海外留学や就職・移住に向けた英語力の証明として、11,000以上の機関に採用されている英語試験のIELTS(アイエルツ)。総受験者数は年間350万人を超え、世界的にも広く認められている試験です(※)。IELTSでは、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能の実力を試されることから、独学での試験対策に苦労している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「バークレーハウス語学センター」が提供している、オンライン専用のIELTS対策講座「MASAKI ROOM GROUP LESSON」をEnglish Hub編集部が体験受講。IELTS満点講師、正木伶弥氏が担当するスピーキング・ライティングのグループレッスンで学んだ、スコアアップのコツをご紹介します。
※参照:IELTS公式サイト「IELTS grows to 3.5 million a year」より
講師プロフィール
ロンドン大学クイーン・メアリー校卒業。専攻はビジネス・マネジメント。現在はIELTS統括団体の一つである、英公的機関ブリティッシュ・カウンシルより、British Council IELTS Expertに認定。大手IT企業のCEOや役員への英語コーチング、IELTSに特化したe-learning教材開発を手掛け、2022年には書籍『はじめてのIELTS対策トレーニング』を出版。CELTA/IELTS 9.0/英検1級/TOEFL iBT120点満点取得後、IDP公式IELTS教員研修修了(日本第1号)。
目次
IELTSライティング対策 解答のポイント
MASAKI ROOMのIELTSライティング対策レッスンでは、事前課題として提出した英作文問題の解答に基づいて授業が進められます。グループレッスンの参加者(今回は6~7名)のうち、2名分の解答を取り上げ、講師が添削内容の詳細を解説します。その後、IELTSの元試験官であるネイティブスピーカーが作成したサンプルアンサーを読みながら、真似できそうなポイントやスコアアップのコツについて確認していくという流れです。
レッスン内で自分の英作文が取り上げられるかどうかにかかわらず、提出した課題はすべて担当講師が添削を行い、後日受講生へと返却します。添削では、語彙や文法面での誤りを含む改善点のほか、良いポイントもピックアップしてくれるため、ライティングにおける自身の強み・弱みを的確に把握できます。
ここからは、IELTSライティング講座で学んだ、すぐに実践できるスコアアップ対策をご紹介します。
幅広い語彙力をアピールする
IELTSのライティングの採点基準には、語彙力の豊富さ・幅広さを問う“Lexical Resource”という項目があります。ライティングでハイスコアを目指すためには、問題文の意図を正しく読み取った上で自らの主張や意見を論理的に展開していくだけでなく、使用する単語のレベルを高めることが重要です。
“Lexical Resource”のスコアアップにつなげる方法として、まずは“see, have, get”などの基本動詞に注目してみましょう。中学校レベルの基礎的な語彙でありながら、英語のコミュニケーションの中で頻繁に使われるこれらの動詞は、文脈によってさまざまな意味を持ちます。
例えば“see”の場合は、「見る」以外に「会う」の意味も含みますが、状況によっては単に“see”で表すのではなく、「(人や出来事に)思いがけず遭遇する」という意味を持つ“encounter”を使った方がより適切な場合も。幅広い意味を含む英語の基本動詞は、汎用性が高く便利である反面、繰り返し使うことで単調な文章になったり、具体性が欠けてしまったりする可能性があります。
ただし、基本動詞を全てやみくもに他の単語へ置き換えればよい訳ではありません。あくまでも「自分が意図した内容を最も的確に表せる単語は何か」を中心に考え、その場に応じた適切な語彙を選択することが大切です。IELTSのライティングで頻出の、テクノロジー、教育、環境をはじめとする幅広いトピックに関連した英語の新聞記事を読むなどして語彙を増やし、インプットした表現を実際に英作文で使う練習をしておきましょう。
ライティングに適したフォーマルな文体で書く
日本語でも話し言葉と書き言葉の使い分けがあるように、英語の場合も英作文に適した文章のトーンが存在します。IELTSのライティングでは、英文エッセイの構成を意識した上で、フォーマルな文体を使って書くことが必要です。
下記の2点は、アカデミックライティングのルールの中でも特に基礎的な部分です。英作文をする際、まずはこれらのポイントを漏れなく押さえておきましょう。
- 短縮形を使わない
- 単語を省略しない
アカデミックライティングでは、“haven’t → have not”、“isn’t → is not”と、短縮形を使わずに書くことが基本です。手紙やメールといったカジュアルな英語の書き方に慣れている方は、いつもの癖で短縮形を使用しないように特に注意しましょう。
“advertisement(広告)”を“ad”と略すなど、口語としてよく使われる言い方もアカデミックライティングには適しません。エッセイの中では単語を省略せずに書きます。
また、普段よく使っている英語表現でも、フォーマルな英作文ではできるだけ避けた方がよいものもあります。例えば、「たくさんの」という意味の“a lot of”は、ややカジュアルな響きを含むため、「どれくらい多いのか」の程度によっては、よりフォーマルな言い方を使い、“an/the excessive amount of~(過剰な量の~)”という表現もできます。
慣れないうちは、ライティングに適した表現かどうかの判別が難しい場合もあるので、英語のニュース・新聞記事やアカデミックな論文で使われているフォーマルな文章のトーンに日頃から触れておく習慣が大切です。
IELTSスピーキング対策 解答のポイント
IELTSスピーキング対策のレッスンでは、問題への解答に挑戦したい受講生を募り、講師が試験官役となって出題。解答時の話し方・文法・発音などについて、その場でフィードバックがもらえます。
