スイスには世界的に有名な企業も多く、業種によっては日系企業よりも給与水準が高い、休日が多い、ワークライフバランスが整っているなどの特徴があります。
スイスでは、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語が公用語として使われていますが、日本に進出しているスイス系企業で働く場合は、英語でコミュニケーションを取ることもあります。また、ポジションによって求められる語学力に大きな違いがある点にも注意が必要です。
今回はスイス系企業で働きたい方に向けて、特徴や魅力、注意点などを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
※この記事は2022年7月時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認いただきますようお願いいたします。
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目次
1.スイス系企業の特徴
スイス(正式名称:スイス連邦)は中央ヨーロッパに位置する連邦共和国家で、永世中立国です。
国土は4.1万平方キロメートルで、日本の九州とほぼ同じ大きさです。人口約867万人が暮らしており、スイス国内には多くの国際機関の本部が置かれていることでも知られています。日本とスイスの関係を見ると、スイスに在住している日本人は約11,000人、日本に在住しているスイス人は約1,000人(2020年統計)です。
スイスの公用語は、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語ですが、ドイツ語を使用する人の割合が最も多く、全体の6割程度を占めます。
先進国であるスイスは経済が成熟しており、貿易・技術立国として日本とも積極的な国際貿易を行ってきた背景があります。例えば、スイスの2019年の名目GDPは7,320億米ドル(同年の日本は5兆1,359億米ドル)でした。
また、二国間の貿易に関して見てみると、日本からスイスへの主要輸出品目は金、医薬品、再輸出品、スイスから日本への主要輸入品目は医薬品、精密機器類、一般機械となっています。
日本に進出しているスイス企業としては、コーヒーやミネラルウォーター、菓子類をはじめとする幅広い種類の食品・飲料を取り扱う「ネスレ」、世界最大規模の女性用下着メーカーの「トリンプ・インターナショナル」、世界最大の人材サービス企業の「アデコ」などがあります。
※全体の参照:外務省「スイス連邦基礎データ」
1-1.スイス系企業の魅力
スイス系企業で働く魅力としては、「給与水準の高さ」「休日の多さ」が挙げられます。
今回編集部がリサーチした在日スイス系企業(スイスに本社を置く企業)または日本法人の給与水準は、コンサルタント・SV職で年収600万円~1,200万円、WEBマーケティング職で400万円~850万円、営業職で年収340万円~750万円でした。
また、年間休日が120日を超える企業が多いほか、有給休暇がしっかり取得できる企業も多かったのが印象的でした。そのため、スイス系企業にはメリハリをつけて働きやすい環境が整っているといえるでしょう。
1-2.スイス系企業で働く上での注意点
スイス系企業で働く上での注意点として挙げられるのが、スイスの公用語は英語ではないということです。アメリカをはじめとする英語圏で使われる慣用句やスラングなどが通じない可能性もあるため、英語でコミュニケーションを取る際は丁寧な配慮が求められるでしょう。
もう1つの注意点は、スイス系企業の求人案件の中には、英語を積極的に活用しないポジションが含まれている可能性もあるということです。今回リサーチしたスイス系企業の求人のうち、約半分が高い英語力を必要としないものでした。
英語を活かして仕事がしたいと考えている方にとっては、英語を使う際のコミュニケーションの配慮、業務で英語を使う機会の2点についてあらかじめ確認しておきましょう。
1-3.主なスイス系企業の一覧
人材
- アデコ
製薬
- アクテリオン
- ロシュ
- ノバルティス
金融・保険
- クレディ・スイス
- パートナーズ・グループ
- ピクテ銀行
- スイス・ライフ
- UBS
- チューリッヒ保険
時計
- インターナショナル・ウォッチ・カンパニー(IWC)
- オメガ
- ロレックス
- シュワルツ・エチエンヌ
- スウォッチグループ
- タグ・ホイヤー
化学
- チバ
- クラリアント
- エムスケミー
- ジボタン
- ロンザ
- シンジェンタ
2.スイス系企業で求められる語学力(英語力)は?
スイス系企業へ転職する場合に必要となる英語力は、企業や業種・職種、雇用形態によって大きく異なります。
例えば、スイス本社や取引先とのやり取りが頻繁に行われる企業・職種へ転職する際は、高い英語力が求められるケースがあります。一方、日本国内の通常業務が主となるポジションでは、英語でのコミュニケーションを必要としない場合もあります。
ビジネスレベルの英語力が求められる場合、英語でのやり取りや面接が行われる可能性が高いため、転職活動と並行して英語力をアップさせるトレーニングが必要になるでしょう。
3.スイス系企業に就職・転職するには?
