多読と精読、どっちがいい?両者の違いと長所・短所を徹底比較!

英語能力の中でもリーディングスキルは基礎的なものであり、リーディング能力の向上はリスニングやライティングなど他のスキルのレベルアップにも必要不可欠な要素となります。しかしながら、リーディング能力向上のための勉強法は種類が豊富なため、どの方法が自分に適しているのか分からないという方もいるのではないでしょうか?今回はそれらの勉強法をざっくり「多読」と「精読」という2つに大別して紹介していきます。どちらがいまの自分のレベルに合っているのかを探ってみてください。

「多読」と「精読」とは?

まずは多読と精読とはそれぞれどういう勉強法なのかを簡単に確認しておきましょう。「多読」とはとにかく英文リーディングの数をこなしていく勉強法で、「量」という観点からリーディングスキルの向上を図るものです。どのような勉強法にせよある程度の「反復」は必要になりますが、多読を目的にリーディングをする場合はその反復にこそ重点を置くことになります。

多読が「量」に焦点をあてた勉強法であるのに対し、「精読」はリーディング演習の「質」を高めていく勉強法だと言えます。この勉強法では、英文をただ一通り読み下すだけでなく一つひとつの単語や熟語などに注目しどのようなニュアンスを表現しているのかといったことまで「精査」していきます。一つの英文を細かなところまで「分解」する作業を繰り返していくリーディング法といえるでしょう。

精読のメリット・デメリット

まず、「精読」のメリット・デメリットを紹介していきます。

精読のメリット:英語を「深く」理解することができる

精読をすることによるメリットとしては、英語に対して「深い知識」が得られるという点が挙げられます。精読ではただ単に文全体の内容をおおまかに理解するだけでなく、一つひとつの単語・熟語までくまなく目を通していきます。その過程で初めて出会う単語などはもちろん、知っているものでも意味が派生して微妙に変化していたり、まったく別の意味になっていたりするのを発見します。これらを逐一調べ上げる作業を繰り返すことで、英単語などの意味の背景にある「ニュアンス」を感知することができるようになってきます。つまり、ニュアンスまで含めた「単語力」の向上が精読をすることで可能となるのです。

精読のデメリット:文全体を眺める視点に欠ける

精読は単語力向上などに効果がある反面、「木を見て森を見ず」のような勉強法であるというデメリットもあります。つまり、細かな点まで焦点を合わせて理解しようとすると英文全体の内容把握や「流れ」といったものが掴めなくなってしまうのです。また、英語を日本語に訳す作業を繰り返すことになるので英文を英語のまま理解することができず、読解速度の向上や実際に使える英語力を習得するという点に関してはあまり効果を期待できません。

多読のメリット・デメリット

次に「多読」をすることのメリット・デメリットを確認していきましょう。

多読のメリット:英語に「慣れる」ことができる

多読ではとにかく数多くのさまざまな英文に触れることが肝になりますので、事細かに単語を調べたり完璧に文を訳したりするよりも、文全体の内容を理解することに焦点をあてます。この方法で勉強していると次第に英文のクセやリズムといった「抽象的」なものが理解できるようになり、英語に「慣れる」という感覚を実感し始めます。これが多読から得られる最大のメリットといえます。英語に慣れてくると文全体の流れをスムーズに把握することができ読解速度の向上につながります。

多読のデメリット:英語力が「頭打ち」になってしまう

多読をすることのデメリットは、上述した英語に「慣れる」ということがときにはマイナスの影響を及ぼすことがあるということです。多読を繰り返していると、それほど単語力に自信がない場合でも内容把握や流れの理解がある程度できるようになってきます。そのため、今以上の単語力の向上や自分の知らない言い回しなどを習得しようというモチベーションが下がっていってしまうケースもあります。つまり英語能力の向上が「頭打ち」になってしまう可能性があるという点が、多読のデメリットといえます。

まとめ

いかがでしょうか?多読と精読はどちらもリーディング能力の向上には役立ちますが、それぞれアプローチの仕方が異なります。「精読」は単語力の向上やニュアンスの理解力向上に効果的であり英語力の「基礎固め」ともいえる勉強法なので、英語能力が初~中級レベルの方にとくにおすすめできます。一方の「多読」は、英語に触れる回数を増やして英文のリズムや言い回しに「慣れる」ことが目的ですので、ある程度の単語力があり応用・発展レベルの学習をしたい中~上級者向けの勉強法といえるでしょう。

精読により単語力や文法力をしっかりと高め、リーディングに必要な知識を身につける。そして多読を通じてその知識を引き出すスピードを高め、自動化を目指す。そのような感覚でトレーニングに臨むことで、効率的にリーディングスキルを高めることができます。ぜひ精読と多読それぞれの特徴を理解し、自分の課題に合ったトレーニングを行っていきましょう。

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djak

高校卒業後、大学は4年間アメリカに留学。大学ではバスケットボールチームに所属し、まわりに日本人や他の留学生など悩みを共有できる人たちがいない環境で過ごさなければならないタイミングも多く、留学生として一般的に経験できる以上の「生」の英語に触れる。TOEFLは89点、TOEICは945点。

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