【TOEIC S&W対策】初受験でライティング190点を取得した勉強法とは?

「TOEIC Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC S&W)」は、スピーキングテストとライティングテストの2つで構成されている英語力測定試験です。

今回、「TOEIC Listening & Reading Test」で965点を取得している筆者がTOEIC S&Wに初めて挑戦。結果はスピーキングが160点、ライティングが190点(いずれも200点満点)の合計350点でした。

TOEIC S&Wを初受験するにあたり、約1ヶ月間にわたって試験対策に取り組みました。筆者は、英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)の中でも、特にスピーキングに対して強い苦手意識を持っています。そのため、今回は苦手分野の克服を優先し、学習期間の多くをスピーキングテスト対策に充て、ライティングに関しては試験直前の約1週間を使って集中的かつ効率的に対策を行いました。この記事では、筆者が取り組んだTOEICライティングテストの勉強法についてお話ししていきます。

主なステップは、スピーキングテストの対策時と同様、「試験の全体像を把握する」「問題形式別の対策に取り組む」「本番同様の条件で模試を解く」の3つです。

TOEICスピーキングテスト対策については、『【TOEIC S&W対策】初受験でスピーキング160点を取得した勉強法とは?』でご紹介しているので、TOEIC S&Wの受験をお考えの方はぜひ併せてチェックしてみてください。

TOEIC S&W 勉強法 – ライティング編 – 目次

TOEIC S&Wの全体像を把握する

まずは、TOEIC S&Wのウェブサイトにある「テストの形式と構成」のページを読み、ライティングテストでどんな問題が出題されるのかを確認しました。同じく、公式ホームページで公開されている「サンプル問題」にも目を通しておくと、問題のイメージをよりつかみやすくなります。

TOEIC S&Wの問題形式別対策に取り組む

テストの形式と構成を確認後、教材を使って問題形式ごとの対策に取り組みました。使用した教材は、スピーキングテストの対策時と同じ『頂上制覇 TOEIC®テスト スピーキング/ライティング 究極の技術(テクニック)』です。

※下記の対策や感想は、筆者個人のものです。受験の際には、IIBC公式サイトをご確認ください。

「写真描写問題」の対策方法

簡潔かつ正確な一文を作る

「写真描写問題」は、与えられた2つの語(句)を適切に使い、画面に出てくる写真の内容を描写する問題です。問題のディレクションでは、一文で解答するように指示されるので、2つの語(句)を1つの文に入れ込む必要がある点に注意してください。

解答をする際、使い慣れていない単語や複雑な文構造を使おうとすると、文法ミスが起きたり、適切でない語彙によって文の意味が伝わりにくくなったりすることがあります。使いこなせる自信のない難しい語彙・文法を無理に入れるのは避け、確実だと思う表現で文を作る方がリスクが少ないでしょう。

与えられた語(句)を適切な形で使う

「写真描写問題」で与えられる語(句)は、そのままの形で使用できることもあれば、単語によっては自分で語形を変化させなければいけない場合もあります。

例えば、写真とともに“student/finish”という2つの単語が提示されたケースを考えてみましょう。解答例の一つとして、下記のような文が挙げられます。

  • “The student finishes his preparation for class.”

この例文では、“finish”を動詞として使うため、主語の“student”に合わせて“finish”の語尾に三単現の-esを付けています。

動詞以外にも、複数の女性が写っている写真の問題で、「woman(単数)」を「women(複数)」にするなどの名詞の変化も考えられます。指定された語(句)をすべてそのまま使うのではなく、語形変化が必要なケースもあることを意識しながら文を作る練習をしておくのが重要です。

見直しも含めた時間配分を意識する

「写真描写問題」は5問あり、解答時間は全部で8分です。「写真描写問題」のセクションでは、解答時間内であれば、ボタンを操作して前後の問題画面を行き来できます。このことを踏まえ、筆者は1問90秒以内での解答を心掛け、最後に見直しの時間を確保するようにしました。見直しの段階では、「文法・スペルミスがないか」「与えられている2つの語(句)を適切に使えているか」という2点を念入りにチェックします。

試験本番では残り時間が画面に表示されますが、日頃の学習時からストップウォッチで時間を計り、解答時間の感覚を身につけておくのがおすすめです。問題をいくつか解いてみた後、慣れてきた段階でスピードを意識した作文練習に移行するとよいでしょう。

