英語を学んでいる方であれば、誰もが一度はネイティブの流暢な発音に憧れたことがあるのではないでしょうか?綺麗な発音を身につけていれば人前でも自信を持って堂々と英語を話すことができますし、相手にも自分の英語がしっかりと伝わるので、会話も自然と弾みます。
しかし、英語には日本語には存在しない発音がたくさんあり、口や舌の使い方も違うため、日本人が自己流できれいな英語の発音を身につけるのは決して簡単なことではありません。そこでおすすめなのが、英語の発音矯正に特化したスクールへの通学です。
今回、English Hub編集部では英語の発音矯正スクールの中でも特に有名な「ハミングバード」を運営するロゼッタストーン・ラーニングセンターの銀座校にて実際にハミングバードの体験レッスンを受講し、ハミングバード講師を務める山越紀子さんにお話をお伺いしてきました!
英語の発音をよくしたい方、英語発音矯正スクールへの通学を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ハミングバードとは?
ハミングバードは、アメリカ・ロサンゼルスの研究所で日本人のために開発された英語発音学習メソッドです。発音するときの「口の形」と「舌の位置」を規定し、その動きとしての発音を「見て真似る」ことで身につけるという画期的な方式です。過去20年以上で10,000以上の修了者がおり、現在日本ではロゼッタストーン・ラーニングセンターがハミングバードに基づく発音矯正プログラムを提供しています。
ハミングバードの無料体験レッスンレポート
英語発音矯正スクール「ハミングバード」では入会前に実際のレッスンと全く同じ内容の無料体験レッスンを受講することができます。今回は、ハミングバード発祥の地であるアメリカ・カリフォルニア出身のエミリー先生に体験レッスンをしていただきました!
ハミングバードメソッドの説明
体験レッスンでは、最初に受講した目的についてのヒアリングがあり、その後にハミングバードのメソッドについて詳しく説明していただきました。エミリー先生によると、ハミングバードのメソッドのポイントは「8個の口の形と8個の舌の位置を組み合わせることで、英語にある全ての音が発音できる」点にあるということ。
ネイティブ講師のエミリー先生も最初は半信半疑だったものの、実際にハミングバードのメソッドを試してみると確かにすべての発音をできることが分かり、とても驚いたそうです。
また、ハミングバードの発音はアメリカ英語をベースとしており、鏡を使って口の形と舌の位置を常に目で確認しながら練習をするのが特徴となっています。日本人のために開発された発音矯正の学習法なので、「L」と「R」など日本人が苦手とする発音をしっかりと理解したうえで作られており、日本人にとってとても取り組みやすいとのことでした。
なお、ハミングバードの講師も日本人のみで、ネイティブの講師はエミリー先生だけだそうです。ただし、エミリー先生も父親が日本人のため、日本語がとても上手なので、心配はいりません。英語があまり話せない初心者の方でも安心して発音を学べる環境でした。
初心者から上級者まで対応可能なレベル分け
ハミングバードではレベルが1A・1B・2・3・4の5段階に分かれており、全てのレベルを一つのテキストを使ってやるのでとても便利とのこと。下記のようにレベルに応じて少しずつレッスン難易度が上がっていく仕組みとなっており、自分のペースで取り組んでいけるのが魅力だと感じました。
レベル | レッスン回数 | 速さ | 内容 |
1A | 3 | Slow | Each Sound |
1B | 13 | Slow | Alphabet、Words、Phrases |
2 | 16 | Medium | Sentences |
3 | 16~ | Medium | Fast Speeches |
4 | 16~ | Fast |
レベル1Aでは、まず一つの口の形と一つの舌の位置を合わせて一つの音を正しく出すところからトレーニングを始めます。また、1Bになると少しレベルが上がり、一つ一つの音ではなくアルファベット、単語、そしてフレーズを使って発音を磨いていきます。
エミリー先生によると、日本語は文字によって音が変わることはないものの、英語の場合は同じアルファベットでも様々な発音があり、例えば「Mercedes(メルセデス)」という単語の場合であれば3つの「e」のすべての音が変わってくる(mɚséɪdiz)ため、まずは一つ一つの音をしっかりと正しく発音できるようになる必要があるとのことでした。
また、レベル2になるとセンテンスを用いた発音練習に変わり、徐々にスピードも上がっていきます。いきなりネイティブスピードで話そうとしても丁寧に正しい音を出すことは難しいため、正しい口の形と舌の位置を定着させたうえで徐々にスピードを上げていくそうです。
そしてレベル3ではスピーチを行い、最後のレベル4では仕上げとして発音以外のイントネーションやリズム、強調などよりネイティブの英語に近づけるためのトレーニングを行います。
まずは8つの口の形と8つの舌の位置を組み合わせることで一つ一つの母音・子音の正しい発音を学び、正しい「型」を身に付けたところで徐々にアルファベット、単語、フレーズ、長文とトレーニングに使う文章量を増やし、スピードも上げていく。エミリー先生の説明を聞いて、ハミングバードは非常に体系的に作りこまれている発音矯正メソッドであることがよく分かりました!
