IELTS(アイエルツ)は、英語の4技能の運用能力を測る試験です。英語圏の大学・大学院への留学や、海外移住を目指す場合だけでなく、日本国内の大学入試、就職・転職時においても、英語力の証明としてIELTSのスコアを利用できるケースがあります。
この記事では、IELTSを初めて受ける方や、IELTS独自の試験形式に慣れる方法を探している方、自分が今どれくらいのスコアを取れそうかを知りたいという方向けに、独学で取り組める公式問題集やオンライン模試を紹介します。
目次
※記事内の情報は、2023年7月更新時点の調査結果に基づくものです。最新の情報については、各ウェブサイトをご確認ください。
IELTSに過去問はある?公式問題集や無料模試を紹介
IELTSの過去問は非公開。試験対策には公式問題集の活用がおすすめ
IELTSの過去問は非公開のため、実際の試験に出題された問題そのものを確認することはできません。しかし、ケンブリッジ大学出版局(Cambridge University Press)が発行している公式問題集を使えば、本番と同じ形式でIELTSの問題にチャレンジできます。
- 4回分のIELTS模擬テスト
- 解答、リスニングスクリプト、ライティングの解答サンプル
- 試験対策に役立つコンテンツを収録したResource Bankへのアクセスコード(IELTS 15以降の問題集でのみ対応)
・リスニングテスト音声
・スピーキングテストのサンプル動画
・解答の解説
・追加のライティング解答例 など
公式問題集は、およそ1年ごとに新たなバージョンが刊行されており、2023年7月時点での最新刊は「IELTS 18」です。各試験パートの形式の説明や採点基準の目安も含め、内容はすべて英語での記載となっています。
「IELTS 15」以降の問題集では、オンラインの学習プラットフォームへアクセスし、文章での説明だけではイメージをつかむことが難しいスピーキングテストの進め方についてのサンプル動画も視聴可能です。
IELTSの試験形式に慣れるため、まず手にしておきたい一冊と言えるでしょう。
【IELTSアカデミック・モジュール用】
書籍名:IELTS 18 Academic Student’s Book with Answers with Audio with Resource Bank(IELTS Practice Tests)
出版社:Cambridge University Press
【IELTSジェネラル・モジュール用】
書籍名:IELTS 18 General Student’s Book with Answers with Audio with Resource Bank(IELTS Practice Tests)
出版社:Cambridge University Press
無料のIELTSオンライン模試を受けてみよう
IELTSの運営団体の一つである「ブリティッシュ・カウンシル」は、ウェブサイト上で無料のIELTS模試を公開しています。誰でも気軽に利用できるので、IELTSの問題形式を確認したり、受験前の腕試しをしたりする際におすすめです。
ブリティッシュ・カウンシルのIELTS無料模試は、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能すべての問題をカバーしています。解答用紙をダウンロードして印刷し、時間を測りながら試験に取り組めば、本番に近い環境で予行練習ができるでしょう。
ただし、人によって解答が異なるライティングとスピーキングに関しては、自分自身で採点がしづらいというデメリットもあります。プロの講師からの客観的なフィードバックが欲しい場合は、記事後半で紹介する添削サービスやIELTS専用の対策講座を利用するのも一つの手です。
有料のIELTS公式模試なら目安スコア&フィードバックがもらえる
IELTSの運営団体「IDP」が実施している「IELTSプログレス・チェック」は、IELTSの公式採点官が評価と採点を行う模擬テストです。コンピューターを使った試験のため、会場に出向く必要がなく、自宅から好きなタイミングで受験できます。
公式模試であるIELTSプログレス・チェックのメリットは、自己採点だけでは得られない他者からのフィードバックをもらえる点です。客観的な評価が難しいライティングやスピーキングも、実際の試験と同じ基準で採点を受けられます。
- 内容:
・全問分の採点結果
・4技能それぞれのバンドスコア目安
・次回の受験に活かせるフィードバック
・各パートのヒントとアドバイス - 価格:
・テスト1回分 US$49.95
・テスト2回分 US$84.89(2回分まとめての購入で約15%オフ)
IELTSプログレス・チェックは、「ライティングの添削やスピーキングに関するフィードバックを受けたい」「本番で力を発揮できるよう受験形式に慣れておきたい」という方に特におすすめです。
IELTSプログレス・チェックの1回あたりの価格は、US$49.95(約6,400円)。IDPでのコンピューター版IELTSの受験料が26,400円のため、実際の試験と比べて2万円ほど安い価格となっています(※日本円での価格は、2023年2月2日現在の為替レートを元に計算された参考値です)。
※IELTSプログレス・チェックは模擬試験であり、採点結果を進学、就職、入国審査などで用いることはできません。プログレス・チェックを通じて得たバンドスコアは、あくまでも試験対策のための目安として活用しましょう。
単発利用が可能なIELTSのライティング添削サービスも
IELTSの4科目の中でも、ライティングのスコアが特に伸び悩んでいるという方には、IDPが提供する添削サービス「ライティング・アシスト」の利用がおすすめです。
オンライン完結型の「ライティング・アシスト」では、コンピューター版IELTSと同様の環境でライティング問題にチャレンジできます。専用のトレーニングを積んだ採点官が評価・フィードバックを行うので、自分一人では気付けなかったスコアアップのヒントが得られるでしょう。
- 特徴:
・オンライン完結型のライティング添削サービス
・アカデミックまたはジェネラルモジュールを選択可能
・1回の受験でタスク1、タスク2の2つの課題が与えられる
・ライティングの評価基準項目ごとの達成度が分かるフィードバック・レポート付き - 価格:
・1回 AUD$39.00(※オーストラリアドル)
IELTS対策にはオンライン英会話やスクールも上手く活用しよう
ここからは、独学では特に難しいIELTSのスピーキングとライティングに関して、ピンポイントで対策ができるスクールとオンライン英会話サービスを紹介します。
重点的に伸ばしたい分野や目標に合ったコースを選び、効率よくスコアアップを目指しましょう。
苦手科目を集中対策!短期受講もできる「mytutor(マイチューター)」

