TOEIC後半、特に長文が登場するPart 6とPart 7に苦手意識はありませんか?長文の趣旨を理解しようとあせるあまり、問題に集中できず時間不足になってしまうケースも少なくないようです。
ここでは、TOEICの長文問題を解くにあたって必要なノウハウをご紹介します。長文をすばやく読むスキルは、テストのためだけでなく、日頃から多読をしたり、英語スピーチをリアルタイムで理解するためにも大切なので、ぜひ身につけておきましょう。
1. 長文問題の2つの性質を理解する
「長文問題」と言っても、問われることの性質は大きく2つに分けることができます。ひとつは「語句・文法の理解だけで解ける問題」、もう一つは「内容理解がないと解けない問題」です。
たとえばTOEIC Part 6は、長文中に空欄があり、各空欄にあてはまるワードやフレーズを選ぶ穴埋め問題です。「語句・文法の知識」さえすでに持っていればスムーズに解ける問題と、選択肢の中のどの英文が一番つじつまが合うのかを理解する必要がある「内容の問題」があります。内容の問題に正答するには、日頃から長文に慣れている必要があるでしょう。
2種類の長文問題は対策や解法が異なるので、まずは模試形式の問題集などでそれぞれの性質を理解しておくことが大切です。
以下、それぞれに即した解法のポイントを見てみましょう。
2.「語句・文法」の問題を解くポイント
「語句の意味」や「正しい文法」を選ぶ問題については、TOEIC用のテクストを用いたボキャビル教材や、高校レベルの文法書を読み返しておきましょう。それでも「未知の語句」が出てきた場合、「すぐにランダムに選ぶ」のはもったいない話です。ここで、どうやって「知らない単語の意味の推測」をすべきかを考えましょう。
まず、「洋書多読におすすめ!イギリス英語を学ぶなら読んでおきたい英国作家作品10選」でご紹介した “Pride and Prejudice (プライドと偏見)”の出だしの文章を例にとってみましょう。
(Jane Austin著 ”Pride and Prejudice”より引用)
3箇所に下線を引きましたが、まずは “acknowledged” を見てください。この単語のなかには、動詞 “know” が入っています。そこから、この単語の意味「認知されている」が推測できます。
同様に、2番目の単語 “possession” にも、動詞 “possess” (所有する)が見られます。文脈から名詞だと推測できれば、「所有」という言葉だと簡単に分かります。似たものに、 “information” が “inform” (知らせる)の名詞形、のようなパターンがあります。
3番目の下線部 “in want of” はどうでしょうか? 一般に “want” は「欲する」という動詞なので、その意味を名詞に当てはめ「欲求」と考えれば、 “in want of A” で「Aを欲している」というイディオムであることが理解できるでしょう。
以上のように、 “know” や “possess”、“want” などシンプルな単語を駆使して考えれば、この名文が簡単に読めることが分かります。そのためには、日頃から単語を連関させて身につけるのが効果的です。例えば “know” ならば、 “knowledge” や “knowing”、”unknown” といった関連している言葉とまとめて覚えてしまいましょう。
以上のアプローチを「消去法」と組み合わせることで、より正答が探しやすくなります。「明らかに違っている」選択肢を消去していき、残ったものから類推を用いて選ぶことで、正答率をぐっと高めることができます。
3. 「内容理解」の問題を解くポイント
「文章の挿入」や「このフレーズはどのような意味か」といった問題を解くには、その長文全体の内容、そして「ロジックの流れ」を理解している必要があります。
ここで、日本のソーシャルグッドな取り組みを紹介しているWebメディア「Zenbird」の記事の一節を使って、文章挿入を練習してみましょう。
By paying the farmers fairly, farmers are subsequently able to produce high-quality yields of cotton. This is as opposed to producing for mass production, where cutting cost is the main concern. Fair trade focuses on high quality agriculture and production instead. ( 1 ).”
最後の文(1)にはどのような文章が入るでしょうか?前文から、
- 「オーガニック・コットンの利点は環境に良いことだけではなく、フェアトレードの実践が多い点でもある」
- 「フェアトレードでは生産者への公正な支払いの結果、高品質なコットンの生産に力が注がれる」
というポイントを押さえておけば、その品質の高さが消費者にとっても利点であるという趣旨の文が次に来るとロジカルに予測できます。
実際に(1)に入るのは
“This benefits the farmer, us consumer and everyone in between.”
という文章です。「それ(クオリティーの高い農業や生産)により生産者、わたしたち消費者、そして両者の間に関わるすべての人に利得がある」と結んでいるので、予測した内容とマッチしていることがわかります。
このように、文章挿入や趣旨についての問題を解くにあたっては、前後のポイントをしっかり把握して予測をすることで、正答が格段に見つけやすくなるでしょう。
まとめ
今回は、TOEIC、特にPart 6 & 7 の長文問題をスムーズに解くにあたって必要なトレーニング方法を考えてみました。TOEICだからといって、特殊な英語が使われるわけではなく、また正答のための特殊なテクニックが必要なわけでもありません。日頃から英語に触れており、かつロジカルで応用の効く発想法を駆使できれば、長文問題を恐れる理由はありません。多彩な英語のインプットを通して、長文問題を解く力が「いつの間にか身についた」というスタイルを目指してみましょう。
茂呂 宗仁
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