TOEICテスト結果、活用してる?スコアシートの正しい読み方と今後の対策へのつなげ方【保存版】

TOEIC L&Rテストを受験すると、スコアが掲載された認定証(=スコアシート)が自宅に郵送されます。このスコアシート、「結果を確認するためだけのもの」と思っている方も少なくないのではないでしょうか。しかし、実はこのスコアシートには、今後の学習をより効果的にするためのヒントが沢山つまっています。

今回は、TOEICのスコアシートの正しい読み方と、その後のTOEIC対策へのつなげ方をご紹介していきたいと思います。スコアシートが手元に届いたら、分析を行ってその後の学習にしっかり活かしていきましょう。

目次

TOEICスコアシートの見方

「アビリティーズメジャード」とは?

スコアシートの中でも特に注目してほしいのが、Abilities Measured(アビリティーズメジャード)と書かれているグラフ部分です。アビリティーズメジャードでは、リスニング・リーディング各5項目の正答率が示されています。

それぞれの項目について詳しくみていきましょう。

Abilities Measured(アビリティーズメジャード)

アビリティーズメジャードの見方・リスニング編

①「短い会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる」

Part1・2の問題で、聞こえた情報から推測して選択肢を選ぶ力を表しています。

例えば、Part2の問題で「What time does the meeting start?」という投げかけに対して、「Let me check the schedule.」という選択肢が正解になるような問題が当てはまります。

この問題の例では、会議の開始時間を伝えるような直接的な返答の選択肢は用意されておらず、「予定を確認させてください」といった間接的な受け答えを選ぶ必要があります。

②「長めの会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる」

Part3・4の問題で、聞こえた情報から推測して選択肢を選ぶ力を表しています。

例えば、Part3での「What is the conversation mainly about?」や、Part4における「What is the purpose of the talk?」といった設問が当てはまります。

③「短い会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる」

Part1・2の問題で、具体的な詳細情報を拾える力を表しています。

例えば、Part2の問題で「What time does the meeting start?」という投げかけに対して、「Two o’clock.」という選択肢が正解になる問題が当てはまります。この項目では、音声の中で話される具体的な情報をきちんと聞き取ることができているかどうかが分かります。

④「長めの会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる」

Part3・4の問題で、具体的な詳細情報を拾える力を表しています。

例えば、「What are the listeners asked to do?」や 「What is the problem?」という問題が当てはまります。長めの音声の中で話される情報を聞き取ることができているかが分かります。

⑤「フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる」

Part3・4の問題で、発言によって暗示されている意味を捉えられる力を表しています。例えば、「What does the man mean when he says, “…”? 」というような設問の問題が当てはまります。この項目は、TOEIC L&Rテストが新形式になってから新たに追加されました。

アビリティーズメジャードの見方・リーディング編

①「文書の中の情報をもとに推測できる」

Part7の長文問題で、「文章全体の目的を問う問題」や「答えが明記されていない問題」に答える力を表します。例えば、「What is implied about~?」というような設問の問題が当てはまります。文章全体の流れをきちんと把握できているかどうかが分かります。

②「文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる」

Part7の長文問題で、具体的な詳細情報を拾える力を表しています。例えば、「What time does the event start?」というような設問の問題が当てはまります。答えは基本的に文章中に明記されており、その情報をきちんと見つけることができるかどうかが分かります。

③ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる

Part6・7の長文問題には、「正解の選択肢を選ぶために必要な根拠が文中に2箇所以上ある問題」が複数登場します。このタイプの問題では、複数箇所に散らばる答えの根拠となる情報を組み合わせて、正しい選択肢を選ぶ力が求められます。

Part7の、文書が2つある「ダブルパッセージ問題」や、文書が3つある「トリプルパッセージ問題」にも頻出する問題パターンです。

④「語彙が理解できる」

Part5・6・7の問題で、語彙知識を問う問題に答える力を表しています。

⑤「文法が理解できる」

Part5・6の問題で、文法知識を問う問題に答える力を表しています。

各パートの正答率がわかる「あなたへのアドバイス」も要チェック

2024年6月より、TOEIC L&Rの公開テストを対象とした試験の詳細データ「あなたへのアドバイス」の提供が開始されました。「あなたへのアドバイス」は、試験のおよそ19日後からTOEIC申込サイトのログイン後のページで確認できます。

