近年、急速に普及している「リモートワーク」(テレワーク)。国土交通省の「令和3年度 テレワーク人口実態調査」によると、雇用型就業者(※1)のテレワーカーの割合は、前年度と比べ約4ポイント増加し、全国で27%。自営型就業者(※2)においても、その割合は27.3% でした。また、雇用型テレワーカーにおけるテレワークの実施頻度も増加傾向にあり、約89%が継続意向を示すなど、働き方の1つとして定着しつつあることがうかがえます。
場所の制約を受けずに働けることがその特性である以上、ある程度まとまった時間がとれるタイミングには、海外でのワーケーションを検討される方がいても不思議ではありません。
そこで今回は、国内で日ごろからフルリモートで編集者・ライターとして働く筆者が、旅先でのリモートワークの生産性を高める方法やおすすめグッズをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
※1 民間会社、官公庁、その他の法人・団体の正社員・職員、及び派遣社員・職員、契約社員・職員、嘱託、パート、アルバイトを本業としている人
※2 自営業・自由業、及び家庭での内職を本業としている人
目次
海外ワーケーション時の生産性を高める方法
ワーケーションに適した国・地域を選ぶ
極端な話、山奥のような僻地に放り出されたとしても、Wi-Fi環境さえあれば、場所を選ばず仕事はできます。しかし、朝から晩まで仕事漬けでは心身が持たないですし、海外に来た以上、観光や食事も楽しみたいと誰もが思うもの。
純粋に観光目的の滞在であれば、軽装であちこち動き回ることができますが、ワーケーションの場合、パソコンやタブレット、イヤホン等のガジェットを持ち歩く必要があります。仕事に関わる貴重品を持ち歩くため、盗難やひったくりに遭わない治安のいい場所が好ましいでしょう。
また、宿泊施設はもちろん、行く先々でWi-Fiが使えることが望ましいですし、仕事の合間に観光を楽しむには交通網が発達している必要もあります。
筆者の推しは治安が良く、医療やITインフラも整備されている台湾
こういった事情を踏まえ、現在、筆者が最も気に入っているのが台湾です。それには以下のような理由が挙げられます。
- 無料Wi-Fiがどこにでもある
台湾では、無料Wi-Fiを提供しているカフェがとても多いです - 交通網が発達している
台北や高雄などの都市部であれば、地下鉄や鉄道、新幹線に加え、レンタサイクルも利用できます - 治安がいい
筆者は現時点では、盗難や傷害等の犯罪被害に遭ったことは一度もありません。実際、「世界犯罪指数/安全指数ランキング(Crime/Safety Index)」にて台湾は2位という調査報告もあります(※3) - 食事が美味しい
魯肉飯や牛肉麺など、日本人の口にも合う料理が多く、値段もリーズナブルです - 日本から近い
東京〜台北間であれば、飛行機で3〜4時間程度ですし、何かあってもすぐに戻れる距離なので安心です - 医療が発達している
台湾の医療・ヘルスケアは世界一という調査報告もあります(※4)
※3 TAIWAN TODAY「 NUMBEOのランキング、台湾の安全指数は世界2位」
※4 TAIWAN TODAY「台湾の医療・ヘルスケアは世界一、欧米に勝る=Numbeo調査」
筆者自身は「暮らすように旅する」を実践したいため、生活しやすい台湾がお気に入りです。ただ、海外ワーケーションの目的、そしてそれに伴う条件は人それぞれかと思います。
例えば「雄大な自然を眺めながら仕事がしたい」という方であれば、台湾の都市部は適さないでしょうし、様々な理由から、渡航先について選択の余地が少ないという方もいるでしょう。
それでも、渡航先の治安やITインフラ、法律など、生活に関わる基本情報については、一通り確認しておくのをおすすめします。筆者のお気に入りは『地球の歩き方』シリーズ。グルメや景勝地に関する情報はもちろん、歴史的背景や文化的慣習など、その国・地域についての情報が網羅されているのでおすすめです。
※ビザの要不要については国ごとに異なるため、旅行先の国の大使館・総領事館のホームページなどを参照ください。また、渡航前には、「外務省海外安全ホームページ」の情報もご確認ください。
仕事に集中できる場所を確保する
海外ワーケーションで重要なのが、仕事に集中できる環境の確保です。慣れた自宅やオフィスでは無いので、普段通り仕事をするための設備が整っているのか、入念に確認する必要があります。
まず、宿泊先にWi-Fi・デスク・椅子はマストですし、気候が暑い・寒い場合はエアコンがあった方が快適でしょう。それ以外にも窓の有無や、バス・トイレが部屋に備わっている(共用ではない)かどうかなど、こだわりだすと条件も増えがち。ホテル予約サイトを利用する際は、条件を詳細に設定してから検索したり、不明な点については宿泊先に直接問い合わせたりして、現地でのリモーワークをあらかじめしっかりシミュレーションしておくことをおすすめします。
お気に入りのカフェを見つけよう!
