9月にも訪日外国人が2000万人を突破したというニュースが報じられ、訪日外国人は今後ますます増えることが見込まれています。そんな中、日本でTOEIC® Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が、全国の20~50代の男女1,000名を対象に「訪日外国人へのおもてなしと英語学習に関する実態調査」を実施しました。
調査では、外国人へのおもてなしとして用意した方がよいもの、英語がどの程度得意か、英語力があがればやりたいと思うこと、英語力を伸ばすためにどのようにすればよいか、英語関連の資格試験の受験経験、伸ばしていきたいスキルといった項目に対して質問されました。どのような回答があったのか、それぞれみていきましょう。
まず、外国人へのおもてなしとして用意した方がよいものについては、「英語・英会話の習得」が50.4%、次いで「道路標識などの英語表記」が46.9%で、言葉(コミュニケーション)に関するものが上位となりました。
続いて、英語が得意かどうかについては、得意だと思っている人は18.1%、苦手だと思っている人は81.9%でした。得意だと思う人が得意だと思う理由としては「新聞、雑誌、ネットニュースを読んで理解できるから」「メールやSNSなどで日常的に使っているから」などがあげられる一方、苦手だと思う人が苦手な理由としては「普段英語を使う機会がないので物怖じしてしまうから」「単語や文法に自信がない」「試験の点数が悪かったから」などの回答がみられました。
得意な人は英語の内容を理解することができ、日常的に英語に触れることができる機会があるようです。一方、苦手な人は、そもそも英語に触れる機会が少ないことによる抵抗感や、文の構造が理解できないこと、あるいは過去に失敗したという感覚をもってしまっていることから今もその感覚をもったままとなっているようです。
英語力があがればやりたいと思うことについては、1位が海外旅行で41.9%でした。次いでニュースや映画を字幕なしで見たいという人は34.0%、街中で外国人とコミュニケーションをとりたいという人は29.8%でした。日本語と同じように英語を操ることができれば、見たことがない景色を楽しみながら現地の人と英語での交流を楽しむこともできますから、こうした希望をもっている人が多いこともうなずけますね。
それでは、英語力を伸ばすためにはどのようにしていけばよいのでしょうか。その質問に対しては、49.2%の回答者が「英語に触れる機会を増やす」こと、38.3%が「英語を学ぶ時間」、32.7%が「勉強や練習を続けるモチベーション」と答えており、まず、英語を使う機会、時間を増やすことが課題だと感じていることがわかりました。たしかに英語を必要だと感じる機会がなければなかなか取り組むことができないですから、そのように感じている方は、まず英語関連の資格試験受験のための学習に取り組むことで学習時間を確保し、モチベーションを高めるのも一つの手です。
とはいえ、そもそも英語に苦手意識がある場合、英語の資格試験を受験しようとも思わないのではないでしょうか。その結果を裏付けるように、英語資格試験経験者は29.9%と3割を切っており、受験した理由としては「学校・会社で受験させられたから」が51.2%、続いて「今の自分の能力を確認したいから」が32.8%、「履歴書の資格取得欄に記載したいから」が18.1%でした。受験したことがある人の中でも、受動的な理由で受験する人が半数以上であることから、英語を得意にしたい場合、なんらかの課題意識や取り組む楽しさを感じながら英語に取り組み、ある程度練習した後に資格試験に臨むといった能動的な行動にシフトしていく必要がありそうです。
英語を学ぶにあたって伸ばしていきたいスキルは何かという質問に対しては、語学学習のスキルを「聞く」「読む」「話す」「書く」の4つに分けた中で、「聞く」が1位、「話す」が2位、「読む」が3位、「書く」が4位となりました。相手の話すことを理解したうえで話すのですから「聞く」というスキルはどの言語においても大切です。このスキルを伸ばすには、実際に音声を認識することから始まりますから、実際に話している人から教えてもらうか、話している人の音声を聞き、動画を見ながら、音読し、意味理解をする訓練を積み重ねていくのも有効です。
最後に番外編として英語で困ったエピソードもいくつか挙げられており、海外旅行では注文した商品と違うものがでてきたり、風邪をひいてしまったときに病院での説明にてこずったりといったことから、国内ではきっぷの買い方や目的地への行き方を質問されてもうまく答えられなかったといったことなど、それぞれ困った経験に苦い思いをしたことがある様子がうかがえます。
外国人の方におもてなしをするときにも、普段のコミュニケーションをとるときにも、お互い楽しくいられるよう、まずは相手に伝わるように、自分が使いやすく伝わる実感を得られる英語を学んでいけたらいいですね。
English Hub 編集部
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