「本気で英語力を伸ばしたい」と考えている方の中には、「英語コーチングスクール」について聞いたことがある方や、実際に受講を検討しているという方もいるでしょう。
受講生一人ひとりに専属のコーチやトレーナーが付き、学習のプランニング・進捗管理も含めた総合的なサポートを提供する、英語コーチング。自らの課題や目的に合った個別カリキュラムで学ぶことで、数ヶ月から1年程度の短期間で、効率的に英語力を鍛える方法として注目を集めています。
しかし、「実際どんなことをするの?」「周りに受けたことがある人がおらず、効果が分からない」など、様々な疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回English Hubでは、実際に英語コーチングスクールを受講した経験を持つ3名による座談会を開催。受講の理由や目的から、受講したプログラムの内容とその成果、英語コーチングスクールをおすすめする人・しない人についてまで、語ってもらいました。
英語コーチングスクールに興味がある方、受講を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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【座談会の参加者】
- 飯塚:これまでに複数社の英語コーチングサービスを利用。近年では、2015年末に「ENGLISH COMPANY」を3ヶ月間、2021年には、IELTS対策に強いスクールのプログラムを1ヶ月間受講。
- 加藤:2015年に「スパルタ英会話」を約3ヶ月間受講。2019年には、ブロックチェーンに特化した「PoL」の英語コースを半年間受講。
- 田中(仮名):2017年2月~7月の半年間、グループ形式の英語コーチングスクールを受講。
目次
英語コーチングスクールを受講した理由
Q:英語コーチングスクール受講のきっかけ・目的は?
飯塚:当時、広告代理店の営業部で働いていたのですが、海外事業部に異動になり、シンガポールに転勤することになったんです。メールを英語で書いたり、資料を英語でつくったりと、業務で英語を使用する必要が出てきた中、特にリーディングやライティングを強化したいと思ったのが、2015年に「ENGLISH COMPANY」を受講したきっかけです。
その次のスクールは、育休後、現在の会社に入社する前に、1ヶ月ほど時間が空いたタイミングで受講しました。「時間があるし、何かしら進化したいな。英語をもうちょっと強化しておきたい」という気持ちで受けました。
加藤:僕は、当時いた会社に英語メディアがあって、その運用が「スパルタ英会話」受講の目的でした。
「PoL」に関しては、担当する金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」の記事編集にあたり、参考文献に英語のPodcastなども含まれているので、そこに対応できるように始めたという背景があります。
田中:僕は、2017年に半年間、グループ形式の英語コーチングスクールに通ったんですが、その前年の夏、フィリピンに2ヶ月間留学していたんです。帰国して間もない時期で、「このまま英語を勉強し続けよう!」という気持ちが強かったことに加えて、当時、社内の朝礼を英語で行っていて。英語学習のモチベーションが高かった中、知人に誘われたので受講しました。
Q:「英会話スクール」ではなく、「英語コーチングスクール」を選択した理由は?
身近で1番英語ができる人に薦められたのが、英語コーチングスクールだった
加藤:僕の場合は、自分の周りで1番英語ができる人に「スパルタ英会話」を薦められたので、素直に従おうと。
受講した2015年当時はまだ、「コーチングスクール」という言葉が、そこまで前面に出ていなかった気がします。単純に、スクール名から「長時間勉強するスクール」というイメージでした。
「PoL」を受講した2019年には、コーチングという言葉が確立していましたね。「トライズ(TORAIZ)」や「プログリット(PROGRIT)」など、コーチングスクール各社が出している書籍も読んでいたので、「死ぬほど英語勉強しないとだめなんだろうな」というインプットのもと、受講を開始した覚えがあります。
自分を追い込める環境をつくりたかった
田中:僕も、自分を追い込める環境で受講したかったというのが、受講の大きな理由ですね。僕が受講していたスクールでは、「ティーチング(授業)」も週1回含まれていたこともあり(※1)、自分の中では「コーチングスクール」としてはっきり切り分けて捉えてはいなかったです。
※1 :英語コーチングスクールでは、「ティーチング(授業)」の有無は、スクールごとに異なります。コーチングや学習コンサルティングに特化したサービスでは、個別の学習設計や毎日の進捗管理を行う一方、レッスンそのものの提供は行われません。
飯塚:私は、コーチングスクールだと認識していたと思います。自分一人で毎日コツコツ勉強できるタイプではないので、お金を払って、自分に圧をかけて、「この期間はやらねばならぬ」という状況をつくるために、色んなスクールにお金を投じていた感じでしたね。
自分に合った効率的な勉強方法を知りたかった
飯塚:受講前、特にライティングに関して「正しい英語を身につけたい」と思い、文法書や英語学習法に関する本を沢山読んでいたのですが、自分一人でできることに限界を感じていました。「今の自分」にどういう勉強法が合っているかって、分からないんですよね。何が自分の強み・弱みなのかも、分からない。
「より正しい英語を身につけたい。かつ、今の自分に合った効率的な勉強方法を知りたい」と思って試行錯誤した結果、コーチングスクールにたどり着いたという感じでした。
Q:実際に受講したスクールを選んだ理由は?
