「名詞だと思って聞いていた英単語が、本当は動詞として使われていた」というような経験はありませんか?せっかく聴き取れた長文も、そのうちたった1語の品詞理解を誤っただけで、文の構造がまったくつかめないということがあります。
TOEICでハイスコアを取るためにも、品詞の知識をきちんと持っていることが大切です。特にPart5では、品詞を見極めることができないと正しい選択肢を選べない問題も多く、選択肢に並ぶ英単語や、文中で使われる英単語の品詞を正しく認識しているかが正答のポイントになります。
そこで今回はTOEICに頻出するものを中心に、名詞のイメージが強い、要注意の動詞15個をピックアップしてご紹介していきます。それぞれの品詞と意味をきちんと確認して、知識を整理しておきましょう。
名詞のイメージが強い、要注意の動詞15選
日本語にはカタカナ言葉として定着している英単語がたくさんあります。ビジネスシーンでも「コストがかかる」「マインドが素晴らしい」など、カタカナ言葉を耳にすることが多くなりました。そのようなカタカナ言葉の元となっている英単語は、英文では違う意味でも使われていたり、異なる用法で使われていたりすることが少なくないため、要注意です。
たとえば日本語では専ら名詞として使われているカタカナ言葉は、英単語に置き換えて覚える際も名詞として記憶しやすいのではないでしょうか。日本人の感覚では名詞のイメージが強い英単語の中には、英文では頻繁に動詞として使われるものが多くあります。
では早速ご紹介していきます。
cost
‘cost’は、日本語では「コストがかかる」というような使い方をすることが多く、名詞のイメージが強い単語の一つではないでしょうか。名詞としての意味は「費用」「値段」「犠牲」などです。
英語では‘cost’は、「(値段や労力など)がかかる」という意味の動詞としても頻繁に使われます。
【例文】How much does this shirt cost?(このシャツはいくらですか?)
【例文】It will cost a lot to go there.(そちらへ行くには費用がとてもかかります)
head
名詞では体のパーツである「頭」という意味のほか、「社長」「首領」など一番上に立つ者のことを表す意味も持っています。
また、「〜を率いる」や「〜に向かって進む」という意味の動詞で使われるということも覚えてきましょう。‘headは’TOEICでも動詞として頻出します。
【例文】James heads a research team.(ジェームズはリサーチチームを率いています)
【例文】We are heading to the park.(私たちは公園へ向かっています)
care
名詞では「心配」「注意」「心配事」という意味を持つ‘care’ですが、日常英会話からビジネス英語まで幅広いシーンで、動詞としても非常によく使われることはご存知でしたか?名詞が持つ意味の通りに、動詞でも「心配する」「気にかける」という意味で使用されます。
【例文】I don’t care too much about this problem.(私はこの問題についてあまり気にしていません)
【例文】Do you care about me?(私のことを気にかけてくれていますか?)
mind
日本語のビジネスシーンでも耳にする機会が多い「マインド」は、英単語‘mind’から派生しています。‘mind’は名詞で「心」「精神」という意味があります。
日本語では、「マインドを鍛える」というような文で名詞として使われることが多いですが、英語では‘mind’は動詞として使われることの方が圧倒的に多いです。意味合いも名詞の時と少し異なり、動詞‘mind’は「〜を嫌がる」「気にする」という意味で使われることがほとんどです。
【例文】Do you mind if I smoke?(タバコを吸ったらお気に障りますか?)
