ワーホリ経験者のおすすめ滞在先は?オーストラリア7都市を比較!

ワーキングホリデーの行き先としてオーストラリアを選んだものの、具体的にどの都市に滞在するかを迷う人は少なくありません。都市選びは、ワーホリの充実度を左右することもある大切な要素です。

日本のおよそ20倍の国土面積を有する広大なオーストラリアには、シドニーやメルボルンをはじめとする数多くの都市が存在します。地域ごとに異なる個性があり、現地で体験できるアクティビティーもさまざまなので、滞在先を選ぶ際は自分の希望に合った生活が送れるのか、事前にリサーチが必要です。

そこで今回は、ワーホリ経験者の視点からオーストラリアの7都市を比較していきます。都市選びのポイントも併せて紹介するので、滞在先をどこにすべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

オーストラリアでワーキングホリデー!滞在都市選びのポイントは?

まずは、筆者自身のオーストラリアでのワーホリ体験を踏まえ、滞在都市を選ぶ上で考慮したい4つのポイントをお伝えします。

1. 利便性などの生活環境に関する条件

オーストラリアでのワーキングホリデーで人気の滞在先の中でも、400万人以上が住むシドニーやメルボルンと、その他の人口が比較的少ない都市とでは、街の規模や雰囲気に違いがあります。

特に人口の多い大都市に滞在する場合は、語学学校や就労先の選択肢が豊富にあるというメリットの反面、物価の高さがネックになることが考えられます。

一方、人口がある程度少ない都市や郊外で暮らすケースでは、生活費を抑えながらのんびりとした生活を送りやすいものの、公共交通機関や商業施設の充実度が大都市よりは低くなりがちです。

生活環境に関する条件の中で何を重視するかは人によって異なります。できるだけストレスなく暮らすために自分が譲れないポイントをあらかじめ整理しておき、希望に合う都市を絞り込んでいけば、理想に近い生活を実現しやすいでしょう。

参考までに、ワーキングホリデーの行き先として人気のオーストラリア7都市の人口は、下記の通りです。

  • オーストラリア都市別人口(2023年)
都市名 人口
シドニー 4,627,345
メルボルン 4,246,375
ブリスベン 2,189,878
パース 1,896,548
アデレード 1,225,235
ゴールドコースト 591,473
ケアンズ 153,075

※出典:World Population Review|Population of Cities in Australia 2023

2. 日本人の多さ

ワーキングホリデーでの滞在者の中には、英語の習得に集中するため、日本人に出会う機会が少なく、できるだけ日本語を使わない環境を求める人たちもいます。

反対に、「同じワーホリ仲間をたくさん作りたい」「日本人も含めて色々な人と交流したい」という人にとっては、多くの日本人が暮らす都市に滞在する方がメリットが大きいかもしれません。

現地で英語漬けの生活をするための環境は、どの都市にいたとしても自分の心掛け次第で作り出すことが可能です。とはいえ、客観的なデータも調べておきたいという方には、日本からの留学生に関する下記の情報などが参考になるでしょう。

ワーキングホリデー中にどの程度日本から来た人たちと交流したいかという視点は、滞在先の都市の候補を絞り込む際にも役立つはずです。

  • オーストラリア州別日本人留学生数(2023年1月~7月期)
主要都市 日本人留学生数
クイーンズランド州 ブリスベン、ゴールドコースト、ケアンズ 3,420
ニューサウスウェールズ州 シドニー 2,495
ビクトリア州 メルボルン 2,260
西オーストラリア州 パース 800
南オーストラリア州 アデレード 484

※上記の集計は、就学目的でのビザ取得者を対象としたものであり、他の滞在資格を持つ人の数は含まれません。
※出典:Australian Government Department of Education|International student numbers by country, by state and territory

3. 気候の特徴

海外では、住み慣れた日本とは異なる気候や季節感が身体に合わず、体調を崩すケースも考えられます。意外に見落としがちなポイントですが、都市選びの際は自分の体質に合う過ごしやすい気候かどうかを考慮することが大切です。

オーストラリアは温暖な国というイメージを持たれることが多いものの、国内でも各エリアによって気候の特徴が異なります。

人によっては、気圧の変化で片頭痛になりやすい、晴れの日が少ないと塞ぎ込みがちになるなど、気候が原因で体調に変化が出る方もいるでしょう。オーストラリアには、雨が多く天気が不安定になりやすいエリアもあるため、不安な方はとりわけよく下調べをして滞在先を選ぶことを推奨します。

下記の表は、オーストラリアの真夏である1月の最高気温と、真冬にあたる7月の最低気温、年間降水量を都市別にまとめたものです。

  • オーストラリア都市別気候データ
都市 最高気温(1月) 最低気温(7月) 年間降水量
ケアンズ 31.6℃ 17.1℃ 1982mm
パース 31.2℃ 8.0℃ 731mm
アデレード 29.2℃ 7.5℃ 547mm
ブリスベン 29.2℃ 9.3℃ 1080mm
シドニー 27.0℃ 8.1℃ 1044mm
メルボルン 26.3℃ 5.5℃ 518mm

※上記のデータは、1981年~2010年の統計値を用いて算出されています。
※出典:Australian Government Department of Meteorology|Climate of Australia – Major cities

4. 現地でできるアクティビティー

アウトドアやスポーツ、観光地巡りなど、オーストラリアでは都市によって体験できるアクティビティーも異なります。ワーホリ中にどんな趣味を楽しみたいかによって都市を選ぶのもよいでしょう。

たとえば、ワーキングホリデーでの滞在者の中には、サーフィンをするためにビーチが多くサーファーから人気のゴールドコーストを選ぶ人や、世界最大のサンゴ礁郡であるグレートバリアリーフにアクセスしやすいケアンズに滞在し、ダイビングの免許を取る人などが多くいます。