オンライン英会話の「mytutor(マイチューター)」では、ポイント制または月謝制を選び、受講回数の上限内で自由にIELTS対策の科目を組み合わせてレッスンを受けられます。1日の受講時間に制限がないため、「試験直前に集中してスピーキング対策をしたい」「短期集中でライティングの添削を受けたい」など、レッスンスケジュールを柔軟に組みやすいのが魅力です。IELTS対策の指導経験が豊富な講師による科目ごとの特訓ゼミも開講されているので、苦手分野を重点的に鍛えてスコアアップを目指せるでしょう。
IELTS満点講師も在籍!「バークレーハウス語学センター」

東京・市ヶ谷にある「バークレーハウス語学センター」は、通学での対面授業とオンライン受講の両方でIELTS対策ができるスクールです。IELTSの満点スコア9.0を取得している正木伶弥講師をはじめ、試験対策に精通した講師陣からの指導を受けられます。全レベル対応のプライベートレッスン、スピーキング・ライティング特化コースを選べるグループレッスン、1回単位で受講が可能なライティング添削など、複数の形式の中から希望に合う受講スタイルを選択可能です。
海外進学でIELTSスコアが必要な人におすすめ!「アゴス・ジャパン」

「アゴス・ジャパン」は、海外大学・大学院への進学に向けたテスト対策指導の専門校です。「IELTS 4コース カスタマイズパッケージ」では、自分のスコアバランスに合わせて好きな科目の講座を自由に組み合わせて受講できます。スピーキングとライティングについては、ハイスコアを狙うための解答構成、語彙・慣用句などをインプットした上で、試験でよく出題されるテーマにチャレンジ。厳しい採用基準をクリアして専門のトレーニングを受けたインストラクターの指導の下、スコアアップに必要な要素を効率よく学べます。
スピーキング特化型の短期集中講座も!「LINGO L.L.C.」

「LINGO L.L.C.」は、東京・新宿に教室を構える留学試験対策校です。Zoomを使ったオンライン受講にも対応しているので、住んでいる地域を問わず自宅からでも授業を受けられます。実践演習と個別フィードバックによってスピーキング力を鍛える集中講座を利用すれば、3時間×4回のセッションで短期間での試験対策が可能です。スピーキング以外にも、ライティング講座の既修者向けのアフターフォローとして、ライティング課題のメール添削も実施しています。
IELTS対策専門のオンラインスクール「プラスワンポイント(PlusOnePoint)」

「プラスワンポイント(PlusOnePoint)」は、IELTSの試験対策に特化したオンラインスクールです。プラスワンポイントに所属しているのは、IELTS運営団体の「IDP」が提供する講師研修プログラムを修了した講師のみ。試験の採点基準を元に、現状と目標のギャップを正確に把握し、その差を埋めるための学習方法を提案してくれます。スピーキングやライティング対策に特化した集中プランや、必要な講座を自由に組み合わせられるポイント制のプランなどがあり、自分の強み・弱みに合わせて学習をデザインできるのが特徴です。
まとめ
IELTSの中でも、特にアカデミック・モジュールでは、英語の講義を聞いて学術的な内容の問題に答えたり、エッセイを書いたりと、一般的な英会話レッスンではなかなか触れる機会がないタイプの問題が含まれており、試験対策が難しいと感じている方も多いでしょう。
今回紹介した公式問題集や無料・有料のIELTS模擬テストに加え、必要に応じてプロの講師の力も借りながら苦手分野を克服し、効率よくスコアアップを目指していきましょう。

rina

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