TOEIC対策のおすすめ単語帳をレベル別に比較!965点取得のライターが紹介

TOEIC対策に欠かせない単語学習。語彙問題をすばやく解き、長文問題を制限時間内に読み切るためにも、試験前にしっかりと対策をしておくことがとても重要です。

短期間でできるだけたくさんの英単語を覚えるには、TOEIC対策に特化した単語帳を使った学習が有効です。とはいえ、数多くのテキストが市販されているため、「どの単語帳を使ってTOEIC対策をすればよいのか分からない」という方もいるでしょう。

そこで今回は、TOEIC L&Rで965点を取得した筆者が、数あるTOEIC対策教材の中からおすすめの英単語帳をピックアップし、英語レベル別に紹介します。

目次

TOEIC対策単語帳の選び方と注意点

まずは、単語帳を選ぶ際のポイントや注意点について説明します。自分に合った単語帳を使ってTOEIC対策に取り組めば、短期間で目標スコアの取得を目指せます。以下のポイントを参考にしながら、実際に使用する単語帳を選びましょう。

1. 現状の英語力・目標スコアと単語帳のレベルを照らし合わせる

単語帳選びでは、自分の英語レベルに合ったものを見つけることが重要です。基礎的な語彙が不足している方の場合は、中学・高校レベルで習う基礎英単語の習得を最優先に行いましょう。英語初心者向けの単語帳も数多く出版されています。

ある程度英語力に自信がある方や、日頃から仕事で英語に触れている方などは、中級レベルの英単語帳を選ぶのがおすすめ。自分の英語レベルに合った単語帳であれば、内容が難しすぎる、または簡単すぎるがゆえのモチベーション低下も防ぐことができます。

現状の自分の英語力に加え、目標のTOEICスコアを基準として単語帳を選択するのも有効です。800点~900点以上のハイスコア取得をターゲットにした単語帳では、より難易度の高い語彙を多く収録しています。一方、600点~700点レベルを目指している方がはじめから上級者向けの単語帳を手に取ってしまうと、基礎単語の知識が抜け落ちてしまったり、自分が目指すスコアの取得には直結しない難しい単語の暗記に時間を費やしてしまったりと、目標スコア達成まで遠回りになる可能性があります。

学習に挫折することなく最短で目標のスコアを突破するためには、「自分の英語レベル」と「目標TOEICスコア」の2点を意識して単語帳を選ぶようにしましょう。

2. 自分好みの学習形式の単語帳を探す

TOEIC対策用の単語帳の中には、英単語と日本語訳が隣り合わせで並ぶ、一般的な単語帳によくあるシンプルな形式以外にも、単語を覚えやすくするための独自の工夫を取り入れているものがあります。

たとえば、「例文が多くある方が単語を覚えやすい」という人には、英単語・日本語訳とともに、語彙の使われ方が分かる例文が掲載されている単語帳がおすすめ。他にも、長文を読み進めながら文中に登場する単語を覚える形式や、音楽を聴くようにリズムに合わせて単語を覚える方法など、さまざまなパターンがあります。

まずは自分にとってどんな学習形式がやりやすいかを考えてみるとよいでしょう。

3. 電子書籍版は手持ちの端末での見え方を確認する

紙の単語帳ではなく、電子書籍版を使って学習する場合は、手持ちのスマートフォンやタブレットでの見え方を事前に確認してください。一部の電子書籍では、紙の本と異なるレイアウトで内容が表示され、単語帳の中身が読みづらいケースもあります。

そのため、電子書籍の単語帳の購入を考えている場合は、サンプル版のダウンロードや試し読み機能を利用し、見やすいレイアウトかどうかをチェックしておくことをおすすめします。

英語初心者におすすめのTOEIC対策単語帳

ここからは、英語レベル別におすすめの単語帳を紹介します。まずは、TOEICスコア600点程度を目指す英語初心者向けの教材です。

キクタンTOEIC® L&Rテスト SCORE 600

書籍名 キクタンTOEIC® L&Rテスト SCORE 600
著者(出版社) 一杉武史(アルク)
定価 1,760円(税込)

「キクタン」は、シリーズ刊行数450万部を突破しているロングセラーの人気単語帳です。TOEICのリスニングセクションでは、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアの4ヵ国の英語話者が登場しますが、キクタンに収録されているセンテンス音声では、これらすべての発音をカバーしています。英語の発音を聴きながら単語を覚えることに特化した教材なので、語彙力の強化に加え、TOEICのリスニング対策としても有効です。

「キクタン600」は、TOEIC600点を目指す人に向けた内容となっており、TOEICで頻出の重要英単語を豊富に掲載しています。「チャンツ」と呼ばれる音声を聴きながら、リズムに合わせて単語を学ぶ仕組みで、勉強が苦手な方でも取り組みやすいでしょう。TOEIC対策に初めて挑戦する人にもおすすめの一冊です。

TOEIC® L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ

書籍名 TOEIC® L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ
著者(出版社) TEX加藤(朝日新聞出版)
定価 979円(税込)

