外資系企業とは?-特徴や働き方など

外資系企業での就業を検討している方の中には、「日系企業とはどのような違いがあるのだろう」「外資系企業で働くにはどうすれば良い?」というような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

外資系企業では、終身雇用・年功序列の考え方がないケースもあり、多くの場合、従業員の働き方にも一般的な日系企業とは違いが見られます。転職を考えるのであれば、自身のキャリアプランや適性を踏まえて検討することが重要です。

ここでは、外資系企業の特徴や、外資系企業で働くメリット・デメリット、外資系企業で働く方法について詳しく解説していきます。外資系企業に興味を持っている方はご参考ください。

目次

1.外資系企業とは

外資系企業とは、外国法人・外国人が一定以上の出資をしている日本で登記された企業のことです。

経済産業省の「外資系企業動向調査(2020年)」では2019年度の実績値として全国で5,748社の外資系企業が調査対象となっており、非常に多くの企業が日本へ進出している実態が分かります。

1-1.外資系企業と日系企業の違い

外資系企業の主な特徴として、外国法人・外国人が出資をしていることから、日本企業とは異なる企業文化が形成されていることがあります。

例えば、日本の企業では終身雇用・年功序列の意識が強い企業も多く見られますが、外資系企業ではヘッドハンティングによる転職や実力評価による若年層の昇進・昇給という事例は少なくありません。

また、日本企業では社員数が多いほど、「経理」「営業」「人事」「総務」「企画」などのように部門別に分かれ、それぞれの業務をセクションごとに分担していることがあります。このような「縦割りの組織体制」であることは事業責任の所在を明確化できるメリットがありますが、業務効率を低下させてしまうケースや、部署間での連携がしづらいという点が問題視されることもあります。

一方、外資系企業においても一部で縦割り組織が見られますが、実力評価を重視する企業であれば人事異動も流動的に行われています。

このような外資系企業の成果・個人主義的なビジネススタイルは業務効率を高められるメリットがありますが、実績を出せないと安定した待遇を得づらいという点がデメリットと言えるでしょう。

2.外資系企業で働くメリット

  • 給与の高い求人が募集されている
  • 実力を評価されやすい
  • キャリアアップを狙える

2-1.給与の高い求人の募集がある

給与の高い求人の募集がある点は外資系企業の大きなメリットと言えます。例えば、リクルートエージェントで公開されている1,996件の外資系企業の求人のうち、年収800万円以上が683件、1,000万円以上の求人が221件となっています。(2022年3月31日時点)

また、給与水準が高くなりやすいマネージャークラスの求人が募集されていることが多いのも外資系企業の特徴と言えるでしょう。終身雇用・年功序列の文化ではなく、他社から優秀な人材をヘッドハンティングするのも珍しくない文化であることが背景にあるとも考えられます。

2-2.実力を評価されやすい

年功序列の文化の無い外資系企業では、実力を評価されやすい組織体制となっている傾向があります。社員の評価において、直属の上司が大きな決定権を持っていることも多く、チーム内での成果・実績が評価されやすいという点はメリットとなります。

また、実力の評価は給与にも大きく反映されます。外資系企業では年俸制の給与体系となっていることも多く、評価によって各年の給与が大きく変動する場合もあるためです。

「積極的に実績を作り、給与を上げていきたい」「自身の実力に見合った評価をしてほしい」という方にとって、大きなメリットがあると言えるでしょう。

2-3.キャリアアップを狙える

外資系企業での就業経験は、今後のキャリアアップにもつながる可能性が高くなります。例えば、グローバル展開を視野に入れている日系企業の求人に応募する際、海外での就業経験や同じ業界での外資系企業での経験が活かせる可能性があります。

実力評価を行う外資系企業では、定量的な評価基準が設けられていることもあり、実力が可視化されやすいケースもあります。英語力と特定のスキルが身につけば、その後のキャリアアップも狙いやすいという点は外資系企業の大きなメリットと言えるでしょう。

3.外資系企業で働くデメリット

  • 日系企業とは異なるカルチャーに慣れる必要がある
  • 実力が伴わないと高い評価を得にくい
  • ジョブローテーションや部署異動の可能性は低い

3-1.日系企業とは異なるカルチャーに慣れる必要がある

日系企業で就業した後に外資系企業への転職を考える場合、異なるカルチャーに慣れるまで負担がかかってしまう可能性があります。

例えば、日系企業では上司がそれぞれの部下の役割分担を決め、個別の業務指示を行っているケースも多くあります。一方、外資系企業ではチームでミッションを共有しつつも、具体的な業務の優先順位などは自身で設定するような、積極的な業務態度を求められることもあるでしょう。

日系企業でも会社ごとに独特のカルチャーが形成されていることもありますが、実力評価を行う外資系企業の場合、より自発的なスタンスを求められる傾向があります。これまで日系企業での業務経験しかない場合、これまでとは違う企業文化に慣れるまでやや苦戦する可能性があることに注意が必要です。

3-2.実力が伴わないと高い評価を得にくい

年功序列・終身雇用の概念の無い外資系企業では、主に個々の実力を評価していきます。そのため、実力が伴わないとなかなか評価を得られず、昇給のペースにも影響するという点に注意が必要です。

年次に合わせて給与が高まっていく、という日本の終身雇用・年功序列の制度に慣れている場合、思わぬギャップに戸惑ってしまうこともあるでしょう。自身の実力を発揮できる業界・業種であるかどうか、見極めが重要となってきます。

3-3.ジョブローテーションや部署異動の可能性は低い

日系企業では、ひとりの社員が社内の様々な部署やポジションを経験する、ジョブローテーションの文化があります。社内の環境を深く広く知ることで、将来の幹部候補を輩出したり、より適正のあるポジションに社員を配置できるメリットがあります。

しかし、外資系企業の求人では専門的なポジションの求人が多く、日系企業のように多岐にわたる業務に携わるポジションの求人は限定的です。特にミドル~ハイクラス向けの外資系企業の中途採用では、幅広い経験よりも専門的で高いスキル・経験を求められる傾向があると言えるでしょう。

様々な業務を経験してみたい、自身にどのような業種が適しているかまだ分からない、という方は、外資系企業ではジョブローテーションの機会が無いかもしれないことを認識しておきましょう。

4.外資系企業で働くには?

