TOEICのスコアアップを目指す際に、多くのビジネスパーソンがぶつかるのが「学習時間が確保できない」という壁です。勉強しなければと思いながらも、日々の仕事に追われているうちに試験当日を迎えてしまった、という経験を持つ方は少なくないでしょう。
また、社会人の方がせっかく勉強するのなら、目標スコアの取得と併せて、仕事に役立つ実践的な英語力も養いたいもの。
そこで今回は、会社員として働きながら英語学習を続け、初受験の500点台から、990点満点を取得されるまでに英語力を高めた経験を持つ、『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』の著者・藤枝暁生先生に、学習時間の捻出方法や、ビジネスシーンで実際に使える英語力を身につけるための学習方法についてお話を伺いました!
1963年東京都生まれ。1986年中央大学法学部法律学科卒。大学卒業と同時に損害保険会社に入社、現在は、SOMPOリスクマネジメントに勤務しており、企業向けのコンサルタントとして、主に自然災害のリスクアセスメントを担当。TOEIC L&Rテストは、2007年3月から100回以上の連続受験を継続中。2014年4月、独学で990点満点を取得。以後、数々の学習会を主催し、講師としてTOEICの学習指導を続けている。著書に、『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』『サラリーマン居酒屋放浪記』『サラリーマンのごちそう帖』(朝日新聞出版)『TOEIC L&R テスト 860点奪取の方法』(旺文社)。
インタビュー目次
Part6の「写経」で、英文ビジネスメールを攻略
Q:英語学習を始められたきっかけについて教えてください
藤枝氏:私は保険会社に勤めているのですが、保険業界において1番先を進んでいる国は、イギリスやアメリカです。そのため、最新の情報を得るためには、海外のWebサイトから必要なソースを引っ張ってくる必要があります。
日本語に訳された書籍や記事を出るのを待っていては、情報入手が遅くなってしまうという事情から、英語を勉強し始めました。
Q:TOEIC対策で身につく英語力とは
藤枝氏:TOEIC L&R TESTの問題は「リスニング」と「リーディング」だけなので、「読む」と「聞く」の力しか伸びないと考えている人も多いでしょう。たしかに、はじめから「読み聞きだけでいいや」と思っていると、その2技能しか身につかないかもしれません。でも、将来を見据えた学び方をしていれば、スピーキング力やライティング力も自然と身につきます。
例えば、TOEICのPart6の文章には様々なパターンがありますが、私は英語でメールを書けるようになりたかったので、「Part6の英文からEメールとレターをピックアップし、それを書き写す」という学習を行いました。やり方は、左側に『公式 TOEIC Listening & Reading 問題集』を置き、右側にノートを置いて、公式問題集を見ながらただ写すだけです。私はそれを「写経」と呼んでいて、100セットぐらいやりました。
Part6の写経をしているうちに、英文レターやEメールの定型文は、テンプレートとして頭に入っていきました。仕事で実際に英文メールを書く時には、Part6の文章を記憶から引っ張り出すだけなので、何も見ないで書くことができます。巷で売っている 「E メールの書き方」みたいな本は、全く要らなくなりましたね。
疲れている時に、初見の長文を大量に読んで問題を解くというのは辛いですが、ただ書き写すだけなら誰にでもできます。でも、意外とこれが身につく。勉強会でもそう伝えているのですが、実際にこの書き写しを「1年やりました」という人は、あまりいないんですよね。
あとは、『1駅1題 新TOEIC TEST文法特急』や『TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6』などの教材を使って1人で勉強をしている時も、講師として生徒に解説をしているつもりになって、部屋の中を周っていました。アウトプットをしていると、書かれている英文を自然と覚えていくので、いざという時に口から出てきます。
実際に、私はこれらの学習を通して、自分で英文の報告書を書いたり、1人でロンドンやシンガポールに行って国際会議に出席したりということができるようになっています。
通勤時間と昼休みで、1日3時間の学習時間を捻出
Q:勉強時間はどのように捻出されていましたか
藤枝氏:毎日仕事が忙しかったので、隙間時間くらいしか勉強するタイミングはありませんでした。
主に利用していたのは、通勤時間です。あとは、昼休みを取れる時には10分で食事を済ませて、残りの50分は勉強していました。勉強時間としてはそれでほぼ全てでしたが、通勤時間と昼休みの時間を使って、1日3時間は勉強していたと思います。
Q:隙間時間では、具体的にどのような勉強をされていましたか
学習初期の頃に特に取り組んでいたのは、英語のリスニングです。と言うのも、電車が混んでいたので、『公式問題集』のような大きな本を手に持っての学習は難しかったんです。その点、リスニングなら音を聴くだけなので、混んでいてもできます。
平日の通勤時間にテキストを手に持たなくても勉強ができるよう、土日には自宅で準備をしていました。具体的には、テキストの英文スクリプトの内容や設問、選択肢などを読んで、内容を理解しておきます。事前に目を通しておくことで、電車でリスニングをしていて聞き取れない箇所があった時も、内容を思い出すことができます。
当時の私自身の経験から、『黒のフレーズ』は電車の中でも学習してもらいやすいように、収録語数とページ数を工夫して、背広の内ポケットにも入るサイズにしています。
インタビュー後記
今回は、『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』著者の藤枝暁生先生に、ビジネスパーソンに向けた学習時間の捻出方法や、仕事に直結する英語力が身につくTOEIC勉強法についてお話を伺いました。「TOEICの勉強を通して、英語4技能を伸ばせる」など、先生の実体験に基づいたお言葉に勇気づけられた読者の方も多いのではないでしょうか。
TOEIC600点レベルの方から、満点を狙う上級者までを対象とした『黒のフレーズ』は、その内容はもちろん、藤枝先生自身の経験を踏まえて「社会人の方が移動時間にも勉強しやすいように」と、サイズ感にまでこだわって作られています。(※『黒のフレーズ』の詳しい内容や、おすすめの活用方法などについては、『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』著者・藤枝氏に聞く!英単語の覚え方のコツを参照ください。)
「隙間時間に勉強したいが、かさばる教材を持ち歩くのは負担が大きい」という方は、ぜひ『黒のフレーズ』を鞄や背広の内ポケットに忍ばせてみてはいかがでしょうか。
『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』概要
商品名:TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ
著者:藤枝暁生
定価:935円(税込み)
発売日:2020年9月18日
出版社:朝日新聞出版
佐藤 千嘉
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