ウェブサイトや校舎の雰囲気
飯塚:もちろん、金額やサービス内容では各社を比較検討していましたが、それ以外だと「スクールのウェブサイトや学校の雰囲気がおしゃれか」という点をみていました。オフィスのような無機質な空間ではなくて、居心地が良さそうな感じで、とか。その雰囲気が、スクールの信頼感にもつながっていた記憶があります。
知人からの紹介
田中:僕は、紹介だったので、他のコーチングスクールを比較検討はしていなかったです。
加藤:僕も、「スパルタ英会話」に関しては、先ほども言った通り、知人に薦められたので。「厳しいところなんだろうな」というイメージで行きました。「PoL」は、(業務に直結する)ブロックチェーン特化の英語学習サービスということで選びましたね。
英語コーチングスクールの受講内容と、実際に体験した感想・成果
※各社のプログラム内容は、座談会参加者個人の受講当時のものです。
Q:プログラムの主な内容と、受講の感想は?
英語に触れられる時間が長い
加藤:「スパルタ英会話」の個人レッスンは、ビジネスの場で自分を紹介できるようになろうというプログラムだったと記憶しています。また、グループレッスンを時間制限無しでいくらでも受けられるので、英語にさらされる時間は長かったです。グループレッスンと個人レッスンを含めて、週に2、3回くらい通っていました。
毎日3時間の英語学習
加藤:2019年に受講した「PoL」では、毎日3時間勉強していました。「単語の暗記」「瞬間英作文」「シャドーイング」「多読」を、それぞれ45分前後、毎日取り組んでいましたね。
田中:僕も、毎日3時間勉強していました(※2)。
授業は土曜午前中の週1回だったんですが、授業のための宿題があって、その量が1日3時間分くらい。平日に合計15時間くらい勉強して、土曜の授業に臨むという形式でしたね。それを半年間続けるので、結構大変でした(笑)。
※2 :英語コーチングスクールでは、1日3時間前後の学習を課されることが一般的です。
自分を追い込める環境
田中:しかも、15時間分の宿題の提出期限は、日曜夜と、火曜、木曜とかに区切られているんです。「この日までに、これを提出してください」という感じなので、どこかでまとめて取り組むのではなく、本当に毎日勉強し続けないと置いて行かれてしまう、という環境に追い込まれていました。
でもやっぱり、それだけ学習時間を確保できた分、英語力が伸びた実感はありますね。
飯塚:自分を追い込めるのは、コーチングスクールの良い点ですよね。私も「ENGLISH COMPANY」では、週2回の対面トレーニングの際に毎回単語テストがあったので、常に単語帳を持ち歩いて、ひたすら単語を覚えていた記憶があります。仕事の休み時間に、同僚が隣でご飯を食べているときも、ずっと単語帳を開いていました。
シャドーイングやチャンクリーディングなど、多様な英語トレーニング
飯塚:あとは、ディクテーション(※3)や、シャドーイング(※4)のトレーニングもありましたね。特に印象に残っているのが、英文を意味の塊ごとに区切って読んでいく、チャンクリーディングです。スラッシュを入れながら読んでいくのですが、「こんな方法があるのか」と。知らなかった学び方を知れたのは、すごく良かったです。
その後に受講したスクールでも、主にシャドーイングとチャンクリーディングを行っていました。
田中:僕の通っていた学校では、教材にハーバードのMBAのケーススタディを使っていて、その英文でチャンクリーディングを行っていましたね。英文をチャンク(意味の塊)ごとに区切って徹底的に読んで、授業までに内容を頭に叩き込んでいく必要がありました。
シャドーイングに関しては、CNNニュースやTOEIC音源を題材とした宿題がありました。英語音声を吹き込んで提出すると、発音や抑揚などについて丁寧にフィードバックをもらえて。提出期限があるので、自分の納得のいく録音を期限内に提出できるように練習を繰り返していました。
※3 ディクテーション:英語を聞き取り、文字に書き起こすトレーニング
※4 シャドーイング:流れてくる英語音声のすぐ後に続き、抑揚などを真似てリピートするトレーニング
Q:英語コーチングスクール受講後の変化は?
