【インタビュー】「StudyHacker ENGLISH COMPANY」、ベネッセグループに参画!今後の展開は?

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「第二言語習得研究(SLA:Second Language Acquisition)」の知見をベースとしたトレーニングで、常に600人以上の希望者が入会待ちという大人気の短期集中型の英語パーソナルジム「 ENGLISH COMPANY 」。そして、第二言語習得研究を学んだ専門性の高いコンサルタントが、学習者の課題発見アセスメントと学習計画プランニングを行い、自立学習をサポートする「STRAIL(ストレイル)」(4月1日に「THE CONSULTANT」より名称変更)。ENGLISH COMPANYは、2015年の設立からわずか5年で、のべ8,000名以上の受講生の英語力大幅アップをサポートし、2020年1月にはスタジオ数もSTRAILとあわせて全国に19カ所になっています。

創業時より「Study Smart.-学びをもっと合理的でクールなものに」を企業理念とし、「ENGLISH COMPANY」や「STRAIL」を運営するスタディーハッカーですが、2020年1月17日、株式会社ベネッセホールディングスに発行済株式の50.1%を譲渡する株式譲渡契約を締結し、ベネッセグループに参画することを発表しました。そして、2020年4月13日の株式譲渡の実行に伴い、ベネッセホールディングスの連結子会社になりました。

ベネッセホールディングスは、1955年の創業以来、幼児から大人向けの教材開発や教室運営など、さまざまな教育事業を展開している、教育業界のリーディングカンパニーです。

今回English Hub編集部は、この度のグループ参画によって、ENGLISH COMPANYやSTRAILはどう変わるのか、今回の協業に至った背景、また今後の展開などについて、株式会社スタディーハッカーの代表取締役社長岡健作氏と株式会社ベネッセホールディングス事業開発部部長の大槻雅文氏に直接お話を伺ってきました!

話し手:岡健作氏(株式会社スタディーハッカー 代表取締役)

ENGLISH COMPANY 岡氏同志社大学文学部英文学科卒業。大学では英文学(シェイクスピア) を学びつつ、100人規模の英語研究会を主宰。学生時代より講師としてキャリアを積む。2010年恵学社(現スタディーハッカー)設立。第二言語習得研究などの科学的な知見を実際的な学びの場に落とし込んだ医学部・難関大特化型の大学受験予備校を立ち上げる。2015年に英語のパーソナルジムENGLISH COMPANYを設立。

話し手:大槻雅文氏(株式会社ベネッセホールディングス事業開発部部長)

慶應義塾大学理工学部卒業。2006年に株式会社ベネッセコーポレーション(現株式会社ベネッセホールディングス)に入社。大手金融機関(都市銀行・投資銀行・コンサルティングファーム)でのキャリアを活かしながら、ベネッセが実行した多くのM&A案件を担当し、2017年に事業開発部部長に就任。

インタビュー目次

1.ENGLISH COMPANY・STRAILはどう変わる?

Q:現在「ENGLISH COMPANY」や「STRAIL」で提供しているサービス内容に変化は?

岡氏:「ENGLISH COMPANY」を5年、「STRAIL」を1年やってきて、これまでにもたくさん変更点を加えてきています。受講生の方の英語力の向上のために、運営面でも改善は常に行っています。そこはグループに入ったからというよりは、引き続き改善のための「変更」は加えていきたいと思っています。しかしながら、具体的に内容や運用面で、大きな変化が急にあるということは今のところはありません。

大槻氏:ベネッセとしても今の英語パーソナルジム事業を評価しています。「コーチング」という新しい潮流で大きく成長してきたスタディーハッカーのスタイルを大きく変えていくということは想定していません。まずは、現状のビジネスモデルの中でベネッセとしてご支援できるところで協力していこうと思っています。

岡氏、大槻氏

岡氏:事業を改善していくという意味では、今後、全体の規模を大きくするということがサービス内容の向上に直結すると考えています。実際現場で指導をする際には、受講生の方の英語力がどういう形で、なぜ伸びたのかを調査し分析が必要です。こうした調査にはサンプルのボリュームが大切なので、事業スケールが大きくなり、母集団が大きくなることで、学習効果の分析ついての精度が高まるでしょう。

また、会社の規模が大きくなることで、より専門性の高い人材の採用が容易になります。就職や転職市場におけるベネッセの認知度や人気は非常に高い。既にリリース直後から、応募者の層が明らかに変わってきています。専門性が非常に高い方から、多くの応募がきているという状況です。こうしたことから、第二言語習得理論の部分についてもより精度が高まっていくと思います。