いよいよ体験レッスン開始!
ハミングバードのメソッドとレベルについての説明が終わると、いよいよ体験レッスン開始です!今回は、日本人の多くが苦手とする「Walk」と「Work」の発音の使い分けについて学びました。
日本語でそのままカタカナ読みをすると「ウォーク」「ワーク」ですが、これではネイティブには上手く伝わりません。似て非なるこの二つの単語、どのようにすれば綺麗に発音できるのでしょうか?
ハミングバードでは、いきなり「Walk」、「Work」と単語の発音練習をするのではなく、まずはMP(Mouth Position:口の形)・TP(Tongue Position:舌の位置)の組み合わせによりEach Sound(一つ一つの音)を出す練習から始めます。
ポイントは、鏡を持ち、自分の口の形や舌の位置をしっかりと目で確認しながら練習をすること。
最初の「W」の音は、「O-Shape」と呼ばれるMPと、「ZERO」と呼ばれる舌の位置で発音します。O-Shapeは口を縦長に指二本分ぐらい開けて、舌は舌の歯の付け根にタッチさせます。
最初は鏡で自分の口を見ながら声を出すことに若干の恥ずかしさも感じますが、エミリー先生が「Good!」「Very Good!」と明るく褒めながら進めてくれるので、徐々に恥ずかしさもなくなり楽しくなってきます。
口の形や舌の位置を意識しながら音を出すのはなかなか難しいですが、エミリー先生からは「マッスルメモリー(筋肉記憶)」がついてくれば、自然と意識しなくても口や舌を動かすことができるようになり、もっときれいな音が出せるようになるとアドバイスをいただきました。
エミリー先生いわく、顔や口を「楽器」だと思って取り組めばとても楽しくなるとのこと。たしかに、楽器も練習を繰り返すことで意識しなくても綺麗な音を出すことができるようになります。その意味では発音練習も全く同じで、正しい口の形と舌の位置さえマスターすれば、誰でも綺麗な発音ができるようになるのだと納得しました。
エミリー先生が考える、発音矯正のメリットとは?
