「学生時代、英語の読み書きは得意だったはずなのに、英会話には全く自信がない」と話す人は少なくありません。英語の基礎力をスピーキング力につなげる学習法があれば試してみたいと思いつつ、それを見出せないままやり過ごしていませんか?
そんな方に向けて、自宅で気軽に英会話トレーニングを始められる書籍『英会話のための英作文トレーニング応用504』が2024年11月に発売されました。本書は、英作文トレーニングを通してナチュラルな英会話力が身につく一冊として支持を得る『英会話のための英作文トレーニング448』の応用編です。
「日本語の思考回路が出来上がった私たち大人が英語を話そうとすると、英語より先に日本語が浮かんでしまいます。」と話すのは同シリーズ著者の一人で英会話スクール「ワンナップ英会話」代表の海渡 寛記氏。そこで「日本語をすばやく英語にして話し、さまざまな基本英文法や文型を用いてトレーニングをするための本」として、ワンナップ英会話では「英会話のための英作文トレーニング」が製作されたと言います。
学習者のニーズを汲み取り、人気シリーズ「英会話のための英作文トレーニング」(以下「英トレ」)を生み出した海渡氏に、ここからはスピーキング力の効果的な磨き方について伺います。
スピーキング力を伸ばすための英作文トレーニングとは?
中央大学卒。大手電機メーカーに入社し、アジアにおける生産管理やグローバル商品の企画を担当。海外留学・駐在経験ナシでTOEIC985点を取得。2002年、ワンナップ英会話を立上げ、現在は新宿・品川・銀座・恵比寿・横浜に5校を運営。企業におけるグローバル人材育成研修に多数登壇。著書に『新社会人の英語』『場面別・職種別ビジネス英語フレーズ3200』など
対話相手が不在の独学トレーニングでも、英会話力を伸ばすことができますか?
独学トレーニングでも英会話力を伸ばすことはできます。英作文トレーニングもその1つです。
ただしこれは野球におけるバットの素振りのようなものです。素振りは野球の練習の一部ですが、全てではありません。バットの素振りはバッティングに役立ちますが、最終的には実際の打席に立ち、ピッチャーに球を投げてもらって練習しないと本当の上達はしません。
これと同様に、英会話においても最終的にはネイティブと実際に会話をしてトレーニングする必要があります。
ただ、野球の練習でも毎回ピッチャーを立たせてトレーニングするのが難しいように、日本ではいつでもネイティブと会話ができるわけではありません。そのため、英トレシリーズのような参考書で基本的なトレーニングをすることは有効です。
英会話力向上に向けて、発話や発音の練習前に学んでおくべきことは?
英語学習の初期段階の方は中学英語(文法・語彙)に取り組むことをおすすめします。
しかし、大学受験まで英語の学習をしてきた人は、基礎のおさらいは必要ありません。英会話の上達は会話量に比例します。ある程度の基礎がある人は、すぐに発話や発音の練習(=スピーキングのトレーニング)に集中的に取り組むことで、効果的に英会話力を伸ばせるでしょう。
英トレシリーズで取り組むトレーニングの特徴は?
英トレは、「使用頻度の高い自然な日本語」を「ネイティブが普段使っている自然な英語」にすることを目的としています。使用頻度の高い日本語を自然な英語に変えるトレーニングは、実践的なスピーキング力向上に直結します。
英トレでは文章をシチュエーションごとに分け、日常会話(自己紹介、趣味・休日について話す)や仕事(会議、プレゼン)、旅行(買い物、レストラン)などの場面ごとにトレーニングできるように構成しています。従って、想定される場面に使いそうな英語を事前に集中的に準備できます。たとえば明日、英語の会議を控えている方は「会議で使う表現」のページを開き、集中的にトレーニングするとよいでしょう。

『英会話のための英作文トレーニング応用504』より
スピーキング力強化に効果的な英作文トレーニングは、ライティング力強化のための英作文とは異なりますか?
スピーキング強化のための英作文トレーニングは、言いたいことを英語でパッと出せるようにするためのトレーニングです。別の言い方をすると、「知っている英語」を「使える英語」にするためのトレーニングと言えます。インプットするトレーニングではなく、インプットされたものをアウトプットするトレーニングなのです。
これに対してライティング強化の英作文は、時間をかけて良い文章を作るトレーニングです。瞬発力がいらないので、「英語をパッと出す」ための会話力の向上とはアプローチが異なります。
「英語がパッと口から出てくる」状態を目指すには、英語の構文力を磨くだけでなく、定型フレーズの暗記にも取り組むべきですか?
たとえば、“How are you?” と言われて “I’m good.” と応えるとき、頭の中でSVCの構文を思い浮かべてから話す人はいません。構文よりも“I’m good.”というフレーズが無意識に出る状態になっているはずです。
定型フレーズをたくさん暗記しておけば、正確で自然な英語を正しいタイミングでパッと口から出せます。さらに、暗記した定型フレーズ(センテンス)は単語を入れ替えると、別の意味の英語を瞬発的にパッと出すことができます。定型フレーズにnotを入れるだけで、逆のことをパッと言うこともできます。
従って構文という型を覚えるより、フレーズという具体的な文章を覚える方が圧倒的に早く、正確で、実践的です。
また、型だけで覚えると時折、自然ではない英語を作ってしまうことがあります。例えば “Who + is (are) ~?”という型を学ぶと “Who is he?” や “Who are you?” という表現ができます。この場合、“Who is he?” (彼は誰ですか?)は普通の表現ですが、 “Who are you?” (あんたは誰?)は失礼な表現ですので普通は使いません。(強いて言うなら “May I have your name?” となります。)この点は注意しなければなりません。
英トレシリーズでは、こういった文法的に合っているけれど、失礼な表現だから実際には使われないという表現ははずしてあります。そして「使用頻度の高い自然な日本語」を「ネイティブが普段使っている自然な英語にする」ことに特化しています。
英語初~中級者が英語でのコミュニケーション力アップのために一人でできるトレーニングは、他にもありますか?
初~中級者が一人で取り組むという条件であれば、音読、シャドーイング、オーバーラッピングなどが発話・発音の練習になり、良いと思います。
あとは「英語で独り言」も有効です。第二言語習得論によると、頭の中でセンテンスを思い浮かべるだけでも、アウトプットの練習になります。
英語で独り言をいう場合、たとえば今日の予定を英語で言ってみたり、その日にあったことを英語で説明してみたり、目の前に見えていることを英語で表現したり、どんなことでもトピックにできます。
なお、独り言をいう際、英語でどう言えばよいかわからない単語があると思いますので、それは辞書などで調べるようにしてください。そうすると日常会話で使う単語も確認できて、使えるボキャブラリーが増加するのでおすすめです。
海渡氏は、スピーキング力を伸ばすために誰でも気軽に始められる取り組みを挙げ、英会話学習のスタートを後押ししてくれました。
様々なシーンを想定しながら英会話練習ができる英トレシリーズに興味を持った方は、ぜひ書店で手に取ってみてください。
書籍紹介
タイトル:英会話のための英作文トレーニング448
著者:海渡 寛記、マイケル・D・N・ヒル
定価:1,958円(本体1,780円+税10%)音声mp3ファイルダウンロードつき
発行:クロスメディア・ランゲージ

著者:海渡 寛記、コニー・ハヤシ
定価:1,958円(本体1,780円+税10%)音声mp3ファイルダウンロードつき
発行:クロスメディア・ランゲージ
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English Hub 編集部

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