TOEIC L&Rテスト(以下、TOEIC)はPart1からPart7までの全7パートで構成されています。苦手なパートは分かっているものの、そのパートを克服するためにはどのような学習を行ったらよいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか?そこで、今回はTOEICのスコアアップに有効なおすすめの学習法をパート別にご紹介したいと思います。
1.Part1の学習法
Part1は、写真をみて描写の説明として適切な物を選ぶ問題です。
Part1にはrailing(手すり)などPart1以外にはあまり出てこない特有の単語が多く出てきます。casting a shadow(影を落としている) やleaning against~(~に寄りかかっている)などといった特定の頻出表現があります。こういったPart1特有の単語や頻出表現をしっかり覚えておきましょう。
問題を解いた後は、まずはスクリプトを確認する前にディクテーションを行いましょう。スクリプトを確認し、どの部分がなぜ聞き取れなかったのかを確認します。その後一度スクリプトを閉じて、ディクテーションを行います。
問題を解いたとき正解できた問題に関しても、細部まで正しく聞きとれているかを確認するために選択肢を1つ1つディクテーションすることをおすすめします。
ディクテーションが終わったら、次はシャドーイングを行いましょう。シャドーイングが難しい場合は、オーバーラッピングを先に行なってからシャドーイングを行なってみましょう。
ディクテーションやオーバーラッピング、シャドーイングのやり方の詳しい説明は、「TOEFL iBTのリスニングスコアアップに効果的なおすすめ学習法4選」の記事でご説明しています。
2.Part2の学習法
Part2は、疑問文に対しての適切な回答を選ぶ問題です。選択肢のみが問題用紙に印字されています。
Part1同様に、問題を解いたら音声のディクテーションを行いましょう。Part2では特にWhereやWhenなどの5W1Hを確実に聞き取ることに神経を集中させて聞き取りましょう。疑問詞を確実に聞き取ることができないと、正しい選択肢を選ぶことができません。スクリプトと照らし合わせて、間違って書き取っていたものはもう一度音声を再生し、正しく聞き取れるまで繰り返し音声を聞きましょう。
Part1同様にディクテーションが出来たらシャドーイングを行いましょう。
3.Part3とPart4の学習法
Part3は、2人または3人の会話を聞いた後、会話の内容に関する設問に答える問題です。Part4は、1人によるナレーションやアナウンスなどを聞いて、内容に関する設問に答える問題です。
Part3とPart4の音声はPart1やPart2より長い文章になり、質問と選択肢が全て問題用紙に記載されています。ナレーションで問題が読み上げられている時間を使って、次の問題の設問の先読みを行うことが有効です。先読みを行うことで、どの情報に集中して聞き取ればよいのかを事前に把握することが可能です。普段の学習からPart3,Part4の問題では先読みを行うトレーニングを行っておくとよいでしょう。
問題を解いたら音声の英文スクリプトを精読します。この時によく意味が定かでない英文のチャンクや、単語にアンダーラインを引いておくとよいです。和訳と意味を照らし合わせて内容を理解し、疑問点を解消しましょう。
Part3やPart4のような長い音声に対しては、シャドーイングが最も効果的なトレーニングとなります。ディクテーションはPart1、2のような短い文章に対して有効なトレーニングで、Part3、4に関しても効果的ですが、文章が長いためディクテーションを繰り返し行うと時間がかかってしまいます。1度のディクテーションの時間でシャドーイングが何回かできてしまうので、Part3、4の対策としてはシャドーイングを繰り返し行うことをおすすめします。
4.Part5の学習法
Part5からはリーディングセクションに入り、短い短文の中の空所に当てはまるものを選ぶ問題です。Part5では、語彙力と文法知識が求められます。TOEICの問題を解いて分からない単語が多い方は、TOEIC用の単語帳を一冊やりこみましょう。
基本的な文法が身についていない人は文法の復習が必要ですが、TOEICでスコアアップすることが目的であれば、「Forest」や「一億人の英文法」などの文法書に載っている全ての英文法の細かい用法や例外までを網羅する必要はありません。そのため、英文法書を1冊読み込むよりもPart5の問題をたくさん繰り返し解きながら、その都度問われている文法事項の復習をすると効率よくスコアアップに繋がりやすいです。
問題を解いたら、解説をしっかり読みなぜその選択肢が正解なのか、他の選択肢はなぜ間違いなのかを理解しましょう。
5. Part6の学習法
Part6は長文の中の空所に当てはまるものを選ぶ問題です。Part6はPart5とPart7をミックスしたような問題の作りになっているので、Part5とPart7の学習効果が相乗効果的に表れるパートです。Part5やPart7で点が取れない方は、Part6の学習に重点を置く前にPart5とPart7の学習に集中しましょう。
新形式への変更後Part6に新しく加わった空所に適切な文章を入れる問題では、前後の文脈から考えることが求められます。このようにPart6は文章全体の流れを掴みながら答えを考える必要がある問題も多いので、飛ばし読み、所謂スキャニングではなく文全体を読み内容をきちんと理解する必要があります。問題を解いたら解説を読み、文章中のどの部分が答えの根拠となり、何故その選択肢が答えとなるのかをしっかりと理解しましょう。
6. Part7の学習法
Part7は長文を読んで内容に関する質問に答える問題です。長い文章なので、いざ選択肢を選ぶ際に読んだ内容を忘れてしまうということが起こりやすいです。設問を1つ読んだら少し文章を読み進めるという進め方が有効です。基本的には設問の答えとなる箇所は上から順番に出てきますが、文章全体の内容を問うものやNOT問題など、全体を見てからでなければ答えられない問題もあります。そういった問題はあと回しにして、文全体を読み終えたあとに回答するとよいです。
また、文書に書いてある内容を頭の中に思い浮かべてイメージしながら読み進めるという方法や、手紙やメール文は自身に送られてきたものという想定を浮かべ、当事者意識を持ちながら読むことで、文の内容を短期記憶に留めやすくなり、選択肢を選ぶ際に内容を思い出しやすくなります。
他のパートと同様に、問題を解いたら読みながら、意味がわからない単語をしっかりとチェックし、和訳と照らし分からなかった部分を解消し、解説を読み正解の根拠を理解します。
その後内容の意味を思い出しながらスピード音読(速読)を行います。より正確により速く読めるようになるために有効なトレーニングです。
Part7は時間との勝負ですので、TOEICの公式問題集やその他の教材にのっているPart7の文章をたくさん読み、速く正確に読めるようになっておくことが重要です。
まとめ
如何でしたでしょうか。今回はTOEICのスコアアップに有効なおすすめ学習法をパート別にご紹介しました。自身の苦手はどこかを把握できたら、苦手パートを克服するためにぜひ行ってみてはいかがでしょうか。
佐藤 千嘉
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