッションや価値観、目標等に使われている言葉やフレーズをカバーレターに取り入れます。 - “quite”ってどれぐらい?イギリス英語に頻出のquiteとは? - 2019年10月7日
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3. カバーレターのフォーマット
ここでは、カバーレターの基本的なフォーマットと例文を紹介します。
(応募者の氏名)
(メールアドレス、住所、電話番号)
(年月日)
Dear (採用担当者名)
(第一パラグラフ)
I was very interested to see your advertisement on collowork.co.uk for a senior writer. I would like to be considered for this position. Please find my CV attached.
(第二パラグラフ)
For the past two years, I have worked as a writer for the director of CAT Marketing Inc. During the period, I doubled the company’s Facebook page views and ran an Instagram ad campaign that generated £25K in revenue. I therefore strongly believe that I possess the necessary skills and experience that would enable me to thrive in this role.
(第三パラグラフ)
I have an excellent working knowledge of MS Word, Excel, PowerPoint and Outlook. My experience in a highly pressurized industry has enabled me to develop outstanding organizational and marketing skills, and the ability to work effectively as part of a team. I am eager to continue developing these skills in new and challenging environments.
Thank you for your consideration. I look forward to hearing from you.
Yours sincerely,
(応募者のサイン)
(応募者の氏名)
最後に
カバーレターで大切なことは、あなたが最適の応募者であることを最大限にアピールすることです。長いカバーレターは、採用担当者に最後まで読まれないことがあります。今回紹介した書き方のコツを参考に、簡潔でパワフルなカバーレターを書くように心がけましょう。採用担当者の目に留まるよう工夫し書類選考突破を目指しましょう!
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