TOEFL iBTのリスニングスコアアップに効果的なおすすめ学習法4選

TOEFL iBTのリスニングでは大学生同士の大学に関する会話を想定したものや、講師と学生による講義中の会話を想定したものなどが流れます。今回は、TOEFL iBTのリスニングスコアアップに効果的なおすすめ学習法を4つご紹介したいと思います。

リスニングで音声が聞き取れない理由は?

英語を聞き取れるようになるには、正しい英語の音をたくさんインプットする必要があります。自身で正しい読み方を知らない言葉を正しく聞き取ることはできません。それでは、読み方は知っているはずなのにそれでもなお聞き取れないものがあるのはなぜでしょうか。

多くの人はネイティブスピーカーの英語はスピードが早いから聞き取れないと思いがちです。確かに、スピードの速さそのものも英語を聞き取れない要因の一つになり得ます。しかし、根本的な原因としては、英語を話す際の「音声変化」により、自分が思っている英語の読み方と実際のネイティブの発音が異なる場合があるという点が挙げられます。

音声変化には「脱落」「連結」「同化」「ら行化」「弱形」などいくつかの種類があります。例えば、cut thisという二語は「カット ディス」と読むことができますが、ネイティブが実際に読むと「カッディス」というように、cutの語末の子音を発音しないことがあります。これは、音声変化の「脱落」にあたる例です。

こうした音声変化に関する知識のストックを増やすには、後述するオーバーラッピングやシャドーイングといったトレーニングをたくさん行う必要があります。

TOEFL iBT リスニングのおすすめ対策法

1. 音声スクリプトの精読

まずは、音声を聞いてリスニング問題を解いた後、音声スクリプトの精読を行いましょう。和訳と照らし合わせて文章の意味確認、知らない単語、聞き取れなかった単語を確認し、文法事項や構文解釈を行い、疑問点をなくします。

この後紹介するオーバーラッピングやシャドーイングなどのトレーニングを行う前に精読を行い、文章の内容をしっかり理解しておくことが大事です。意味をしっかりと理解できていない文を使ってそのようなトレーニングを行っても、効果が薄くなってしまいます。

2. オーバーラッピング

精読を行って英文の内容を理解できたら、スクリプトと音声を使ってオーバーラッピングというトレーニングを行いましょう。オーバーラッピングとは、overlap(=重ねる)という言葉の意味通り、スクリプトを見ながら音声を流し、流れる音声と自身の声を重ねるように同時に音読をするトレーニングのことを指します。

オーバーラッピングを行うことで、英語の発音、イントネーション、強弱、抑揚などを体得することができます。流れる音声に耳を傾けながら極力音声の真似をしながら読むということを意識しましょう。

音声と同時に読むことが難しい人は、まず通常の音読を行うのがおすすめです。音読をして英文をある程度口に落ち着かせてから、オーバーラッピングを行うとよいでしょう。

3. シャドーイング

シャドーイングとは、流れる音声からわずかに遅れて、聞き取った音を影のように追いかけながら英語を口に出すことを指します。オーバーラッピングでは声を重ねて同時に読むのに対し、シャドーイングでは音声を追いかけるように遅れて読みます。オーバーラッピングが満足にできるようになったら、シャドーイングを行いましょう。

最初はスクリプトを見ながらで構いません。音を正しく聞き取り真似することだけに集中して行いましょう(プロソディシャドーイング)。プロソディシャドーイングができるようになったら、次は音を真似するだけでなく英文の意味を考えながらシャドーイングを行いましょう(コンテンツシャドーイング)。最後には、スクリプトを見ずに音声だけを頼りにしてシャドーイングを行ってみましょう。

オーバーラッピングと同様に、音声をよく聞き取ることに神経を集中させながら行い、できるだけ音声の真似をするのがポイントです。全体的につまらず言えるようになるまで同じスクリプトを何度も繰り返し練習しましょう。

シャドーイングのトレーニングは、実際に声に出して行わなくとも、頭の中で声を出しているイメージをして行うだけでも効果があります。そのため、声を出して練習ができるようなプライベート空間を作れない場合や、通勤時の電車の中でも行うことが可能です。

4. 語彙力を増やす

意味を知らない単語が多ければ多いほどリスニング時の内容の理解度は下がってしまいますので、リスニングで流れる英文を正しく理解するためにはやはり語彙力を増やすということは必須です。

リーディングでは単語の意味さえ分かれば読み方は分からなくても内容を理解することはできますが、リスニングでは単語の意味だけではなくそれがどう読まれるのかも知らなければ、音声で流れてきた単語を理解できません。そのため、リーディングなどのリスニング以外の学習をしているときにも、読み方に自信がない単語に出会ったらその都度調べるという習慣を付けておくことが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はTOEFL iBTのリスニングスコアアップに効果的なおすすめの学習法を4つご紹介しました。

他にもディクテーションという聞こえた英文を一語一句書き取るというトレーニングもありますが、TOEFL iBTのような長くて量の多い英文をディクテーションしようとすると時間がかなりかかってしまいます。シャドーイングやオーバーラッピングであれば1回のディクテーションにかかる時間で3~4回繰り返すことができるので、効率的です。

また、オーバーラッピングやシャドーイングなどのトレーニングは、リスニング力を鍛えるだけではなく、英文を口に出して言うことでTOEFL iBTのスピーキングのトレーニングにもなるので、一石二鳥です。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。