TOEIC S&Wの問題形式や難易度は?L&R965点ライター初受験の結果

「TOEIC Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC S&W)」という試験をご存知でしょうか?

一般的に「TOEIC」と言うときは、英語のリスニング力とリーディング力を測定する「TOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)」を指す場合が多いですが、実はTOEICにはスピーキング力とライティング力を測定する「TOEIC S&W」も存在します。

TOEIC S&Wをまだ受けたことがない方の中には、テストの問題形式や難易度が気になる方もいるのではないでしょうか。

今回は、TOEIC L&R965点、英検1級を保持する筆者が、TOEIC S&Wに初挑戦してみました。この記事では、TOEIC S&W初受験の感想と結果をお伝えします。

目次

TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)とは?

TOEIC S&Wの正式名称は「TOEIC Speaking & Writing Tests」で、「話す」「書く」という2つの英語力を測定する試験です。TOEIC L&Rでは「聞く」「読む」という英語のインプット能力を測ることができますが、TOEIC S&Wでは、英語のアウトプット能力を測定できます。

TOEIC S&Wは、スピーキングテスト・ライティングテストともに、試験会場に備え付けのパソコンを使用して受験します。TOEIC S&W公開テストは、年間24回開催されています。(※毎月1回、日曜の午前・午後に1回ずつ開催。1日に複数回受験することはできません。)

TOEIC S&W試験の結果は、スピーキングテスト・ライティングテストそれぞれ0〜200点の間で、10点刻みのスコアで表示されます。TOEIC S&W試験における満点は、400点です。

TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)の難易度は?

日本でTOEIC(R) Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が2021年8月に発表したデータ(※)によると、2020年のTOEIC S&Wテストの日本の平均スコアは、スピーキングが114点、ライティングが133点です。(※データの詳細については、TOEIC Speaking & Writing(S&W)2020年国別受験者スコア発表を参照ください。)

また、IIBCの公式サイトには、「TOEIC Speaking & Writing Tests 公式データ・資料」の1つとして、TOEIC L&RとTOEIC S&Wのスコア比較表が掲載されています。TOEIC L&Rを既に受けたことがあれば、スコア比較表を活用して、スピーキング・ライティングの目安スコアを予測できます。

スコア比較表によると、スピーキングテストの日本の平均スコア(110点台)は、TOEIC L&Rでは「535~600点」のスコアレンジに相当します。ライティングテストの日本の平均スコア(130点台)は、TOEIC L&Rでは「625~690点」のスコアレンジにあたります。

筆者が実際にTOEIC S&Wを受けた感想としては、日頃から英語を喋る環境にいないこともあり、TOEIC L&Rよりも難しく感じました。

TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)初受験の結果

筆者が今回、初めてTOEIC S&Wを受験した結果は、スピーキング160点、ライティング190点、合計350点でした。

TOEIC S&W 受験結果

TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)初受験の結果

また、スコアに加えて、スピーキングテストの評価として「Pronunciation Level(発音のレベル)」と「Intonation and Stress Level(イントネーションとアクセントのレベル)」が3段階で表示されます。筆者の結果は、どちらも中間レベルのMEDIUMでした。

TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)の問題形式と構成

TOEIC S&Wは、スピーキング問題11問、ライティング問題8問の合計19問で構成されています。試験の所要時間は、スピーキングテストが約20分、ライティングテストが約60分、全体で約80分です。

※下記、各パートへの取り組み方や感想は、筆者個人のものです。受験の際には、IIBC 公式サイトをご確認ください。また、2021年8月より、Speaking Testの問題形式が一部改訂されています。

TOEICスピーキングテストの問題形式と構成

Read a text aloud(音読問題 2問)

最初の2問は、「音読問題」です。アナウンスや広告などの、短い英文を音読していきます。音読問題では、解答の前に45秒間の準備時間が与えられます。

今回筆者は、準備時間の間に、問題文を声に出して読む練習をしました。一度声に出して読む練習をしておいたことで、解答時にスムーズに読めた感覚があります。文章には難しい構文や文法などは使われておらず、比較的シンプルな文章のように感じました。イントネーションやアクセント、区切り、固有名詞の読み方などに注意して読むよう心がけてみました。

Describe a picture(写真描写問題 1問)※2021年8月以降、2問に変更

次は、「写真描写問題」です。写真を見て、写真の内容を英語で説明します。筆者が今回受験した際(2021年4月)には、写真描写問題は1問で、解答時間は45秒でした。2021年8月以降、写真描写問題は2問に増え、解答時間は各30秒に変更されています。

写真に写っている人物は何人か、どんな服を着ているか、どのような動作をしている最中か、などを述べました。人についての描写以外にも、背景には何があるかなど、写真に写っているものをできるだけ詳しく描写しました。

Respond to questions(応答問題 3問)

続いて、「応答問題」です。身近なトピックについての質問に答えていきます。設問が画面に表示されてから3秒後には解答を始めなければいけないため、聞かれている内容を即座に理解し、素早く反応する力が試されます。

今回の試験では、筆者にとって答えやすいと感じたトピックが出題されたため、比較的スムーズに答えられました。日頃から様々なトピックに対して答える練習を行っておくことが大切だと感じました。

Respond to questions using information provided(提示された情報に基づく応答問題 3問)

