今、英語を学んでいる社会人の間で人気を集めているのが、コーチング式の英会話スクールです。これまで英会話スクールといえば全国にチェーン展開している大手の英会話教室への通学が一般的でしたが、最近ではコーチング式の英語スクールが都心を中心に続々と開講しています。
数あるコーチング式の英会話の中でも、学習継続率が91%、受講生満足度も95.7%と非常に高い顧客満足度を実現しているのが「トライズ(TORAIZ)」です。コーチング式の英会話スクールには珍しく、グループレッスンの受講もできるなど、学習仲間を作りながら、「英語を1年間集中して学びたい」と考えている社会人の方におすすめのプログラムです。
トライズの代表取締役である三木雄信氏は以前、English Hubの「世界を舞台に活躍している日本人トップビジネスマンの方に英語学習の秘訣を聞くインタビューシリーズ」でもお話をしてくださいました。英語とは無縁だったキャリアの始まりから、ソフトバンク孫正義社長の秘書として世界を飛び回り、英語を1年で習得するまでに至ったストーリーをお伺いしました。
今回English Hub編集部ではそんな三木氏が、超多忙なソフトバンク時代に編み出した英語学習方法を磨き上げ、立ち上げたトライズの裏側についてお話をお伺いしてきました!
三菱地所株式会社を経て、ソフトバンク株式会社に入社。27歳で同社社長室長に就任。英会話は大の苦手だったが、ソフトバンク入社後に猛勉強。仕事に必要な英語だけを集中的に学習する独自のやり方で「通訳なしで交渉ができるレベル」の英語をわずか1年でマスター。2006年にはジャパン・フラッグシップ・プロジェクト株式会社を設立し、同社代表取締役社長に就任。同年、子会社のトライオン株式会社を設立し、2013年に英会話スクール事業に進出。2015年には1年で英語をマスターできるプログラム『トライズ(TORAIZ)』を開始し、日本の英語教育を抜本的に変えていくことを目指している。著書に『世界のトップを10秒で納得させる資料の法則』『人生最後の英語鬼速やり直し』などがある。
インタビュー目次
トライズが教えるのは、プロジェクト式の英語学習
Q:トライズの特徴を教えてください。
英語学習を「プロジェクト」として考えているところです。プロジェクトを成功させるためには「ゴール」「納期」「コスト」の3つの要素を決めることが大切です。この3つさえ決まっていれば、あとはそれに必要なものを洗い出して実行すればいいだけなので、1番効率がいいのです。
日本人はひたすら完璧な英語を身につけようとしてしまう傾向にありますが、英語を話す人口の78%は非ネイティブで、ほとんどの人がなまりのある英語を話しています。トライズでは、完璧な英語ではなく、本当に必要な英語だけを身に付けるために、目標達成に必要となる英語学習に絞りこみ、いらないものは切り捨てます。
英語を学ぶ目的は人によって異なり、受講生の英語力も違えば、適している学習方法もそれぞれ違います。トライズではコンサルタントがひとりひとりに最適化されたルートマップを提供し、受講生は1年で1000時間の英語学習をします。楽ではないですが、だからこそ成果が出ます。
目指すのは孫社長の話す「シンプルな英語」
Q:トライズの英語学習の中で、切り捨てているものはなんですか?
僕はソフトバンク時代、孫正義社長の秘書として、孫社長が参加するすべての会議に同行していました。孫社長が海外の大物を相手にしても堂々と英語でビジネスをしている姿を近くで見ていたわけですが、その中で感じたのは、孫社長の英語はとてもシンプルであるということです。
孫社長の英語は実際、かなり日本語なまりで文法も単純な中学文法しか話していません。このことから、使える英語を話すうえで「発音はあまり重要ではない」ということがわかります。
僕は、トライズの講師たちにも「発音は直さなくていい」と伝えています。受講生が発音を気にし始めてしまったら、思うように話せなくなってしまいます。そのためトライズでは発音よりも、受講生が頭の中ですでに持っている知識を使い、英語を話すにはどうしたらいいかを、スピーキングストラテジー(応用言語の方略)に基づいて教えています。
方略というのは、「自分がもうすでに持っている知識をどう運用するかの練習」です。会話のキャッチボールの中で、相手の英語が理解できなければ「I don’t know(わかりません)」や「what does it mean?(それはどういう意味ですか?)」などときちんと聞き返します。そのために、難しいことが必要であるわけではなく、大事なことは持っているものの中から取り出すことです。
日本の英語学習は、知識のインプットが型となっていますよね。単語や文法は知っていても、全部脳の中に入っているだけで使われていないのです。そればかりやっていては、英語知識メタボになってしまいます。もう日本人のそれなりのビジネスパーソンであれば、インプット自体はあまりやる必要がないのです。重要である「インプットされているものを取り出す訓練」は、人とのやり取りの中でしか身につきません。
本当に仕事で英語を使いたいと考えている人は、ネイティブが実際に日常で使っている英語を聞いて学んだほうがいいです。例えばTOEICのリスニング教材などは、アナウンサーがきれいな英語で文章を読んでいるので実際に現場で使う英語とは異なります。生きた英語を学ぶという意味では、映画の教材などが適しています。どうしても最初からそれが難しいという人は、準備体操として簡単な教材を使ってもいいとは思いますが、基本的に映画のDVD1本を完璧にシャドーイングすることができて、そのシンクロリーディングも全部できる段階までくれば、英語が聞けないという人はほとんどいないのではないでしょうか。
5,000回以上のVersantデータが示す「死の谷」 とは?
