“should” は「~すべき」、“had better” は「~した方がよい」というのが、日本の英語教育では長年にわたって定訳ですね。日本語訳で考えると “had better” の方が柔らかい表現に思えますが、実際には逆。特に相手に向かって使う場合には、注意が必要な表現です。それぞれの本来の意味を、きちんと理解してみましょう!
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“should”と“had better”の使い分け
- “should” は、「~するほうが好ましい」という意見・アドバイスに
- “had better” は、「~しないと好ましくない事態を招く」という警告・脅しに
相手に使う場合は要注意
例えば、お気に入りの映画をおすすめするとき。以下の例文の違いは分かりますか?
- The movie is amazing. You should see it.
- The movie is amazing. You had better see it.
どちらも「この映画は見るべき」という趣旨ですが、ニュアンスが微妙に異なります。
“should” は「すばらしいから見た方がいいよ」という話し手の意見であり、好意的なアドバイスになります。実際には日本語訳の「~すべき」のような強い響きはなく、強制のニュアンスもないため、ネイティブスピーカーは気軽に色んな場面で使っている表現です。
一方 “had better” は、「映画を見ないとヤバイことが起きるよ」といった脅迫や命令じみたニュアンスを含む、とても強い表現。場合によっては相手を不愉快にさせてしまいます。
“should” はこんなとき
正しいと思うことや、望ましいと思うことには、“should” を。自分の意見やアドバイスを伝えたい時に使えます。
他人にどう思われてるか気にするのなんて、やめたほうがいいと思うよ。
この場合、「私ならそうするのにな」というニュアンスで、話し手の意見を述べています。なお、例文のように文頭に “I think” をつけると、よりやわらかな表現になります。
“had better” はこんなとき
“had better” は前述のとおり脅迫めいたニュアンスを含むため、相手に対して使うと押し付けがましい言い方にもなります。場合によっては失礼にあたることがあるので、使い方にはご注意を。
- You had better study harder if you want to pass the exam.
試験に受かりたいなら、もっと頑張って勉強しないとだめだよ。 - I think you had better go to see a doctor if you feel chronic pain in your chest.
胸に慢性的な痛みを感じるなら、医者に診てもらったほうがいいと思うよ。
前者の例文では、もっと勉強しなければ、不合格になる可能性が高いと話し手は思っています。また後者では、深刻な病気にかかっている可能性があるかもしれないと話し手は懸念しています。
こちらも “should” と同様、文頭に “I think” をつけることで表現を和らげることができます。また “You’d better ~“ と短縮形にすることでも表現がやわらかくなりますが、真面目な話の時など、あえて厳しく伝えたいときには、“You had better ~” と短縮せずに言いましょう。
まとめ
“should” がより良い結果を前提とした一般的なアドバイスであるのに対し、“had better” は悪い結果を避けるための、やや切迫したアドバイス、というイメージが憶えやすいかもしれません。
- You should wear a jacket. (You’ll be warmer.)
ジャケットを着たほうがいいよ。(温かくなるから) - You had better wear a jacket. (Otherwise you’ll catch a cold.)
ジャケットを着たほうがいいよ。(じゃないと、風邪を引くよ)
“had better” は非常に強い表現なので、基本的には “should” を用いるのが無難でしょう。
and more …
“should” の否定形
否定形の “should not (shouldn’t)” は、一般的によくない考えや、悪いことなどに対して使われます。
あの人、臭いが強いものをデスクで食べないほうがいいのに。嫌がる人もいるかもしれないから。
“had better” の否定形に注意
“had better do” の否定形は、“had better not do” になります。
花瓶割っちゃったって、お母さんには言わないほうがいいよ。すごく怒るから!
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