外資系企業で働く方法や手順に、日系企業との大きな違いはありません。しかし、ハイクラス向けの求人情報も多いことから、リファラル採用や転職エージェント/転職サイトの活用など、工夫をしてみることもポイントとなってきます。以下、詳しくみていきましょう。

4-1.直接応募

外資系業のウェブサイトで求人情報がある場合、直接応募することも可能です。企業の人事部や採用担当と直接やり取りができるメリットがありますが、年収や勤務地などの交渉についても自身で行う必要があり、各企業にそれぞれ応募書類を送る手間がある点はデメリットとなります。

なお、企業によってはリファラル採用を導入しているケースがあります。知人が希望する外資系企業に勤めている場合、リファラル採用があるかどうか確認してみるのも良いでしょう。

4-2.転職エージェント/サイトを利用する

転職エージェント/サイトを活用すると、様々な企業の求人情報を一覧で確認することが可能で、転職活動を効率よく進めることができます。

転職エージェントではコンサルタントに企業との交渉を任せたり、自身のキャリアプランの相談なども行うことが出来ます。「転職するかどうか迷っている」「自身のスキルを活かせる業界・業種を知りたい」という方にも適したサービスです。

転職サイトでは、エージェントが介在しないケースが一般的ですが、豊富な求人情報を掲載しており、業界・業種や様々なキーワードで求人を検索することができます。自身で能動的に転職活動を進めたい方や、まずはどのような求人があるのか知りたい方に適しています。

なお、「doda(デューダ)」のような転職サービスでは、転職エージェント/サイトの両方の機能を備えたものがあります。

また、サービスによって、得意とする業界や扱っている求人情報に特徴があります。例えば、「リクルートエージェント」では、日系企業も含む非常に多くの求人情報を取り扱っており、様々な視点から転職活動を行いたい方、初めての転職を行う方にも使いやすいサービスです。

一方、転職エージェントサービスの「ロバートウォルターズ(Robert Walters)」では、ミドル~ハイクラス向けの外資系企業の求人情報を主に扱っており、キャリアコンサルタントは日本語と英語を流暢に話せるバイリンガルです。外資系企業に転職したい方に向いたサービスとなっています。

このように、転職エージェント/サイトによって求人情報やサポート内容にも違いが見られます。自身の目的に合ったサービスへの登録、もしくは複数利用を検討されてみるのがおすすめです。

4-3.スカウトサービスの利用

スカウトサービスとは、自身のキャリアやスキルを登録し、企業やヘッドハンターからのアプローチを待つことができるサービスのことです。

このようなスカウト制を導入している転職支援サービスとしては、「ビズリーチ」があります。厳正な審査を通過した4,900人名以上(2021年10月末時点)のヘッドハンターや、外資・日系大手などの厳選された企業からスカウト・オファーが届く仕組みとなっており、求職者だけでなく企業も主体的に自社のポジションにマッチした人材を探しています。

ただし、自身のキャリアとスキルに市場価値が乏しいと、希望する企業からスカウトを受けることは難しいでしょう。やや受動的な活動となってしまうことがデメリットと言えます。

「自分の市場価値を知ったうえで転職を考えたい」「事前に登録だけしておき、具体的なオファーを受けてから転職活動を始めたい」という方におすすめのサービスとなっています。

4-4.派遣で働く

ハイレベルなスキルや経験を求められることの多い外資系企業では、正社員の契約形態での就業ハードルが非常に高いというケースも少なくありません。正社員の雇用は企業側の負担やリスクが大きく、慎重な採用活動が求められるためです。

このような求職者と企業側のニーズに応えるため、より自由な就業スタイルを設定しやすい「派遣型」「契約型」(有期雇用)の就業方法があります。契約期間が限定されてしまうデメリットがありますが、ワークライフバランスを考慮した就業条件としたり、ブランクのある方や経験の浅い方でも募集ポジションにチャレンジしやすいというメリットがあります。

外資系企業の正社員の求人と併せて派遣型・契約型の求人案件を扱う転職サービスとしては、「エンワールド(en world)」「ロバート・ウォルターズ (Robert Walters)」があります。

まとめ

終身雇用・年功序列のカルチャーの無い外資系企業では、日系企業と比較すると実力によって評価が為されやすいという特徴があります。年次ごとに昇給していくという仕組みがないという点はデメリットですが、自身の実力を試したい方や積極的なキャリアアップを狙いたい方におすすめの転職先と言えるでしょう。

外資系企業で働くには、直接企業へ応募する方法の他に転職エージェントや転職サイトを活用するという方法があります。まずは公開されている求人情報から希望条件で検索し、自身のスキルや経験にマッチする企業を探してみるのも良いでしょう。

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