中長期的な視点では、組織が大きくなると運営の難易度が上がるので、そういう部分のノウハウをお借りして、バックオフィスの整備を進めていきたい。人をたくさん採用できても、組織が整備されていないと意味がありません。ベンチャー企業にとって難しいバックオフィスの人材確保という点でも、今回のリリース発表後にたくさんの応募がありました。また、法律面の知識などについても非常に助けていただいています。

大槻氏:我々としても、今後の成長過程で採用が一つの課題になるだろうと伺っていました。その点で、ベネッセという教育事業におけるブランドを活かすことで、採用面で後方支援ができるのではと思いました。「短期的なシナジー」というのは、そういう部分でスタディーハッカーの成長をしっかりサポートしていくことだと考えています。

2. 「スタディーハッカー×ベネッセ」協業により生まれるシナジーとは?

Q:ベネッセグループの英語事業との提携や、新たなサービス開発の可能性は?

岡氏:将来的に可能性はゼロではありませんが、大人向けの短期集中のパーソナルトレーニング型のマーケットはまだまだ伸びていく市場です。ここであえて他のところにリソースをふるよりは、この領域で「圧倒的ナンバー1」になっていくことが非常に重要だと思っています。

これは、参画の背景にもつながるのですが、我々がパーソナルトレーニングのコーチングをするのは、あくまでも社名にもなっている「学習効率を上げる=スタディをハック」するためです。ただ単に英語力を伸ばすということだけではなく、「勉強は効率とか質とかの前にまず量だよね」「とにかく量だけが重要だよね」という、「根性論的」なところを変えていきたい。もちろんいっぱい勉強していいんです。その方がいいに決まっています。でもどうせいっぱいやるなら「質」が高い方がその「量」による成果も大きく向上するはずです。そこにちゃんと目を向けるために、専門家をたくさん集めてパーソナルトレーニングを提供しています。

近年の英語パーソナルジム事業のマーケットには、「いっぱい学習しましょう」、「いっぱいやることをくじけさせないために励まします」、というスタンスのサービスが増えています。これでは、せっかく私たちが予備校時代から積み重ねてきて、ENGLISH COMPANYでも推し進めてきた「脱・根性論」の世界観が逆回しになってしまうという危機感があります。英語パーソナルジム業界がそういう波に飲まれてしまうのは絶対嫌だなと思いました。そのためには、スピード感を持ってナンバー1であり続ける。あらゆる意味で圧倒的に差をつけていく必要がある。そういうふうに考えています。

岡氏

大槻氏:中長期的には、ベネッセグループとのシナジーというところも当然追求はしていきたいと思ってはいます。しかし、まだまだこの市場は伸びていくと思うので、まずはその中で、圧倒的なトップを走り続けていけるような基盤をきちんと作っていくことを一緒にやっていきたいと考えています。

スタディーハッカーの受講生の方は、他の英会話スクールで続かなかった方や、短期的にTOEICスコアアップや英語力を上げたい方が多いようです。ベネッセグループにはベルリッツもありますが、ベルリッツは外国人講師であり、教授法も違い、受講生の目的や提供しているサービスが違うので、きちんと棲み分けができると思います。

将来的には、教授法の選択だけでなく、例えばスタディーハッカーで基礎力を付けた方が、本格的なコミュニケーションをもっと身につけたいと考えた時にベルリッツに足を運ぶなど、受講生の方にとって、少し長い目線で見た時のシナジーみたいなものが作っていけたらよいと考えています。

Q:ベネッセグループ入りしたことでENGLISH COMPANYの店舗展開の加速やウェイティングリスト解消の可能性は?

岡氏:安定的な拡大はできると思います。質が担保できるのであればですが。

大槻氏:講師の質がとても重要だと思っているので、拡大を考える上ではトレーナーの方の質を担保していくのが必要条件です。これまで通りの出店ペースを維持していくことは可能だと思いますが、現在も受講をお待ちの方が結構いらっしゃいますので、既存の教室のキャパをもう少し広げた方がいいという考え方もあります。もしくはライトなサービスのSTRAIL(ストレイル)であれば、もっとエリアを広げてもやっていけるのではないかなど、いろんな選択肢があると思います。どうしたらよりお客様のニーズに応えられるかを探りながらやっていく必要があると思います。

岡氏:新しい場所に拠点を作ると、地理的にここであれば通えるという方が来るため、あまりウェイティング自体は減らないんです。わかりやすく言うと、名古屋にスタジオ出したとします。そうすると、今まで地理的に来ることをあきらめていた名古屋の方がいらっしゃるので、すでに今あるスタジオで待っている方の数は減らないということになります。

Q:協業により、両社が期待することや今後の見通しは?