楽しい体験レッスンを終えて、エミリー先生に改めて日本人がネイティブ並みの発音を身につけるメリットについて聞いてみたところ、「一番のメリットは、自分のコミュニケーションに自信が持てることだと思います。誰かと会ったときに最初にかわす言葉は「Hello」です。この最初の挨拶の発音でも、第一印象は決まってしまいます。ライティング力などとは違って、発音の良し悪しは初対面の相手にもすぐに伝わるからこそ、自信を持っていれば、その先の会話にも自信を持つことができます。」との回答が返ってきました。
たしかに、綺麗な発音はスピーキングの自信につながり、より積極的に英語を話そうという気持ちが生まれ、結果としてよりスピーキング力が高まるという正のサイクルを生み出すと感じました。
エミリー先生は「発音矯正により、リスニングのスキルもアップします。自分で正しく発音することができれば正しい音を聴いたときの理解度も高まります」と語ります。発音矯正は、スピーキング力だけではなくリスニング力の向上にも役立つとのことでした。
体験レッスンを終えた感想
ハミングバードの体験レッスンはエミリー先生のフレンドリーな解説と励ましのおかげでとても楽しく終えることができました。また、実際にハミングバードのメソッドを体験してみて、正しい口の形と舌の位置さえしっかりと身につけることができれば、短期間でも大幅に発音を改善させることができると感じました。
特に、自分で鏡を見ながら口と舌を動かすという機会はこれまであまりありませんでしたが、「思ったより口が開いていない」「思ったよりも舌が前に来てしまっている」などの課題を「感覚」ではなく「視覚」で確認すると型の修正をよりスムーズに行うことができ、耳だけではなく目も活用して発音練習することの重要性を実感しました。
レッスンは日本語で進むため、スピーキング力はあるものの発音に課題を感じている中・上級者の方はもちろん、あまり英語は話せない英会話初心者の方でも安心して楽しく取り組めるプログラムとなっています。興味がある方はぜひ一度体験レッスンを受けてみて、自分自身でハミングバードのメソッドを体感してみることをおすすめします!
インタビュー:ハミングバードの魅力とは?
体験レッスンの終了後は、同じくハミングバードの講師を務める山越紀子さんに、ハミングバードの魅力についてお話をお伺いしました。
Q:他の発音矯正スクールと比較したときのハミングバードの特徴は?
最近では大手の英会話スクールでも発音矯正レッスンを提供しているところがありますが、ハミングバードのように体系的なメソッドを持っているスクールは数えるほどしかありません。
そのなかで、ハミングバードでは母音から矯正するという点が特徴です。日本語では「ア」という音でも、英語になるとたくさんの違う音が存在しています。母音という難しいところから矯正をスタートするのはハミングバードの特徴です。
また、グループレッスンに特化しているというのも特徴です。発音矯正においては先生だけではなく他の生徒のいろいろな音を聴くことも学びになるので、ハミングバードではあえてグループレッスンという形式をとっています。
Q:他の生徒の発展途上にある発音を聴いても大丈夫なのか?
たとえ発展途上の音でも、他の生徒の発音を聴くことは参考になります。自分の音はなかなか自分では聴くことができませんが、他の生徒がいればその人の発音と先生の発音の違いを分析することができるため、正しい音がどのような音なのかがよりはっきりと分かります。
また、ハミングバードではレベルによっては毎回テストを行うのですが、グループレッスンだと人前で発音する必要があるため皆さんしっかりと練習してくる傾向にあります。その意味でもグループレッスンのほうが効果的ですね。
Q:生徒はどんな方が多いのか?
生徒の方はとてもバラエティに富んでいて、英会話初心者の方から実際に仕事で英語を使っている方もいます。職業としてはビジネスマンの方が多いですが、ドクターや官公庁の方、ジャズシンガーや歌手、客室乗務員の方などもいます。就職活動中の大学生やMBA留学を控えている方なども来ていただいていますね。
性別としては通常の英会話スクールとは異なり、男性の方が若干多くなっています。年齢は30~40代の方が多いですが、最近では70代など高齢の方も増えてきています。
Q:発音矯正に年齢は関係ない?
あまりに高齢だと口の筋肉が衰えてしまい、正しく口を動かすのが難しいということはありますが、基本的には年齢は関係ありません。年齢よりも、普段の生活の中でどれだけ口を動かしているかのほうが大事かもしれません。表情が豊かな方や普段から口の筋肉を動かしている方はハミングバードの口や舌の動きを作りやすいですね。
Q:ネイティブの発音を身につけるまでどのぐらいかかるのか?
最低一年はかけましょうとお伝えしています。マッスルメモリーは短期で習得するよりも時間をかけたほうが残りやすいという面がありますので、一年ほどかけてしっかりと矯正することをおすすめしています。平均では二年程度かかっています。
ただし、学ぶ期間については生徒の方のレベルや目的次第でもあります。過去にはカラオケで英語の歌を上手に唄いたいという目的でご入会いただき、初級レベルが終わった段階で満足して辞められた方もいました。
Q:ハミングバードと通常の英会話レッスンの組み合わせもできるか?
