TOEIC対策といえば「まずは問題集を解くことから」と説かれることが少なくないようです。ただ、「どうやって解くのがいいのだろう?」「初心者でも本番通りに解くべき?」など具体的な取り組み方に迷う方は多いのではないでしょうか。
問題集のおすすめ活用方法は「今までTOEICを受けたことがあるか」、受けたことがある場合は「どれくらいのスコアを持っているか」によって少しずつ異なります。
今回は、TOEICの公式問題集(※)をはじめとした、模試形式のTOEIC問題集の効果的な活用法を、英語力別に伝授していきたいと思います。
※公式問題集:TOEICのテストを開発したETS(Educational Testing Service)が制作している「公式TOEIC Listening & Reading問題集」
英語力別 効果の高いTOEIC問題集活用法
TOEIC初受験 〜 500点台の場合
TOEICをまだ一度も受けたことがない場合、模試をまず解いてみるべきか、それとも他の教材にある程度取り組んでから模試を解いてみるべきか、という点に迷う方もいるかと思います。
おすすめは、まずは模試を解いてみることです。初めてのTOEIC試験受験までに時間がない場合も、一度本番を想定して模試を解いた経験を持っておいた方が、落ち着いて試験を受けられるはずです。現時点での実力を測るという意味でもとにかく一度模試を解いてみてください。
TOEICの問題をまだ解いたことがない場合は、まずTOEICにはどんな問題が出るのかを知り、問題に慣れていくことが必要なので、時間制限は気にし過ぎずに一通り解いてみましょう。
最初は試験の時間通りに解き終えることができない方もいるかもしれませんが、自分の力を測るためにも、問題を解く際はタイマーを設定しておき、規定の時間内にどこまで解けたか記録しておくと、現状のレベルで本番試験を受けた場合はどのくらいスコアが取れそうか目安を知ることができます。
TOEIC初心者の場合は、きちんと精度の高い復習方法が行えていれば、模試1回分を復習するのにも結構な時間がかかってくるはずです。何冊もの問題集に手をつけるよりはまずは1冊、最初の試験受験までに時間がある場合は追加でもう1冊程度にとどめておき、次回の記事「TOEIC問題集は解いた後が大切!得点につなげる正しい復習法とは?」でご紹介するおすすめ復習法を用いながら、1冊1冊を丁寧に繰り返しやりこむのがおすすめです。
中級者(600点 〜 700点台)の場合
すでに今までTOEIC試験を受験したことがある方や、600点〜700点台のスコアを持つ中級者の場合は、時間を計って試験本番通りに、時間内にできるだけ解き終えることを目標として模試を解いてみましょう。
このレンジの方の課題は多くの場合、「リーディングセクションを時間内に解き終えられない」ことや「パート3・4の点数が伸びない」ことです。模試形式の問題集を活用して、これらの課題クリアを目指していきましょう。
リーディングセクションの問題を時間内に全て解き終えるには、パート5を10分以内、パート6を8分以内に解き終えて、パート7にできるだけ多くの時間を残すことを目指す必要があります。この時間配分を意識しながら模試を解きます。各パートを解き終えるごとにタイマーを一旦止めて、どのくらい時間がかかったかメモに残しておくと、どこに時間をかけすぎているか分析することができるのでぜひ実践してみてください。
また、パート3・4に関しては、問題集を使って本番想定で解きながら「設問の先読み」を練習しましょう。設問を先読みすることで、これから流れる音声のうち、どんな部分の情報を注意して聞き取る必要があるのかを事前に把握しておくことができます。TOEIC中級者ではまだ先読みを上手くできるようになっていない人も多く、先読みのテクニックを駆使できるようになることで、パート3・4のスコアがかなり上がる人もいます。先読みは、本番で初めて行ってみてもうまく行えないことが多く、普段から練習を積んでおく必要があります。模試を何回も解いて先読みを行うことに慣れておくのがおすすめです。
600点〜700点台は、ある程度の問題数に当たってTOEICの問題パターンをより多く習得しつつ、本番の時間配分を想定した解き方を行っていく必要のあるレンジなので、模試形式の問題集を3冊ほどこなすことを目標にするとよいでしょう。
上級者(800点 〜 900点台)の場合