大槻氏:やはり専門性の高いトレーナーが、スタディーハッカーの強みだと思います。第二言語習得理論自体は他社でも扱っていますが、どういう人材が、その理論を使って指導しているかというところが大きい。その理論についての理解度の深さもサービスの質を大きく左右します。

受講生の方の満足度やトレーナーの方への信頼度は非常に高いです。グループインの準備段階で色々な立場の方にインタビューしましたが、コーチングされている内容が受講生の方にしっかり伝わっていましたし、そうした指導のノウハウがトレーナーの方に浸透しているということをすごく実感しました。「3ヵ月のトレーニングが終わった後の学習にも迷いがなくなる」「英語学習に対する不安がなくなった」という声も多く聞きました。これをやれば大丈夫という、まさに岡社長がおっしゃられていることが、受講生やトレーナーの方の口からも聞こえてきて、驚きました。

また、実際に周囲に体験入学を申し込んだ人がいたのですが、本当に2ヵ月待ちだったこともあって、おっしゃられていたことは、本当なんだと(笑)。

我々としても、英語パーソナルジムの市場は成長途中と思っていて、教育事業の中で魅力的な領域だと考えています。ですから、まずは伸びるところまではちゃんと伸ばしてもらいたい。その先にはもう少し幅を広げて、色々なサービスを提供していくことはあるかもしれませんが、当面は、本業の英語パーソナルジム事業を伸ばしてもらえるようなサポートをしていきたいと思っています。

大槻氏

岡氏:満足度についてですが、我々は満足度を社内的な指標にしていません。「ENGLISH COMPANY」は3ヵ月と短期なので、受講生にめちゃくちゃ優しくすれば短期的な満足度は上がると思います。でもそうじゃない。短い間に英語力を上げて満足いく結果が得られた際、例えば海外赴任や転職が実現しましたみたいな時に、そこで満足してもらえればいいと思っています。ゴールのときに、きちんと成果が出ているかを見ていくところが、教育サービスにとっては本質的な価値だと思います。一時的に満足度が下がったとしても言わなきゃいけないことは一時的に言わなきゃいけない。そういうところは、一般的なサービス業とは少し違うところがあります。

大槻氏:ベネッセは複数の学習塾のグループ化を行ってきており、その教室事業を統括する幹部と岡社長とのやりとりの中でも、そういう話があり、両社の事業を比較的理解しやすかった。スタディーハッカーとベネッセでは、こうした「上位の概念」で通ずるものがあったと思います。したがって、何か短期的にやっていくというよりは、上位概念でつながりながら、我々の持っている拠点事業の運営ノウハウや、採用面で協力していこうと思っています。

岡氏:思いや意味がわかっていただけるのは、拠点を構えて教育事業をたくさんやってこられた会社の肌感覚だと思います。共通のバリューを持っているというか。最終的にきちんと成果を出して勉強した人がハッピーならなきゃいけないよね、ということです。その上で、きちんと継続的なサービスの提供や、価値向上を行うために収益をあげる必要があります。

大槻氏:本件を公表した後に実施した社員説明会で、ベネッセの教室事業を統括する責任者からも、「ベネッセグループでは、ちゃんと収益を上げてそれを受講生の方に返していく、そうでない限りはいいものが継続的に提供できるようにはならないという考え方を徹底している」とお伝えさせていただきました。

また、働く人にとっても安心を感じてもらえるような職場、その中でパフォーマンスを発揮できる環境をしっかり作っていく。それができたら、ベネッセとの色々な事業での連携もうまく循環して、将来的には働く人のキャリアパスも広がっていくのかなと思います。そのために、まずはスタディーハッカーには、この領域のリーディングカンパニーであって欲しい。そのためにきちんと支援していこうと考えています。

3.英語学習者、English Hub読者へのメッセージ

最後に岡氏から、英語を学習中の読者のみなさんへのメッセージをいただきました。

岡氏:学習方法で迷うことや悩むことはたくさんあると思うけれども、当たり前の順番・方法をきちんと取れば、無駄な回り道を避けることができるはず。その結果、効率的に英語力は伸びていきます。量はもちろん大事ですけれども、その量をやる前に「何をやるのか」に思いを向けてもらえれば嬉しいなと思います。“Study Smart!”合理的で効率のいい学びを!

