海外旅行時に注意したい7つのポイントは?体験談も交えて解説

多くの人にとって特別な体験となる海外旅行。普段見ることのない景色や、会わない人、異なる言語に触れるのは刺激的ですが、慣れない環境に身を置くことに不安を感じる方も多いのではないでしょうか?

海外旅行は自身の視野を広げる大きなチャンスです。漠然とした不安のために、渡航を躊躇しているのだとしたらそれは少しもったいないこと。そこで今回は海外旅行の際に注意したい7つのポイントをご紹介!「備えあれば憂いなし」と言われるように、想定されるリスクを洗い出し、対策をしておけば、不安も和らぐものです。

年に複数回海外を訪れる、筆者自身の体験談も交えながら解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

海外旅行時に注意したい7つのポイントは?体験談も交えて解説

1. ビザが必要かどうかを確認する


国際航空運送協会(IATA)が提供するデータを基に、パスポート(旅券)の価値をランク付けした世界的な調査「2023 ヘンリー・パスポート・インデックス」によると、日本の旅券所持者がビザなしで渡航できる国・地域は193で首位となりました(※1)。

しかし、世界にはブータンやサウジアラビアなど、日本国民がビザを必要とする国・地域もあります。また、ビザなし渡航が可能であったとしても、滞在できる日数は渡航先によって異なるので注意が必要です。例えば、台湾は90日以内であるのに対して、ベトナムは15日以内となっています。渡航を予定している国・地域ではビザが必要なのか否か、そして滞在可能期間について、領事館や外務省などのオフィシャル情報を確認しましょう。

※1 参照:Henley & Partners「These Are the World’s Most (and Least) Powerful Passports in 2023

2. パスポートの残存有効期間を確認する

渡航前にまずはパスポート(旅券)の残存期間を確認しましょう。必要な残存有効期間は国・地域によって異なります。例えば筆者が最近訪れた台湾では滞在日数以上、ベトナムでは6か月以上となっています。外務省によると、海外渡航を計画したものの、残存有効期間が不足していることが判明し、渡航をあきらめるケースが発生しているようです。そういった事態を避けるために、外務省では残存有効期間が1年未満である場合、新しいパスポートへの切り替えをすすめています。具体的な計画を立てる前に、オフィシャルな情報源から必要となる残存有効期間を確認するのをおすすめします。

3. 海外旅行保険に加入する

安心安全に旅を終えたいと誰しもが思うものですが、怪我をしたり、病気にかかったり、盗難に遭ったりと、トラブルに見舞われる可能性もゼロではありません。そこでおすすめしたいのが、海外旅行保険への加入です。海外旅行保険への加入は、外務省も推奨しています。

「たびとも」(エイチ・エス損保)や「t@bihoたびほ」(ジェイアイ傷害火災)など、その都度申請可能なサービスも複数ありますが、海外旅行保険が自動で付帯されるクレジットカードがあれば、手続きも必要なく便利です(※2)。

※2 付帯条件や補償内容、補償対象などの詳細は、事前に必ずご確認ください。

例えば筆者が利用している「エポスゴールドカード」だと「傷害治療費用」や「疾病治療費用」、「賠償責任」、「携行品損害」といった保険が自動付帯。1回の旅行につき最長90日間まで補償される他、国内外の空港ラウンジも無料で利用できます。しかし、疾病や携行品損害に重点を置いた補償内容となっているため、旅行のキャンセル・中断、航空機遅延などには対応していません。他のクレジットカードや、その都度加入するタイプの保険とも比較検討して、自分に合ったサービスを選びましょう。

4. 現地の習慣や法律を理解する

旅行中は滞在国の法律や習慣を尊重して行動するよう心がけましょう。例えば、シンガポールではチューインガムが禁止されており、国内への持ち込みも不可です。ポイ捨てや唾を吐くことも罰金の対象となるなど、さまざまな規則が課されているので、事前に確認する必要があります。また、筆者が最近訪れた台湾では、MRT(地下鉄)での飲食が禁止となっています。つい日本の感覚でお菓子を食べたり、飲み物を飲みそうになってしまったりすることもあるかもしれませんが、罰金の対象となるので注意が必要です。

トラブルに巻き込まれないためにも、渡航先が決まったら、その国・地域の法律や習慣について調べておくのをおすすめします。そこで筆者がおすすめしたいのは『地球の歩き方』シリーズ。グルメや景勝地に関する情報はもちろん、歴史的背景や文化的慣習など、その国・地域についての情報が網羅されているので入門として最適です。

