IT業界では、AIや5G、IoTといった新しい技術に加えて、多くの企業が抱えるDX(デジタルトランスインフォメーション)に対する課題などもあり、さまざまな分野においてIT人材が不足している状況にあるといえます。
また、新型コロナウイルスの感染防止対策として非対面のコミュニケーションが推奨されたことで、社会・個人の両方においてオンラインのニーズが増加し、デジタル化の重要性が認識されました。社会全体がデジタル化する傾向は今後も継続すると見込まれ、それに伴いIT業界でも人材の確保が命題になると考えられます。
人材に対するニーズが見込まれるIT業界ですが、海外進出を視野に入れている企業や、オフショア開発で海外とのやり取りを行うポジションも多く、英語力があることで転職活動が有利に運ぶケースも少なくありません。ITスキルと英語力の両方を持つことで、キャリアアップを期待しやすくなるでしょう。
そこで本記事では、英語力を活かせるIT業界の仕事や職種、外資系IT企業について紹介します。最後にIT業界に強い転職エージェントや求人サイトも紹介するので、参考にしてください。
※記事内の情報は2022年10月末調査時点のものです
目次
1.英語力を活かせるIT業界の仕事・職種は?
はじめに、英語力を活かせるIT業界の仕事や職種について解説します。
実際の求人情報から、IT業界においてどのような職種で英語を使用する場面が多いのか、どれくらいの英語力がどのような頻度で必要かなど、詳しく見ていきましょう。
※求人に関する記述は、2022年10月末時点の求人データ等を調査し、考察したものです。
1-1.IT業界で求人の多い英語使用業務・職種
IT業界で求人の多い英語使用業務は次のとおりです。
- 海外拠点とのやりとり
- 海外顧客とのやりとり
- 社内でのコミュニケーション
- 英語文書の読解
英語使用業務で特に多いのは、海外拠点や海外顧客とのやりとりです。特に、外資系のIT企業では海外に本社や拠点を構えているケースが多く、社内でのミーティング等に英語を使用する場合があります。
また、自社の製品を海外で展開している企業では、マーケティングやセールスなどを英語で行う求人も見られました。今回のリサーチで求人が多く見られたIT業界で英語を使用する職種は次のとおりです。
- プロダクトマネージャー
- DXコンサルタント
- シニアコンサルタント
- マーケティング
- グローバルセールス・プリセールス
- ITエンジニア(インフラ・開発・PL・PM・PMOなど)
- システムエンジニア
- 海外SIer
- 海外駐在サポート
- オペレーションアナリスト
幅広い業種で英語が使用されていることがわかります。
なお、IT業界といってもエンジニアやアナリストだけでなく、営業や事務、マーケティングなどの職種においても人材の募集が見られます。技術職以外でもIT業界で英語力が活かせる職種はたくさんあるといえるでしょう。
1-2.IT業界で求められる英語力や英語使用頻度
IT業界で求められる英語力や英語の使用頻度は、ポジションによって様々です。
例えば、海外とのやりとりや折衝が多い職種では、ビジネスレベルや上級の英語力が求められ、応募条件がTOEIC®800点以上と設定されている場合もあります。
「社内での使用言語はほぼ英語」「社内では英会話多し」といった企業もいくつか見られたほか、英語でのコミュニケーションは少ないものの、英語の文書を読解した上で業務にあたるために一定以上のリーディングスキルを求める職種もあります。
一方、現状では海外とのやりとりはないものの、将来的に事業の海外展開や海外企業とのプロジェクト組成の可能性がある企業では、英語力が必須ではなく歓迎レベルとしている場合もあります。
他にも、グローバル展開している企業でも、職種によっては英語力を求めないケースもあり、どのような仕事に就くのかによって求められる英語レベルは異なる状況といえます。
1-3.IT業界の英語使用業務の給与水準は?
