5大英語試験を徹底比較 – 最適なテストを選ぶためのガイド

英語学習の一環として多くの人が挑戦している英語力試験。日本ですでに広く知られているものから、まだあまり知名度が高くないものまで、さまざまな種類のテストや検定が存在しますが、これまでにどんな試験を受けたことがありますか?

この記事では、TOEIC、英検、IELTS、TOEFL、ケンブリッジ英検の5つの主要試験を比較し、それぞれの特徴を紹介します。

今まであまり馴染みがなかった試験にも目を向け、実際にチャレンジしてみることで、自分の英語力に関する新たな課題や強みが見つかるかもしれません。

目次

※記事内の情報は、2023年12月調査時点のものです。

TOEIC、英検、IELTS、TOEFL、ケンブリッジ英検を一覧表で比較

まずは、5大英語試験の全体像をつかむため、それぞれのテストを5つの項目(試験科目、試験形式、受験料、評価方法、スコア・資格の有効期間)で比較した下記の表をご覧ください。

作成:English Hub編集部

※受験料は、級やグレード、試験形式、受験会場によって異なる場合があります。
※英検の検定料は、2024年度以降の改定後料金を記載しています。
※TOEICスコアの有効期限は設定されていませんが、公式認定証の再発行期限は試験日から2年以内となっています。

5大英語試験の概要と特徴

ここからは、各英語試験の特徴を詳しく紹介していきます。

TOEIC

  • 年間受験者200万人以上の試験規模
  • 英語力の定期チェックとして繰り返し受験する人も

年間受験者200万人以上の試験規模

TOEICが日本で初めて実施されたのは、今から40年以上前の1979年です。第1回の受験者数は3,000人ほどでしたが、徐々に認知度を高めていき、直近の2022年度では210万人以上(TOEIC Program全体)が受験する英語テストにまで成長しました。

参考までに、日本でよく知られているその他の有名試験の志願者数は、大学入学共通テストが約53万人(2022年度)、日商簿記検定試験は年間通算およそ51万人(2022年度)です。年間の試験実施回数などに違いはあるものの、これらの試験データと比べてみると、TOEICの受験者数の多さがよくわかります。

※参照:IIBC|TOEIC® Programの歴史大学入試センター|志願者数・受験者数等の推移日本商工会議所|日商簿記検定試験 受験者データ

英語力の定期チェックとして繰り返し受験する人も

TOEIC Programには、下記の通り4種類の試験があります。なかでも人気が高いのがTOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)で、全体の受験者のうち9割以上がTOEIC L&Rを選択しています。

  • TOEIC Listening & Reading Test
  • TOEIC Speaking & Writing Tests
  • TOEIC Bridge Listening & Reading Tests
  • TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests
  • ※TOEIC Speaking & Writing Testsでは、スピーキングテスト単体での受験も可能

TOEIC運営団体のIIBCが2022年度に実施したアンケートによると、日本の回答者のうち、76%の人が過去にもTOEIC L&Rの受験経験があると答えています。より高いスコアや複数回の満点取得を目指し、何度も定期的に受験したり、趣味の一つとしてテストへの挑戦を続けたりしている人が多いのは、TOEICに特に顕著な傾向かもしれません。

5点刻みの点数の上下によって感じる悔しさや達成感、リスニング、リーディングの2科目のみという試験対策への取り組みやすさ、TOEICスコアを英語力の評価指標としている企業が多いなどの理由から、TOEIC L&Rは日本の英語学習者の間で幅広く活用されています。

英検(実用英語技能検定)

  • 志願者数の約8割が子ども世代
  • 英語の専門性のアピール材料としても使える1級

志願者数の約8割が子ども世代

英検(実用英語技能検定)は、1963年に文部科学省の後援を受けて創設されました。英検の志願者数は年間420万人以上(2022年度)と、TOEIC Programを上回る規模ですが、そのうちおよそ8割が未就学児・小中高・高専生の子ども世代である点が特徴的です。

2023年9月には、準2級と2級の間のレベルにあたる級の新設(2025年度より開始予定)が発表され、話題を呼びました。英検に新たな級が追加されるのは、1994年の準2級の新設以来、31年ぶりのことです。

英検には、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の7つのレベルがあり、取得したスコアが受験級の合格基準を満たしているかによって合否が判定されます。2021年からはコンピューター形式の試験が英検S-CBTに統一され、従来型の筆記形式では別日に行うスピーキング試験を含めた4技能の受験を一日で完結することも可能となりました。

※参照:公益財団法人 日本英語検定協会|受験の状況

英語の専門性のアピール材料としても使える1級

子ども世代の受験者が多い英検ですが、試験そのものが子ども向けとして設計されている訳ではありません。特に最難関の1級は、その難易度の高さから資格の希少性を求めて試験に挑戦する大人の英語学習者も多くいます。

英検1級合格のために習得すべき語彙数は、10,000~15,000語程度といわれています。小・中・高校を通じて学ぶ英単語の数が合計4,000~5,000語であることを踏まえると、そこからさらに2~3倍以上の語彙の積み重ねが必要です。また、4技能すべてのスキルが試される英検では、英語を読む・聞く力だけでなく、話す・書く力も満遍なく鍛えなければなりません。

英検1級は、英語教員・講師など、語学力を活かす仕事に携わる人たちが専門性をアピールする際にも使える難関資格としても知られています。

IELTS(アイエルツ)

  • 各国政府・教育機関における英語力審査での活用
  • コミュニケーションの実態により近い形式のスピーキングテスト

各国政府・教育機関における英語力審査での活用

IELTS(アイエルツ)は、1980年に始まった英語試験で、British Council、IDP Education、Cambridge Englishの3団体によって共同所有されています。日本国内における知名度はまだ伸びしろが大きい一方、世界的にはすでに高い認知度を持つグローバルな試験です。