Q:受講生の英語学習の成果はどのように測っているのでしょうか?
トライズの受講生には、ピアソン社の「Versant(ヴァーサント)」という英語能力試験を1ヶ月に1度受験してもらっています。定期的に上達度を測ることで、ご自身で設定されたゴールにきちんと近付いているかを確認します。
トライズが教えるプロジェクト型の英語学習では、このVersantを利用したPDCAサイクルを大切にしています。英語学習も、プロジェクトと同じで、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のサイクルを繰り返すことが必要なのです。評価は曖昧なものでなく、数値できちんと示し、レベルアップした部分と足りない部分を見つけて今後の対策を検討する必要があります。
トライズでは、5,000回以上の受講生のVersantスコアをデータ化して分析しています。ここでポイントになるのが、受講生のVersantスコアには英語力の伸び悩みを感じる「死の谷」があることです。これは4ヶ月目と9ヶ月目にあり、実は僕らが英語を学習するときには全員同じことが起きるんですよね。
Versantスコアは英語学習者のカルテのようなものだと思ってもらえればいいのですが、Versantスコアの中でも「発音」をよく見ると、ほとんどの方が4ヶ月目に一度スコアが下がり、さらに9ヶ月目でもう一度下がっています。何が起きているのかと言うと、いわゆる英語の音声は、英語学習4ヶ月目の時点ではまだ脳が音声として受け取ることしかできていないのです。4ヶ月続ければ、聞いたものを真似して口に出すことはできるようになります。しかし、この段階では脳がまだ、意味を理解して受け取ることができていないのです。
そして学習者が会話の意味を理解できてくるのは6ヶ月目で、意味がわかった上で会話ができるようになるのが死の谷から3ヶ月目や4ヶ月目の段階になります。ここでは、英語の意味を理解しようとするための回路が脳の中にできようとしています。そのため、できかけているときは脳の燃費が悪く、処理能力がかなり遅くなります。
そのため、この段階ではみんな発音にまでは気が回らないのです。しかし代わりに、文章構文はどんどん伸びます。この段階を超えると6ヶ月目あたりで、ある日突然英語が聴けるようになるのです。留学をした人が6ヶ月くらい経つと、「ある日突然英語が聴けるようになった」とよく言いますよね。これは英語学習者全員にある、普遍的なモノなのです。この流れをトライズでは、始動・停滞・成長・完成期と名付けています。
Q:停滞期にある受講生のモチベーション維持の工夫は何かしていますか?
英語学習の「死の谷」については、コンサルタントから受講生にあらかじめ説明します。そうでないとみなさん、投資効果が出ないので英語学習にやる気をなくしてしまうのです。理由を知らずにVersantスコアが停滞してしまうと、自身の英語学習方法に迷いを感じてしまいます。
英語学習の6ヶ月目から9ヶ月目の間は音声を聞けることはできても喋れずに悩む方が多いです。そして、9ヶ月目に第二の「死の谷」を超えると何が起きるのかというと、今まで頭の中で作るのに時間がかかっていた構文が自然と出てくるようになり、流暢さがぐんと上がります。その代わりに脳を稼働させるCPUパワーが、流暢さを出そうとする回路に燃費が悪く使われるため、この段階で発音が下がります。これは全員に共通していて、データで明快に出ています。
英語学習には4ヶ月目と9ヶ月目に死の谷があるお話をしましたが、これを一人で超えるのは大変なので、だからこそコンサルタントがいるのです。意味理解ができるのが5ヶ月から6ヶ月、自動化して話せるようになるのに10ヶ月かかります。死の谷とは、脳に回路ができるタイミングなのです。
グループレッスンでモチベーションを保つ
Q:パーソナルコーチングにグループレッスンを導入したのはなぜでしょうか?