編集後記

今回は、スタディーハッカーがベネッセグループ参画に至る背景から今後の展開までお話を伺う中で、両社がお互いの価値観で強く通じ合うところがあって実現したグループインであることを強く感じました。効率の良い学び「スタディーハック」で英語力を伸ばし、学習者をハッピーにする。そうすることでビジネスとしても成長していき、それをまた学習者に還元する。まさにサステナブルな教育事業をめざしている両社。今後はベネッセの支援を受けENGLISH COMPANYとSTRAILのトレーナーの増員や規模の拡大も期待できるので、受講のチャンスが高まるかもしれません!

サービス名 ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)
URL http://englishcompany.jp/
スクール所在地 四谷スタジオ(東京都新宿区本塩町7 新井ビル4F)
恵比寿スタジオ(東京都渋谷区恵比寿4-5-27 パティオクアトロ 4F)
有楽町スタジオ(東京都千代田区有楽町1-6-10 スクワール日比谷ビル 3F)
有楽町第2スタジオ(東京都千代田区有楽町1-6-8 松井ビル10F)
銀座スタジオ(東京都中央区銀座7-13-12 サクセス銀座7ビル 9F)
品川スタジオ(東京都港区高輪4-23-5 品川ステーションビル 9F)
六本木スタジオ(東京都港区六本木7丁目15番17号 ユニ六本木ビル6階 BCD号室)
神田スタジオ(東京都千代田区鍛冶町2-1-2 神田南口鋭光ビル 2F)
新宿スタジオ(東京都新宿区西新宿7-8-13 第2萬寿金ビル 8F)
池袋スタジオ(東京都豊島区南池袋1-19-4 幸伸ビル 3F)
大宮スタジオ(埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-9-6 大宮センタービル 1階)
横浜スタジオ(神奈川県横浜市西区高島2丁目3-19 高島ビル7階)
神戸スタジオ(兵庫県神戸市中央区磯上通7-1-25 北野ビル7階)
四条烏丸スタジオ(京都府京都市下京区仏光寺通新町東入糸屋町225 京都仏光寺室町ビル 4F)
梅田スタジオ(大阪府大阪市北区堂山町1-5 三共梅田ビル 6F)
設立 2010年2月
入学金 20,000円(税別) or 50,000円(税別)
※お友達紹介割引:入会金から10,000円割引
※他スクールからの移籍:入会金から10,000円割引
教材費用 レッスン料金に含まれる
期間 2ヶ月 or 3ヶ月
コースと料金 ※現在(2020年4月)、全てのコースの無料体験授業ならびに受講はオンラインにて行っています。料金はコースによって異なりますため、詳細はお問い合わせください。

●全レベル対応コース(90日)
・トレーニングセッション:45分×48コマ
・入会金:50,000円(税別)
・受講料金:月額165,000円(税別)×3ヶ月

●初級者向けコース(60日)
・グループトレーニング:1回75分・週2回 × 8週間(全16回)
・入会金:20,000円(税別)
・受講料金:月額82,500円(税別)×2ヶ月

●中級者向けコース(60日)
・グループトレーニング 1回120分・週1回(全8回)
・入会金:20,000円(税別)
・受講料金:月額100,000円(税別)×2ヶ月

●上級者向けコース(60日)
・グループトレーニング 1回120分・週1回(全8回)
・入会金:20,000円(税別)
・受講料金:月額92,500円(税別) ×2ヶ月

サービス名 STRAIL(ストレイル)
URL https://strail-english.jp/
スクール所在地 <STRAIL>
大宮スタジオ(埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-9-6 大宮センタービル 1階)
銀座スタジオ(東京都中央区銀座7-13-12 サクセス銀座7ビル 9F)
新宿スタジオ(東京都新宿区西新宿1-18-2 晴花ビル2F)
北浜スタジオ(大阪府中央区平野町1-3-2 idocoro 2F)
サービス提供開始日 2018年12月
入学金 50,000円(税別)
教材費用 レッスン料金に含まれる
期間 2ヶ月~
コースと料金 ※現在(2020年4月)、説明会ならびに全てのコースの受講はオンラインにて行っています。料金はコースによって異なりますため、詳細はお問い合わせください。

STRAIL(自立学習型英語コンサルサービス)(60日~)
・受講価格 :170,000円(税別)~(2ヶ月)
・延長価格(1ヶ月):月額85,000円(税別)〜

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English Hub 編集部

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