TOEIC対策用の単語帳の中でも特に知名度の高い「金のフレーズ」の基礎固め編として登場したのが「TOEIC® L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ」です。同シリーズは、短い英語フレーズの穴埋めをしながら単語を学ぶ形式になっていて、クイズ感覚で取り組めるのが特徴。また、文庫本サイズなので手軽に持ち運びができ、出先や移動中に学習しやすいのも嬉しいポイントです。

銀のフレーズは、「最短ルートでTOEIC600点を目指すこと」を目的に作られています。「金のフレーズ」を手に取って内容がやや難しいと感じた場合は、銀のフレーズを使って基礎単語を一通り覚えた後、よりレベルの高い金のフレーズに移行することでスムーズにスコアアップを目指せるでしょう。

改訂版 TOEIC®テスト TEPPAN英単語

書籍名 改訂版 TOEIC®テスト TEPPAN英単語
著者(出版社) 関正夫(KADOKAWA)
定価 1,430円(税込)

「改訂版 TOEIC®テスト TEPPAN英単語」は、リクルートが提供する英語学習サービス「スタディサプリENGLISH」公式のTOEIC単語帳です。著者はスタディサプリENGLISHで講義を担当している、TOEIC満点講師の関正生先生。1148語のTOEIC頻出単語が収録されています。

本書が一般的な単語帳と大きく異なるのは、単語それぞれに「記憶エピソード」が添えられている点です。記憶エピソードとは、スタディサプリENGLISHのユーザーに「どのように単語を覚えたか」をヒアリングして集めた膨大なデータの中から、「単語の意味を覚える上で役立つ気づき」を厳選したものです。

黙々と丸暗記するのではなく、単語に関する豆知識を楽しくインプットしながら学習できるので、記憶にも定着しやすいでしょう。記憶エピソードに加えて、著者の関正生先生による単語を覚えるコツも紹介されており、暗記に苦手意識を持っている方や、単語学習のやり方が分からない方でも気軽に取り組める内容となっています。

TOEIC® L&Rテスト 頻出英単語

書籍名 TOEIC® L&Rテスト 頻出英単語
著者(出版社) 森田鉄也(すばる舎)
定価 1,650円(税込)

TOEIC L&Rで90回以上の満点取得実績を持ち(※)、試験の出題傾向を研究し続けている著者の森田鉄也先生が、頻出単語だけを厳選して掲載した単語帳。TOEICの本番さながらの例文とともに単語を学ぶことで、試験で役立つ語彙力が身につきます。単語の意味に加えて、「試験のどのパートで頻出するのか」「どんなコロケーション(=単語の組み合わせ)で登場するのか」などの情報も満載です。

本書は、TOEIC600点レベルの必須英単語を厳選して掲載しているので、英語初心者のための入門書としてもぴったりです。大きめの文字サイズでサクサクと読み進められることから、「単語帳1冊分の学習をこなす自信がない」という方にもおすすめの単語帳と言えるでしょう。

※参照:森田鉄也公式ウェブサイト|プロフィール

英語中級者におすすめのTOEIC対策単語帳

キクタンTOEIC® L&Rテスト SCORE 800

書籍名 キクタンTOEIC® L&Rテスト SCORE 800
著者(出版社) 一杉武史(アルク)
定価 1,760円(税込)

「キクタン800」は、TOEIC600点程度のスコアから800点レベルを目指す人向けの単語帳です。他のキクタンシリーズと同様、「チャンツ」と呼ばれる音声を聴きながらテンポよく単語を覚えていく仕様となっています。「キクタン600」と比べると、やや難易度の高い英単語が多く収録されていますが、書籍の前半では超必須単語もカバーされているため、基礎単語の復習にも役立ちます。

キクタンシリーズの単語帳では、見出し語と一緒に試験で使われることが多いフレーズ・センテンスも同時に学べるので、単語の意味に加えて「どのようなフレーズ・文脈の中で使われやすいのか」をインプット可能です。通勤・通学時間中に音楽を聴くような感覚で単語学習ができます。

TOEIC® L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ

書籍名 TOEIC® L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
著者(出版社) TEX加藤(朝日新聞出版)
定価 979円(税込)

TOEIC対策のバイブル本として紹介されることも多い、「TOEIC® L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」。600~990点のスコアを目指す幅広いレベルの英語学習者を対象とし、同シリーズの「銀のフレーズ」よりも、語彙の難易度がワンランクアップした内容になっています。

「990点レベル」と聞くとハードルが高く感じられるかもしれませんが、金のフレーズに収録されている990点レベルの単語は厳選された100語ほどです。収録語のほとんどは600点~860点レベルの単語なので、英語中級者でも無理なく取り組めます。レベル別に単語が掲載されているため、段階的に学習を進めることができ、挫折もしにくいでしょう。学習形式は銀のフレーズと同様、短い英文を使った穴埋め式となっています。収録されている単語のレベルが幅広いので、「800点レベルの単語だけでなく基礎単語も学び直したい」という方にぴったりです。

