デンマーク、ノルウェー、スウェーデンなどを拠点にする北欧系企業には、世界的に有名な企業やグローバルに展開する企業があります。
生産性を高め、過度な残業を求めない、有給休暇をしっかり消化できるなど、ワークライフバランスを重視した企業が多いのも特徴です。
公用語は各国で異なりますが、他国とのやり取りには主に英語が使用されるため、英語力を生かした仕事を求める方の転職先になることもあります。
今回は北欧系企業に転職したい方に向けて、北欧系企業の特徴や魅力、注意点などを紹介します。
※この記事は2022年8月時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認いただきますようお願いいたします。
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目次
1.北欧系企業の特徴
外務省によれば、北欧・バルト8ヶ国(NB8、Nordic-Baltic Eight)とはデンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧5ヶ国と、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国からなる地域的枠組みのことを指します。
これらの国は北欧理事会に加盟またはオブザーバーとして参加しています。北欧理事会とは、世界大戦後に政治的に深いつながりがある北欧諸国が団結と協力のために設立した組織で、設立国はデンマーク・ノルウェー・スウェーデンの3ヶ国(スカンジナビア)、本部はデンマークのコペンハーゲンにあります。
本記事では、デンマーク・ノルウェー・スウェーデンについて、それぞれの特徴を見てみましょう。
デンマーク | ノルウェー | スウェーデン | |
人口 | 約581万人 | 約542万人 | 約1,044万人 |
公用語 | デンマーク語 | ノルウェー語 | スウェーデン語 |
主要産業 | 流通・小売り、医薬品、畜産・農業、運輸、エネルギー | 石油・ガス生産業、電力多消費産業(アルミニウム、シリコン、化学肥料等加工産業)、水産業 | 機械工業(含:自動車)、化学工業、林業、IT |
GDP | 3,509億ドル (2018年IMF統計) |
4,445億ドル (2021年、IMF、名目) |
6,274億ドル (2021年、IMF) |
各国在住の日本人数 | 1,569名 (2018年10月在デンマーク日本国大使館調べ) |
1,281人 (2021年10月現在) |
4,476人 (2021年10月) |
日本在住の各国人数 | 761名 (2018年12月日本国法務省統計) |
445人 (2018年12月現在) |
1,428人 (2021年6月) |
※参照:外務省 基礎データ「デンマーク王国」「ノルウェー王国」「スウェーデン王国」
1-1.北欧系企業の魅力
北欧系企業で働く魅力には「ワークライフバランス重視の働き方ができる」「社内の風通しが良い」「希望のキャリアを実現しやすい」などの点が挙げられます。
北欧では労働組合の力が強く、長時間労働を排除して所定の時間内で効率よく働くことが推進されてきました。例えば、デンマークの週労働時間は 37 時間となっているほか、従業員は5週間の休暇を取得する権利や、子供が病気になった最初の日に全額支給で休暇を取る権利があります。(※OECD:Denmark has world’s healthiest work-life balance)
また、有給休暇取得率が100%という企業も珍しくありません。さらに北欧企業では、仕事を早く終わらせて帰宅する姿勢が評価されます。北欧系企業ではワークライフバランスを重視した働き方が一般的であると言えるでしょう。
北欧系企業では社員自らが自分の管理を行う文化が根付いているほか、社員の自主性が重んじられます。上司から指示されて仕事をするのではなく、自分の判断・裁量で仕事を進めるフラットな企業が多いです。また人事異動が社内公募で決まることもあり、成果を上げていれば希望の部署・ポジションに異動しやすいのも特徴的です。
なお、給与水準は日本と同じか、職種によって少し高い傾向があります。福利厚生が整っている企業が多いため、比較的働きやすい環境と言えるでしょう。
1-2.北欧系企業で働く上での注意点
北欧系企業では社員の自主性や創造性が求められるため、指示を待って淡々と働きたい方には向かない可能性があります。
またフラットな社内風土であるため、自由なスタイルで働ける一方、日系企業との違いに違和感を覚えてしまう可能性もあるので注意しましょう。
1-3.主な北欧系企業の一覧
デンマーク
- レゴ
- オーステッド
- A.P. モラー・マースク
- カールスバーグ
- バング&オルフセン
- イルムスボリフス
- ヒュンメル
ノルウェー
- ヘリーハンセン
- ヤラ・インターナショナルASA
- ファストサーチ&トランスファ
スウェーデン
- エリクソン
- H&M
- IKEA
- Spotify
2.北欧系企業で求められる語学力(英語力)は?
