英語を長年勉強しているものの、「ビジネスで英語を使う自信がない」「臨機応変な対応が難しい」と感じている方もいるのではないでしょうか。今回は、英語コーチングスクール「ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)」のシニアリサーチャーであり、10万部を突破したベストセラー『英文法の鬼100則』著者でもある時吉秀弥氏に、ビジネス英語に必要なスキルとその鍛え方を伺いました。

英語教育者・研究者。神戸市外国語大学卒、米チューレン大学留学。予備校講師として20年以上の指導経験を持つ。日本の認知言語学界の第一人者である西村義樹東京大学教授の下で長年研究し、東京言語研究所にて2010年に理論言語学賞を受賞。現在は(株)スタディーハッカーのシニアリサーチャー兼YouTubeチャンネル「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」出演。著書に『英文法の鬼100則』『英語脳スイッチ!』(ちくま新書)他多数。自称「英語職人」。
仕事で成果を出す人のビジネス英語 – 説得力を高める話し方の「型」とは

──英語の使い方・話し方という観点において、グローバルビジネスの舞台で結果を出せる人に共通する点はありますか?一方で、英語での業務遂行を苦手とする人に欠けているポイントとは何なのでしょうか
英語を使ってビジネスで結果を出すということは、端的に言えば英語を使って相手との取引が成立する、ということです。そこに至るためには自身の提案がなぜ相手にとってメリットがあるのか、なぜ取引をする価値があるのかということを英語で明確に説明できないといけません。
これは「英語が話せる」の先にある、「英語を使って『話をどう組み立てれば』相手は納得してくれるのか」の問題です。英語での業務遂行を苦手とする人にはこの視点が欠けていることが多くみられます。
──英語を話せるだけでは、ビジネスでは不十分ということですね。たしかに、ビジネスシーンで役立つフレーズをインプットするなどの努力をしていても、実際の仕事の現場では英語を使いこなせている実感がない、という声を多く聞きます。
「便利なビジネス英語フレーズ」をインプットできていたとしても、その英語の技術は「その場を英語で切り抜ける」ことができるだけの受け身の技術に終始することが多いのです。
電話の定型フレーズではありませんが、言われたことに応答するだけ、スポーツに例えれば来たボールを打ち返すことができるだけです。試合に勝ちたければ、ボールを打ち返す技術に加えて、試合全体をどう進めるべきかの「戦略」が必要です。

ひとつひとつのフレーズを知っておくだけではなく、それらを組み合わせて効果的な「文章」を織りあげ、それを使って相手に納得してもらい意見・提案を受け入れてもらってこそ「使いこなせた」実感が出てくるものです。文章の組み立て方には「戦略」が必要で、ここをトレーニングする必要があります。
──監修を手掛けられたビジネス英語講座「ビジネス英語DOJO」は、相手を説得するための「型」の習得に特化した内容となっています。相手を動かす「説得の型」にはどのようなものがありますか?
いろいろあります。一例を挙げるとすれば、「理由に3回whyをかける」というのがあります。
自分の意見に理由をつけてみても、その理由が薄っぺらなものでは説得力が生まれません。そんなときには「なぜその理由がいいのか」というふうに自身の理由に「なぜ」を問いかけ、出てきた理由にさらに「なぜ」を問いかけ、これをできれば3回繰り返します。そうすると自分の意見をサポートする「理由」が3段階に掘り下げられることになり、どんな意見もかなりの説得力を帯びるようになります。
「ビジネス英語DOJO」では、これをゲーム感覚で行えるエクササイズを実施しています。
──「説得の型」は、どのようなビジネスシーンで活用できますか?どんな場面でも応用が効くのでしょうか
これからのビジネスパーソンは英語での書類やメールの作成、契約書のチェックなどは生成AIに任せ、対人のビジネスコミュニケーションにより集中していくことになるはずです。ビジネスコミュニケーションにおいては、プレゼンにせよ、会議にせよ、交渉にせよ、結局のところそのゴールは「自分の意見を明確な理由をもって相手に伝え、それを納得してもらう」ことに尽きます。
「説得の型」はまさにここに効く技術です。ビジネスの原理原則にとって必要不可欠な技術と言えます。
──「説得の型」を使いこなし、あらゆるビジネスシーンで自信を持って対応できる英語コミュニケーションスキルを養うには、どのような学習が必要ですか?
語学の知識を使えるようにするということは、自分の言いたいことが「口をついて出てくる」状態にするということです。これを達成するためには「勉強」というよりは「運動トレーニング」をしないといけません。
先ほどお答えした「whyを3回かける」をはじめとした型の習得は、ゲーム形式でのエクササイズを通して行われます。このエクササイズでは、ランダムに出てくるテーマに関してその場で意見を述べ、その理由をその場で思いつき、さらにその理由をその場で掘り下げることが求められます。

一見難しそうに見えますが、思考回路の神経群は運動神経と同じように訓練の繰り返しによって結びつき、ネットワークを構築していきます。
実際にこのゲーム形式の訓練はかなり有効で、訓練の繰り返しの結果、意見の構築ルート、つまり「どう話を組み立てるか」は「自動化」され、空いた脳のリソースは「何を話すか」に回すことができ、より説得力のある内容を生み出すために思考を使用することができるという好循環を生み出します。

時吉氏監修の「ビジネス英語DOJO」プログラム詳細抜粋。ゲーム形式のトレーニングを通して「説得の型」を習得する
編集後記
今回、時吉先生にお話を伺い、ビジネスシーンでは英語を「話せること」だけではなく、どのように話を「組み立てるか」が重要になると実感しました。「説得の型」を習得し、論理的に主張を展開できるようになると、より自信を持ってコミュニケーションをとれるようになるでしょう。
「英会話レッスンを何年も受けているが、仕事では英語を使いこなせない」と感じる方は、実は英語力ではなく、意見を組み立てるトレーニングが不足しているのかもしれません。時吉先生が監修を務めるビジネス英語講座「時吉秀弥のビジネス英語DOJO」 では、幅広いビジネスシーンで活用できる「説得の型」を習得する、全10回のプログラムが用意されています。今回紹介された「Why Game」など、ゲーム形式のエクササイズを通して実践的な英語力を鍛えられるので、英語でのプレゼンや交渉に自信をつけたい方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。
ビジネス英語講座「時吉秀弥のビジネス英語DOJO」の概要

- 講義動画(月1回60分)
- 教材PDF
- ホームワーク提出と添削(月1回)
- 料金:月額 4,980円(税込)
10ヶ月のコース総額 49,800円(税込)
※対象:基礎的な中学・高校レベルの語彙・文法をお持ちの方(TOEIC500点レベル以上の方)
【参照サイト】時吉秀弥のビジネス英語DOJO
【関連ページ】ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)の評判・口コミ
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English Hub 編集部

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