例えば、ビジネスレベルや上級レベルの英語力が求められる職種の場合、ハイクラスのポストでは、経験や実績によっては年収1,500万円以上となるケースも見られました。
一方、英語力があまり求められない職種で年収400万円から年収600万円程度の求人が多く見られました。
ただし、高い英語力は求められないものの、企業内でのポジションが高い場合は、年収800万円から年収1,500万円レベルの求人も散見されます。
1-4.IT業界企業への転職の魅力や注意点
IT業界は増加するニーズに対応するために人材不足に陥っている企業もあり、経験がない人材を採用し、自社での研修過程で育て、戦力とするケースがあります。異なる業界からIT業界へ転職する場合でも、初心者を歓迎する求人が多く、転職しやすいという点はメリットと言えるでしょう。
また、IT業界は他の業界と比較して、給与水準が高い傾向にあります。総合転職情報サイト「マイナビ転職」による「正社員の平均初年度年収推移レポート」(2022年7-9月)でマイナビ転職掲載求人の正社員の平均初年度年収を業種別にみると、「IT・通信・インターネット」は他業種を超える最も高い年収となっています。外資系企業も日系企業と比較して給与水準が高いため、外資系IT企業は年収を上げていきたい方にも検討しやすい転職先と言えます。
一方、企業によっては時間外労働が多い場合があります。特に、繁忙期や納期前には残業が増えたり、職種によっては突発的なトラブルに対応する必要が出てくるケースもあるため、注意が必要です。
転職を希望する場合は企業研究と求人内容の確認を行い、必要に応じて面接で質問するなど、仕事の内容や職務環境を明確にしておくことが大切です。
2.IT業界の外資系企業一覧
IT業界の外資系企業には次に挙げるような企業があります。
- SAPジャパン
- 日本オラクル
- 日本アイ・ビー・エム
- マイクロソフト
- シスコ(シスコシステムズ合同会社)
- アクセンチュア
- グーグル
- インテル
- アマゾン
- セールスフォース
- アドビ
- デル など
3.IT業界の英語使用業務への就職・転職に役立つスキルは?
他の業界同様、IT業界においても、英語を使用する業務への転職時には英語力の指標としてTOEIC®のスコアを問われることがあります。TOEIC®はビジネス英語のレベルを測る英語試験において認知度・知名度ともに高いテストです。今回リサーチした求人情報でも、応募要件にTOEIC®スコアを設定しているケースが多数見られます。
例えば必要なスキルとしてTOEIC600点以上のスコア保持を目安として挙げる求人や、歓迎するスキルの一つをTOEIC700点以上とするサポートエンジニア職の求人が見られました。海外とのやりとりが発生し、ビジネスレベルの英語力を必要とする外資系企業のポジションでは、TOEIC 800点前後を目安とするケースもありました。
また、海外での就職・転職を希望する場合にも応募する企業が求める英語力の証明が必要なケースがありますが、TOEICは欧米などの海外では国内ほど認知されていないこともあり、どのような形での証明が必要になるか、事前に確認しておきましょう。
4.IT業界に強い転職エージェント/求人サイト
IT業界で英語を使う仕事を探す際は、自身の経験・スキルや希望条件に合わせて多くの求人の中から適した企業に応募する必要があります。
転職エージェントを利用すれば、ITスキルだけでなく、必要となる英語力の見極め方についてもプロのコンサルタントからのアドバイスを受けられるでしょう。希望する企業に沿った自身の経歴やスキルを洗い出してくれたり、希望しているポジションの募集情報が出た際には通知してくれたりといったサポートが受けられるのも心強いです。
また、多くの募集案件の中から自分のスキルやキャリアに合うポジションを絞り込める求人サイトの活用もおすすめです。
下記、IT業界への転職に強い転職エージェント/求人サイトを紹介します。
レバテックキャリアは、レバテック株式会社が運営するIT・Webに特化した転職エージェントです。IT・Web業界専門の転職エージェントとして、上流工程・大手案件・自社開発など、さまざまな業務に携わる求人情報を提供しています。紹介案件の多くが業務経験者向けの求人のため、IT業界におけるこれまでの職務経験を活かして働きたい方が利用しやすいサービスでしょう。