他の外資系企業と同じように、企業や職種によって求められる英語力は異なります。
本社や海外と頻繁にやり取りする場合や資料などが英語で作成されている場合、ビジネスレベルの英語力が必要になります。一方、日本人相手の仕事や社外とのやり取りが少ない場合は、英語力を必要としないケースもあります。
今回リサーチした北欧系企業の求人情報の応募条件でも必要な英語力は異なり、ビジネスレベルを求める場合や読み書き程度を求める場合などまちまちでした。
また一定の語学力を求める企業に転職する場合、採用面接を英語で行う可能性があるため、語学力アップのためのトレーニングが必要になるケースもあるでしょう。
3.北欧系企業に就職・転職するには?
日本に進出している北欧系企業では、経験者としてのスキルを求めるケースがほとんどです。まずは、自分がこれまでに経験してキャリアを積み上げてきたことを活かせる仕事を探されてみると良いでしょう。
また北欧系企業の求人は絶対数が少ないため、情報のこまめなチェックが必要です。英語を活かして働くということが主目的なのであれば、他の国の企業への転職やグローバルに展開している日系企業の求人も視野に入れると選択肢を増やせるでしょう。
3-1.北欧系企業の求人を扱う転職エージェント/転職サイト
北欧系企業への転職を考えているなら、外資系企業の求人情報を扱う転職エージェントの利用を検討しましょう。
転職エージェントを活用することで、自分に合った求人を紹介してもらいやすくなるほか、転職活動のサポートも受けられるからです。
ここでは、北欧系企業の求人案件を扱う転職エージェントを紹介します。
JACは、株式会社 ジェイエイシーリクルートメントが運営するハイクラス・ミドルクラス転職に特化した転職エージェントサービスです。
約800名のコンサルタントが在籍しており、外資系企業や海外進出企業への転職サポートに強みがあります。転職支援実績が豊富で他社サービスでは紹介していない求人や非公開求人を多く扱っているのが特徴です。
ただし、ハイクラス・ミドルクラス向けの転職サービスであるため、特に業務に活かせる経験や実績が少ない場合は希望に合う求人の案内を受けるのが難しいケースもあります。
リクルートエージェントは、株式会社リクルートが運営する業界大手の転職エージェントサービスです。
求人数が多いことに加え外資系の転職支援の実績も豊富であるため、北欧系企業への転職を考えながらも、日系グローバル企業などへの転職も並行して希望する方が利用しやすいサービスです。
希望の職種や転職条件などのヒアリング、書類・面接対策などをしっかり行ってくれる点も特徴的で、キャリアアップを狙いたい方、まずは自身のスキルや経験でどのような求人が適しているのか知りたい方におすすめのサービスです。
dodaは、転職サイト・転職エージェント・スカウトサービスとして利用可能な総合転職サービスです。
正社員の仕事を中心に豊富な求人を紹介しており、多様な業界や職種、ハイクラス転職など、さまざまなニーズに合わせた専門サービスを提供しているのが特徴です。
北欧系企業の求人情報も扱っているほか、日系企業やアジア圏のグローバル転職にも強みを持っています。幅広い案件から自分に合ったポジションを探したい方におすすめの転職サービスです。
Daijob.com(ダイジョブ・ドットコム)は、ヒューマングローバルタレント株式会社が運営する外資系企業・グローバル企業の求人紹介に特化した転職サイトです。外資系・グローバル企業の求人に特化した転職サイトとしては日本最大級で、北欧系企業の求人情報も扱っています。
求人情報は、「エントリー」から「エグゼクティブ」まで、5つのキャリアレベルに区切って検索できるので、自身のスキルにあった求人情報を効率的に検索することが可能です。その他、福利厚生面や希望年収、企業規模なども細かく設定できるため、ライフワークバランスを重視した転職を検討している方にもおすすめのサービスとなっています。
まとめ:北欧系企業はこんな人におすすめ
今回は北欧系企業の特徴や魅力、注意点などについて解説しました。
北欧系企業はワークライフバランスや社員の自主性を重んじた文化があり、社会風土もフラットです。そのため裁量をもって自主的に働きたい方や、メリハリの利いた働き方を求める方に向いています。
求められる英語力は、企業や求人によって異なるため、就職・転職活動の前に確認しておきましょう。
また、北欧系企業は求人が少ないため、転職できるチャンスが限られます。転職エージェントや転職サイトをうまく活用し、効率的に求人情報をチェックされていくと良いでしょう。
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