グループレッスンを導入した背景には、僕自身の原体験があります。ソフトバンク時代に毎日英語学習を続けられたのは、やはり仲間の存在が大きかったと思っています。そもそも英会話教室に毎朝集まるような人たちはよっぽど切羽詰まっているので、みんな英語に対して本気で取り組んでいるんですよね。彼らとは今でもつながっていて、毎年クリスマスに集まっています。そういう関係を作ることが、間違いなく英語学習のモチベーションにつながると思っているので、これを今トライズで再現しています。
Q:実際に、グループレッスンはどのようなことをやるのですか?
ネイティブ講師1人と最大4人の受講生で、英語を使う現場を想定したディスカッション形式のレッスンを行います。これはなるべく、全員に共通するテーマで行います。例えば、製薬会社の人を集めて、医薬品をテーマにしたり、経営者だけのクラスでビジネスのことについてディスカッションしたりします。
グループレッスンのメンバー構成は、受講生の職種や年齢、英語を学ぶ目的などで必ず分けます。受講生の職種はお医者さんや大企業の方、経営者の方など幅広いので、なるべく近い企業の方同士で構成しています。なぜなら、お互いの情報をもう既に共有していて、前提知識がある上で議論をすると毎回内容が濃い議論をすることができるからです。毎回知らないグループに入ったり、知らない人とスカイプ英会話をしても、効率的に英語学習はできません。スカイプ英会話を1年やったけれどなかなか英語がうまくならず、トライズに来たという方もいます。
どのグループも仲が良く、メンバーで飲みに行くこともあるようです。僕らは単にレッスンを提供しているわけではなく、英語を学ぶ環境やコミュニティを提供しています。これこそが、トライズの受講生が1年間英語学習を続けられる大きな理由だと思います。
Q:プライベートレッスンはどのようなことをしているのでしょうか?
オンラインで実施するネイティブ講師とのマンツーマンのレッスンです。基本的に受講生の目的に合わせて柔軟に行います。例えば、ニュース記事を読みながらそれについてディスカッションをしたり、大学教授の方ですと授業をやって質疑応答を受けるロールプレイングをしている方もいます。
トライズのコンサルタントは、逃げない
Q:コンサルタントの方は、受講生の方とどのような関わり方をしているのでしょうか?
毎日、メールでの学習報告を受講生から提出いただいています。その内容に関するアドバイスを、専属のコンサルタントがメールでお伝えしています。また、トライズオリジナルのアプリケーションで学習時間を報告をしてもらうことで、日々のモチベーションを維持することができます。
あとは人によって適した英語学習のタイプが違うので、コンサルタントがいることでその人にあった学習方法を提案することができます。受講生の中には、音声を聞くことだけ得意な人もいたりするんですよね。音楽をやっていて絶対音感があるという人なんかは、耳で聞いたものをそのまま再生できる場合もあります。そのような方は、シャドーイングは完璧なのですが、いつもとは違う教材やネイティブレッスンなんかをやっていただくと全然できないということもあります。そのような方がいれば、シャドーイング学習ではない別の方法が適しているので、コンサルタントが他の学習方法を提案します。
Q:受講生の満足度が高いですが、その要因は何だと思いますか?
コンサルタントが受講生にきちんと向き合っていることが一番大きいと思います。あとはみんなゴールから逆算しているので、投資対効果をはっきりと感じられるところです。やはり、Versantで自分の英語学習の進歩が数値化されるところがいいと思います。具体的な数値で自分の立ち位置が分からなければ、自身の勉強方法に迷いが応じて、一年間も続けられないと思います。
自分で英語力が伸びたかどうかってあまりわからないと思うんです。一人だと続けられないんですよね。トライズのコンサルタントは、ひとりひとりのVersant結果を見ながら、スコアが悩む苦しい4ヶ月目と9ヶ月目こそ受講生と並走します。
トライズで得られるのは、自己肯定感
Q:目標設定以外で差が出るところとはどんなところでしょうか?