宿泊先以外の仕事場所として、筆者がおすすめしたいのはカフェです。例えば、筆者が頻繁に訪れている台湾の都市部では、カフェがとても多く、ほとんどの店舗で無料Wi-Fiが提供されています。アットホームで静かな隠れ家的カフェもたくさんあるので、リモートワークをするのに理想的なカフェを見つけたら、Google マップ等の地図アプリでお気に入り登録しておきましょう。
※Wi-Fi利用をはじめ、特に公共の場でのリモートワークについては、所属先等のセキュリティガイドラインに従ってください。Wi-Fi利用時は、提供者不明のものは利用しないなど、安全面に注意しましょう。
長期滞在(ロングステイ)する
仕事と観光を同時に楽しむワーケーションでは、可能な範囲での長期滞在(ロングステイ)をおすすめします。まとまった時間があれば、1日あたりの仕事量を調整して、それ以外の時間を観光に充てることができるからです。
街を探索したり、近隣の観光地へ足を伸ばしたりすることもできますし、「暮らすように旅する」を実践することで、現地の生活や文化をより深く体験できます。そのようにオンオフのメリハリをつけると、気分転換にもなり、結果的に仕事の生産性も高まると筆者は感じています。
海外ワーケーション時の生産性を高めるおすすめグッズ
ここでは、海外ワーケーション中、仕事の生産性を高める便利なグッズについてご紹介したいと思います。
- Bluetoothスピーカー
持ち運びやすいコンパクトなBluetoothスピーカーがあると、宿泊先でも音楽やポッドキャストが楽しめるので重宝します。最近は有名音響機器メーカーからもリーズナブルなラインが発売されていますし、マイク付きのものを買えば、通話にも利用できるので便利です - 有線イヤホン(マイク付き)
出先でのオンライン会議に欠かせないのがマイク付きのイヤホン。最近はBluetoothイヤホンも多いですが、会議の途中で充電が切れてしまうリスクもあるので、有線をおすすめします - 耳栓
例えば、周囲のノイズが気になり、仕事に集中できない時、耳栓があると便利です。また、騒音で眠りが妨げられている時などにもおすすめ - マウスパッド
机の種類(材質)や状態によっては、マウスのセンサーが反応しない場合もあるので、マウスパッドを準備しておくのをおすすめします。持ち運びに適したコンパクトなものを買えばかさばりません - モバイル充電器
仕事の生命線とも言えるスマホ。SIMフリーであれば、現地でも通話・データ通信が可能となります。そこで準備しておきたいのが、モバイル充電器。例えば、地図アプリを見ながら、打ち合わせ場所に向かっている時、電池が切れてしまっては大変です。充電速度が比較的速いものをおすすめします※モバイル充電器は、預け入れ手荷物の中には入れられないため、ご注意ください。ワット時定格量や個数等のルールに従った上で、機内持ち込みとします。
- コンパクトLEDライト
ベッド脇などに置いておくと、夜寝る前に本を読んだり、書類に目を通したりする際便利です。手元でオンオフの操作、明るさの調整までできるタイプがおすすめです - 変圧器
海外で日本仕様の電化製品を使用する場合、必要となります。海外のコンセントの電圧は日本と比べて高く、渡航先で電化製品が故障してしまうと厄介なので、準備しておくのをおすすめします - サングラス
海外では日差しの強い場所もあります。不慣れな場所で、視界をクリアにするためにも、サングラスを携帯しておくのがおすすめです - 椅子用クッション
ホテルやカフェの椅子の全てが座り心地いいとは限りません。長時間座っているとお尻や腰が痛むこともあるので、筆者は椅子用クッションも持っていきます - クリアファイル
大切な書類を分類して保管できるよう10、20枚持っておくと便利です
旅行用英会話を学んでおこう
出入国審査や、ホテルへのチェックイン・チェックアウトなど、旅行では、誰もが遭遇する定番のシーンがいくつも存在します。旅行用英会話を学んでおくと、そういったシーンでのコミュニケーションがスムーズになり、結果的に仕事の生産性向上にも繋がるのではないかと筆者は感じています。特に忙しい方には、場所を選ばないオンライン英会話がおすすめ。
具体的なサービスについては、ぜひ「トラベル英語を学べるオンライン英会話サービスまとめ」を参考にしてください。
【参照ページ】ワーケーションサポート 海外旅行・ツアーならJALパック。 – JAL海外ツアー
【参照ページ】【海外】長期滞在 旅行・ツアー|阪急交通社
【関連ページ】海外旅行時にダウンロードしておきたいアプリ7選
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ー English Hubを運営するハーチ(株)の欧州チームがアムステルダム・ロンドン・パリの最新サステナブルスポットを紹介 ー
海外への渡航がしやすくなってきた昨今、欧州への出張や旅行を考えている方も多いのではないでしょうか。せっかく現地に行くなら、話題のサステナブルな施設を直接見てみたい──そう思っている方もいるかもしれません。デジタルメディア運営・サステナビリティ支援事業を手がけるハーチ株式会社の現地在住メンバーが、話題のレストラン・ホテル・百貨店・ミュージアムなどのサステブルスポットを厳選し、一冊のガイドブックにまとめました。実際に渡航される方の旅行のお供にしていただくのはもちろん、渡航の予定がない方も現地の雰囲気や魅力を存分に感じていただける内容になっています。ご購入・詳細はこちらから!
Toshi
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