今回比べてみたい2つの単語は、名詞の “danger” と “risk”。どちらもよくないことが起こる可能性や危険性を示す名詞ですが、両者の間にはどのような違いがあるのか、類義表現と併せて確認してみましょう!
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“danger”と“risk”の使い分け
- danger:「危険」を表す最も一般的な語。自ら冒すことはない。
- risk:起こりうる好ましくない結果。敢えて許容したり、回避することが可能。
“danger” と “risk” の違い
“danger” は程度を問わず「危険」を表す最も一般的な言葉で、物に損害を与えたり、人を死傷させたりするような深刻な状況や “catastrophe”(大惨事、大災害)が起きてしまうような「危険」に対してよく使われます。“risk” とは異なり、通常 “danger” を受け入れたり、敢えて冒そうとする人はいません。
ちなみに、海や川などによくある「泳ぐな、危険」といった看板には、この “danger” が使われます。
類義語としては “peril”(怪我や死に関わるような大きな危険)が、対義語としては “safety”(安全、無事)が挙げられます。
- He is in grave danger.
彼は重大な危機に直面している。 - He promised to protect her from danger.
彼は彼女を身の危険から守ると約束した。
一方 “risk” は予測可能な悪い出来事や結果がもたらされる「可能性」を表します。「可能性」と言っても、“chance” や “opportunity” などとは異なり、“risk” の場合は常に悪い意味での「可能性」を示唆します。
“danger”の場合とは違って、全体としてより好ましい結果をもたらすように、一定程度の好ましくない出来事が起こる可能性を受け入れたり、そうしたことが起こる可能性をコントロールすることができます。
- We took a big risk by hiring him.
我々は大きなリスクを取って彼を雇った。 - If she takes out another mortgage, she runs the risk of losing her home.
自宅を二重に抵当に入れたら、彼女は家を失う危険を冒すことになる。
なお “danger” と “risk” のどちらも使えるケースは、以下の例文のような場合です。
- Smoking increases the risk [danger] of strokes.
喫煙は脳卒中の危険を増大させます。
※dangerを使った場合、脳卒中の可能性ではなく「重篤さ」が高まるとも取れます。 - Leaving small children unattended puts them in danger [at risk].
小さな子どもを置いて出かけることは、子どもを危険にさらすことになります。
and more …
他にもある「危険」を表す名詞
「危険」を表す様々な英単語をご紹介。
日本語でも「ハザードマップ」などでお馴染みの “hazard” は、人だけでなく、環境などその他のものに対しても危害を与える場合に用いられる傾向があります。(※一方で、“danger” は、比較的個人的な事柄に対して使われることが多いです。)
- Leaving a candle unattended is a fire hazard.
ろうそくを放置することは火災の危険につながる。
“jeopardy” は “danger” より形式ばった表現で、特に損失や危害をこうむる可能性に対して使われます。
- The scandal put the company’s reputation in jeopardy.
その不祥事のせいで会社の評判は失墜の危機に直面した。
“jeopardy” に最も近い表現として “peril” が挙げられますが、より深刻な、生命に関わるような危険に対して使われることが一般的です。
- The country’s economy is in great peril.
その国の経済は重大な危機に瀕している。
danger や risk を用いたフレーズ
“danger” や “risk” を用いたフレーズをご紹介。
- calculated risk
想定内のリスク、承知しているリスク例:We decided to take a calculated risk in investing in social networking sites.
想定されるリスクを取って、そのSNSサイトに投資することに決めた。 - fly into the face of danger
敢えて危険なことをする、危険を顧みずに行動する例:Whether it’s swimming with sharks or sky-diving, she likes to fly into the face of danger.
サメと一緒に泳いだり、スカイダイビングしたり。彼女は本当に危ないことをするのが好きだな。 - danger zone
もともとは文字どおり「危険地帯」の意味で、実際の「場所」や「区域」に対して使われていましたが、最近では比喩的に用いて人間関係などの困難な「時期」や「段階」、「局面」などに対してもよく使われます。例:I feel like our relationship is in the danger zone since I lost my job and have had to rely on her financially.
失業して彼女に経済的に頼らなければならなくなってから、僕たちの関係はちょっと危うい状態になったような気がする。 - at the risk of ~ing
~してしまうかもしれないがそれでも、敢えて~させてもらいますが例:At the risk of sounding repetitive, I’d like to remind readers of the advice I previously offered.
しつこいようですが、既にお伝えした私の忠告を読者の皆さんに思い出してもらいたいと思います。
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