英語学習は、ポジティブにやらなければいけないと思います。自分はできないと思っていたら、声も小さくなるし、英語も上手くなりません。やはり、ポジティブであることが大切です。日本人的な過剰な謙遜は、語学習得にはとても不利なので、遠慮をしないことが大事です。トライズで得られるのは、自己肯定感です。なぜかというと、自分がすでに持っているもので英語を話せるようになるという方略がわかるようになるので、肩の力が抜けて、自然体で英語が話せるようになります。完璧じゃなくても、伝わればいいのです。
受講生がトライズを卒業する頃には、無意識で自動的に英語で文章を作ることができるようになります。あとは英語を使うことに対して抵抗感がなくなるので、今まで隠れて英語の電話を受けていた方でも、人前で堂々と話せるようになります。要するに、自信がつくのです。一番大事なことは、英語は道具なので、完璧になる必要はないということです。
Q:受講生の方には、どのようにトライズを活用してほしいですか?
トライズのカリキュラムは、どんな受講生のゴールにも合わせられるので、まずはできるだけ自分のゴールを詳しく考えてほしいです。1ヶ月後のゴールだけではなく、1年後のゴールまで考えていただき、できれば自分で英語を使うイベントを作ってほしいです。
例えば、自分で海外のカンファレンスに参加する予定を入れてチケットを買ってしまうとか。それ以外にも、社内で外国人のアテンドなどをやる機会があれば、自分から手を上げて参加したりするなど、できるだけ英語に関わるイベントを増やすことが重要です。そのようにして、1年間走り続ければ密度高く英語学習ができると思います。
Q:新しく開始された3ヶ月プランも楽しみです。
そうですね。10月1日から新たに3ヶ月からトライズのレッスンを受けられるプログラム、「トライズ Wコーチング&レッスン 3ヶ月 (全額返金あり)」を受付開始しました。
今回新たに開始される3ヶ月プログラムは通常の1年間のプログラムと内容は変わりませんが、学習習慣が身につくまでの最初の3ヶ月間サポートを受けられます。具体的には、専任のコンサルタントによるコンサルティングとコーチング6回に加え、ネイティブ講師による英会話レッスンを、センターでの少人数グループレッスンが12回、オンラインでのプライベートレッスンが24回、合計36回受けることができます。
もちろん、3ヶ月コースのプランでも学習目標は1年で計画を立てます。プロジェクトとして英語学習に1年かかることはわかっていますから。「W」には、コンサルタントがコーチングするだけでなく、ネイティブ講師の英会話レッスンもコーチング志向であることを示しています。
英語学習者へメッセージ
楽な英語学習方法を説く本やスクールはたくさんあります。しかし結果として、一定期間でのゴールやコストを明確にしないで、「楽そうな方法だから」と英語学習を始めてしまい、結果として失敗してしまった人も多いのではないでしょうか。そもそも、身の回りに2、3ヶ月で英語を話せるようになった人がいますか?ゴールを明確にすることで、教材の選択などのロードマップが明確になり、結果トライズでは受講生がVersantで50点弱を取り、一人で出張して英語で質疑応答ができるレベルまで成長しています。
ネイティブではない以上、英語学習に終わりはありません。僕らの卒業生も、発音を良くしたいなど、ジャンルを広げて次の目標を作り、英語学習を継続しています。英語学習は、自分が生きていてゴールがある限り、終わりなきものなのです。
トライズは、英語学習をプロジェクトとして考えています。なんとなく英語を話したいではなく、海外で起業したい、英語で電話会議をやる必要がある、海外事業部門に移りたいなどの具体的な目標がある、本気の人に来て欲しいです。
編集後記
忙しいビジネスパーソンが1年間で1000時間の英語学習をすることは、並大抵の努力ではできません。英語学習にPDCAサイクルを取り入れることで、目標に最短距離で近付くことが可能となります。大事なのは、「明確な英語学習の目標を決めること」です。
トライズではその目標に向かう過程の中で、自身の立ち位置を把握することができる「Versant」があり、英語学習の方向性があっているかを確かめることができます。さらに、専属のコンサルタントとネイティブ講師と二人三脚で進めていくこと、グループレッスンでかけがえのない英語の学習仲間と出会えることが、トライズが提供する価値でもあります。これらのすべての要素があるからこそ、受講生は忙しい中でもモチベーションを保ちながら、1年間英語学習に集中することができるのだと感じました。
これまで、トライズの「1年間」というプログラムの長さにハードルを感じてなかなか学習を始められなかった方のために、3ヶ月という短期間の「トライズ Wコーチング&レッスン 3ヶ月 (全額返金あり)」も開始しました。「人生で英語を本気で学習するのはこれで最後にしたい。」と思う方は是非、トライズの無料体験講座を受講してみてはいかがでしょうか?
【参照サイト】トライズ(TORAIZ)の公式サイト
【参照記事】トライズ(TORAIZ)の評判・口コミを見る
English Hub 編集部
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