英語を英語のまま理解できるように
田中:先ほども言ったように、チャンクリーディングで「英語を前から訳す」という学習を半年間続けたことで、英語を英語の語順でちゃんと理解できる感覚がついたのは大きな変化でしたね。英語を英語のまま読める、聞けるシーンが増えました。
強み・弱みを把握できたことで、自信が持てるように
飯塚:私は、担当トレーナーから、「ここはできますね、得意ですね」と、自分の強みを教えてもらえたことで、ちょっと自信が付いた記憶があります。
受講前は、漠然と「英語できない。全部できない」ともやもやしていたのが、「あ、この部分はマシそう。ここは、もうちょっと」のように、自分の強みと弱みをきちんと把握できたのが良かったです。
英語への抵抗がなくなった
加藤:英語への抵抗がなくなったような気がします。たとえば、Twitterで英文が流れてきたら、以前は「うっ」となっていましたが、それがなくなりました。
Twitterだと、使われる英語表現も、スクールで習った英語表現より砕けていたりするじゃないですか。そんな場面でも、「どういう言い回しをするんだろう」と、英語に興味を持てるようになりました。映画など、英語で話されている動画も、日本語字幕を読むのではなく「英語で聞いてみよう」とか。
そういう風に、英語に対してポジティブな姿勢をとれるようになったのが、1番良かったことなんじゃないかと思います。
学習に取り組む姿を見て、周囲の人も学び始めた
加藤:あとは、友達の前で勉強をしなくちゃいけない瞬間も多かったのですが、そうすると、「あの姿を見て、自分も勉強を頑張ろうと思った」「スクールに通い始めた」という反応もありました。それを聞いたときは、ちょっと嬉しかったですね。
受講期間中は大変でしたが、受講後には、「もっと前から、正しいやり方を知った上で、毎日3時間勉強しておけばよかった」と思いました。そうすれば、こんなに遠回りしなかったな、と。英語力が伸びたことで、仕事においても、道が開けた感覚があります。
英語コーチングスクール検討者へのアドバイス
Q:英語コーチングはどんな人におすすめ?
英語学習への強いモチベーションがある人
加藤:「何がなんでもやる」という覚悟か、もしくはそういう状況が必要だと思います。そうでないと、続けられないんじゃないかなと。
自分が1日3時間勉強していたときは、会社の昼休みも、行きの電車も帰りの電車も勉強して、さらに家でも1、2時間勉強して、みたいなスケジュールだったので。それを踏まえた上で、「英語を使って、やりたいことがある」という人には、英語コーチングはおすすめですね。
もし、そこまでではないのであれば、まずはコーチングではない他のサービスからステップアップしていって、必要なタイミング・瞬間が来たときに、コーチングを受ければいいんじゃないかなと思います。
自分に合った勉強法を知りたい人
飯塚:金額感が張る、時間がすごくとられるサービスについては、時間とお金をちゃんとかけられる状況にまずあるということと、それだけの気合が存在することが必要ですよね。
ただ、私が英語コーチングの受講を検討しているときには、ある程度高いし、ある程度時間もコミットさせられるけれど、そこまでではないスクールもあったんですよね。なので、そういうプログラムに関しては、自分の現状を把握したい人とか、自分に合った勉強法を知りたい人には、すごくおすすめです。
たとえば、「英語勉強法に関する本を、書店に行くとよく手に取っちゃう」みたいな人には、すごくおすすめかなと思います。私がまさにそうで、いくら本を読んでも、自分に合っている学習法が分からなかったので。
「海外旅行に行ったときに、なんとなく英会話ができればいいや」という感じのテンションというより、英語で議論をしたいとか、仕事で英語を使いたいとか、もう少し強いモチベーションがある人の方が、英語コーチングは合っているかなと思います。
環境から追い込みたい人
田中:環境から追い込みたい人に、おすすめですね。僕自身、自習室とかに行かないと勉強できないタイプの学生だったんですが、そういうタイプの人には、英語コーチングはかなりマッチすると思います。環境面から追い込むことで、自然と英語を勉強せざるを得ない状況になるので。
TOEICスコアアップを目指したい人
田中:「短期間集中して、がっつり英語を勉強したい」というモチベーションが高い人が、英語コーチングを選択すれば、英語力は伸ばせると思います。僕も、TOEICのスコアをはじめ、それ以外の部分でも英語力が伸びた実感があります。
加藤:たしかに、TOEICでスコアアップを目指している人には、ゴールと期限を明確に定める英語コーチングは合っていると思いますね。僕は、メディアを運営するために英語を勉強していたので、TOEIC自体が受講の目的ではなかったんですが、それでも、受講前と比べて300点くらい伸びました。
飯塚:私も、受講を通して自分の強みと弱みに気づけたことで、その後TOEICを受けた際には、効率的に対策に取り組めましたね。
Q:受講の注意点は?
飯塚:「卒業後も日々学習を継続しないと、成長しない」ということです。その期間だけ取り組んでも、やっぱり、忘れてしまうので。身につけた英語力を維持するためには、卒業後もサボらないことが大切です!
田中:プログラム内容がハードだと、その分、受講期間が終わったときの解放感も大きい。身につけた学習習慣を崩したくない人は、特に、卒業直後のタイミングの意識が大事ですね。
英語コーチングスクールを実際に受講した3名に、それぞれの体験について語ってもらった今回の座談会。学習内容と量、受講後の変化などについての体験談を通して、英語コーチングスクール受講の具体的なイメージが湧いたのではないでしょうか。
受講期間や料金体系、通学形式など、英語コーチングスクール各社では、様々な特徴を持つプログラムが提供されています。英語力を伸ばす手段として、コーチングスクールの活用を考えている方は、優先事項を踏まえた上で、各社を比較検討してみてください。
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English Hub 編集部
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