英語学習に取り組みながらも、英語を話す実践の機会が少ないことに悩んだ経験はありませんか?
英語を使ってできるアクティビティーにはさまざまな種類がありますが、なかでも国際交流や地域の活性化に興味がある方にぴったりなのが、観光ボランティアガイドの活動です。
この記事では、英語を使って外国人観光客に街を案内したいという方に向けて、観光ボランティアガイドになる方法や、必要とされる英語力の目安などを解説します。
目次
英語で街を案内!観光ボランティアガイドとは
観光ボランティアガイドの団体は全国に1,600以上
観光ボランティアガイドとは、地域の観光スポットや歴史的建造物などの名所を案内・紹介する人のことを指します。ボランティアガイドによる案内は、旅行会社が取り扱う有料のツアーとは異なり、ガイド本人の自発的な意思に基づく活動のため、無償で提供されるケースが一般的です。
2021年に実施された調査(※)によると、観光ボランティアガイドの活動を行っている組織の数は、確認されているだけでも日本全国で1,667団体、所属するガイドは4万人以上にのぼります(前回調査時のデータを参考とした推定値を含む)。
※参照:公益社団法人日本観光振興協会|令和3年度 観光ボランティアガイド団体調査結果
訪日観光客に対応した英語のボランティアガイドも
観光ボランティアガイドの中には、日本人旅行客だけでなく、英語で外国人観光客を案内している人も少なくありません。
英語で地域を案内すれば、海外からの観光客がその土地の歴史や文化を深く理解することにもつながり、日本での滞在を一層思い出深いものとする手助けができるでしょう。
英語での観光ボランティアガイドには、観光業や国際交流に興味を持つ人たちが多く参加しています。加えて、仕事をリタイアしたシニア世代がやりがいを持って取り組める活動としても注目を集めています。
観光ボランティアガイドになるには?
観光ボランティアガイドのとりまとめは、都道府県・市町村単位の地方自治体や、観光・国際交流に関連した各地域のNPO法人などが中心となって行っています。
活動の詳細や募集要項は団体ごとに異なるため、まずは自分が住んでいる地域でボランティアガイドが募集されているかをインターネットで検索してみるのがおすすめです。
下記のリストは、地域別の観光ボランティア団体を紹介しているウェブサイトの例です。このほかにも数多くの団体が存在しているので、参加を希望する場合は、どんな活動が行われているのかをあらかじめ調べた上で各団体にコンタクトを取るとよいでしょう。
- 北海道:北海道観光ボランティアガイド団体一覧
- 宮城県:宮城県内の観光ボランティアガイド一覧
- 東京都:東京都産業労働局|東京都観光ボランティア
- 愛知県:あいち観光ボランティアガイドの会|ガイド団体一覧
- 京都府:公益社団法人京都府観光連盟|ボランティアガイド団体一覧
- 広島県:ひろしま公式観光サイト Dive!Hiroshima|ボランティアガイド
- 高知県:高知県観光ガイド連絡協議会
- 福岡県:福岡県観光WEBクロスロードふくおか|ボランティアガイド
※ガイドを行う際の使用言語については、各団体のウェブサイトにてご確認ください。
観光ボランティアガイドの養成講座を開講している団体も
自治体や団体によっては、英語での観光ボランティアガイドに挑戦したい人をサポートするための養成講座を開講しているところもあります。
講座の受講は、英語力の向上に加え、ボランティアガイドに関心のある仲間とのネットワーク作りにも役立つ貴重な機会です。
一般社団法人インバウンドガイド協会が運営するウェブサイト、「ガイドナビ」では、全国各地で開催されている観光ボランティア養成講座や関連セミナーの参加者募集情報を随時更新・掲載しています。
英語でのガイドを対象とした講座も紹介されているので、気になる方は定期的に情報をチェックしてみてください。
※講座への参加は有料の場合もあります。
観光ボランティアガイドに必要な英語力はどれくらい?
海外からの観光客をガイドする際、どの程度の英語力が求められるのか心配に思う方もいるでしょう。
観光ボランティアガイドとして活動するための要件は、各自治体や団体によって異なります。「英検2級以上」「TOEIC L&Rスコア500点以上」などの具体的な資格や英語試験のスコアを設定しているところもあれば、「簡単な日常英会話ができる方」「ボランティアガイドとして活動する意欲がある方」などと、細かな条件は割愛されているケースもあります。
仮に英語力がそこまで高くなかったとしても、特定の観光スポットを案内する際の説明で使う英語表現を一通り覚えれば、ガイドとしての活動をスタートできる可能性があるため、「英会話ができるか不安」という方でも心配し過ぎる必要はないでしょう。
むしろ、現段階では英語力に自信がなくても、ボランティア活動を通じて外国人とコミュニケーションを取ったり、よりスムーズな案内を目指して英語学習に取り組んだりすることで、英会話スキルはどんどん伸びていきます。
大切なのは「英語を使って誰かの役に立ちたい」という気持ちなので、ガイドへの応募に必要な英語レベルを確認した上で、できる限りの努力をしながらスキルをブラッシュアップしていく姿勢が大切です。
さらなるステップアップを目指すなら全国通訳案内士の資格取得も
観光ボランティアガイドの活動に携わるうちに、日本の歴史・文化に関する知識や、英語を使った案内スキルをもっと極めたいという意欲が湧いてくる方もいるでしょう。
プロの観光ガイドとして仕事を請け負う方法の一つとしては、国家資格である「全国通訳案内士(通訳ガイド)」の取得が挙げられます。
全国通訳案内士試験は、外国人観光客の案内に欠かせない語学力に加え、日本の地理・歴史など、幅広い分野の知識を問う試験です。2022年度に行われた試験の合格率(全体)は約17%と、難易度が高いことでも知られていますが、観光業界でのキャリアアップや、より深い知識と教養を身につけることを目指す方には、特に挑戦しがいのある試験といえるでしょう。
全国通訳案内士の資格取得に興味がある方は、下記の記事も参考にしてみてください。
まとめ
観光ボランティアガイドの活動は、案内をした相手に喜ばれるだけでなく、自身の英語力やコミュニケーションスキルの向上など、自己研鑽にもつながる機会です。
英語を使ったアクティビティーや国際交流に関心がある方は、「挑戦したい」という気持ちを大事に、ボランティアガイドになるための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
English Hub 編集部
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