【TOEIC S&W対策】初受験でスピーキング160点を取得した勉強法とは?

「TOEIC Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC S&W)」は、スピーキングテストとライティングテストの2つで構成されている英語力測定試験です。

今回、「TOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)」で965点を取得している筆者がTOEIC S&Wに初めて挑戦。結果はスピーキングが160点、ライティングが190点(いずれも200点満点)の合計350点でした。(問題形式の詳細や平均スコアなどについては、『TOEIC S&Wの問題形式や難易度は?L&R965点ライター初受験の結果』を参照してください。)

この記事では、TOEIC S&W初受験に向けて筆者が行った、スピーキングテストの対策方法についてお話していきます。主なステップは、「試験の全体像を把握する」「問題形式別の対策に取り組む」「本番同様の条件で模試を解く」の3つで、対策期間は約1ヶ月間です。

TOEIC S&W 勉強法 – スピーキング編 – 目次

1. TOEIC S&Wの全体像を把握する

まずは、TOEIC S&Wのウェブサイトにある「テストの形式と構成」のページを確認し、試験の全体像を把握することからスタートしました。初めての試験に挑む際、筆者はテストの問題構成や形式のチェックから始めるようにしています。

とはいえ、実際に問題を解いてみなければなかなかイメージが掴みにくいものです。そのため、試験の内容をおおまかに把握した後は、早速問題を解く段階へと移行しました。

2. TOEIC S&Wの問題形式別対策に取り組む

テストの形式と構成を確認後、教材を使って問題形式ごとの対策を行いました。使用教材は、『頂上制覇 TOEIC®テスト スピーキング/ライティング 究極の技術(テクニック)』です。

※下記の対策や感想は、筆者個人のものです。受験の際には、IIBC公式サイトをご確認ください。

「音読問題」の対策方法

自然な英語で分かりやすく読むことを意識

スピーキングテストの最初で出題される「音読問題」では、画面に表示される英文を読み上げていきます。出題される文章の種類は、広告、天気予報、スピーチ、紹介文など多岐にわたります。

「音読問題」でハイスコアを取るためには「英語の文章を聞き手にとって分かりやすく読む力」が重要です。そのためには、正しいアクセントや発音はもちろん、文章中の適切な箇所で自然な間を設けたり、抑揚をはっきりさせたりするなど、様々なポイントに注意しながら英文を読む必要があります。

オーバーラッピングで繰り返し練習する

筆者は「問題文を音読する→模範解答の音声を聞いて自分の読み方との違いを確認する→オーバーラッピングで繰り返し練習する」という順番で対策を行いました。オーバーラッピングとは、流れる英語音声のスピードに合わせて同時に発音するトレーニングのことです。

今回使用した教材では、音読問題のモデル音声のスクリプトに、上げ調子・下げ調子で読む部分など、発音のコツが記号で示されています。スクリプト上の情報を参考に、リズム、イントネーションの上げ下げ、間の取り方、強弱の付け方を特に意識しながら、お手本と同じように音読できるまでオーバーラッピングを繰り返しました。

準備時間をフル活用する

「音読問題」では、話し始める前の45秒間の準備時間を上手く活用することもポイントとなります。具体的には、実際に英文を声に出して読み上げるのがおすすめです。スムーズに読めない箇所があれば、その部分だけ繰り返し練習しておくと良いでしょう。また、文章の中で語が並列関係になっている部分、複数の単語で一つの意味を成している熟語などをチェックしておくと、より自然なリズム・イントネーションで音読しやすくなります。

「写真描写問題」の対策方法

TOEIC L&R Part1の問題を活用する

「写真描写問題」は、提示された写真の情景などを英語で説明する問題です。対策としては、教材に掲載されている写真を見て、短い文章をできるだけ多く・素早く作る練習を行いました。この段階では、解答時間の制限は設けずに、色々な写真を使って作れる文章のバリエーションを増やすことを意識しました。

また、TOEIC S&Wの「写真描写問題」の題材は、TOEIC L&R Part1のリスニング問題で登場する写真と類似しています。そこで、TOEIC L&RのPart1で使われている設問の選択肢に目を通し、使えそうな表現や単語を見つけたらノートにまとめて暗唱するという方法にも取り組みました。

スキマ時間を使ってできる対策も

さらに、いつでも・どこでも取り組める対策として「目の前の光景を英語で描写する」こともしました。例えば、駅で人を待っている時、病院の待合室にいる時、デパートに買い物に来ている時など、「写真描写問題」で登場しそうなシーンは日常生活の中に多くあります。スキマ時間を活用でき、声を出さずに頭の中だけで英語を思い浮かべるだけでも練習になるので大変おすすめです。

「応答問題」の対策方法

一つの質問に対して複数の答え方を考える

「応答問題」では、身近なテーマや自分自身に関する事柄について問われます。質問が読まれた後の準備時間は設けられていないことから、即座に解答する瞬発力が必要です。そのため、どのようなテーマが出題されても対応できるよう、様々なトピックの質問に答える練習をしておきました。

『頂上制覇 TOEIC® テスト スピーキング/ライティング 究極の技術(テクニック)』には、「応答問題」の対策としてテーマ別の予想問題が豊富に掲載されています。問題に一通り取り組んだ後、スムーズに解答できなかった質問に関しては素早く応答できるようになるまで繰り返し練習しました。