TOEICのPart2でも”Do you mind if ~?”というフレーズは頻出するので、覚えておきましょう。
ちなみに、“Never mind!” という励ましのフレーズを聞いた事がある方も多いかと思いますが、ここでも‘mind’は動詞として使われており、フレーズには「気にするなよ」という意味が込められています。
supply
TOEICに頻出する「供給」「供給品」の意味を持つ英単語‘supply’ですが、名詞だけでなく動詞としても「供給する」「補う」という意味で使用されることが多いので注意しましょう。
【例文】This power plant supplies electricity to ABC city.(この発電所からABC市へ電気を供給しています)
guide
日本語では「ガイドツアー」「ガイドブック」など、名詞として使われる‘guide’ですが、英語では動詞として使われることも多いです。動詞では主に「案内する」「指導する」などの意味で使われます。
【例文】I will guide you through this city.(私があなたにこの街を案内します)
【例文】Your job is to guide new employees.(あなたの役目は新入社員たちを指導することです)
value
日本語でも「バリュー」は「値段」という意味で定着していますが、英語の‘value’にも名詞として「価値」「価格」という同様の意味があります。他にも「価値観」という意味で使われることもあります。
さらに、英語では動詞としても使われることが多く、「値をつける」「査定する」という意味のほか「尊重する」という意味で使われることもあるので、気をつけましょう。
【例文】This old painting is valued at one million yen. (この古い絵は100万円の値がつけられている)
【例文】He values my opinion a lot.(彼は大いに私の意見を尊重してくれています)
view
「オーシャンビュー」などといった用語で馴染み深い‘view’という英単語は、名詞で「視界」「視野」「見ること」「景色」などの意味を持っています。名詞として覚えている方が多い単語の一つかと思いますが、「〜をある見方で見る」「〜を検討する」という動詞としても使用されるので要注意です。
【例文】How do you view my new plan?(私の新計画をどう思いますか?)
update
日本語でもよく使われている「アップデート」という言葉は、英単語の‘update’からきており、その意味どおりに名詞で「更新」「アップデート」という意味ですが、英語では動詞で使われることがとても多く、TOEICの英文でも動詞として頻出します。
【例文】Can you tell me how to update this computer?(このパソコンのアップデートの仕方を教えてくれませんか?)
date
‘date’という単語の意味として多くの人が思い浮かべるのは「日付」「デート」という名詞かと思いますが、‘date’は名詞以外にも、動詞として「(手紙・文書などに)日付をつける」という意味や、”date from~”で「(ある年代や日付から)始まる、遡る」という意味でも使われることがあるので注意が必要な単語です。
【例文】I forgot to date the letter.(手紙に日付をつけ忘れてしまいました)
【例文】All of these date from the 18th century. (これらは全て18世紀から始まったものです)
name
‘name’は「名前」という意味の名詞として馴染み深いですが、実は動詞としても使われることがとても多い単語なのです。動詞では「命名する」「名づける」という意味で使われることが多く、”name after〜” で「〜の名をとって命名する」という意味の熟語も頻繁に使用されます。
【例文】I was named after my father’s favorite actor.(私は父の好きな俳優の名を取って名づけられました。)
また、TOEICの英文ではasとセットで「任命する」「指名する」という意味の動詞としてもよく登場します。
【例文】I decided to name Jane as my successor.(私はジェーンを私の後継者とすることに決めました)
ski
日本語では「スキーに行く」という風に言うことが多いため、名詞のイメージが強いかと思いますが、英語では動詞として「スキーをする」という意味で使われることが多いです。
【例文】I like skiing.(私はスキーをするのが好きです)
skate
‘skate’は前述の‘ski’と同様に、「日本語ではスケートをする」という言い方をするため、名詞として認識している方も少なくないかと思います。‘skate’には名詞で「(スケートの) 一滑り」「スケート靴」という意味もありますが、「スケートをする」という意味の動詞として使われるケースが多いです。
【例文】I used to ice skate on the frozen lake.(昔はよく湖でスケートをしていました)
shop
名詞では「お店」という意味の‘shop’ですが、「買い物をする」という意味の動詞でもあることは知らない人も多いのではないでしょうか。
【例文】I usually shop at malls.(私は普段モールで買い物をします)
test
カタカナになると専ら「試験」を表す名詞として使われる「テスト」ですが、英文では名詞の他に動詞の形で「検査する」「試験する」という意味で使われることが少なくありません。
【例文】He tested the functionality of the printer.(彼はプリンターの機能を検査しました)
まとめ
いかがでしたか。今回は、品詞を誤りやすいため注意が必要な動詞を15個ご紹介しました。品詞の理解がしっかりできていると、Part5の品詞問題が解きやすくなるだけでなく、英文構造を正しく理解できるようになるためPart6、7の長文問題もより正確に読み取れるようになり、英文を読むスピードも向上しやすくなります。日本語で名詞として使われている単語が英語でも常に同じ用法で使われるとは限らないことを、気に留めておいてください。
佐藤 千嘉
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