【TOEIC満点講師・濱崎氏&星名氏インタビュー 後編】目標スコアを達成した先にある未来とは?

TOEIC L&Rテストで990点(満点)を70回以上取得し、英語学習関連書籍も多数執筆・監修されている濱崎潤之輔先生と、同じく990点ホルダーであり、客室乗務員や外資系企業の役員秘書を経て、現在は英語コーチ・TOEIC講師として活動されている星名亜紀さん。

インタビュー前編では、TOEIC指導のプロであるお2人に、多くの学者者が抱える悩み・疑問をぶつけ、具体的なアドバイスをいただきました。

後編では、TOEIC L&Rのスコアとスピーキング力の関連性や、スコアがキャリアにもたらす効果、そして、コロナ禍でお2人が立ち上げたオンラインサロン「濱崎TOEIC研究所」についてお話を伺いました。

話し手 濱崎 潤之輔氏:大学・企業研修講師/書籍編集者

TOEIC L&Rテスト990点(満点)を70回以上取得。現在は明海大学、獨協大学、早稲田大学EXTなど、全国の大学で講師を務めるかたわら、ファーストリテイリングや楽天銀行、エーザイといった大手企業でもTOEIC L&Rテスト対策を行う。著書に、『中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)、『TOEIC L&Rテスト990点攻略(改訂版)』(旺文社)などがあり、監修した書籍も含めると累計60万部以上の実績がある。

話し手 星名 亜紀氏:英語コーチ/TOEIC講師

TOEIC L&Rテスト990点。大学卒業後は全日本空輸株式会社で客室乗務員として勤めたのち、外資系企業にて外国人役員秘書を経験。現在は完全マンツーマンの英語コーチのほか、専門学校のエアライン科や企業研修でTOEIC講師として活動中。

インタビュー目次

TOEIC L&Rのスコアと英語を話す力

Q: TOEIC L&R対策の勉強は、英会話力アップにも役立ちますか?

濱崎氏:「TOEICでスコアを取るだけでなく、英会話もきちんとできるようになりたい」と考える方は少なくないでしょう。TOEIC Listening & Reading Testは、英語を聞く力・読む力を求められるテストですが、テスト対策を通して英会話の基礎も培うことができます。

英会話をする上では、相手が言っている内容を聞き取れないと会話になりません。TOEICのリスニング対策に取り組む中で、会話で必要となるリスニング力が身につきます。また、英文の音読や、英語音声を聞いて声に出す「シャドーイング」というトレーニングなどを行えば、自然と発話の練習にもなるんです。

星名氏:私自身もTOEIC対策として、約3年間毎日欠かさず車の中などで英語のシャドーイングをしていました。それでリスニング能力がすごく伸びましたし、同時に英会話の基礎力も身についたと感じます。

濱崎氏:TOEICで800~900点台のスコアを持っている方で、英語を話すのを不得意だと感じている人もいると思いますが、話す練習をし始めた途端あっという間に上達するんです。正直、900点以上なのに全然英語を話せないという人を、僕は見たことがありません。

また、ビジネスシーンにおける汎用性の高い英語表現が使われていることも、TOEICの特徴です。TOEICの問題は、どんな企業に勤めていても必ず出くわすような場面での会話や文章で構成されており、特定の業界で勤めている人にしかわからない内容などは含まれていません。

問題の中で使われている英文は、そのまま実際のビジネスシーンでも応用できるものが多いので、仕事ですぐに役立つ表現を学ぶことができます。実際に、僕が出版社に勤めていた時には、外国の方とメールのやり取りをする時に、TOEICの公式問題集から英文を拝借していたこともありました。

TOEIC L&Rのスコアがキャリアにもたらす効果

Q: 就職や転職の際、TOEIC L&Rのスコアはメリットになる?

星名氏:自分自身の体験を振り返っても、TOEICのスコアが就職にすごく有利に働いたことを実感しています。

エアライン受験で2社から内定をいただけたのは、おそらくTOEICスコアのおかげです。私が新卒でCAの採用試験を受けた時は、TOEICスコアは860点くらいでした。受験要項にあったスコアを大幅に上回っていたため、書類選考をスムーズにパスできましたし、TOEICスコアが自信となったことで、変に自分を作り上げることなく、本来の私の姿で面接に臨むことができたように思います。

その後、外資系企業の秘書業務に応募した際にも、やはりTOEICのスコアで評価してもらえました。今、英語力を求める企業はますます増えているため、ハイスコアを取得する必要性は当時以上に高まっていると言えるでしょう。

また、TOEICは数字で結果が現れるので、成功体験に繋がりやすいというメリットもあります。私は980点くらいの時、「もういいや」と一度は満点を諦めかけましたが、頑張って990点を取得したことで大きな自信に繋がりました。「目標スコアをクリアした」という成功体験は、TOEICだけでなく今後の人生でプラスになると思います。

Q: 2人にとってTOEICとは?

