TOEICリスニングセクションの対策&コツをパート別に解説!【Part1】

TOEICを学習されている方のなかには「Part1が意外と難しい」「Part1のコツが知りたい」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

Part1はTOEIC以外の英語試験ではあまり見かけることのない形式の問題ですので、最初は戸惑ってしまう方も少なくないですが、しっかりと攻略テクニックを知ることで比較的スコアアップしやすいパートでもあります。

今回はTOEICのPart1のおすすめ攻略テクニックについて詳しく解説をしたいと思います。

※この記事では、2016年5月から導入されたTOEIC新形式に対応する内容を解説しています。

TOEICリスニングセクション・Part1(写真描写問題)について

TOEIC L&RのPart1は、写真描写問題です。

1題につき1枚の写真が問題用紙に印刷されており、4つの英文が読み上げられた後に、写真の描写とマッチする適切な文を選ぶ形式になっています。写真には人物や風景などが描写されています。

Part1の問題数は6題です。

TOEICリスニングセクション・Part1の対策&コツ

1. 時制と態に気をつける

Windows are being cleaned. という文は、 以下の2つのうちどちらの絵の描写として適切でしょうか。

  • 綺麗に掃除されてある窓の絵
  • 誰かが窓を綺麗に掃除しているところの絵

正解は、後者の誰かが窓を綺麗に掃除しているところの絵です。

be動詞+~ingの形を取る現在進行形の文は、今まさに窓が綺麗に掃除されている最中であることを表すため、掃除が終わって綺麗になった状態の窓の絵は不適となります。

また、下記の文を使って態と時制について考えてみましょう。

  • A box is being painted.
    箱が塗装されているところである。
  • A sidewalk is being swept.
    歩道が掃除されているところである。

上記の例はいずれも、「be動詞+過去分詞(~されている)」の形を使った受動態(受け身)の文です。加えて、“is being”の部分から、時制は現在進行形であると分かるため、「〇〇が(今まさに)~されているところだ」という意味の描写になります。

このように、TOEIC Part1のリスニング問題では、態と時制の両方に注意して内容を聞き取る必要があります。問題の中では、上記で紹介した受動態+現在進行形だけでなく、能動態+現在形や現在完了形といったパターンも出題されます。

Part1の文で頻出する態と時制の組み合わせのパターンは以下の通りです。

能動態+現在形

  • A pair of shoes is under a desk.
    1組の靴が机の下にある。

能動態+現在進行形

  • A jacket is hanging from a chair.
    ジャケットが椅子にかかっている。

受動態+現在形

  • A computer is installed on a desk.
    コンピューターが机のうえに設置されている。

受動態+現在進行形

  • Plants are being watered.
    訳)植物に水がまかれているところである。

受動態+現在完了形

  • Some trees have been trimmed.
    数本の木が手入れされている。

それぞれのパターンの英文を聞いた時、瞬時に意味を掴めるようにしっかり理解しておきましょう。

2. 音声が流れる前に写っているものの状態を確認しておく

Part1の写真に頻出する被写体別に、選択肢で触れられやすい主なポイントをご紹介します。

人物

  • どんな動作を取っているか(立っている、座っている、走っているなど)
  • 人物が身につけているもの(帽子、ジャケット、ネクタイなど)
  • 人物の周りにある物の状態
  • 明らかに判断ができる場合は女性か男性か
  • 2人以上の人物が写っている場合、人々の位置関係
    (並びあっている、向かい合っているなど)

風景

  • 植物の状態(木が並んでいる、花が植えられているなど)
  • 道の状態(葉で覆われているなど)

建物

  • 建物が影を映しているかどうか
  • 窓やドアの状態(開いている、閉まっているなど)

音声が流れる前に選択肢で触れられやすいポイントを確認しておくことで、実際に注目していた部分について音声で触れられた際、瞬時に反応できるのでおすすめです。

3. 問われないものを知っておく

Part1の写真描写問題という特徴から、設問として問われない内容を特定することができます。Part1で選択肢として出題されない内容は主に以下のものです。

Part1の問題で印刷されている写真は、白黒です。写っているものが何色かということは判断することができないので、写真の色である白、黒、グレーも含め問われることはありません。

写真からは判断できない詳細の部分

写真からは見極めることのできない、細かすぎるものは選択肢としては読み上げられません。

過去の話

Part1の選択肢では過去形の文が使われることはありません。写真に写っている現状についてのみが問われます。


選択肢で問われない内容を事前に把握しておくことで、選択肢で触れられる可能性の高い部分に集中し意識を集めることができるためおすすめです。

TOEIC Part1のスコアアップに効くおすすめトレーニング法

Part1のスコアアップに有効なおすすめトレーニング法として、ディクテーションが挙げられます。ディクテーションとは、聞こえてきた音声をそのまま文字に起こすトレーニングです。

ひと通り問題を解いたあと、不正解の選択肢を含めた4つの文を全てディクテーションすることをおすすめします。特に、is beingとhas beenは音が似ていて聞き間違いが起こりやすいので、注意して聞き取りましょう。

また、Part1で読み上げられそうな選択肢を予想して、自身で選択肢を英作文するトレーニングも有効です。Part1で使われる時制と態の組み合わせのパターンに慣れることができますし、問われそうな部分を予想する力を鍛えることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はTOEICのPart1のおすすめ攻略テクニックをご紹介しました。Part1は6問とTOEICの全セクションのなかで問題数が最も少なく、比較的全問正解を狙いやすいパートでもあります。ぜひ今回ご紹介したテクニックを参考にしてみてください。

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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