日常的にアウトドアアクティビティーを楽しみたい方は、周辺のビーチや山に関する情報も踏まえ、自然豊かな都市を選ぶのがおすすめです。

ワーホリで人気!オーストラリア7都市の基本情報

ここからは、ワーキングホリデーの行き先として人気のオーストラリア7都市の概要を紹介します。

シドニー

ニューサウスウェールズ州の州都であり、オーストラリア最大の人口を抱えるシドニー。美しいシドニー湾に浮かぶオペラハウスは、オーストラリアを象徴する建物として目にしたことがある人も多いでしょう。気候は温暖湿潤で、年間を通して過ごしやすく感じられることが多く、都市の活気と美しい自然が共存する、魅力的な都市です。

メルボルン

メルボルンは、ビクトリア州の州都で、アートやカルチャー、スポーツの中心地として有名です。四季がはっきりとした気候で、一日の中で天気が大きく変わることも。カフェ文化やグラフィティアートでも知られており、洗練された都市の中にも、暖かみのある雰囲気が広がっています。

ブリスベン

クイーンズランド州の州都で、街の中心部を流れる川が象徴的なブリスベン。温暖な気候に恵まれ、緑豊かな公園や歴史的建築物、近代的なビル群が調和した都市です。文化施設が多く集まるサウスバンクエリア、広大な敷地内でさまざまなイベントやフェスティバルが開催されるローマストリートパークランドなどの人気スポットがあります。

パース

オーストラリア大陸の西側に位置するパースは、180万人以上が暮らす大都市です。同じく人口100万人以上を有するアデレードからはおよそ2,100km離れた位置にあり、“the most isolated big city in the world(世界で最も孤立した都市)”とも呼ばれています。穏やかな気候と美しいビーチが特徴で、大都市ならではの活気がありながらも、どこか落ち着いた雰囲気を感じられる街です。

アデレード

南オーストラリア州の州都・アデレードは、ワインの産地としても名高い街です。トラムやバスだけでなく、徒歩でも市内の中心部を簡単に移動できることから、その利便性の高さで知られています。他の都市と比べて日本からの留学生の数が少ない点も特徴です。

ゴールドコースト

同じクイーンズランド州のブリスベンからおよそ80kmの位置にあるゴールドコーストには、サーファーズパラダイスをはじめとするビーチなど、マリンスポーツにぴったりのスポットが数多く存在します。日中は冬でも気温が20℃を超える日があり、温暖な気候で快適に過ごしやすいでしょう。

ケアンズ

クイーンズランド州北部にあるケアンズは、人口約15万人と比較的規模が小さく、豊かな自然を身近に感じられる街です。季節は雨季と乾季に分かれており、雨の多い時期は蒸し暑さも相まって南国のムードを存分に味わえます。大都会からは少し離れ、ゆったりとした空気が流れる環境に身を置きたい方におすすめの都市です。

ワーキングホリデーでの滞在中に都市を移動する選択肢も

ワーキングホリデー期間中は、一つの滞在先だけに居続ける必要はなく、必要に応じて都市間を自由に移動することも可能です。

候補の都市が複数あって迷う場合は、はじめに滞在する場所だけを決めておき、その後のことは現地に行ってから改めて考えるつもりで渡航してみるのもよいでしょう。

オーストラリアのワーキングホリデーでは、ファームジョブと呼ばれる農場での仕事が人気です。ファームの仕事では、季節によって収穫できる野菜や果物が異なるので、働き手の需要がある地域も変動します。そのため、ワーホリ中にファームの仕事を通していくつもの町を転々とする人も少なくありません。

都市移動をすると、複数の滞在先での生活を通じて新鮮な体験が得られ、新しい出会いにも恵まれます。反面、引越し費用がかかることや、家と仕事をその都度探す必要がある点は、場合によってデメリットにもなるでしょう。

特にシェアハウスの入居・退去時や新たな仕事探しの際は、オーナーや上司と英語でコミュニケーションを取って契約を交わさなければならないなど、まだ英語力に自信がないうちは不安に感じることもあるかもしれません。

しかし、都市を移動することで得られる多様な経験に興味を持っているのなら、挑戦する価値は十分にあります。

次に行くならここ!ワーホリ経験者が注目するオーストラリアでの滞在先は?

過去にワーキングホリデーでゴールドコーストに滞在していた筆者が、もし再びオーストラリアに中長期で滞在するとしたら、エアリービーチ(Airlie Beach)という町を拠点に、周辺の島巡りをしたいと考えています。

エアリービーチは、クイーンズランド州の海沿いにある人口1,300人ほどのエリア(※)で、ハネムーンの行き先として人気のハミルトン島や、世界遺産のサンゴ礁地帯、グレートバリアリーフにも日帰りで行くことが可能です。

小さな町ですが、リゾート地ということもあり、ワーホリ中の就労先としてぴったりなホテルの求人などが見つかりやすい可能性も。日本人も比較的少ないので、英語環境にどっぷり浸かりたい方にもおすすめです。

※参照:Australian Bureau of Statistics|Airlie Beach

まとめ

今回は、オーストラリアでワーキングホリデーを経験した筆者の視点から、各都市の特徴や滞在先選びのポイントをお伝えしました。

複数の都市に興味がある場合は、一ヵ所に滞在することだけにとらわれず、都市間を移動しながら、色々な地域での生活を経験するのもおすすめです。ワーキングホリデーならではの自由度の高さを活かすなら、渡航後に予定を変更する余地を残しておき、現地に着いてから次の行き先を決めるやり方も可能です。

充実したワーホリ生活を送れるよう、どの都市でどんな暮らしをしたいのかについて、ぜひ想像を膨らませてみてくださいね。

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。