星名氏:CAを辞めた後も「英語に関わる仕事がしたい」という思いは強かったものの、英語を教えた経験はありませんでした。それでも英語コーチとして起業することを決意できたのは、TOEICが背中を押してくれたからです。TOEICスコアとこれまでの経験を活かして、英語コーチングのお仕事や、TOEICを中心とした英語指導ができるようになったので、TOEICのおかげで今の私があると感じています。

濱崎氏:僕はもともと、先生になろうとは思っていませんでした。TOEIC対策についてブログで発信していたところ、出版社の方からスカウトしていただいて編集者になり、韓国でも有名なイクフン先生のTOEIC教材を担当するようになります。満点を取ってからは、セミナーのオファーや本を執筆する機会もいただけるようになりました。

TOEICのおかげで今の環境や立場を作れたので、感謝しかありません。TOEICを頑張っている人には、僕がこれまで享受できたことを還元していけたらという想いを常に持っています。

「この人に教われば大丈夫」と信頼してもらうためには、学習者の方の何倍もできるレベルでいなければいけません。最新の出題傾向を常に把握するためにもTOEICは毎回受けますし、満点も取り続けるようにしています。

オンラインサロン「濱崎TOEIC研究所」を立ち上げた想い

Q: 8月からスタートした、オンラインサロンの「濱崎TOEIC研究所」。立ち上げの背景は?

濱崎氏:元々僕は教えることがすごく好きで、ヒロ前田先生と全国でTOEICセミナーを開催するなど、対面式でのセミナーを何年もやってきました。新型コロナウイルスをきっかけに世の中が変わり、これまでと同じ形式でのセミナー開催が難しくなってしまったので、オンラインで実施したいと思ったのがきっかけです。

星名氏:コロナでTOEIC公開テストの中止が続いた時期には、学習者の方から「モチベーションが下がっている」という声を聞くことが多くなりました。そういった方々のためにも、英語学習のモチベーションを高められる場を作ることができればと思い、濱崎先生にお声がけをさせていただきました。

Q: 「濱崎TOEIC研究所」の内容とは?

濱崎氏:1回90分の講義を毎月2回、僕と星名さんで1回ずつ担当して実施します。僕の講義は、完全にTOEIC L&Rテスト対策に特化した内容です。

星名氏:私の講義では、シャドーイングの特訓や発音レッスンを通して、総合的な英語力をつけるための指導を行っています。講義は毎回録画し、サロンメンバー限定で公開しているので、講義当日に参加できなかった場合にも後から見返していただけます。今は情勢的に難しいですが、いずれはオフラインミーティングも開催していきたいと思っています。

Q: どういった方が参加されていますか?

濱崎氏:「濱崎TOEIC研究所」では、TOEIC L&Rテスト初受験の方から、700~800点台を目指す方までを対象としています。今回第1期生を募集したところ50人以上の方に申し込んでいただき、500~600点代の方が特に多いですね。

講義内容についての質問やリクエストについては、個別で回答やアドバイスを行っているので、初心者から上級者まで全員に対応することができています。

星名氏:受講生の方からは、「疑問点がどんどん解消される」「同じ目標を持って勉強する仲間ができたことで、モチベーションが上がった」などの声を多くいただいています。参加するまでは何から手をつければよいか分からずに悩んでいたという方からも、「取り組むべきことが明確になり、勉強する習慣が身についた」と言っていただき、とても嬉しく感じます。引き続き、より良いコミュニティにできるように運営を続けていきたいと思います。

TOEIC受験者へのメッセージ

Q: TOEIC受験者へメッセージをお願いします

濱崎氏:英検の場合、試験を受けられるタイミングは年3回ですが、TOEICは年に10回開催されています(※)。今は新型コロナウイルスの影響で抽選式になっているので簡単に申し込めないかもしれませんが、それを除けば、思い立った時に挑戦しやすいと思います。合否もないので、興味がある方はぜひ1度受けてみると良いと思います。

星名氏:目標スコアを決めている方は多いと思いますが、併せて「目標スコアを取った後に何をしたいか」もクリアにしておくことをおすすめします。スコアがなかなか達成できなくて苦しくなった時にも、「目標を達成したらどんな未来があるか」がイメージできると、モチベーションを維持しやすくなります。TOEICでスコアを取ることをゴールにするのではなく、あくまで通過点と考えて、学習に取り組んでみてください。

※インタビュー後日、10月25日以降の2020年度内TOEIC L&R公開テストは、1日2回実施されることが発表されています。

インタビュー後記

今回のインタビューを通して、濱崎先生と星名さんのお2人に共通して感じたのは、英語に限らず「目標を持って前向きに日々努力すること」を楽しむ姿勢でした。TOEICで目標スコアを達成することは、人生においての1つの成功体験となり、自分に大きな自信を与えてくれます。何かに挑戦してみたいと考えている人は、ぜひTOEICの受験を検討してみてはいかがでしょうか。

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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