「あなたへのアドバイス」ページに記載されているのは、下記3つの情報です。

※データ表示は、最新の試験1回分のみです。2回以上受験した場合、直近の試験日から19日後を目途に最新の受験回のデータに切り替わり、以前のデータは確認できなくなります。また、受験がない場合は試験日から2年経過後に表示されなくなります。

1.「あなたの正答率」

「あなたの正答率」では、試験のパートごとのおおよその正答率がわかります。正答率の最も高いパート、最も低いパートがレーダーチャートで表示され、苦手分野やそれぞれのパートの伸びしろを一目で把握できます。

2.「今後に向けて」

「今後に向けて」の欄には、試験結果に基づく学習アドバイスが記載されます。9つに分かれたスコア帯のうち、受験者自身が属するグループと、その一つ上のスコア帯を比較した上で、受験者がどの分野に課題を抱えているのかを分析します。

※受験者が最上位のスコア帯に属している場合は、自身が属するスコア帯内での比較・分析となります。

3.「属性別平均スコア」

TOEIC L&R公開テストの申込時の情報に基づき、「受験者全体」「年代」「職業・所属」「職種・専攻」の4つの観点で、属性グループごとのスコア平均と受験者のスコアを比較します。自身のスコアをより俯瞰的に捉えることで、今後の目標を設定しやすくなるでしょう。

※参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会|「あなたへのアドバイス」について

TOEICスコアシートの活用方法

自身の苦手を把握しよう!

自分のアビリティーズメジャードを見て、どのグラフが短いのかを確認すると、「自分がどこで問題を落としてしまっているのか」を把握することができます。つまり、自分の弱点を洗い出すことができます。

例えば、リスニングの③、④が低い人は、詳細な情報を聞き取る力が低いことが考えられます。この場合には、設問の先読みを確実に行えるようになることで、ある程度カバーすることができるようになります。

先読みを確実に行えるようになるには、語彙・文法の知識を十分に身につけた上で、素早く読むための練習を行う必要があります。具体的には、音読やスラッシュリーディングなどを行い、文構造を瞬時に掴める状態を目指すとよいでしょう。

このように、アビリティーズメジャードのグラフが短い項目に着目し、その理由を分析すると、取り組むべき具体的な学習方法まで見つけることができます。

TOEIC初心者が優先して取り組むべき項目とは?

TOEIC初心者の方の場合は、まだグラフが全体的に短いということが考えられます。初心者の方が、優先するべき項目とそうでない項目についてみていきましょう。

新形式になってからリスニングセクションに加わった、⑤「フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる」に該当する問題は、難易度が高めで、かつ問題数も多くはありません。

また、リーディングセクションの③「ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる」に該当する問題も、解くのに時間を要する場合が殆どです。

上記のような難易度の高い問題は上級者向けなので、TOEIC初心者にとっては優先して取り組まなくてよい項目と言えます。

一方で、英語初心者の方は、リーディングの④、⑤が受験者の平均値よりもまだ低い可能性が高いです。その場合には、TOEIC対策の単語帳を使った語彙力強化や、基礎文法の学習を優先して行うことをおすすめします。語彙・文法の力が上がれば、その他の項目も含めて全体的に伸びやすくなるためです。

自分の苦手事項や優先的に取り組むべきところから対策を行ない、学習効率よくスコアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、TOEIC L&Rテストのスコアシートの見方と学習に役立てる方法についてご説明しました。「スコアを上げたいけれど、どこから対策すればよいのか分からない」という方は、アビリティーズメジャードを分析してみると、取り組むべき点が見えてくるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

【関連ページ】TOEIC対策に強い英会話スクール&サービスを比較

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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