IELTSは、海外大学・大学院留学時や、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドへの移住申請時の英語力審査にも使われており、各国政府と教育機関が認める試験品質・信頼性の高さが特徴です。

IELTSの試験結果は、バンドスコアと呼ばれる1~9までの0.5ポイント刻みの数値で表されます。問題を解く際のテクニックのみでスコアが向上するケースは考えにくく、自らの力量が如実に反映されやすい分、挑戦しがいのある試験ともいえます。本質的な英語力を測る4技能テストとして、IELTSは今後日本でもさらに注目度が高まっていくでしょう。

コミュニケーションの実態により近い形式のスピーキングテスト

筆記テストと並び、コンピューターを使用した試験も一般的になりつつある中、IELTSのスピーキングテストは試験官と1対1での面接形式を保ち続けています。その背景には、実際のコミュニケーションの場面により近い形でスピーキング力を測ろうとする意図があります。

日常生活で英語を使う際、相手の話が聞き取れなければ、自分から確認のための質問をしたり、もう一度相手に言い直してもらったりするのはごく自然なことです。

IELTSのスピーキングテストでの対応も同様で、試験だからといって「一度聞き逃してしまったら終わり」ということはありません。試験官は、必要に応じて質問を繰り返す、言葉を言い換えるなど、受験生が本来持っている力を発揮するための対応を行います。このような柔軟性の高さは、人間を相手としてスピーキング力を試すテスト形式だからこそのメリットです。

TOEFL

  • アカデミックな場面での英語使用を想定
  • 複数の技能を組み合わせた統合型タスク

アカデミックな場面での英語使用を想定

TOEFL(トーフル)は、TOEIC Programの開発元でもあるアメリカ発祥の非営利教育団体ETS(Educational Testing Service)が手掛ける英語試験です。日本では1981年に事務局が立ち上げられ、筆記形式のペーパー版テスト、TOEFL PBTの提供がスタートしました。

ペーパー版のTOEFL PBTは2017年に全世界で廃止され、現在ではコンピューターを使用してすべての科目を受験するTOEFL iBTが主流となっています。TOEFL iBTのスピーキングテストは、マイク付きのヘッドセットを着用し、設問に対する回答を吹き込む形式です。

TOEFL iBTの試験内容は、大学・大学院でのレクチャーなどを想定して作られており、どの科目でも主にアカデミックな場面での英語運用能力が試されます。英語圏をはじめとする世界12,000以上の機関での活用実績があるTOEFLスコアは、「英語で学ぶ力」の証明として高い認知度を有します。

※参照:ETS Japan|TOEFL®テストの歴史

複数の技能を組み合わせた統合型タスク

TOEFL iBTの試験科目は、4つの技能別に分かれていますが、なかでもスピーキングとライティングセクションで出題されるintegrated task(統合型タスク)が特徴的です。

具体的には、短いパッセージのリーディングやトピックに関連する音声のリスニングの後に、問題の指示に従ってそれぞれライティング、スピーキングでのアウトプットを行います。

試験で出題されるタスクは、実際に英語を使って海外で学ぶ際のシチュエーションと共通する点が多く、TOEFL iBTの試験対策や受験経験が、留学生活の下準備としても役立つでしょう。

ケンブリッジ英検(Cambridge English Qualifications)

  • 取得したグレードは生涯有効
  • 受験者同士がペアになって行うスピーキング試験

取得したグレードは生涯有効

ケンブリッジ英検(Cambridge English Qualifications)は、ヨーロッパを中心に世界で広く認知されている英語検定試験です。A2 Key(KET)、B1 Preliminary(PET)、B2 First(FCE)、C1 Advanced(CAE)、C2 Proficiency(CPE)の5つのグレードがあり、それぞれが語学力の国際指標であるCEFR(セファール)に対応しています。

ケンブリッジ英検で使われている「スケール」というスコアの尺度は、すべてのグレードにおいて共通です。試験後は、スケールを用いて表される技能別スコアと総合スコアに加え、対応するCEFRレベル、受験したグレードの基準を満たしているかどうかを示した評価を受け取ります。

ケンブリッジ英検のグレードには有効期限がないため、一度取得したものは期間を問わず英語力の証明として活用可能です。

受験者同士がペアになって行うスピーキング試験

グレードごとのケンブリッジ英検の試験科目は、下記の通りです。

  • A2 Key、B1 Preliminary
    リーディング&ライティング、リスニング、スピーキング
  • B2 First、C1 Advanced、C2 Proficiency
    リーディング&文法・語彙、ライティング、リスニング、スピーキング

ケンブリッジ英検のスピーキングセクションは、試験官を前に受験者2名がペアとなって行う対面形式の試験です。同様に対人のスピーキング面接がある英検とIELTSでは、いずれも個人面接を採用しており、ケンブリッジ英検のように受験者同士が二人一組で受けるテストは珍しい形式といえます。

受験グレードによっては、ディスカッションやお互いの意見を聞いた上で意思決定をするといったタスクが課されるため、英語を話す際の文法・語彙力に加え、話し合いを持続させる力や交渉スキルも求められます。

まとめ

新たに挑戦してみたい英語試験は見つかりましたか?

特に「これまでは知名度の高いTOEIC L&Rしか受けたことがなかった」という方は、TOEIC S&Wやその他の4技能試験にトライしてみると、スピーキング・ライティングのアウトプット力も含めた英語スキルの総合強化により意識を向けられるはずです。

理想とする英語力に効率よく到達するために、自分の目的に合う英語試験を学習の中に上手く取り入れていきましょう。

【関連ページ】英語試験における障がいのある方向けの配慮まとめ(英検・TOEIC・IELTS・TOEFL iBTほか)

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English Hub 編集部

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