英語上級者におすすめのTOEIC対策単語帳

キクタンTOEIC® L&Rテスト SCORE 990

書籍名 キクタンTOEIC® L&Rテスト SCORE 990
著者(出版社) 一杉武史(アルク)
定価 1,760円(税込)

キクタンシリーズの中でも、TOEIC990点満点を目標とする方に向けた単語帳です。基礎単語の掲載は最小限に抑え、全体的に難易度の高い語彙構成となっています。「既にほとんどの基礎単語はカバーできている」というTOEIC上級者が、語彙学習の最後の仕上げとして取り組む際にぴったりでしょう。

TOEICでは、長文の中に登場する表現と、問題の選択肢で使われている表現の言い換えが頻繁に行われるため、高得点を狙うには同義語・類義語の知識を多く持っておくことが重要です。「キクタン990」は、各チャプターで学んだ単語の同義語・類義語の知識を問う復習テストを収録しており、ハイスコアの取得に欠かせない言い換え表現にも触れられます。「800~900点を超えてから今一歩スコアが伸び悩んでいる」という方が本書で語彙力に磨きをかけることで、ブレイクスルーとなるかもしれません。

TOEIC® L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ

書籍名 TOEIC® L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ
著者(出版社) 藤枝暁生(朝日新聞出版)
定価 935円(税込)

数多くあるTOEIC対策の単語帳の中で「最高峰レベルの難易度」とも言われている「黒のフレーズ」。2007年から100回以上TOEICを受け続けている著者の藤枝先生が、TOEIC公開テストやIPテストだけでなく、日本・韓国のTOEIC公式問題集で実際に2回以上目にした単語だけを選出して掲載しています。

金・銀のフレーズと同様、穴埋め問題の空欄に書かれている単語の1文字目をヒントにしながらスペルを考え、クイズ感覚で単語学習に取り組めます。同シリーズの「金のフレーズ」で学習を終えた後、さらなるステップアップのために「黒のフレーズ」を活用するとよいでしょう。ハイスコアや満点の取得にこだわる方におすすめの一冊です。

著者の藤枝先生が語る、効率的な英単語の覚え方が気になる方は、以下のインタビュー記事も参考にしてみてください。

英語レベルを問わずに使えるTOEIC対策単語帳

TOEIC® Listening & Reading 公式ボキャブラリーブック

書籍名 TOEIC® Listening & Reading 公式ボキャブラリーブック
著者(出版社) Educational Testing Service(国際ビジネスコミュニケーション協会)
定価 1,540円(税込)

TOEIC Programを開発しているETS(Educational Testing Service)が、過去の試験を分析し、出題頻度の高い1000語を厳選したTOEIC公式の単語帳です。本書には、問題を解く上で最低限覚えておく必要のある単語がまとまっています。単語帳の選択肢が多すぎてどれを使うか迷ってしまうという方は、試験の開発元が作成した公式の単語帳から学習をスタートしてみるのもよいでしょう。

公式教材ならではの強みとして、本書にはすべての英単語に、過去のTOEICで出題された文章がそのまま例文として添えられています。単語を覚えると同時にTOEICの英文に慣れることができるので、試験問題のイメージをつかむための最初の一冊としても役立ちます。

ハンディ版 TOEIC® L&Rテスト 出る語句1800+

書籍名 ハンディ版 TOEIC® L&Rテスト 出る語句1800+
著者(出版社) 早川幸治(コスモピア)
定価 1,430円(税込)

「ハンディ版 TOEIC®L&R テスト出る語句1800+」は、ビジネスストーリーを読み進めながらTOEIC頻出語句を覚えていくユニークな形式の教材です。「どんなシーンで単語が登場したか」という情報によって記憶の定着が促進され、単語と意味を結び付けやすくなります。続きが気になる興味深いストーリーなので、「単語の丸暗記が苦痛で続かない」という方でも、飽きずに楽しく重要語句を学べるでしょう。

また、ハンディ版の本書には軽量化のためのさまざまな工夫がなされており、背幅12mm・重さ231グラムという持ち運びのしやすさも特徴です。電車の中でも片手で楽に開けるサイズ感なので、空いた時間にサクッと読み進められます。コンパクトなサイズでありながら、1800を超えるTOEIC頻出語句を収録した本書をカバンにしのばせておき、スキマ時間を有効活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、TOEIC965点を取得した筆者が、単語帳を選ぶ際に気を付けるべきポイントと、英語レベル別のTOEIC対策教材をピックアップして紹介しました。

試験対策に取り組む際は、さまざまな教材にやみくもに手を出すのではなく、「単語帳の難易度が現在の自分の英語レベルに合っているか」「自分に向いている学習形式の単語帳かどうか」をチェックすることが大切です。スマホやタブレットで勉強したい方は、「電子書籍版のレイアウトが見えにくくないか」も確認しておくことをおすすめします。

試験本番までの限られた期間の中で、単語帳選びに迷って時間をかけてしまうのはもったいないものです。この記事で紹介した教材を参考にしながら、目標達成のためのTOEIC学習を早速スタートさせましょう。

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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