IT関連の技術や職種に精通している専任のアドバイザーが在籍しており、求職者へのヒアリングを通してそれぞれの市場価値や強みを見つけて推薦してくれます。また、外資系企業やグローバル展開している企業の求人案件も取り扱っていることから、英語力を活かした仕事がしたい方にも活用をおすすめしたいエージェントです。
JAC Recruitment(ジェイエイシーリクルートメント)は、株式会社ジェイエイシーリクルートメントが運営する転職エージェントです。ミドルクラス、ハイクラス、スペシャリストの転職支援に特化したサービスを展開しており、イギリスやドイツ、アジア各国にグループ会社を展開していることから、外資系企業への転職支援実績が豊富です。
各業界に精通した専門コンサルタントが在籍しており、豊富な実績と経験を活かしたサポートで求職者の転職を支援しています。IT業界でのハイポストや専門職での転職にも対応しているため、キャリアアップを目指す方におすすめのサービスとなっています。
マイナビIT AGENTは、株式会社マイナビが運営するIT業界専門の転職エージェントです。IT・Webエンジニアの転職についての知見があるIT専任アドバイザーからサポートを受けながら、業界への転職活動を進められます。
母体となる「マイナビエージェント」が保有する求人情報も共有されているため、IT職種だけでなく多職種への転職も考えたい方も活用可能です。
リクルートエージェントは株式会社リクルートが運営する、業界大手の転職エージェントサービスです。手厚い転職サポートも特徴で登録後のヒアリングから業界に応じた面接対策、提出書類の添削まで行ってくれるため、安心して転職活動を行うことができます。
また、一般公開されていない非公開求人を21万件万件以上(2022年9月度)保有し、外資系企業への転職支援実績も豊富なため、幅広い選択肢から転職先を決めたい方に向いているサービスです。
リクナビNEXTは株式会社リクルートが運営する社会人向けの転職サイトです。2022年10月末時点で6万件以上の求人情報を提供しており、利用者は職種や勤務地、働き方などを指定して自由に検索できます。外資系企業の求人情報も豊富に扱っているため、英語力を活かした求人を探したい方に向いているサービスといえるでしょう。また、職務経歴や希望条件などを登録できるスカウト登録を利用すれば、自分が希望する条件の企業や、想定していなかった業界からオファーが届くこともあります。
リクナビNEXTは、先述したリクルートエージェントと同時登録が可能です。両サービスを併用することで求人情報へのアクセスの網羅性が高まるでしょう。
HiPro Tech(ハイプロテック)は、パーソルキャリア株式会社が運営する、フリーランスIT・WEBエンジニアのためのエージェントサービスです。利用者はHiPro Techを通して企業とつながり、直接契約を結べます。中間手数料が発生しないため比較的高額な報酬を見込めるほか、契約更新率が75%(※)という実績が示す通り、多くの案件において継続的な参画が可能な点も特徴です。(※2022年1月~2022年4月の登録者データより)
利用登録企業が1,100社(2022年12月時点)を超えるHiPro Techには、ITエンジニアやデザイナー、マネジメント、コンサルタント、アドバイザリーから技術支援まで、幅広い職種のプロジェクトが揃っています。リモート勤務が可能な案件も多く、柔軟な働き方を模索中の方におすすめのエージェントです。自分のスキルやキャリアプランだけでなく、実現したいライフスタイルまで含めて、最適な案件を探すことができるでしょう。
まとめ
今回はIT業界で英語力を活かせる仕事や職種等について解説しました。
英語を使用するIT企業の中でも、職種によって必要とされる英語力には違いがあります。特に海外とのやりとりが多い場合や、企業内での使用言語が英語である場合などは、高い英語力が求められる求人も多く見られます。また、IT業界への転職では、必要とされる英語力だけでなく、企業によって同じポジションでも業務レベルが大きく異なることがあります。
転職エージェントを活用するなどして自身の経験・スキルの棚卸を行い、まずはどのような求人があるのか確認してみましょう。
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English Hub 編集部
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