日本に進出しているスイス系企業は、アメリカやアジア圏の外資系企業と比較すると多くはありません。求人数の少なさから、転職したい企業を見つけるまでに苦労したり、時間がかかってしまったりすることもあるでしょう。
特に、スイスのような外資系企業の求人では、語学力だけでなく、専門的な知識やスキル、経験を持ち、即戦力となりえる人材が求められる傾向がある点にも注意が必要です。
3-1.スイス系企業の求人を扱う転職エージェント/転職サイト
スイス系企業への転職を考えているなら、外資系企業の求人情報を扱う転職エージェント/転職サイトの利用を検討してみると良いでしょう。
外資系に強みのある転職エージェント/転職サイトを活用することで、自分に合う求人を紹介してもらえるほか、転職活動のサポートも受けることが可能です。
なお、サービスによって求人情報や求人数、得意とするポジションや業界が異なってくるため、複数のサービスに登録して使い分けることをおすすめします。
LHH転職エージェントは、アデコ・グループ(Adecco Group)が運営する転職エージェントサービスです。
LHH転職エージェントの運営会社であるアデコ・グループは、1957年にスイスで誕生した世界最大級の人材サービス企業で、世界60の国と地域に5,000ヶ所以上の拠点を構えてサービスを提供しています。スイス系企業への転職を希望するのであれば、登録を検討してみましょう。
また、コンサルタントが求職者だけではなく企業対応も担当している両面型となっており、企業から生の情報を仕入れたり、求職者の熱意を伝えたりしてくれるなど、求職者・企業双方にとって有益な転職支援を行っています。
ロバート・ウォルターズ (Robert Walters)は、1985年に英国ロンドンで設立された、ハイクラスの外資系・日系グローバル企業への転職に特化した人材紹介会社です。世界31ヵ国の主要都市にオフィスを構え、日本においては2000年に東京オフィス、2007年に大阪オフィスが設立されています。
数ある転職エージェントサービスの中でもハイクラスの外資系・日系グローバル企業に特化しており、高い英語力を必要とする求人を扱っている点が特徴的です。また、日本国内だけでなく世界31ヵ国に拠点があるという背景もあり、他の転職支援サービスと比較して海外勤務の案件も豊富です。
リクルートエージェントは株式会社リクルートが運営する大手転職エージェントサービスです。保有する求人数が多いことに加え、非公開求人も豊富に取り扱っているため、求職者の経歴やスキルに合った求人を紹介してもらいやすくなっています。
外資系・ハイクラス求人に特化したサービスではないため、これからキャリアを積んでいきたい20~30代の方や、スイス系企業だけでなく日系企業も並行して検討していきたい方向けのサービスと言えるでしょう。
dodaは株式会社パーソルが運営する総合転職支援サービスです。転職エージェントサービスのほか、転職サイトやスカウトサービスとしても利用できるなど、求職者のニーズに幅広く応えられるのが特徴です。
スイス系企業を始めとした外資系企業の求人も豊富に扱っているため、英語を活かして仕事がしたい方に向いています。また、転職活動の際に参考になるさまざまなコンテンツを発信したり、転職に関するイベントを開催したりしているのもdodaの強みです。
ビズリーチは、株式会社ビズリーチが運営するハイクラス転職に特化した転職サイトです。人材を求める企業やヘッドハンターが登録している人材を直接スカウトすることで、お互いをマッチングする仕組みとなっているのが特徴です。
自分で主体的に転職活動を進めたい方や、自分の市場価値を把握したい方にとってメリットのあるサービスです。すでに英語を活用したビジネスの経験がある、または特定の業界における専門スキルを持っている方に適した転職サイトです。
まとめ:スイス系企業はこんな人におすすめ
スイス系企業は、日本国内でも業歴の長い企業が多く、場合によっては日系企業に近い社内文化が形成されていることも考えられます。
企業や求人によって求められる英語力が異なるため、転職活動の際には就業環境や条件について事前に確認しておくことも大切です。転職エージェントや転職サイトを活用するなどして、効率的に求人情報を精査することも検討してみましょう。
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