グループレッスンのため、1回の授業の中で模擬面接にチャレンジできる人数は限られますが、他の受講生が話す英語を聞くことで得られる発見もあります。「真似できそうな英語表現がないか」「文法的な抜け漏れに気付けるか」を意識して解答を聞き、講師からのフィードバック時に自らの認識と答え合わせをしてみるのもおすすめです。解答中のミスに気付けなかったのであれば、自分自身も試験で同じ間違いをする可能性があります。スピーキングは、誰かに聞いてもらうだけでなく、問題に対する答えを独り言のように呟いて話す練習方法も効果的です。
ここからは、正木講師から教わった、IELTSのスピーキングテストで押さえておくべきポイントについて見ていきます。
速さ=流暢さではない。話す時は聞き取りやすい一定のスピードで
IELTSのスピーキングテストを受ける際、「流暢に話さなければならない」と意識するあまり、話すスピードが速くなってしまうケースがあります。しかし、速く話すほど流暢と捉えられる訳ではないため、あくまでも試験官が聞き取りやすいスピードで解答することが重要です。スピーキングのPart 1から3までの問題に答える中で、パートごとの流暢さに著しく差が出ると、「話す内容を一部暗記しているのでは」とみなされる場合も。焦らず一貫したスピードで話すことを心掛け、自然体で試験に臨みましょう。
Part 2では試験官が止めるまで2分間話し続ける
スピーキングテストのPart 2では、試験官が手渡すタスクカードに記載されたトピックについて、2分間でスピーチを行います。話をきちんと締めくくって終わる必要はなく、文の途中でタイムオーバーになったとしても問題ありません。試験官から終わりの合図を出されるまで、できるだけ沈黙の時間が生まれないように話し続けるのが高得点のコツです。
また、タスクカードには、“You should say: ”という文言に続き、トピックに関連して「誰が○○をしたか」「どこで○○をしたか」など、2分間話し続けるためのヒントとなる観点が3つ記載されています。解答の中で3点全てについて触れたかは採点に影響しないので、自分が話しやすい内容・順番で答えましょう。
質問の意味が分からない時は聞き返してもOK
スピーキングテストを受ける中で、試験官が話した内容が聞き取れない・意味がつかめないという事態が起きることも予想されます。質問の意味を理解していないまま的外れな答えを返すと、大幅な減点にもつながりかねません。そんな時は、ためらわずに聞き返したり、意味が分からなかった単語のリフレーズをお願いしたりして、疑問点をクリアにすることが必要です。
- I’m sorry, could you repeat the question?(すみません、もう一度質問を繰り返していただけますか?)
- Could you explain what ○○ means please?(○○とはどういう意味か説明していただけますか?)
上記のフレーズを活用すれば、試験官の質問の意図を汲み取れないまま沈黙状態になってしまうことも防げます。
IETLS対策講座「MASAKI ROOM GROUP LESSON」について
今回体験受講をした、バークレーハウスのIELTS対策講座「MASAKI ROOM GROUP LESSON」は、目標スコアごとに「Target 5」「Target 6」「Target 7」の3レベルに分かれています。IELTSで9.0を取得している正木伶弥講師に加え、Overall 8.0以上のハイスコアを持つ講師陣が各レベルのクラスを担当。オンライン完結型のため、IELTSの試験対策に対応したスクールが近くにない地域に住んでいる方でも、専門知識を持った講師からのレッスンを受けられます。
ライティング・スピーキングクラスは、週に1回、2.5時間(2時間のレッスン+30分の質問会)のライブ授業形式で行われます。また、受講中に自分の好きなタイミングで視聴できるリーディング・リスニング問題の解説動画も用意されているので、IELTSで必要となる4技能すべてを対策できます。強化したいスキルに合わせて、ライブ授業(スピーキング・ライティング)か動画講義(リスニング・リーディング)のいずれかのみを受講することも可能です。
編集後記
TOEICや英検と比べて、日本ではIELTS対策専門の授業を提供しているスクールがまだ少ないのが実情です。今回の体験受講を通じて、試験の傾向と効果的な勉強法を熟知した講師が実施するレッスンを、場所を問わずオンラインで受けられるメリットを改めて感じました。
特に、独学だけでは対策が難しいスピーキング・ライティングでスコアアップするためには、客観的かつ的確なフィードバックが欠かせません。バークレーハウスのレッスンでは、細かなポイントについても日本語で解説を聞いて理解を深められる点も魅力です。
海外就職や留学という夢の実現に向けて、実践的なIELTS対策に取り組み、目標スコア達成を目指していきましょう。
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MASAKI ROOM GROUP LESSON 概要
サービス名 | MASAKI ROOM GROUP LESSON |
URL | https://berkeleyhouse.co.jp/lp/masakiroom.html |
運営会社名 | 株式会社バークレーハウス |
本社所在地 | 東京都千代田区九段北4-2-11 第2星光ビル7F |
設立 | 1973年 |
コースと料金 |
リスニング・リーディング動画講義+スピーキング・ライティングLIVE授業 ・月額55,000円 ・動画講義とLIVE授業のセットで4技能すべてに対応したコース。 スピーキング・ライティングLIVE授業のみの受講 リスニング・リーディング動画講義のみの受講 ※上記の受講料金はすべて税込です。 |
対象レベル | ・Target 5:IELTSスコアOA5.0~5.5が目標の方 ・Target 6:IELTSスコアOA6.0~6.5が目標の方 ・Target 7:IELTSスコアOA7.0以上が目標の方 |
受講形式 | オンライン |
受講期間 | 1ヶ月単位で選択 |
※上記は2022年4月調査時点での情報です。
English Hub 編集部
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