ビジネス特化型のオンライン英会話学習サービス「Bizmates」を展開するビズメイツ株式会社(以下、ビズメイツ)が6月から国内企業向けに外国人労働者紹介事業を開始することを発表しました。同社に英会話講師として応募した累計20万人のフィリピン人の中から選ばれた、高いスキルをもつIT人材を国内企業に紹介していきます。紹介する際は、正社員として紹介するだけでなく、採用後は日本企業と海外人材双方に語学を教え、また、異文化に対応できるようにするなど支援していく方針です。
ビズメイツが同事業に参入する背景には、日本のIT業界が売り手市場であること、また、IT人材不足が見込まれることがあります。厚生労働省が発表したデータによると、2018年3月時点の情報処理・通信技術者の有効求人倍率は2.47倍となっています。また、経済産業省が発表したデータによると、2030年には78.9万人のIT人材が不足する見込みです。
そうした背景がある中、日本国内における外国人労働者は2017年には約128万人となり、4年前と比較して約2倍近く増加しています。ただ、未だに海外在住の労働者を採用するための国内のプラットフォームは確立されているとはいえず、国内企業が海外で採用活動を行うとなると多大なコストと労力を要しているのが現状です。今後、ビズメイツはこうした課題を解消する一端を担っていきます。
現在、フィリピンは英語運用能力が高いフィリピン人が多いことから欧米の大手企業のコールセンターをはじめとするBPO(Business Process Outsourcing)の拠点となっているだけでなく、フィリピンにおいてIT/BPM(Information Technology and Business Process Management)産業と呼ばれている重点産業7分野(ボイスBPO(コールセンター)・ノンボイスBPO・ソフトウェア開発を含むITアウトソーシング、医療情報管理、エンジニアリングサービス、アニメーションやCGなどのクリエイティブアウトソーシング、ゲーム開発)が目覚ましい発展を遂げています。
IT/BPM産業は、フィリピンのIBPAPのデータによると、2022年まで年9.2%の成長を続け、売上高は38.9億米ドルになると見込まれています。また、同産業において毎年10万人分の雇用が生まれ、2022年にはIT分野における正規雇用労働力数が180万人に上るともいわれており、IT人材の著しい増加が予想されます。
人口1億人を超え、その平均年齢は23歳と、今後の発展が期待されるフィリピンの優秀なIT人材を紹介するビズメイツのサービスは、国内企業のニーズにマッチするサービスとして拡大していきそうです。
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【参照ページ】IBPAP
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