最初から通常の英会話レッスン(参照:ロゼッタストーン・ラーニングセンター)とハミングバードを同時に始める方もいますが、まずはハミングバードだけを始めて、中級レベルになってから英語のスピーキング力自体の必要性を感じて英会話レッスンを始めるという方も多いですね。また、最初から英会話レベルが高い方はハミングバードだけ受講されるケースも多いです。
(※ハミングバードと英会話レッスンの組み合わせ可能な校舎は、銀座校・新宿校・池袋校・梅田校です。)
Q:自宅での学習は?
ハミングバードでは基本的に予習はおすすめしていません。自己流の癖がついてしまうとよくないからです。その代わり、レッスンで学んだ内容をしっかりと復習することを大切にしています。イメージとしてはレッスンの中でうまく発音できなかったところを集中的に練習し、次回のレッスンまでにできるようにしてきていただくという感じですね。初級のレベルでは復習の動機づけをする意味でも毎回レッスン時にテストを行っています。
Q:なぜ発音が大事なのか?
一番のポイントは、いわゆる日本語訛りの英語では、信頼を得られないという点ではないでしょうか。例えばビジネスマンの場合、カンファレンスコールやネゴシエーションなどの場面でいきなり「サンキューベリーマッチ」などと日本語訛りの英語を話すと、相手もしっかりと聞き取らなければと思い、身構えてしまいます。
また、同じ会議の中で発音がよい人がいると、その後はその人に向かって話されるということもよくあります。ネイティブからは、発音が悪いだけで英語ができないと思われてしまうのです。初対面の第一印象で相手の信頼を得るという意味で、英語の発音はとても大事です。
取材後記
今回の取材では、日本人のために作られた英語発音矯正「ハミングバード」はどのようなメソッドに基づいて発音を矯正していくスクールなのか、なぜ正しい発音を学ぶことが大事なのかについて、より詳しく理解することができました。
日本人は発音が気になって堂々と英語が話せず、結果として声が小さくなって相手に英語が伝わらないということがよく起こりがちです。逆に、発音にさえ自信を持つことができれば、スピーキングに対する積極性だけではなくリスニング力も身についてよりスムーズに英会話をすることができるようになります。
しかし、正しい発音を独学で学ぶことは簡単ではありません。スポーツや楽器と同様に、発音を磨くためには正しいメソッドに基づいて正しくトレーニングを行うことが最短の近道となります。
「自分の発音に自信がない」「ネイティブのような綺麗な発音を身につけたい」という方は、ぜひ一度ハミングバードの体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか?実際に自分の口と舌を動かし、目でその動きを見ながら発音を学んでいくことで、その効果を体感できるはずです!
ハミングバードの概要
サービス名 | ハミングバード(提供:ロゼッタストーン・ラーニングセンター) |
URL | http://rosettastone-lc.jp/hummingbird/ |
運営会社名 | ディーンモルガン株式会社 |
本社所在地 | 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 12階 |
スクール所在地 |
新宿校(東京都新宿区西新宿7-10-1 O-GUARD SHINJUKU 6階) 銀座校(東京都中央区銀座5-10-2 GINZA MISS PARIS 9階) 池袋校(東京都豊島区南池袋2-27-5 共和ビル6F) 梅田校(大阪府大阪市北区曽根崎新地2-1-23 JPR堂島ビル 2F) 三ノ宮本校(兵庫県神戸市中央区三宮町1丁目4-9 ワコーレ神戸三宮ビル 9F) オンライン校(※すべてのサービスをオンラインで受講) |
設立 | 2004年4月1日 |
資本金 | 1億5958万4580円 |
入学金 | 30,000円(税別) |
教材費用 | 16,000円(税別) |
コースと料金 |
●レッスン内容: ・グループレッスン(1クラス定員4名) ・プライベートレッスンもあり ●レッスン料金: 1レッスン4,800円(税別)~ ※サービスはすべてオンラインでも受講できます |
授業時間単位 | 50分 |
対応時間帯 | 校舎により異なる |
English Hub 編集部
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