「提示された情報に基づく応答問題」です。画面に表示される資料や文書に基づいて、設問に答えていきます。設問は音声のみで、画面には表示されないため、正しく聞き取るリスニング力が必要です。加えて、提示されている英文情報の中から答えを素早く探し出さなければならないため、リーディングスキルも求められます。

ナレーターによる英語音声が流れる前に、資料・文書を確認する45秒間の準備時間が与えられます。筆者はその間に、資料・文書の英文情報を一通り声に出して読んでおくようにしました。情報には、固有名詞が含まれることもあるので、解答の際に上手く読めるように準備しておくことがコツだと感じました。

Propose a solution(解決策を提案する問題 1問)※2021年8月以降、0問

「解決策を提案する問題」です。2021年8月以降のテストでは、「解決策を提案する問題」は廃止されています。

問題を提示するメッセージなどを聞いて、相手の問題を理解し、問題に対する解決策を提案します。音声は約1分間と長めで、音声の内容を細部まで正確に理解する必要があるため、高いリスニング力が求められます。

音声を聞いたあとに45秒間の準備時間が与えられます。準備時間の間に、相手が抱える問題を頭の中で整理し、問題に対する解決策を2つ考えるようにしました。準備段階では文章は作らず、話すポイントや使うキーワードなどを思い浮かべておくようにしました。

Express an opinion(意見を述べる問題 1問)

「意見を述べる問題」です。あるテーマについて、自分の意見を理由と共に述べていきます。設問を正しく理解し、理由や具体例と共に、自分の意見を理論立てて述べる力が必要です。

30秒の準備時間が与えられるので、その間に自分の意見を決め、説得力のある理由や具体例を考えるようにしました。回答時には「自分の主張→理由→具体例→結論」という構成で話すようにしました。

TOEICライティングテストの問題形式と構成

Write a sentence based on a picture(写真描写問題 5問)

最初の5問は、「写真描写問題」です。画面に表示される2つの語(句)を適切に使い、写真の内容に合う1つの英文を書きます。5問を8分以内に回答しなければならないので、1問あたり約90秒以内に文を作る必要があります。

まず2つの語(句)を、主語・動詞・それ以外のどこで使うかを決めてから、英文の作成に取り掛かるようにしました。5問全て解答し終えたら、冠詞の抜けなどのミスがないか見直しをしました。また、複雑で長い文は避けて、シンプルで正しい文章を書くように心がけました。

Respond to a written request(Eメール作成問題 2問)

続く2問は、「Eメール作成問題」です。Eメールを読み、問題の指示に沿って返信を書いていきます。指示は問題によって異なりますが、情報・質問・提案などをEメールに含めるよう指示されます。ライティング力だけでなく、Eメールの内容を素早く正確に理解できるリーディング力も求められます。解答時間は、1問につき10分です。

Eメールとして適切な構成で文章を作ることと、なるべく簡潔にまとめて読みやすい英文にすることを心がけました。また、1問あたり8分程度でEメールを書き終え、解答時間の残り2分は、見直しに充てるようにしました。

Write an opinion essay(意見を記述する問題 1問)

最後の1問は、「意見を記述する問題」です。提示されたテーマに対し、自分の意見を記述します。解答時間は30分です。

構成は、スピーキングの「意見を述べる問題」と同じように、「自分の主張→理由→具体例→結論」という順で書いていきました。300語以上を目標に書きましたが、ただ多く書くことだけに気を取られると、話が逸れてしまったり無駄な記述をしたりする懸念があります。読み手にとって分かりづらい文章にならないように気をつけながら、書き進めました。

TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)を受験してみた感想まとめ

スピーキングテストには、スピーキング力だけでなく、リスニング力やリーディング力が必要な問題もありました。そのため、TOEIC S&Wは、「話す」「書く」だけでなく、英語の4技能が求められる試験であると言えます。個人的には、ライティングテストよりも、スピーキングテストの方が難しく感じました。特に、「解決策を提案する問題(※2021年8月以降のテストでは廃止)」や「意見を述べる問題」では、解決策や意見を裏付ける理由を考えるのに、少し手間取ってしまいました。

また、ライティングテストでは、パソコン画面にタイピングしていくので、英語でのタイピングに不慣れな場合は、素早くタイピングする練習をしておく必要があると感じました。解答時には、時間配分に気をつけながら書き、見直しの時間を残すことも大切です。

筆者は今回の受験に向けて、問題集やオンライン英会話を活用しながら、1ヶ月間集中して試験対策を行ってみました。対策する過程で、試験問題に答えるための力だけでなく、本質的な英会話力が向上した実感がありました。

今回は初めてのTOEIC S&W受験だったため、もう少し低いスコアが出るのではと考えていましたが、思っていたよりも高いスコアを出すことができて嬉しかったです。スピーキングテストでは、より高いスコアを目指したいので、今後さらに対策を行ってTOEIC S&Wに再チャレンジしてみたいと思います。

TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)で英語運用力を測定してみよう

英語の運用力を高めるためには、「読む」「聞く」力だけではなく、「話す」「書く」力を伸ばすことも必須です。TOEIC S&Wでは、TOEIC L&Rでは測られない、「話す」「書く」力を測定できます。TOEIC L&Rで既に目標スコアを取得した方や、英語のアウトプット力を伸ばしたいと考えている方は、TOEIC S&Wを受験して、現在の英語運用力を測定してみてはいかがでしょうか。

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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