5. スマホのネットワークを確保する


渡航先でもスマホが使えるととても便利です。旅行中も家族や友人と連絡が取り合えるのはもちろん、地図アプリで現在地を確認したり、配車サービスを利用したり、事前にホテルやレストランのレビューをチェックしたりと、行動しやすくなるのもメリットです。

ネットワークに接続する手段の1つには、海外用のモバイルWi-Fiルーターという選択肢があります。事前準備や設定の手間が少ないため、手間を省きたい方に適していますが、「荷物を少しでも減らしたい」という方に筆者がおすすめしたいのは、現地で利用可能なSIMカード(※3)の購入。そのためにはまず、ご利用中のモバイルデバイスが「SIMフリー」である必要があります。SIMカードは特定のキャリア(モバイル通信業者)に紐づいており、SIMフリーのデバイスであればカードを自由(free)に交換することができ、海外のキャリアも利用可能となります。

筆者は台湾に長期滞在した際、現地で通信量無制限のSIMカードを購入。インターネット共有(テザリング)をオンにすれば、Wi-Fiのない環境下でもパソコンをネットに接続でき、とても便利でした。SIMカードは現地で各キャリアの店舗でも購入できますし、日本であらかじめAmazon等のECサイトで購入することも可能です。

また近年は、物理的なカードを入れ替える必要がない「eSIM(イーシム)」も普及しています。

※3 スマートフォンや携帯電話などのモバイルデバイスに挿入する小型カード。モバイルネットワークに接続し、通話やインターネットの利用を可能とする。

6. 日本の薬や医療用品を携行する

海外旅行中も風邪を引いたり、怪我をしたりする可能性はゼロではありません。そんな時、薬や医療用品が必要になったとしても、薬局をすぐに見つけるのが難しい場合もありますし、海外には日本で承認されていない成分を含む薬もたくさんあります(※4)。そこでおすすめなのが、日本の薬や医療用品を持っていくこと。解熱鎮痛剤や胃腸薬、整腸薬はもちろん、絆創膏(ばんそうこう)や冷却ジェルシート、ビタミン剤などもあると便利です。

筆者は以前、ベトナムで風邪のような症状に見舞われた際、携行していた解熱鎮痛剤とビタミン剤(ビタミンC)の服用に加え、冷却ジェルシートを使用し、症状がだいぶ和らいだ経験があります(※5)。短期滞在の場合、薬を小さな容器に移して荷を軽くしたいところですが、元の容器がないと、どのような医薬品なのか確認することが難しくなり、渡航先の国によっては持ち込めない場合もあります。また、郵送による医薬品の持ち込みを一切認めていない国もあるなど、渡航先によって事情は異なるので、まずは厚生労働省の「海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて」に目を通しておきましょう。

※4 参照:全日本民医連「くすりの話 海外の薬事情
※5 医者にかからず、原因も不明だったため、ビタミン剤の効果については定かではなりません

7. 犯罪の被害に遭わないようにする

日本で生活をしていると、つい油断しがちなことも多いですが、海外には犯罪率が高い国・地域もあるため、渡航の際は注意が必要です。外務省によると、日本人観光客はお金持ちで不用心という印象が流布しており、日本人をターゲットにしたスリや置き引きが各地で多発しているようです(※6)。そういった被害に遭わないためにも、事前に渡航先の犯罪多発エリアを確認しておくといいでしょう。

筆者はベトナム・ホーチミンを訪れた際、現地の知り合いからスリやひったくりへの注意を促されました。カバンは身体の前で持つ、道路のすぐ脇を歩かない、不用意に財布やスマートフォンを出さないなど、アドバイスされたことは全て実行しました。

※6 参照:外務省海外安全ホームページ「海外旅行を予定されている皆様へ

まとめ

今回ご紹介したポイントについて万全の対策を整えたとしても、「絶対にトラブルに巻き込まれない」とは言い切れません。そして現地ならではの魅力を知る以上、時にはリスクも付きものです。例えば、海外では食中毒を避けるためにも、生ものは食べない方がいいというのが定説ですが、筆者はどうしても試したい料理があったり、現地の人と一緒に食事をしたりする際などは、食べてしまうことも多いです。こればかりは自己責任ですので、誰にもおすすめはできませんが、そのようなリスクを冒してでも体験したいコトやモノというのは誰しもあるものです。「ゼロリスク」は不可能ですし、極論、日本にいてもトラブルに巻き込まれる可能性はあります。最大限の注意は払いつつも、現地ならではの文化や環境を楽しむことも忘れないようにしましょう。

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Toshi

大学を卒業後、広告業界で営業職を務める。その後、音楽業界に転身。ライターとしては音楽・カルチャーを扱うメディアを中心に寄稿している。