すでに800点〜900点台のスコアを持っていて、更なるスコアアップを目指す人の場合は、ありとあらゆるTOEIC問題のパターンを知っている必要があるので、たくさんの問題に取り組む必要性があります。このスコアレンジにいる上級者には、公式問題集より少し難易度が高めとされている「TOEICテスト 新形式精選模試」を使用するのもおすすめです。
上級者の場合、たくさんの問題に取り組むことも必要となってくる一方で、900点後半や満点を本気で目指すのであれば、同じ模試を全通しで何回も本番試験通りに解く、ということも行うのが理想です。
「一度解いたことのある模試を何回も解き直した方がいいのか?」「間違えた問題だけ復習する方が効率良いのでは?」と疑問に感じている方もいるかもしれませんが、間違えた問題だけを復習するのは効率が良い反面、楽な学習になってしまうという弱点があります。
TOEICの試験は2時間という長丁場です。900点レベルを狙うのであれば、本番では集中力を一切絶やさず2時間をめいっぱい有効に使って、200問を解き終えなければなりません。この集中力をつけるためには、日頃から2時間で200問を解き終える練習を積み重ねておく必要があります。
すでに問題を解いて復習まで行なったことのある模試であっても、正解した問題も含めてもう一度時間を計って全問通しで解き直し、時間内に全問正解できるか試してみるのがおすすめです。何度でも繰り返し同じ模試を本番通りに解いて、ペース配分感覚を磨き、集中力を鍛えて本番に強くなることを目指しましょう。
また、TOEICで900点台に到達するには、苦手パートをなくすことがとても重要です。模試を複数回分解いていく中で足を引っ張っている苦手パートや分野が見つかったら、そのパート・分野を鍛えることのできる教材に取り組んで、苦手攻略に徹するのがおすすめです。例えば、パート5と6が弱い場合は、「TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6」に取り組むことをおすすめします。
また、「厳選!TOEICで900点を超えるためにおすすめの教材6選」では、900点超えを目指している人に向けたおすすめTOEIC教材をいくつか紹介しています。模試形式の問題集だけでなく、自身の課題に合わせて各分野に特化した教材に取り組むと効果的なのでぜひ参考にしてみてください。
TOEIC問題集の徹底活用には「問題を解いた後の復習が重要」!
この記事では、英語力別におすすめの問題集活用法の全体像や、問題を解く段階のポイントを中心に、お伝えしてきました。しかし実は、模試形式の問題集を本格的に活用するにあたって重視するべきなのは、問題を解くこと自体よりも、解いた後の復習段階です。問題を解いて採点しておわりではなく、「なぜ間違えたかを分析する→自分の弱点を理解する→改善するためのトレーニングを行う」ここまで落とし込んで行うことで、模試形式の問題集を最大限に活用したTOEIC対策を行うことができます。
問題を解いた後の詳しい活用法や、復習の具体的な方法については次回「TOEIC問題集は解いた後が大切!得点につなげる正しい復習法とは?」で説明しますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
いかがでしたか。今回は、TOEIC問題集の活用法について、英語力別に効果の高い方法をお伝えしてきました。
初心者の場合はまず模試に取り組み、TOEIC の問題を知ることから始めるのがおすすめです。時間制限なしで一通り最後まで解いて、現状での実力がどのくらいかを知っておきましょう。
中級者の場合は、TOEICの問題パターンをさらに多く習得するということを主な目的にしつつ、先読みや時間配分の感覚を徹底的に身につけることも目指し、本番を想定して解く練習を繰り返すという活用法がおすすめです。
上級者は一度解いた問題集も通しで繰り返し解き直し、苦手パートを潰すことに徹すると良いでしょう。
【関連ページ】TOEIC問題集は解いた後が大切!得点につなげる正しい復習法とは?
【関連ページ】TOEICのスコアアップに有効なパート別おすすめの学習法
【関連ページ】厳選!TOEICで900点を超えるためにおすすめの教材6選
佐藤 千嘉
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