「Eメール作成問題」の対策方法

ディレクションを正確に理解する

「Eメール作成問題」では、画面に表示される25~50語程度のEメールを読み、返信用の文章を作成します。問題数は2問です。

ディレクションは問題ごとに異なり、“In your e-mail,”というフレーズに続いて、“give THREE pieces of information(情報を3つ書くこと)”や“ask THREE questions(質問を3つ書くこと)”などの指示が与えられます。

筆者の場合は、Eメールの本文を読む前に、このディレクションをきちんとチェックするようにしました。指示の内容を事前に理解しておくことで、「返信に含むべき事柄は何か」「相手が求めている情報は何か」を考えながら効率よく本文を読み進められます。的確な返信文をスムーズに作成するために、ぜひ意識してみてはいかがでしょうか。

ヘッダー部分の内容から状況設定を読み取る

「Eメール作成問題」では、受け取ったメールについての状況設定を正しく理解する必要があります。筆者はまず、ヘッダーの項目(From, To, Subject, Sent)に目を通し、「誰から」「誰へ」「何について」のEメールであるのかを大まかに把握してから本文の読解に入るようにしました。

ヘッダーにある宛先の“To:”の部分に書かれているのが、問題に答える上での自分の立場設定となります。Eメールの受信者になったつもりで本文を読むと、内容が頭に入ってきやすいのでおすすめです。

英文メールの基本構成に沿って解答する

「Eメール作成問題」で高スコアを狙うには、一般的な英文メールの構成に沿って返信文を作成することが重要です。筆者の場合は、下記の流れを基本型としました。

【英文Eメールの構成の例】

  1. 宛名
  2. 導入
  3. 本文
  4. 締めの挨拶
  5. 差出人名

宛名には、受け取ったEメールの差出人名(ヘッダーの“From:”の部分に表示されている名前)を、“Dear”に続けて記入します。返信先の担当者名が不明な場合は、“To Whom It May Concern(ご担当者様)”などの表現も便利です。

次に、導入文として、Eメールをもらったことに対するお礼の言葉や、返信の目的などを述べます。筆者は、“I appreciate your e-mail. ”という書き出しに続けて、ディレクションに基づいた返信の目的・内容を端的に表す以下のような文を挿入しました。

【返信の目的・内容を表す表現の例】

  • I have some questions for you.
  • I would like to ask two questions and explain one problem.

宛名と導入文を入力したら、本文に取り掛かります。文中では、順序を表す副詞などを使いながら用件を伝え、相手にとって読みやすい構成にすることを心がけました。

【順序を表す副詞の例】

  • First, …
  • Second, …
  • Finally, …

最後に、締めの挨拶として結びの言葉を書き、差出人の署名を入れます。

【結びの言葉の例】

  • Best regards,
  • Sincerely,

英文Eメールにおける署名は、基本的に「名前→部署名→会社名」の順番で書きます。一般的な日本語での署名とは順番が逆であることに注意してください。

「意見を記述する問題」の対策方法

まずは書くべき内容を整理する

TOEICライティングテストの最後は、与えられたテーマに対して自分の意見を述べる問題です。ここでは、自分の主張をサポートする理由や例を挙げて作文することが高スコア獲得の鍵となります。

筆者の場合は、いきなり解答を書き始めるのではなく、賛成・反対のどちらの立場を取るか(Yes/No問題の場合)や、自分の意見の裏付けとなる理由を先に整理するようにしました。エッセイに書けそうな説得力のある根拠がすぐに出てこない場合は、はじめに思いついた立場や主張とはあえて視点を変えて考えてみるのもおすすめ。自分の考えに100%忠実な内容を書くのが難しければ、主張のサポートとなる理由や例があり、説明しやすい意見・立場を選択するのも一つの手です。

エッセイを書き始めてから適切な理由を挙げられないことに気付き、途中で主張を変えようとすると、大きな時間のロスにつながりかねません。まずは日本語でもいいので、事前に考えをまとめておくのが望ましいでしょう。

英文エッセイの基本構成に沿って書く

「意見を記述する問題」で高スコアを取るには、英語のエッセイライティングの基本型を活用することも重要です。例えば、英文エッセイの構成の一つである「5段落エッセイ」では、下記の順番で意見を展開していきます。

【5段階エッセイの構成】

  1. Introduction
  2. Body 1
  3. Body 2
  4. Body 3
  5. Conclusion

【Introduction(序論)】
エッセイの出だしでは、テーマに対する自分の立場・意見を明らかにします。続いて、“Body1〜3”で述べる理由や例を簡潔にまとめた文を記述します。

【Body(本論)】
自分の意見をサポートする理由・根拠・具体例などを挙げる部分です。5段落エッセイでは基本的に、主張に対する理由を3つの段落(=Body1〜3)に分けて説明していきます。