もちろん、本番の試験で全く同じ問題が出題されるとは限らないので、解答をひたすら丸暗記するのはあまりおすすめできません。練習したことがない質問に対してもスムーズに答える力をつけるために、一つの質問に対して複数の答え方を用意するトレーニングをしたことも効果的だったと感じます。

「提示された情報に基づく応答問題」の対策方法

資料から必要な情報を素早く読み取る

スケジュールなどの提示された資料をもとに、電話での問い合わせに答える設定の問題です。質問に対して的確に答えるスキルに加え、資料の内容を制限時間内に素早く読み解くリーディング力も求められます。

筆者はいくつか問題を解いていく中で、まずは英語の資料に慣れることを意識しました。練習を重ねるうちに、資料の全体像を手早くつかめるようになった実感がありました。

資料の内容を一語一句読んでいると時間が不足してしまうので、「何の資料なのか」「どこに何の情報が書かれているのか」の2点をざっと把握することを最優先とし、余った時間で詳細を読み解くようにしました。

電話でやり取りする際の自然な話し方を意識

また、提示された資料に書かれていることをそのまま読み上げるのではなく、表現を置き換えるなどして自然な口語で説明する練習にも取り組みました。この練習を質問の答えとなる部分だけでなく、資料全体の内容に対して行うことで、様々な質問に答える応用力が身についたと感じます。

「電話での問い合わせに答える」という設定も踏まえて、人と電話で会話している状況を思い浮かべながら自然な話し方で質問に答える練習を重ねました。

「意見を述べる問題」の対策方法

準備時間を使ってキーワードを整理する

与えられた質問に対し、自分の意見を理由と共に述べる問題です。「応答問題」と同様に多彩なテーマが取り扱われるため、やはり日頃から幅広いトピックの質問に答える練習をしておくことが大事だと感じました。

この問題でハイスコアを狙うには、自分の意見をサポートするための説得力のある理由や具体例を述べる必要があります。30秒の準備時間をフル活用し、解答を始める前に論点を整理しておくと落ち着いて話せるでしょう。話す内容を文章化しようとすると準備時間があっという間に過ぎてしまうので、あくまでもキーワードだけを頭の中で並べておくようにしました。

事前に話の構成を決めておく

話す際の構成をある程度決めておくことも有効です。筆者の場合は、「結論を述べる→理由や例を2つ挙げる→(時間があれば)最後にもう一度結論を述べて締めくくる」という流れを基本型としました。このような構成に沿って、色々な問題に答える練習をしておくと良いでしょう。

解答時間は60秒ですが、話しているうちに思ったよりも早く制限時間が来てしまう場合があります。実際、筆者が試験に向けて練習を開始した当初は、時間内に最後まで話し終えられないことが多くありました。この課題を克服するために、それぞれの構成部分にどれくらい時間を割くかを決めた上で、時間配分に注意しながら解答する練習を繰り返し行いました。

3. TOEIC S&W本番同様の条件で模試を解く

問題別の練習を重ねたら、今度は模試形式で時間を計りつつ、全問題を通して解答する練習を行いました。使用した教材は『TOEIC® Speaking & Writing 公式 テストの解説と練習問題』です。模試に取り組むにあたって、本番の試験を受けているつもりで緊張感を持って解答することを心がけました。

また、韓国におけるTOEIC実施機関の「YBM」が提供している「YBM TOEIC® Speaking」という無料アプリも活用しました。TOEICスピーキングテストではパソコン画面に表示される指示に従って音声を吹き込んでいくので、アプリ上で本番さながらの画面を操作して問題を解くことで試験のイメージをつかみやすくなります。

模試をいくつか解いていくと、自分の苦手な問題や上手く答えられない分野が浮き彫りになってきます。筆者の場合は、特に「写真描写問題」と「意見を述べる問題」が苦手だと分かったので、それらを重点的に繰り返し解く練習をしました。

4. オンライン英会話の活用もおすすめ

筆者は、英語の四技能(読む・聞く・話す・書く)の中でも、特にスピーキングには苦手意識があります。そのため、上記で紹介した教材を使った学習に加え、オンライン英会話を活用した対策も念入りに行いました。

スピーキングテスト対策では、自分自身の解答に対する客観的な評価を得ることが非常に役立ちます。オンライン英会話のレッスンで講師からフィードバックをもらい、改善のためのアドバイスをどんどん取り入れていくことで、解答のクオリティが上がったと感じます。TOEIC S&W用の対策コースが用意されているオンライン英会話もあるので、試験直前の強化対策として取り入れると効果的です。

5. まとめ

今回は、筆者がTOEIC S&Wを初受験し、スピーキングで160点を取得した際に行った対策方法をご紹介しました。

TOEICスピーキングテストには5種類の問題があります。初めて対策に取り組む際には、まずそれぞれの問題形式に慣れ親しむことから始めるのが良いでしょう。また、問題形式ごとに準備時間と解答時間がそれぞれ異なるので、時間を計りながら繰り返し解答練習をし、時間配分の感覚を身に付けておくのも重要だと感じました。

TOEIC S&Wの受験を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしながら試験対策にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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