Bodyの各段落では、一文目に“Topic Sentence”と呼ばれる文を書きます。“Topic Sentence”は、その段落を通して何について述べるのかを示す文です。“Topic Sentence”の後に続けて、理由を裏付ける根拠や、詳細説明、具体例などを挙げていきます。

【Conclusion(結論)】
最後に、“Introduction(序論)”で述べた意見を再度主張します。“Introduction”で書いたものとまったく同じ文章を繰り返すことはできるだけ避け、主張の内容は変えずに他の語句を使って言い換えるのがポイントです。

英文エッセイの型には他にも様々な種類があります。「5段落エッセイ」は構成がシンプルでライティング初心者の方でも真似しやすいので、必要に応じてぜひ活用してみてください。

300〜400語を目安に書く

筆者は、『TOEIC® Speaking & Writing 公式 テストの解説と練習問題』にあるアドバイスを参考にし、最低でも300語以上書くことを目標に作文練習を重ねました。

「意見を記述する問題」の解答時間は30分です。練習では時間を計りながら解答し、30分でどれくらいの語数の文章が書けるかを試してみるとよいでしょう。30分以内に書き終わらなかった場合も、現状の実力を把握するため、タイマーを止めずに最後まで解答してみましょう。

もし、目標の語数に届いていなければ、「理由・具体例をより詳しく説明する」「想定される反対意見を取り入れる」などの対処法がおすすめです。

より高いスコアを目指す場合は、400語程度を目安にして書くと、エッセイにさらに厚みを持たせられます。ただし、「単純に語数を増やせばよい」ということではありません。内容が重複したり、論点からずれたことを記述したりすると、読みにくい文章になってしまう懸念があります。あくまでも文章の質は落とさず、目安となる語数(300〜400語)を目指すのが重要です。

TOEIC S&W本番同様の条件で模試を解く

時間を計りながら模試を一通り解く

仕上げとしては、スピーキングテストの対策時と同様、時間を計りつつ、模試の問題すべてを解く練習を行いました。使用したのは、『TOEIC® Speaking & Writing 公式 テストの解説と練習問題』と『頂上制覇 TOEIC®テスト スピーキング/ライティング 究極の技術(テクニック)』に掲載されているライティング問題です。筆者の場合は、対策に取り組んだ1週間で毎日1〜2回分の模試問題を解きました。

パソコンでのタイピングスピードも鍵

TOEIC S&Wは、試験会場のパソコンを使って受験するので、ライティングテストの解答もキーボードで入力します。時間制限がある中で高スコアを狙うためには、タイピングスピードも一つの鍵です。日本語の入力には慣れていても、英語でのタイピングとなると苦戦してしまうケースも少なくありません。

タイピングスピードが遅い場合、解答時間内に十分な量の英文を打てなかったり、焦りから文法・スペルミスが発生したりして、減点につながる可能性があります。筆者は、1週間毎日パソコンでライティング問題を解き続けたことで、英語のタイピングスピードが向上し、本番でも十分な文量で解答できました。タイピングが苦手な方は、少しでもスムーズに解答ができるよう英語の入力に慣れておくとよいでしょう。

スピーキングテストとライティングテストを連続で受ける心構えを

TOEIC S&Wでは、スピーキングテストの後にライティングテストを受験する流れになっており、2種類のテストを連続で受ける体力と集中力が求められます。試験時間の感覚やどれだけ集中が続くかを確かめるため、受験前に少なくとも一度は、スピーキング・ライティング両方の全問題を通して解いておくことをおすすめします。

まとめ

今回は、筆者がTOEIC S&Wを初受験し、ライティングテストで190点を取得した際に取り組んだ勉強法をご紹介しました。

TOEICライティングテスト対策を通して特に重要だと感じたのは、「型に沿って書くこと」と「毎日書き続けること」です。この繰り返しの練習によって、英文ライティングの基本構成が身につきました。また、試験当日まで毎日書き続けたことで、必要な英語表現がすぐに頭に浮かぶようになり、ライティングスピードも向上したと感じています。実際のテスト環境を想定し、普段からできるだけパソコン上で解答練習をしていたことも本番で役立ちました。

練習問題を解いた後は、サンプルアンサーをよく読んで学習に活かすとより効果的です。「こんな視点からの意見もあるのか」という発見をしたり、使えそうな英語表現を抜粋して自分の解答に加筆したりすることで、書く力をさらに伸ばすことができたと感じます。

TOEIC S&Wの受験を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしながら試験対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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